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2008年4月

2008年4月30日 (水)

アイドルがずらり

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は韓国のアイドルユニット東方神起「Beautiful you」が獲得しました。これで2作連続1位となります。

よく、売れ線のミュージシャンに対して、「○○は人気があるというけど、私の周りには、ひとりもファンがいない。本当に売れているのか?」(例 ○○=B'z、浜崎あゆみ)なんて物言いがよくあるのですが、自分にとって東方神起はまさにそれで、ヒットチャート以外でほとんど話題にのぼることがないのですが・・・。

事実、極端に一部の固定ファンのみで支えられているというのは、チャートにもあらわれていて、はじめて1位を獲得した前作は、チャート1位の翌週には30位以下に落ち、わずか4週でベスト100から消えてしまい、「チャート1位獲得後の下落幅最大記録」「チャート1位獲得曲のベスト100滞在期間最短タイ記録(それももう1作は販売枚数限定)」という不名誉な記録をつくってしまいました。この作品は、もうちょっとがんばれるかな?とりあえず、4月29日付デイリーでまだ15位にランクインしているので、なんとか来週もベスト20には残れそうです。

今週は、この東方神起以下、アイドルの曲がずらり。ある意味、非常に最近のシングルチャート的なチャートとなっています。

4位に℃-ute、5位は同じく韓国系のリュ・シウォン、7位にw-inds、8位WaT、10位美勇伝と、男女それぞれのアイドルの新曲が並びました。ただ、どのアイドルも、一部の固定ファンの支持で人気を保っているのが残念なところ。そろそろ、特にジャニーズ系以外で「国民的アイドル」という人気を持つアイドルがあらわれてほしいところです。

そんな中で気を吐いたのが3位にランクインした坂本真綾「トライアングラー」で、自己最高位を記録。数多くランクインしている、声優陣の中で、音楽性が話題となり、幅広い人気を獲得している彼女ですが、タイアップアニメの人気もあってでしょうか、かなりのヒットとなりました。

で、これだけ初登場が多かっただけに、先週までのロングヒット組はすべてベスト10圏外へ。安室奈美恵が14位、ジェロも16位まで落ちてしまいました。巻き返しはあるか?

それから、ちょっと気になったのが、平井堅の新曲の初登場19位という不調ぶり・・・。アルバムからのリカットで、タイアップもあまり大きくないとはいえ、ちょっと気になるところです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

シングルチャートでもアイドル勢が席巻した今週のチャートですが、アルバムチャートでものニューアルバムが1位を獲得しました。てか初動22万枚って、アイドルって人気があってもアルバムだとそんなに売れないというイメージがあっただけにちょっとビックリかも。

それに続いたのがBENNIE Kのベストアルバム。なんか、「もうベスト?」という印象もあるのですが、既にオリジナルアルバム5枚、ミニアルバム2枚もリリースしていますからね。ベスト盤のタイミングとしてはちょうどいいのかも。

また、10位にLeona Lewis「Spirit」がランクインしてきました。彼女はイギリス出身のR&Bシンガーで、「イギリスのマライア・キャリー」などと呼ばれ、このアルバムもイギリス、アメリカのチャートでそれぞれ1位を獲得するなど、世界的な人気を獲得している今話題のミュージシャンです。日本では、いままでいまひとつだったのですが、ようやく人気が飛び火してきたみたいですね。今後、どれだけ人気を獲得するのか、楽しみです。

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2008年4月29日 (火)

60歳からのロックンロール

Shine a Light: Original Soundtrack

アーティスト:The Rolling Stones

Shine a Light: Original Soundtrack

The Rolling Stones最新のライブ盤。

いや、正確には、The Rolling Stonesのライブドキュメンタリー映画のサントラ盤という位置づけなんですけどね。

ま、言うまでもなく「ライブドキュメンタリー映画」の「サントラ」ってことは、事実上のライブアルバムってことですよね。

ただ、最近のライブ盤ということで、正直、あまり期待していなくて・・・買おうかどうか迷ったんです。だって、こう言ってはなんだけど、メンバー全員60歳過ぎだよ。還暦超えてるんだよ?かつての全盛期に遠く及ばないんじゃない??なんてことを思っちゃったりしてたんですが・・・。

ごめんなさいm(_ _)m

すっごくカッコイイです。

ってか、60歳超えて、このアグレッシブさって何?

いやね、確かに全盛期に比べればってのはあるかもしれないし、正直、少々「スタジアムバンド」的なライブのアレンジとか、もっとシンプルにサウンドを聴かせてほしいなぁ、なんて思う部分もあることはあるんだけど

The Rolling Stonesのグルーヴ感はいまだに健在。これぞロックンロールというバンドサウンドにはグイグイと引き込まれていきます。

語彙不足な自分で申し訳ないのですが

「カッコイイ」

まさにその一言につきるライブアルバムです。

評価:★★★★

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2008年4月28日 (月)

壮大な実験作

Ghosts I-IV

アーティスト:Nine Inch Nails

Ghosts I-IV

RADIOHEADといい、昨日紹介したThe Sharlatansといい、ダウンロード形式を用いた販売形態が話題になっていますが、Nine Inch Nailsも、実験的な形態でのダウンロード販売を実施してきました。(詳細はこちらのサイトで)

「5ドルでのダウンロード」
「10ドルでのCD販売」
「デラックスエディション(75ドル)」
「ウルトラ・デラックス・エディション(300ドル)」
「無料での一部ダウンロード」

こういう試みは非常におもしろいですね。私は、「5ドルでのダウンロード」で、本作を入手し、聴いてみました。

さて、実験的な販売形態ということで、前述の通り、RADIOHEADやThe Sharlatansと比較されることの多い作品なのですが、このような販売形態を取ったことに対する「意識」が両者とは大きく異なります。RADIOHEADもThe Sharalatansも、あくまでもダウンロードというのは、CD販売の代替手段としてとらえており、そこでリリースした作品も、通常のオリジナルアルバムでした。

しかし、NINの場合、この販売形態を通常のCDリリースと異なるものと認識し、作品をあげてきました。これだけ自由な販売形態をつかってきたのは、この作品が、NINにとって、壮大な実験作としてとらえているから。だからこそ、ファンにとってこの作品に感じる価値が異なると感じたからこそ、無料から300ドルまで、異なる販売形態を取ってきた訳です。

「GhostI-IV」と名付けられた本作は、「Ghost I」から「Ghost IV」までの4曲が収録されていますが、それぞれ9トラックづつ収録され、合計36トラックから構成されています。

そして、そこにおさめられた音楽は、実にバラバラ。冒頭、ピアノの静かな音色からスタート、2トラック目から、そこにノイズが重なり、徐々に音が分厚くなってきたかと思うと一転、ピアノとノイズが消え、リズミカルな打ち込みのリズムが鳴り響く・・・と実に多彩に展開していきます。

その後も東洋的な弦楽器が加わったり、エレクトロニカテイストが加わったり、いまでは死語になりつつある(苦笑)ビッグビート的な音が入ってきたり、NINの王道的なインダストリアルのサウンドが入ってきたり、全体的には、インダストリアル、ノイズ、ポストロックなどのテイストが強いものの、最初から最後まで、NINの壮大な実験が続き、最後は、冒頭と同じく、静かなピアノの音色で締めくくられます。

おそらく、この作品でいろいろと彼なりに音づくりをためした上で、ファンなどの反応もために、今後の道しるべとしていくのではないでしょうか。様々な販売形態がとれる今だからこそ出来る、非常におもしろい試みだと思いました。

そんな実験の成果なのですが、正直、この作品で、NINが、新たな世界を手に入れた、とは思いませんでした。ポストロックやらエレクトロニカやら、様々な実験的な音があふれている今、このアルバムに収録されている曲は、決して斬新ではありません。ただ、これだけの音世界を広げたからこそ、NINとしては何かつかんだのではないでしょうか。そういう意味では次回作が非常に楽しみになってきます。

前述の通り、実験的要素が非常に強い作品なので、気になる方は、「無料」か「5ドル」のダウンロードで試してみることをおすすめします。今後も、これに続くミュージシャンが出てくるとおもしろいですね。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

近未来の神話(MYTHS OF THE NEAR FUTURE)/KLAXONS

昨年話題になった新人バンド。ダンスミュージックと、60年代や70年代のテイストが漂うガレージロックバンド。試み的にはおもしろいし、個性的な音を出しているとは思うのですが、メロディーにいまひとつインパクトが欠けているような印象が・・・。とっつきはいいのですが、終わった後、いまひとつ印象に残らなかったです。

評価:★★★★

エアロスミス濃縮極極ベスト(Devil's Got A New Disguise)/Aerosmith

エアロスミスの全活動を1枚にまとめた、邦題どおり、彼らの活動を濃縮したベスト盤・・・にしても、すごい邦題だな(^^;;

エアロスミスみたいなゴテゴテのハードロックって、しょっちゅう聴いていると、クドすぎてお腹いっぱいになっちゃうんですが、時々、猛烈に聴きたくなりますね。ものすごく濃いとんこつラーメン、みたいな感じか?やはり、この手のハードロックは、素直に気持ちいいし、かっこいいのは間違いないですね。

評価:★★★★★

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2008年4月27日 (日)

ライブで聴いたら気持ちいいんだろうなぁ~。

Last Night

アーティスト:Moby

Last Night

Mobyというミュージシャンは、CDで聴くのとライブをみるのとでは、かなり印象が異なるミュージシャンです。

CDで聴く彼の作品は、歌モノがメイン。ダンスミュージックというよりも、アンビエント的な要素を強く感じられます。しかし、ライブではガラリと印象がかわります。アップテンポな曲の連続で、彼もまた、観客をあおるあおる・・・。すっごく楽しいライブで、絶対一度行ってみると、彼のライブははまると思いますよ~。

でも、そんな訳で、彼のアルバムは、相変わらず少々地味。ただ、女性ボーカルを全面的にフューチャーした今回の作品は、80年代的なテクノポップや、ディスコナンバーの雰囲気が強く感じられ、はじめてのリスナーにも聴きやすい内容だったと思います。

特に後半、「Disco Lies」では往年のディスコチューンを彷彿させるアップテンポなナンバーや、テンポのよいピアノの音が印象的な、実にMobyらしい「The Stars」あたりは、ライブで聴いたら、思いっきり盛り上がるんだろうなぁ・・・と、彼のライブでの魅力が垣間見れる作品になっています。

日本では相変わらずいまひとつ売れていないみたいですけどね(^^;;
ダンスポップチューンが好きなら、とりあえずはチェックしておきたい作品だと思います。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

You Cross My Path/The Charlatans

昨年、RADIOHEADがアルバムを公式サイトから、「値段はあなた次第」でダウンロード販売したことで話題となりましたが、本作は、なんと事前に全作無料ダウンロードを実行。かなり大胆な宣伝方法をとりました。

そんな訳で、私も公式サイトより、さっそく無料でダウンロードして聴いてみた訳ですが・・・

いや、これはいい作品だは。

多分、本人たちも自信があったんでしょうね~。往年のブリットポップ全盛期の勢いを感じられる、ポップなギターロックが全面に展開されていて、ここらへんの音が好きなら、たまらない作品。「ブリットポップ」っていう言葉にピクっと来た方は、いまからでもダウンロードででもチェックしてみることをおすすめします。

評価:★★★★★

Good Morning Revival/Good Charlotte

メロコアってことになるのかな?かなり影のあるメロディーやサウンド。からっとした明るさが売りのアメリカのロックバンドとしては珍しいタイプかも。日本人の琴線に触れそうなメロディーラインかと。

評価:★★★★

Time Freeze 1995/2007/Asian Dub Foundation

最近出た新作が「日本大幅先行発売 海外発売未定」になっていたんだけど、ADFって、ひょっとして「Big In Japan」になっちゃったの??輸入盤でたら買おうと思っているんだけど・・・(^^;;

で。本作はそんな彼らのベストアルバム。ロック、パンク、HIP HOP、レゲエ、ワールドミュージックなどなど、ごった煮の音楽ながら、そのパンチ力にやられる、迫力ある曲の連続。いや、新作も早く聴いてみたくなりました・・・。

評価:★★★★★

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2008年4月26日 (土)

HIP HOPのポップ化

クレバのベスト盤

アーティスト:KREVA,Mummy-D,草野マサムネ

クレバのベスト盤

いままでアンダーグラウンドだった音楽のジャンルが、オーバーグラウンドに出てくる時に見せる輝き、その一瞬の輝きがたまらなく好きです。

例えば、グランジロックでいえば、NIRVANAの「NEVERMIND」みたいな作品。アンダーグラウンドシーンが持つ一種のチャレンジスピリッツとオーバーグラウンドの世界が持つ、圧倒的なポピュラリティー、そして、アンダーからオーバーにあがろうとする勢い・・・あるジャンルが、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドにあがってくる時には、そういうものが混じり合って、大きな輝きを見せてくれたりします。

おそらく、日本のHIP HOPシーンにおいて、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの橋渡しをしたのが、Dragon Ash、RIP SLYME、そしてKICK THE CAN CREWではないでしょうか。HIP HOPにおいてセルアウトという行為は非常に嫌われ、結果、彼らも多くのミュージシャンからディスの対象とされましたが、彼らの持つポピュラリティーは、他のどのHIP HOPミュージシャンも持ち得なかったものです。

そんなKICK THE CAN CREWのクレバが、ソロとして活動した作品を集めたベスト盤をリリースしてきました。

クレバの活動の大きな特徴は、前述のNIRVANAのカート・コバーンと大きく異なり、売れることに対して自覚的ということ。このアルバムのタイトルからして、宮崎アニメのヒットの法則に従い、「クレバベスト盤」と「の」を入れたのだとか(出典:wikipedia)。しかし、その一方、あくまでもHIP HOPの枠組みに従った作品を目指している点も大きな特徴です。

今回のベスト盤で、その彼の活動がもっともよくあらわれているのが、スピッツの草野マサムネをフューチャーした「くればいいのに」と、RhymesterのMummy-Dをフューチャーした「ファンキーグラマラス」でしょう。「くればいいのに」は、異なるジャンルのミュージシャンが参加した、非常にポップでメロディアス、HIP HOPを聴かないリスナー層をも取り込むことを狙った作品。一方、「ファンキーグラマラス」は、タイトル通り、ファンキーで、ブラックミュージックのフォーマットにしっかりとのかった、HIP HOPらしい作品に仕上げています。

そんなHIP HOPのポップ化を狙っている彼ですが、最近は、すっかりHIP HOP・・・というかラップミュージックもポップ化が進行し、既にHIP HOPというよりも歌謡曲になってしまっています。いい意味でも悪い意味でも、完全にJ-POPシーンに浸透した今、KREVAの目指す目標が、達成してしまった、といってもいいかもしれません。

そういう意味で、大きな区切りとなった本作。これで今の彼の活動を総括し、次の一歩に進み出すわけですが、次はどのような展開を見せるのでしょうか?その点も注目していきたいところでしょう。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

寄り道/宮沢和史

2006年に行った弾き語りコンサート「寄り道」ツアーの模様を収録したライブ盤。THE BOOMの曲も多く収録してあり、内容的には、ベスト盤的なラインナップを、アコースティックな弾き語りで聴かせてくれます。ワールドミュージックテイストが強い作品なだけに、アコギ1本のアレンジには、少々違和感も感じる部分もありますが、メロディーの良さをあらためて感じることの出来るライブ盤です。

評価:★★★★

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2008年4月25日 (金)

サブカル系のオールスター全員集合!

+1 (DVD付)

アーティスト:木村カエラ

+1 (DVD付)

木村カエラのニューアルバムの参加メンバーが相変わらずすごい。

1.NO IMAGE・・・ミト(クラムボン)
2.Jasper・・・石野卓球
3.Yellow・・・渡邊忍(ASPARAGUS)
4.STARs・・・AxSxE
5.ファミレド・・・藤田勇(MO'SOME TONEBENDER)
6.dejavu・・・曾田茂一
7.Samantha・・・曾田茂一
8.+1・・・高桑圭(Great3)
9.No Reason Why・・・UKバンドFARRAHのカバー
10.鏡よ鏡・・・yoheyOKAMOTO
11.はやる気持ち的My World・・・渡邊忍(ASPARAGUS)
12.1115・・・奥田民生
13.Humpty Dumpty・・・遠藤大介(monoline)

とざっと並べただけでも、いわば「サブカル系のオールスター全員集合!」といった感じ。

個人的には、元Herman&The PacemakersのyoheyOKAMOTOの名前を久しぶりにみれたのがうれしいところ。

本作は、ニューウェーヴを意識した作風になっているとかで、冒頭は、テクノポップの曲からスタート。てっきりPerfumeに影響受け過ぎちゃったのか、と思いました。でもその後は、ずらりとギターポップ系の作品が並んでいました。

でも・・・なんかこの「ギターポップ系の作品」がいまひとつ。

1曲1曲聴けば、ポップで楽しい作品なんだけど、こうやってずらりと並ぶと、1曲1曲に個性が足りないんですよね。最初聴いた時、かなり癖があって、どうかな?と思った「Jasper」が、こうやって並べて聴くと、非常に個性的で強い印象に残ったのとは対照的でした。

そう考えると、やはり石野卓球が持つポピュラリティーってすごいんだなぁ・・・。

ここらへん、ちょっと酷なことをいってしまうと、参加したサブカル系のミュージシャンたちが、いまひとつブレイクできない理由がわかっちゃうような感じがするんだよなぁ(苦笑)。

評価:★★★★

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2008年4月24日 (木)

「90年代」を感じるベスト盤

Title:COMPLETE BEST
Musician:LUNA SEA

COMPLETE BEST

LUNA SEAというバンドは、その位置づけが難しいバンドだと思います。

BOOWYを祖とするような、ビートロックバンドとは大きく異なるものの、かといって、正統派の実力派ロックバンド、といわれるのは、そのメロディーや河村隆一のボーカルはあまりにも歌謡曲的すぎます。

ただ、そういう意味では、BOOWYと異なった観点から、日本における独自の「歌謡ロック」というもの方向性を確立したバンドなのかなぁ、とも思います。

あ、ここで言う「歌謡ロック」は別にネガティブな意味での使い方ではないので、念のため。

本作は、シングルを集めたDISC1と、その他の代表曲を並べたDISC2からなる2枚組の、タイトル通り「コンプリート」なベスト盤。

DISC1を聴いてひとつ感じるのは

ああ、これが「90年代の音」だなぁ

という点。

特に初期のシングルからは強く感じます。

いわば「80年代の音」といえば、例えばマイケルジャクソンや、シンディーローパーみたいな、今ではチープに感じられるシンセサイザーの電子音で彩られたような音(日本でいえば、C-C-Bみたいな感じの)になるんでしょうが

「90年代の音」といえば、彼らの作品のように、80年代的なテイストを残した、軽い感じの音ながらも、もっと生音指向、みたいな。

グランジの影響が、日本のロックバンドに入ってくる直前、みたいな、そんな音が、いかにも「90年代」という印象を受けました。

あ、でも、「TONIGHT」は文句なしにかっこいいね。ここらへん、もっと本格的なロック指向だったメンバーと、歌謡曲指向だった河村隆一との方向性のずれが、解散の要因だったのかな、なんて邪推しちゃいますが。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

7/キリンジ

7枚目の作品だから「7」。

いつも以上に王道路線といった感じで、さらにポップステイストが強くなった感じ。そういう意味では、いつも以上に広い層に受け入れられそう。もちろん、どこかひねくれた文学的な歌詞もいい意味でいつも通り。しっかり彼ららしさに足をつけながら、マンネリを感じさせない、強いポピュラリティーを感じさせる作品です。

評価:★★★★★

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2008年4月23日 (水)

PerfumeブームはJ-POPの変換点か?

タイトルに関しては、アルバムチャートで。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、予想通り、B'zの新曲がランクイン。

これで19年連続41作目の連続1位記録だそうです。

正直、B'zに関しては、「LOVE PHANTOM」以降、「これは」といったシングル曲はないし、ここ最近は完全に固定ファンだけでランクインしている感じですが、そこらへんを差し引いても、純粋にすごい記録ですね・・・。

ただ、それに続いているのが、2位の羞恥心

デイリーチャートでは既にB'zをも上回っており、結果的には、浜崎やB'z以上の売上記録を叩きだしそう。今年を代表するヒット曲になりそうな予感がします。

他にベスト10圏内で気になるところといえば・・・

いきものがかりが7位にランクイン。シングルを出せば、しっかりベスト10圏内に入ってくるような人気を確保しちゃいましたね。

他に、以前から注目していたロングヒット組は、今週、数多くの新曲に囲まれて苦戦気味。安室奈美恵が8位に転落した他、ジェロはなんとか9位を保ったものの、青山テルマはついに11位に。今後の粘りはあるか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週、1位を獲得したのが、ネットで大きな話題となっている、アイドルユニットPerfumeのニューアルバム「GAME」でした。

今、もっとも話題となっているミュージシャンで、ネットでも話題沸騰。メインストリームからの人気というよりも、むしろサブカルチャーからの支持の高さが際だっており、話題となっています。

そんな彼女たちが、多大な支持を得ている理由を、Wikipediaを参照に見てみると↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/Perfume

「中田ヤスタカのクオリティーの高いサウンド」

「レベルの高いダンスパフォーマンス」

というところがメインとなるんでしょうか。

要するに、彼女たち含め、Perfumeを取り巻くプロフェッショナルたちの仕事ぶりが大きな評価を得ている、ということでしょうか。

ただ、私は彼女たちの今の評価に、J-POPのひとつの変換点を感じました。

というのは、日本のいままでのポップスシーンというのは、60年代のフォークソングブームから以降、「自作自演」「素人による表現」が音楽ファン、特にサブカルチャーから高い支持を集めており、逆に、プロによる楽曲提供や、プロのボーカリストによる楽曲というのは、「歌謡曲」という枠組みで、「商業音楽」的に見られ、音楽ファンやサブカルチャーからは、場合によっては、敵視さえされていた流れがありました。

そして、80年代になって、そういう素人信仰を逆手にとって、商業音楽に組み入れたのが秋元康。素人っぽさを売りにした「おにゃんこクラブ」が社会的な現象にもなったのはご存じの通りで、その流れは、モーニング娘。にも引き継いでいるわけです。

一方、自作自演信仰はその後もJ-POPシーンに根強く続いていて、「自分で作詞作曲してこそ本当のアーティスト」みたいな風潮は続きました。結果、例えばビーイング系のZARDや、浜崎あゆみのように、歌詞については自分で書かせることによって「アーティスト」として人気を確保しようとする傾向は続く訳です。

しかし、そんな中、Perfumeが支持される理由は全く逆。彼女たち自身はあくまでもパフォーマーであり、楽曲をつくっているのはあくまでも中田ヤスタカ。ある意味「プロ」がつくって「プロ」が歌うスキームは、いままで、特にサブカルチャー周辺では「商業音楽」として反発を受けていたスキームでした。

そういう意味で、Perfumeが、音楽ファン、あるいはサブカルチャー周辺で多大な支持を得ているという事実は、いままでの大きな変換点となる流れではないかと思います。「自作自演」「素人」が絶大な支持を得ていたいままでの流れが一変し、今後は、かつての歌謡曲のような、プロによる楽曲をプロによって歌う、そんなシステムが多大な支持を集める、そんな時代が来るのかもしれません。

ただ、タイトルでPerfumeブームと書いたように、私自身は、この流れが現段階ではあくまでもブームと言われるレベルと感じています。

それは、先日のoriconでの下のアンケートに関する記事を見かけたからなんですが

30代男性からの関心高まるPerfume新作
http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/53450/

このアンケート結果からわかるように、現段階で彼女たちの人気は30代男性の人気が突出しており、それ以外には、まだまだ浸透していません。そういう意味では、おそらくネット上でそれなりの割合を占める30代男性の支持が高いため、特に騒がれているように感じるのですが、広く一般層の支持という意味では、まだまだこれから、というレベルではないでしょうか。

今回のチャート1位という結果は、確かに現段階での彼女たちの人気を象徴した結果となりましたが、Perfume人気が確保され、この流れが本格化するためには、今後、どれだけ一般層に支持を広げられるか、が勝負ではないか、と思います。

アルバムチャート2位以下は・・・

2位HY。ってか、シングルも切っていないし、メディアにもほとんど登場していないんですが、根強い人気を保っていますね。正直、ここまで人気があるというのは驚きです。完全に固定ファンを確保しましたね。

一方3位ゆずはちょっと苦戦気味か?個人的にはもっともっと支持されていいミュージシャンだと思うんですけどね。いまひとつ、「さわやかなフォークデュオ」みたいな誤解をされている印象が。

マライア・キャリーのアルバムも7位と苦戦気味。ただ、本国アメリカでは、先行シングルはしっかりビルボードで1位を獲得するなど、人気を見せているのですが。

あとACIDMAN9位は健闘かな?しっかりと固定ファンを獲得した模様ですね。

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ロック・クラッシック入門

ロック・クラシック入門―重要アーティスト&名盤徹底ガイド

ロック・クラシック入門―重要アーティスト&名盤徹底ガイド

最近、この手のディスク・ガイドにはまっていて、「名盤」と言われるものを聴きながら、ディスク・ガイドを読み比べて、いろいろ楽しんだりしています(^^;;

個人的に、ここ最近出た中では一番よくまとまっていると思うのが本作。

ミュージシャンごとに代表作を紹介しているのですが、ミュージシャンの来歴や、アルバムの聴き所を、必要な情報をしっかり織り込みつつ紹介している他、ロックの歴史も概説的に紹介。

また、「ロック・クラシック」と言っているのですが、ロックに限らず、ソウルやポップスまで幅広く網羅していて、「ロック」のディスク・ガイドというよりは、ポップス史全体をカバーしています。

「ロックの殿堂」入りの基準となる、25年以上前の作品をメインに取り上げられているため、ここ最近の作品は残念ながらほとんど網羅していませんが、最近の作品はまだ評価が定まっていないという理由からなので、それもそれで納得。

いろいろな意味でよく出来ている「教科書」的なディスク・ガイドだと思います。過去の名盤を探るのもピッタリだし、もう、名盤を一通りあさった、というロック・リスナーでも、ロック以外のジャンルで興味深いミュージシャンに出会える、かも。

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2008年4月22日 (火)

ちょっとチャイルディッシュな部分もおもしろい

Cross

アーティスト:Justice

Cross

フジロックなどのステージも大きな話題を呼び、昨年リリースされた本作が、日本でも注目された2人組エレクトロデゥオ。

いわゆる「フレンチ・テクノ」にカテゴライズされるようなユニット。

音としては、ダフト・パンクに近いイメージでしょうか。日本でいえば、最近話題の中田ヤスタカも、このカテゴリーということになるでしょうか。

ただ、ポップだけどどこか大味な部分もあるダフト・パンクと比べると、もっと音はソリッドで実験的。そのため、一度聴いた感想では、さほどピンと来ませんでした。

しかし、2度3度聴くうちに、テンポのよいエレクトロ・サウンドに、ともすればロック的であるビートの利いたリズム、そして、女性ボーカルや子供のボーカルまで取り入れるように、どこかチャイルディッシュな側面を持ったピュラリティーがとてもおもしろく、徐々にはまっていきました。

最近、話題になることの多い、この「フレンチ・テクノ」。今後、このジャンルがどう羽根を広げていくのか、彼らの今後とあわせて注目していきたいところです。

評価:★★★★★

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2008年4月21日 (月)

クラウザー様はこれで満足されただろうか?

デトロイト・メタル・シティ トリビュートアルバム~生贄メタルMIX~

アーティスト:オムニバス,ELECTRIC EEL SHOCK,アナ,WAGDUG FUTURISTIC UNITY,Kahimi Karie,BEAT CRUSADERS,木村カエラ,スチャダラパー,ミドリ,YUKI,monobright

デトロイト・メタル・シティ トリビュートアルバム~生贄メタルMIX~

「デトロイト・メタル・シティ」という漫画、おそらく、このサイトを見てくださっている方なら、ご存じの方も多いのではないでしょうか?それとも、すっかりはまってしまっている方もいるかも?

ネットを中心に話題となり、現在、人気沸騰中のギャグマンガ。数多くのミュージシャンたちもはまっているらしく、ついに、デトロイト・メタル・シティへのトリビュートアルバムが発売されました!

以前から本作のファンと公言していた木村カエラや、なんと、この漫画の主人公が愛してやまないカヒミ・カリィまで参加!他にもトミフェブやらビークルやら、かなり豪華なメンツが顔をそろえています。

が。

はっきりいって、前半、酷いです(苦笑)。

「U.S.A」を「D.M.C」と歌い直して収録しているビークルはまだしも、木村カエラやYUKIは、もともとの曲のアレンジを、ちょっとメタル風にかえただけ。ボーカルとアレンジがチグハグになっていて、やっつけ仕事が目に見える作品でした。

ミドリも曲自体は悪くないけど、MCを入れたおかげで全体が台無しに。

他もいまひとつ、「メタル風のギターを入れました」程度のリミックスで、トリビュートどころか、クラウザー様を冒涜しているのではないか、と思ってしまう内容でした。

ただ、一方、後半からはなかなかおもしろいリミックスが続きました。

特にTommy febuary6のリミックスは、アレンジは完全にメタル風にリミックスされ、ボーカルも、そんなリミックスにぴったりあって、おそらく、この内容は、普段メタルを聴いているリスナーにも受け入れられるのではないでしょうか。

その後のムックもキングギドラもはっきりいっていまひとつのやっつけ仕事だったのですが・・・

エレクトリック・イール・ショックは、ハードなギターサウンドをしっかりと聴かせるアレンジで、トミフェブと並んで、一番メタルテイストを出していたアレンジに仕上がっていましたし

WAGDUG FUTURISTIC UNITYも、メタルというよりデジタル・ハード・コアといった雰囲気ながらも重厚感あるサウンドは迫力たっぷり。

そしてなんといっても、ラストのカヒミ・カリィがよかった!

鳴り響く、フィード・バック・ノイズと彼女のウィスパーボイスとの対比が実に見事。まあ、メタルというよりは、ポストロックという感じの作風なのですが、Struggle For Prideでの彼女のボーカルも見事にノイズとマッチしていましたが、彼女の声って、こういうノイズに本当に合うんですね~。

全体的には、メタル色がかなり薄く、そういう意味では、「メタル」という部分に期待したファンには肩すかしだったかも。

どちらかというと、オルタナ色が強い作品になっていて、そういう方面から聴けば、前半は酷かったものの、後半は、なかなかおもしろいアルバムに仕上がっていたと思います。

ただ、本作にメタルのバンドが参加していないのは本当に残念。

確かに、ヘヴィメタのリスナー層には賛否両論の作品みたいですが・・・

でも、同じように、その「様式的」な部分をギャグにされていたヒップホップからは、2組も参加者がいるのに・・・。

次は、せっかくなんで、もっとバリバリのメタルを聴かせてほしいです。

評価:★★★★

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2008年4月20日 (日)

アフロビートが心地よい!

Vampire Weekend

アーティスト:Vampire Weekend

Vampire Weekend

今年に入って、私がもっともはまった作品がこれです。

今年、もっとも話題となっているインディーバンドの一組なのですが、アフロビートと呼ばれる、アフリカテイストのリズムと、ポップなメロディーラインが特徴的なバンドです。

特に、音数を絞って、エッジの効いた音とリズムを聴かせる点、彼らの「売り文句」にもよく出てくるような、ストロークスからの流れを感じさせます。

また、一方で、「A Punk」みたいに、どこか人をくったようなユーモアさも感じられるのも彼らの大きな魅力と言えるかもしれません。

これから、毎年のように出てくる「期待の新人バンド」の一組で終わってしまうのか、また、一皮むけて大物になるかは、これからが勝負といった感じですが、そういう未成熟な荒削りな部分も含めて、とても魅力的な作品でした。

評価:★★★★★

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2008年4月19日 (土)

完全なる未来

      
Perfect Future(初回限定盤)

アーティスト:東京スカパラダイスオーケストラ,伊藤ふみお,安藤裕子,ハナレグミ

Perfect Future(初回限定盤)

ベスト盤発売後、初となるオリジナルアルバム

通常、ベスト盤発売後、初となるオリジナルは、ミュージシャンにとって「新たな一歩」と位置づけられます。

そんな「新たな一歩」のアルバムに「Perfect Future」=「完全なる未来」と名づけてしまう彼らからは、その意気込みが強く感じられました。

その彼らにとっての新たな一歩となった本作。どんな方向性に向かうのかをみせるためにも重要となる作品ですが、スカという、彼らの本流により立ち返った作品といえるのではないでしょうか。

ビート感が非常に強いサウンドを奏でながら、スカという軽快なリズムをそこにのせていくスタイルは、ある意味、とても「スカパラらしい」と言える作風だったと思います。

また、今回注目は、ゲストシンガーとして元Kemuriの伊藤ふみおが参加している点でしょう。

Kemuriで同じスカという音楽を追及してきた彼の声は、スカパラのサウンドにとてもよくマッチしています。

そして、本作で、さらに注目したいのが、初回限定盤としてついてくるライブ盤です。

昨年参加した、モントレー・ジャズ・フェスティバルのライブ音源をそのまま収録。MCまで含め、ライブの空気感をそのままパッケージしたライブ盤は、スカパラのライブの魅力が、そのまま真空パックされちゃったような内容でした。

できれば初回盤で聞いてほしい1枚。彼らの「Perfect Future」が見えてくるような、オリジナルアルバムでした。

評価:★★★★★

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2008年4月18日 (金)

この流れは日本にも波及しそうだな。

19

アーティスト:Adele


19

Amy Winehouseがヒットを飛ばしてから、一昔前のソウルやR&Bの雰囲気を感じさせるミュージシャンが、イギリスではヒットをとばしているみたいですね。最近、ヒットチャートをにぎわせているDuffyなんかも、似たようなタイプみたいだし。

そんな、ある意味「エイミーの後」のシーンを決定付け、イギリスで大きな話題を呼んでいるシンガーが彼女。

「19」というのは、彼女の年齢だそうなのですが、とてもその年齢を感じさせないような、表現力のある、かつ完成させた歌唱力を持っています。特に、少々しわ枯れたような渋いボーカルは、「老成円熟の境地に達する」とまで言ってしまえるほどかも。

また、楽曲も、ソウル、R&Bをベースにしながら、ロックやバラード、ポップスなどの要素も入っていて、リスナーを限定しません。ジャンルとしてボーダレスな作風と言えるでしょうか。まあ、こういう単純なジャンル分けが出来ない音楽ってのも、ある意味、いかにもイギリス的と言えるかもしれません。

個人的にはピアノが美しいバラードナンバーである「Make You Feel」がお気に入り。しっとりとしたピアノの音色が、彼女のボーカルに非常にマッチしていました。

ある意味、ボーカリストとして完成されちゃっているので、そういう意味で、今後、伸び悩んじゃうんじゃないか?という心配もしてしまうのですが・・・。ともかく、今、もっとも注目したいシンガーのひとりでしょう。ジャンル問わずお勧めしたい1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

the bird and the bee/the bird and the bee

かつての渋谷系が入ったような、かわいらしいポップスを聴かせてくれます。ベルセバ+カーディガンズって感じか?でも、「the bird and the bee」って、英語で性教育の婉曲表現なんだってね。そういう意味では、一筋縄ではいかないユニットかも。ただ、そのポップスサウンドにははまりました。

評価:★★★★★

Your Truly,Angry Mob/KAISER CHIEFS

ブリットポップをほうふつとさせる、ストレートなギターロック。個人的には結構好きなんだけども、ちょっと個性という点では、物足りなさも?

評価:★★★★

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2008年4月17日 (木)

「斬新な楽曲」を生み出し続けるのは難しいなぁ。

      
Quaristice

アーティスト:Autechre

Quaristice

Autechreといえば、エレクトロニカというジャンルの中でも、特に斬新な音を生み出して、音楽の新たな可能性を切り開く、というイメージを持ったミュージシャンだと思います。

特に私が一番最初に聴いた「confield」は衝撃的ですらありました。

音楽の中でも重要な要素といわれている、リズムをバラバラに切り刻み、鋭利な刃物で音を切り刻むかのように、ひとつひとつの音を切り刻んで再構築していく様は、いままで聴いたどの音楽とも異なるような印象を受け、最初こそ抵抗を感じたのですが、気がつけば、その世界にはまっていました。

本作も基本的には、音の使い方や描こうとする世界観は、「confield」の延長線上にあると思います。

しかし、「confield」の頃は、他のミュージシャンたちが作り上げた既存の音を破壊した彼らだったのですが、その後、彼らの中で、新しい音の世界を作り上げた結果、それがひとつのパターンになってしまったような印象を受けます。

要するに、私が彼らに期待しているのは、「既存の音」の破壊であり、そこに衝撃を感じました。しかし、彼らが本作で作り上げたのは、あくまでもAutechreとしての既存の音の枠組みの世界。これはこれで、他のミュージシャンたちと比べると斬新ではあるのかもしれませんが、Autechreとして新たな音を作り上げたか、といわれると、微妙な作品だったと思います。

もちろん、私が彼らに求めていることが、ともすれば理不尽とも言われかねない厳しい要求であることはわかります。しかし、そういう斬新さで世に出てきた彼らだからこそ、どうしても次の作品も期待してしまうのも事実・・・。次回作はどうでるのか、とりあえず、それを楽しみにしていたいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

infinity on high/FALL OUT BOY

いわゆるメロコアのバンドなのですが、勢いで乗り切ろうというよりも、しっかりとメロディーラインを構築し、聴かせる曲をつくろうという姿勢が感じられて好印象。これから、まだまだ伸びそうな予感もします。

評価:★★★★

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2008年4月16日 (水)

しゅ~ちしん♪

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

「しゅ~ちしん♪しゅ~ちしん♪」

ってメロディーが、昨日の朝、「めざましテレビ」で羞恥心を見た後、頭から離れません(^^;;

大方の予想通り1位獲得の浜崎あゆみに初動でわずか5,000枚と肉薄し、デイリーランキングでは、浜崎を上回った日もあったということで大きな話題となっています。

このユニットは、フジテレビ系の「クイズ!ヘキサゴンII」から生まれたユニットだそうですが、見た感じの雰囲気といい、曲調といい、80年代のアイドルをイメージしているのかな?

この手の企画モノが売れるということに対して、いろいろな意見はあると思うんですが

こういう時代のあだ花みたいな曲が売れちゃうところがポピュラーミュージックのおもしろさだと思うんですよね。

多分、というより間違いなく、1、2年後はブックオフで100円で大量に売られていそうですし、生まれてはじめて買ったCDがこれだった日には、一生つきまとうトラウマ(笑)(というよりも笑い話か?)になりそうですが。

ちなみに、この異様に耳に残るメロディーを誰が書いたのかなぁ、と思ったら

「完全無欠のロックンローラー」で一発屋となった、元アラジンの高原兄なんですか(^^;;

羞恥心も一発屋になりそうですが・・・。

3位ZARDは、昔、DEENが歌っていた曲のセルフカバーですね・・・ってセルフカバーっても歌詞しか提供してないんですけどね。ビーイングって会社のイメージ的に、今後もZARDのシングルリリースが続きそうな予感が。

で。シングルチャートを見ていると、ちゃっかり徳永英明が6位という好位置にランクイン。カバーアルバムがヒットして話題となりましたが、ここに来て、人気が復活してきているのか?

その徳永英明の3枚のカバーアルバムを集めたアルバムボックスが、アルバムチャートでも7位に入ってきてます。こういうお値段がちょっと張るアイテムがきちんと売れちゃうところは、彼のファンの年齢層の高さゆえんか?(失礼)

そんでもって、今週も続けるロングヒットウォッチング

安室 4位→4位
青山テルマ 6位→5位
ジェロ 7位→9位
すぎもとまさと 8位→12位

山達は残念ながら落ちてしまいましたね。すぎもとまさとは、ベスト10圏外に出てしまいましたが、いままでのケースから再ランクインもあるかも。安室、青山テルマは、今年を代表する大ヒットになりそう・・・。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

1位はYUI「I LOVED YESTERDAY」。2作連続1位で、今、最も勢いのある女性シンガーですね。

宇多田ヒカルのアルバムが、ちょっと不調気味で、このまま消えちゃうのか、と思ったら、今週は3位にランクアップしています。収録曲の「Prisoner Of Love」がドラマ主題歌に起用された影響か?

あと10位には、THE ROLLING STONES「SHINE A LIGHT」がランクインしています。

このアルバムは、もともとストーンズのライブドキュメンタリー映画のサントラ、という位置づけなのですが、事実上、ストーンズの最新ライブアルバム。しっかりとベスト10にランクインしてきて、彼らの底力を見せ付けてくれています。

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2008年4月15日 (火)

"KING OF POP"の傑作

Title:Thriller(25th Anniversary Edition)
Musician:Michael Jackson

最近は、すっかりゴシップネタで有名になってしまった感のあるマイケル・ジャクソン。ひょっとしたら若い世代の方は、彼がかつて「KING OF POP」といわれていた世界で一番人気があったポップシンガーだった、ということを知らない方もいるかもしれないですね。

このアルバムは、そんなマイケル・ジャクソンが1982年にリリースした代表作。発売時は全世界で1億400万枚以上を売上げ、「世界で一番売り上げたCD/レコード」としてギネス記録にもなっているすさまじいアルバムです。実際、このアルバムのタイトル曲になってる「Thrller」は、誰でも一度は聴いたことあるのではないでしょうか?

本作は、その彼の最高傑作であり、ポップス史上に残る傑作アルバムの、発売25年を記念してリリースされたリイシュー盤。本編の他、今のミュージシャンがリミックスを手がけた楽曲が収録されている他、当時のPVが収録されたDVDがセットとなっています。

とかく80年代という時代は、ポップ産業の巨大化にともない、特にロックなどを語る際には、低い評価が与えられがちなのですが、今の時代から振り返ると、ポップスという枠組みでは、いまでも非常にエンターテイメントとして十分機能する楽曲が多く産み出されたのではないでしょうか。

そんな80年代を代表する本作は、タイトル曲「Thriller」を含め、どの曲もフックの連続。まあ、ともすれば、「あざとさ」も感じられ、そういうあざとさゆえに、80年代という時代の曲の評価は低いのでしょうが、一度聴けば忘れられないメロディーラインは、さすがだと思いますし、今聴いても、楽しめる傑作なのは間違いないと思います。

特に、当時大きな話題となったプロモーションビデオも楽しめる点が、この25周年記念盤の大きな魅力。例えば「Thriller」では、ハリウッドの有名映画監督を起用し、わずか10分程度の長さながら、起承転結のはっきりした物語をつくりあげ、ハリウッドの本格メイクをほどこした、いっぱしのホラームービーに仕立て上げています。このPVを見るためでも、この25周年記念盤は価値があると思います。

ただ、リミックスに関しては、正直、少々蛇足気味だったかなぁ。これはこれで悪くはないかもしれないけど、全体の流れとして少々不自然。リミックスはリミックスで別にリリースした方がよかったのでは?その点はちょっと残念に感じました。

評価:★★★★★

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2008年4月14日 (月)

ゴシップも彼女の魅力のうち

      
Back to Black

アーティスト:Amy Winehouse

Back to Black

今年のグラミー賞を総なめにして、日本でも一気に知名度が広がった彼女。

彼女のブレイクをきっかけに、特にイギリスでは、AdoleやDuffyといった、60年代や70年代のソウル直系のミュージシャンがブレイクを続けて、ひとつのブームとなっています。

ただ、その中でもやはり彼女の個性は際立っていると思います。

女性でソウルというと、どうもここ最近は、しっとり聴かせるか、声量のあるボーカルで歌い上げるか、というタイプが多い印象を受けますが、その中でも彼女は、パンチの聴いたボーカルでかなり攻撃的な歌声を聴かせてくれます。

また、彼女といえば、アル中や薬物中毒というゴシップも大きな話題となっていますが、本作の「Rehab」という曲の中では、こんな歌詞を歌い上げちゃったりしています。

"They tried to make me go to rehab but I said 'no, no, no'"
(Lyrics Amy winehouse from "Rehab")

(日本語訳 彼らみんな私をリハビリハウスに連れて行こうとするけど、私はいってやるの「No No No」だと)

ゴシップを逆手にとって、歌詞にまでいれてしまう彼女のスタイルにすごく魅力を感じませんか?

グラミー賞では、ゴシップまみれの彼女が、ちゃんとアメリカ上陸できるのか、なんてことも話題になったりしましたが、そんな話題性も含めて彼女の魅力なのではないでしょうか。

とんでもない大物になりそうなシンガーです。ゴシップも含めて、これからの活動に注目いていきたいですね!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Make This Your Own/THE COOPER TEMPLE CLAUSE

残念ながら、ラストアルバムとなってしまったクーパーの3枚目。デビュー時は相当話題となって、日本でも「rockin' on」あたりがやたら持ち上げていましたが、3枚目の頃には、さほど話題にならなくなってしまいました。

確かに、デビュー当初のような、勢いみたいなのはうせてしまって、普通のロックバンド、といった印象は否めないのですが、それでも、oasisやマニックスあたりの王道のイギリスギターロックを引き継いだようなスタイルは、やはり魅力的。ポップなメロディーとほどよくノイジーなギターロックが楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★

A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT/PANIC! AT THE DISCO

先日発売された2作目も、ビルボードでかなり上位にランクインされていましたが、これは1作目の方。もっと名前の通り、思いっきりダンスチューンが入っているのかな?と予想していたのですが、思ったよりフツーのメロコア路線。ポップな曲調は悪くないと思うんですが、個人的には、よくありがちなバンドといった印象で、あまりピンと来なかったなぁ・・・。

評価:★★★★

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2008年4月13日 (日)

画期的な販売方法が話題に

      
In Rainbows

アーティスト:Radiohead

In Rainbows

前作から約4年ぶりとなるRADIOHEADのニューアルバム。

本作は、その内容以前に、アルバムの販売方法が大きな話題となりました。

この作品、昨年の10月に、突然、新作発表の告知がされると、そのわずか9日後に公式サイトでMP3でのダウンロード形式での販売がスタート。さらに、値段に関しては「IT'S UP TO YOU(あなた次第)」と書かれ、いくらで買ってもOK(もちろんタダでのダウンロードも可)という、非常に挑戦的な売り出し方をして話題となりました。

ちなみに、私は英語に苦戦しながらも(笑)、5ポンド支払ってダウンロード。で、その後発売されたCDもしっかり買ってしまいました。

いままでも、自らの音源を無料(あるいは無料同然)で提供するミュージシャンはいたみたいですが、全世界的に人気のあるミュージシャンがこのような手法を取り入れたのははじめてということ。現状の音楽流通システムに一石を投じる手法が大きな話題となっています。その後、シャーラタンズやナイン・インチ・ネイルズも似たような手法で新譜を発表し、こちらも話題となっています。

さて、そんな「売り方」が話題の先行となっている本作ですが、肝心な内容の方も、待ちに待った新作だけあって、素晴らしい内容に仕上がっていました。

ここ数作、エレクトロニカ色の強い作品を作ってきた彼らですが、本作では一変、ポップなメロディーとギターサウンドが主体の名盤「OK COMPUTER」あたりを彷彿とさせる作風になっていました。

そういう意味で、誤解をおそれずに言ってしまえば、ここ数作の彼らとは異なり、本作は実験的な要素はあまり強くありません。

ただ、あくまでも美しいメロディーラインや、曲によってはストリングスを大胆に導入する幻想的ともいえるアレンジが全編にほどこされているこの作品は、ある意味、RADIOHEADの本質をしっかりとつかんだ上、RADIOHEADの強みを表に出してきた作品と言えるでしょう。

そういう意味では、RADIOHEADが、素直にRADIOHEADというバンドを表現した作品と言えるかもしれません。

また、「OK COMPUTER」の頃の作風に戻った、とはいえ、「15 Step」「Videotape」のように、エレクトロニカの要素を取り入れた作品もあり、「KID A」や「Amnesiac」を通ってきたからこそつくれた作品とも言えるでしょう。

なお、その「OK COMPUTER」との類似性についてなのですが、その両者の強い関係性を指摘されている方もおり、実際、「IN RAINBOWS」は「OK COMPUTER」の続編という意識の上でつくられた作品なのかもしれませんね。

参考サイト
http://d.hatena.ne.jp/starocker/20071023/p1
「Radioheadの『In Rainbows』と『OK Computer』に隠された謎:『01』と『10』」(sta la staさんのサイトより)

評価:★★★★★

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2008年4月12日 (土)

正統派イギリスロックンロールバンド?

ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ

アーティスト:ジ・エナミー

ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ

「oasisの後継者的バンド」「oasisが好きならおすすめ!」

イギリスから出てきた新人パンクバンドThe Enemyの新譜の推薦文には、よくこのような表記を見かけました。

そんなThe Enemyの音楽性を一言でいうなら

THE BEATLES meets SEX PISTOLS

・・・ってこの表現もoasisがブレイクした頃にoasisを評してよく言われていた言葉なんですよね。

どういうことかというと、THE BEATLESのポップスセンスと、SEX PISTOLSのパンクサウンドを両方兼ね備えたバンド、ということ。

ただ、oasisファンの私から言わせてもらうと、oasisとThe Enemyって、微妙に異なります。

oasisのサウンドは、同時期のブリットポップ勢や、グランジロックからの影響を強く感じる一方、The Enemyは、もっとパンク、それもピストルズが出てきた頃のような、70年代のパンクサウンドの影響をストレートに感じます。

がなりあげるような歌い方も、いかにもパンクって感じだしね。

ただ一方、この手のパンクバンドにありがちな、「偉大なる金太郎飴状態」におちいらず、しっかりとメロディーやサウンドを練ってきている点、単純なパンクバンドとは一線を画するところでしょうか。

具体的に言うと、本作のタイトル曲のように、ストレングスを導入し、雄大な曲の世界観を聴かせるあたり、今後の彼らの音楽性の広がりを感じさせます。

今、非常に勢いがあるバンドで、その勢いが、うまいこと楽曲に昇華された1枚。ただ、単なる勢いだけのバンドじゃない点もはっきり感じさせてくれます。それだけに、今後が非常に楽しみ。早く2作目が聴いてみたい新人バンドです。

評価:★★★★★

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2008年4月11日 (金)

He Is A Pop Star!!

FAKIN' POP

アーティスト:平井堅

FAKIN' POP

平井堅といえば、デビュー時は「R&Bシンガー」というくくりでブレイクしましたが、ここ最近、彼の楽曲から「R&B」というくくりは完全にはずれてしまいました。

もともと彼自身、決してブラックミュージック一辺倒ではなく、ポップやロック、さらに歌謡曲からの強い影響を常に公言しており、リスナーとしては非常に雑食性だったことがうかがえます。

おそらく、彼が好きな音楽は、R&Bやロック、歌謡曲などをふくんでの「POP」そのもの。そして、今回、その「POP」という言葉が題材になった本作は、そんな彼の雑食性のスタイルが、存分に発揮された作品になっていました。

とにかく、1曲1曲、楽曲の雰囲気がバラバラ。

80年代テイストを取り入れた、大ヒットナンバー「POP STAR」からスタートしたかと思えば

エロチックなファンクチューンの「fake star」「UPSET」

いろいろと話題となった映画の主題歌となった「哀歌」に至っては、ムード歌謡曲一歩手前

そして、個人的に今回のアルバムで好きなのが「君のすきなとこ」

彼女への愛情を、素朴な言葉と表現で語るラブソングは、KANや槇原敬之あたりの影響を感じさせます。

代表例が「even if」なのですが、KANやマッキーみたいな「等身大の男性の、本音ベースのラブソング」の後継者的(?)存在として、実は彼って、すごく魅力的なラブソングをたくさん歌っているんですよね。

そしてそして!本作では、彼が以前からリスペクトを公言していたKANが楽曲を提供しています!!

それが「Twenty!Twenty!Twenty!」

KANちゃんらしい軽快なポップスソングに仕上がっていて、これで再びKANちゃんの人気があがるとうれしいなぁ・・・なんて思ったり思わなかったり・・・。

ただ、一方で、こういう雑食性のスタンスが彼の個性であり、大きな特徴であると同時に

彼にとって大きな弱みでもあると思います。

というのも、あまりにもいろいろなタイプの曲を歌っている結果、正直、「平井堅」という個性が薄まってしまっているように感じます。顔とは逆に。

結果、これだけの知名度と、ヒット曲の数々にも関わらず、平井堅というミュージシャンは、さほど固定ファンが多くついていないと思われます。

例えば、ここ最近こそその傾向は低くなったものの、「style」や「Strawberry Sex」のように、大きなタイアップがついていないシングルは異常なほど売上が低迷しまう、という現象など、まさに固定ファンがついていないからこそ起こりうる事態といえるでしょう。

こういう固定ファンがついていないミュージシャンって、常にタイアップなどで知名度をあげておかなくてはならず、一度凋落しだすと、一気に消えてしまう(例 小柳ゆき)んですよね。

もっとも、固定ファンがついていない=ミュージシャンの色が薄いからこそ、逆に「瞳をとじて」のようなメガヒットを生み出しやすい、ともいえるでしょう。ミュージシャンの色が濃いと、やはり「聴かず嫌い」のリスナーを多く生んでしまい、結果、固定ファンが必ずCDを買う一方、それ以外のリスナーは見向きもしない、ということになりかねません(例 B'z、長渕剛)。

ただ、今後長く活躍するためには、固定ファンを確保するべきだし。でも、平井堅の、この雑食性は、非常に魅力的であるのも事実ですし・・・難しいところです・・・。

評価:★★★★★

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2008年4月10日 (木)

The Another Side Of Weezer

Alone: The Home Recordings of Rivers Cuomo [Analog]

アーティスト:Rivers Cuomo

Alone: The Home Recordings of Rivers Cuomo [Analog]

日本でも人気のパワーポップバンド、Weezerのボーカリスト、リヴァース・クオモによるソロアルバム。

基本的に、Weezerとして発表される予定だった未発表音源や、Weezerの作品の元となったデモ音源などが、宅録によって収録されている作品です。

未発表音源や、デモ音源などを集めた作品とはいえ、それはそれ、Weezerでも天性ともいえるポップなメロディーをたくさん書いている彼のこと。このアルバムでも、数多くのポップなメロディーが楽しめます。

個人的には、ノイジーなギターが特徴的なバラードナンバー「Lemonede」とか、軽快なポップスに彩られながらもどこか物寂しさを感じる「Chess」とかが印象に残りました。

あと、Weezerの名曲「Buddy Holly」の別テイクなども収録されています。こちらに関しては、賛否あるかも。

ただし、あくまでも全編、デモ音源あるいはデモ音源に毛がはえた程度の出来。アルバムとして発売することには賛否もある内容になっています。

個人的には、素直にポップなメロディーを楽しむことが出来た作品で、予想していたよりよかったのですが、Weezerのファン以外には、簡単にはおすすめできない作品、といえるかもしれません。

Weezerのポップなメロディーが大好き!という方には、素直に要チェックの作品だと思います。

評価:★★★★

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2008年4月 9日 (水)

ジャニーズ1位を阻止したのは・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、堂本剛のソロプロジェクト244ENDLI-xの新曲がランクインしてきたので、またジャニーズ系が1位か?と思いきや、それを阻止したのが、L'Arc~en~Cielの新曲「DRINK IT DOWN」。きっちりと1位をとってきて、強さを見せつけました。ちなみに、244ENDLI-xが初動で7万5千、ラルクが9万4千。244ENDLI-xは先週だったら余裕の1位だったんでしょうけどね(笑)。ちなみに244ENDLI-xは同時にアルバムも発売していて、こちらは4位。初動で8万なので、シングル買った人はほとんどアルバムも一緒に買っているってことなんでしょうね。

その両者に、少々差はつけられましたが、きっちり3位に入ってきたのが、スキマスイッチの大橋卓弥のソロ第2弾。ソロが続いていて、スキマスイッチとしての今後がちょっと不安にも感じてしまうのですが・・・。ちなみにスキマとしてもライブ盤をリリースしていて、こちらはアルバムチャートで11位にランクインしています。

ベスト10に入ってきたもう1枚が、水森かおり。基本的な疑問として、なんで彼女の人気が、他の演歌歌手に比べてずば抜けているのか、少々わかんなくて。たぶん「ご当地ソングだから売れている」なんて単純な理由じゃないと思うんだけどな。

で。こちらも続けているロングヒットウオッチング

安室奈美恵 2位→4位
青山テルマ 4位→6位
ジェロ 8位→7位
すぎもとまさと 9位→8位
山下達郎 7位→10位
清水翔太 16位→16位

青山テルマ、ジェロ、すぎもとまさとの3枚は、まじで驚異的なロングヒットになる可能性も。山達は普通に落ちちゃってますね。残念。あと、安室は、ここ2、3週がロングヒットになるか、そのまま落ちるのかの鍵か。清水翔太はなにげにねばってます。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは2週続けてEXILEのベスト。今週も18万枚売れていて、2週で90万枚近く売り上げているので、ミリオンは確実か。正直、なんでここまでEXILEがうけているのか、いまひとつ、その理由をつかみかねているのですが・・・曲をきちんと聴こうと思うのですが、3枚発売されるベスト盤の1枚じゃあ、手を出しにくいしなぁ。

で。EXILEに惜しくも1位獲得を阻止されちゃったのが2位のaiko。ここ最近、連続でアルバム1位をとっていただけに残念!

でで。シングルでも書いたのですが、堂本剛のユニットが4位初登場な訳で、その上の3位に木村カエラがランクイン。ここまで人気があるってのも、少々意外な感じが。

ででで。相変わらず豪華なのがその参加メンバー。曾田茂一や奥田民生といった、以前にも参加していたメンバーに加えて、石野卓球や、モーサムトーンベンダーまで参加!完全にサブカル系のおもちゃ、と化しているよなぁ。あ、いい意味で(^^;;

でででで。石野卓球といえば、電気グルーヴの待望の新作「J-POP」が9位にランクイン!もうちょっと上位に食い込んできてもいいと思うんだけどなぁ~。既に当サイトでも紹介していますが、傑作なので是非。

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2008年4月 8日 (火)

ちょっとマニアックすぎるんじゃない?

Titie:D-Sides
Musician:Gorillaz

Gorillazの2枚組となる企画盤

1枚目は、過去のカップリング曲やデモ音源などを収録したB面ベスト

2枚目は、DFA、ソウルワックスらによるリミックス盤。

もともとから、実験的にいろいろな音を取り入れた、ジャンルレスな作風がGorillazの魅力でしたが、1枚目のB面ベストに関しては、その方向性が、さらにすすんだ作風。

そのため、全曲バラバラの、どのようにジャンルづければいいのか、不明。というか、音楽にジャンル付けすることの無意味さを感じてしまうような曲づくりになっています。途中、和風の音が聴こえてきて、これは?と思ったら

「Hong Kong」

という曲でした(^^;;・・・・・・そう言われると、和風という以上に中国風、かも?

ただ、そういう好き勝手気ままな作風になっているだけに、いままでのオリジナルアルバムで感じたようなポピュラリティーは低い作風になっています。要するに、ちょっとマニアックな作品。そういう意味では、ファンズアイテム的な要素が強い1枚で、Gorillaz最初の1枚としては、あまりおすすめできません。

2枚目の方は、リミックスなのですが、元曲のメロディーを素直にいかしているリミックスが多く、むしろこちらの方で、Gorillazのポピュラリティーが発揮されている印象を受けました。1枚目よりもこちらの方が聴きやすい作品に仕上がっていました。

そんな訳で、ファンズアイテムという感じのアルバム。Gorillazのファンには素直におすすめできるけど、それ以外の方は、既発のオリジナルアルバムをお薦めします。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

Endless Wire/THE WHO

約24年ぶり(!)となるTHE WHOのオリジナルアルバム!

思った以上に躍動感のあり、現役感を感じる一方で、渋さを感じる骨太のサウンドとメロディーが、ベテランとしての底力と、いい意味で年齢相当の雰囲気を感じました。

評価:★★★★

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2008年4月 7日 (月)

「静」と「動」の対比

HVARF-HEIM~消えた都

アーティスト:シガー・ロス

HVARF-HEIM~消えた都

タイトル通り、「Hvarf」「Heim」の異なる2枚のアルバムからなる新作。

「Hvarf」は、未発表曲と既存の曲のリアレンジからなる企画盤的な作品。

一方で「Heim」は、アコースティックライブの模様を収録したライブ盤。

ただ、「Hvarf」の方は、すべて新たな曲を聴いたような作風に仕上がっていますし、「Heim」もライブ盤とはいえ、MCや観客の音は全く収録されておらず、アコースティックアレンジのスタジオ盤にように感じられます。

そして、「Hvarf」は、ストレングスをメインとした、優しい静かなサウンドの中、轟音のギターサウンドが鳴り響く、いわば「動」のアルバム。

一方、「Heim」は、終始アコースティックなサウンドがメインの、シガーロスのメロディーと、その静寂の世界観をあらわした、いわば「静」のアルバム。

そういう意味では、両者、対比するような2枚のアルバムに仕上がっていました。

しかし、「動」と「静」をしっかりと対比されたからでしょうか、どちらも、正直、少々、単調気味だったような印象を受けます。「Agaent Byrjun」ではじめて感じた、独自で、他のなにものにもない新鮮なサウンドと、ポップスの対比の衝撃が、この作品では、少々、様式化してしまったようにも感じられました。

もちろん、その独特のサウンドと、ポップなメロディーの対比は今作でも見事で、素直に、ファンタジックな世界の中に身をゆだねることのできる作品だったと思います。ただ、新たな彼らの世界が広がったか、と言われると、物足りなさも残ってしまった作品でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

The Essential Of Marcury Rev/Marcury Rev

2枚組のベスト盤。1枚目はいわゆるベストアルバムで、2枚目はいわゆるB面曲や未発表曲などを収録したB面ベストになっています。1枚目の方は、まさにPet Sounds meet シューゲイザーという、これでもかというほどの甘美な音とメロディーのパッケージが魅力的。一方、2枚目は、ビートルズやジョンレノンのカバーも聴けます。ここらへんのカバーは元曲の良さをそのまま生かした名カバーになっていて、要チェック。マニアックなイメージが強い彼らですが、ベスト盤なだけに、幅広い層が楽しめるポップな作品になっています。これを機に、是非。

評価:★★★★★

Go:The Very Best Of Moby/Moby

ライブでは文句なしに楽しく、フロアで聴く分には、文句なしに踊れるMobyなんですが、CD音源で聴くと、少々おとなしい印象が否めません。本作も、ライブで、いい曲もたくさん収録されているのですが、印象が薄かった。つーか、これでもかというほど音をつめこんだMercury Revの後に聴いては、印象が薄くなるのは否めないよなぁ。

評価:★★★★

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2008年4月 6日 (日)

グラミー賞総なめは伊達じゃない

      
As I Am

アーティスト:Alicia Keys

As I Am

グラミー賞総なめというニュースで、日本でも知名度が上昇し、すっかり有名となった彼女。

なんて書いても、私自身、彼女の曲をきちんと聴くのはこれがはじめてなんで、全く人のことを言えませんが(^^;;

しかし、グラミー賞総なめの理由は、このアルバムを聴けば、嫌というほどわかります。

特に冒頭「Go Ahead」で、テンポのよい、今風のR&Bチューンからスタートしたかと思えば、「Superwoman」では一転、力強いパワフルなボーカルを聴かせてくれる、王道ともいえるソウルチューンを聴かせてくれます。

その後も、全体的に、彼女のパワフルなボーカルを聴かせてくれる、ソウルテイストのナンバーが続きますが、一方では、ロックやポップスからの影響も強く、R&Bリスナー以外の層にも、広くアピールできる作品になっています。

R&Bをベースにしながら、今風のサウンド、ポップス、ロックなどの様々なジャンルからほどよく影響を取り込み、ほどよい色気を加えて、力強いボーカルで歌い上げる・・・ある意味、バランスがよい、非常に高クオリティーのポピュラーミュージックだと思います。最初、アルバムを買うか否か迷っていたのですが、購入して聴いてみて大正解のアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

THE INFORMATION/BECK

ポップやロックをベースに、ヒップホップ、エレクトロニカなど取り混ぜつつ、いろいろな音をつかって独自の世界をつくりあげる・・・ただただ、その独自の世界を楽しめる作品でした。

評価:★★★★

LOVE/THE BEATLES

ある意味、ビートルズの作品って、語りづらいなぁ・・・。

まず、60年代の名曲が、おもいっきりリマスターされ、「今の音」に生まれ変わっている点、おもしろかったです。オリジナルの作品より、よりクリアになったことにより、音にリアリティーがまし、新たな感覚でビートルズの名曲を楽しめました。

賛否両論の、この作品の企画自体なんですが、個人的には、ビートルズのリミックス盤として、こういう企画もありかな、とは思います。ただ、あくまでもリミックス盤で、ビートルズの新作、ではないよなぁ、間違いなく。

評価:★★★★

ALRIGHT,STILL/LILLY ALLEN

どこか昔の60年代テイストの音づくりを感じられます。ある意味、ここらへんからAmy Winehouse大ヒットの下地がつくられたのかなぁ?

評価:★★★★

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2008年4月 5日 (土)

8年ぶり!待望の復活作!!

      
J-POP(初回生産限定盤)

アーティスト:電気グルーヴ

J-POP(初回生産限定盤)

傑作「VOXXX」リリース後、2001年に活動休止宣言を行った電気グルーヴ。その後2004年にWIREで活動再開後、フジロックの出演やスチャダラとのコラボレート作などの活動はあったものの、単独名義でのアルバムリリースはありませんでした。

そんな中、ついにリリースされました!8年ぶりの新作!!

電気グルーヴといえば、非常にユーモアなキャラクター性が受けている一方、音楽は、海外でも高い評価を受けているといった、アンバランスさが魅力的となっています。

本作は、あくまでもストイックに、テクノユニットとしての本領を発揮した作品となっています。

どこかユニークな歌詞もありますが、その内容は、あくまでも楽曲の一部として機能するべく練られたものとなっているため、単独ではほとんど意味をなしていません(まあ、それはそれで彼ららしいユーモラスさをかもしだしていますが)。

また、楽曲は、全体的に音数を絞ったつくりとなっていて、いわば音と音の間を聴かせるよう・・・といってしまっていいでしょうか。そういう音と音の間もきちんと曲として聴かせることができる点、石野卓球の力量を感じます。

とはいえ。

「J-POP」というある種皮肉的なタイトルが示すように、あくまでも聴きやすさをベースとした作品。

聴きやすい、という典型例はピエール瀧をボーカルにすえた、このアルバムの中で唯一ものいえるユーモラスな作品「半分人間だもの」や、かつての「N.O.」を彷彿させる、電気グルーヴらしいポップスさを追及している「モノノケダンス」などのいかにも「ポップ」な作品ということになるのでしょうか。

しかし、それ以外の作品も、確かに聴きやすい内容になっています。

そういう「聴きやすさ」の最大の理由は、石野卓球の選ぶ「音」のセンスの良さ、これにつきると思います。

決してベタなポップに落とし込んでいるわけじゃないのですが、しっかりとポップな音を選んで、曲に仕上げているんですよね。このアルバムにしたって、決してわかりやすいダンスナンバー、とかじゃないのに、すんなりと耳に入って楽しめる作品になっていて、さすがだなぁ、と感じてしまいました。

こういう音の選び方って、おそらく考えてできるものじゃいし、彼の天性の才能なんでしょうね、やはり。

8年、待ったかいのあった傑作だったと思います。電気グルーヴの実力と良さが、嫌というほどあらわれていた作品です。

評価:★★★★★

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2008年4月 4日 (金)

これはこれで名盤、とは思うけど

Title:Oblivion with Bells
Musician:Underworld

素直に言っちゃうと

「Born Slippy」みたいに、ガツガツアップテンポに踊れる曲が好きです

やはり(笑)。

そういうわけなんで、素直に言ってしまうと、アンビアント方面に向かった本作は、聴いていて少々物足りなさを感じたのは事実な訳で。

ただ、透明感のあるサウンドがとても気持ちよく、フロア対応ではなく、あくまでも聴きこんで楽しみたい作品。1曲1曲が違うタイプの顔を見せてくれ、比較的アップテンポな1、2曲目から、4曲目タイトル通り、雄大な雰囲気ながら心に染み入るような「To Heal」までへと、どんどんとunderworldの世界に入り込んでしまいます。

とはいっても(以下冒頭に戻る(笑))

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Our Earthly Pleasures/MAXIMO PARK

あのWARPレーベルがはじめて送り出した新人ギターロックバンド・・・

の割りにはフツー(苦笑)。2枚目となる本作は、スマパンやフーファイを意識した、というけど、それを差し引いても、あまり個性を感じられないなぁ。

評価:★★★

ATARI TEENAGE RIOT 1992-2000/ATARI TEENAGE RIOT

カッコいい!!!

ごめん。正直、結構壺にはまったかも(笑)。バリバリのデジタルロック+ハードコアの超コッテリ路線で、少々これが続けば飽きちゃうかも、という予感はあるものの、あまりにもアップテンポに勢いがある作品が続いているだけに、かなりはまってしまいました。

実はこのベスト盤ではじめて彼らの曲を聴いたのですが、過去のオリジナルも聴いてみようかなあ。

評価:★★★★★

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2008年4月 3日 (木)

この道は行き止まりかも

Title:Dead Wonderland
Musician:iLL

ご存知元スパカのナカコーのソロユニット。

ソロになってからは、どうも迷走という言葉が頭をよぎる彼の作品ですが

本作も思いっきり迷走しちゃってます(苦笑)。

本作は、前作のエレクトロニカ路線から一変、ギターメインの「歌モノ」に挑戦した作品で、シングルにもなった「Call My Name」は、ストリングスが美しいメロディアスな作風になっており、続く「Timeless」もロックテイスト強いシューゲイザー風の曲と続き、かつてのスパカを彷彿とさせます。

しかし、中盤から後半にかけて完全に失速。

後半、どんどん退廃的、内向きになっていくメロディーとサウンド。それが狙いなのかもしれませんが、正直、新たな個性を確立しているといえないため、面白みがなくて、暴論を言ってしまうと、ただ暗いだけ。

結局のところ、ポストロック路線に走った本作は、電子音かギター、ストリングスかの違いはあっても、前作以前と根っこのところは同じ。

でも、こういう実験的なサウンドに挑戦するなら、ポップなメロディーと組み合わせて、幅広い層に受け入れられる作品にするか、独自の世界観を発揮するか、のどちらかと思います。

で、彼がスパカ時代に目指していたのは前者。iLLとして目指しているのは後者、というイメージがあって。

結果、全然独自の世界観が出せずに迷走しちゃっているのがここ最近。

はっきりいって、ナカコーは、この路線は行き止まりだと思うんだけどなぁ。

それに、やはり彼の才能は、既存の先端的なサウンドを再構築して、ポップなメロディーと組み合わせ、ポップな作品をつくる・・・スーパーカーの路線だと思うんだよね。

そろそろ、路線変更を求む!このままじゃ惜しいよ・・・。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

VANDALIZE/10-FEET

基本的には以前と同様のメロディアスパンクなんだけども、以前よりも音が太く、ハードロックの要素が強くなった印象が。新たな一歩を踏み出したといったところか?

評価:★★★★

key/一青窈

何かと騒がれている彼女。以前と比べてエスニックさが薄れ、普通のポップスになっている印象が。朗読のナンバーがあったりと、より歌詞で売っていきたい、といった感じかな?確かに、歌詞は独特の個性と文学性があってなかなかいいと思うけど。

評価:★★★★

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2008年4月 2日 (水)

宇多田の記録はわずか1週・・・・・・(苦笑)。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週もまた、1位はジャニーズ系。今回は、ご存知V6の不人気な方大人の方のユニット、20th Century「オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ」が見事1位を獲得しています。

ただ、初動売上は、わずか3万8千枚。

最初、ケタを間違えたのかと思いました・・・(^^;;まあ、今週もチャートの谷間だった、ということで。

3位のTourbillionは元LUNA SEA河村隆一のバンドですね。なんか特におもしろみのないフツーのポップスロックといった感じ。「仮面ライダーキバ」のテーマ曲だそうですが、タイアップ効果か?それとも、元々の人気か??

ちなみに同じ仮面ライダーシリーズでも、その前作の挿入歌も5位にランクインしています。

6位アリス九號.は最近人気上昇中のビジュアル系バンド。とりあえず楽曲は、ビジュアル系といっていかにもイメージできそうな、ちょっとメタルの入ったような、ポップスロックのナンバー。なんか、ビジュアル系といわれる人たちって、ハードなのとポップなのと、最近、差が激しいよなぁ。曲の出来不出来も含めて。

で、ベスト10以下に目を移すと、18位に久保田利伸feat.MISIAなる文字を発見!

ごめん。正直、こんなコンビで新曲を出していること、はじめて知りました。

試聴してみたのですが、歌い上げるようなバラードナンバーで、正直、2人の知名度もあわせて、もうちょっと売れてもいいと思うんですけどね。まあ、曲自体に目新しさが欠けるので、思ったほど伸びなかったのかもしれませんが。

ちなみに、ここ最近ウォッチを続けているロングヒットチューン。

山下達郎 3位→7位
青山テルマ 6位→4位
すぎもとまさと 7位→9位
ジェロ 9位→8位
清水翔太 11位→16位

残念ながら清水翔太は脱落気味かも。山下達郎は、ここがふんばりどころか?青山テルマとジェロは本格的なロングヒットになりそうな予感。先週1位の安室がいまだに2位をキープ。こちらもロングヒットの予感が・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートはEXILEのベスト盤が1位を獲得。初動68万枚で、先週、宇多田が記録した、今年の初動最高記録という、すごいのか微妙にしょぼいのか不明な記録を、わずか1週で塗り替えました。

EXILEのベスト盤は、今年3枚リリースする予定だそうで、その1枚目。タイトル通り、キャッチーな曲が収録されているそうです。いや、結構「キャッチー」って、曲について語る場合、いまひとつ、ネガティブな文脈でつかわれることが多い言葉なので、こう堂々とアルバムタイトルに使っちゃうのって、正直、どうかなぁ、と。

シングルがロングヒット中の青山テルマのアルバムが4位にランクイン。シングルの一発屋になるか否か、アルバムの順位はその行方を占うのに重要なのですが、4位というのは微妙なところ・・・。

6位8位にランクインした浜崎あゆみのリミックスアルバムは、リミキサーにCOLDCUTやARMAND VAN HELDENらといった、かなりの大物が参加することで一部で話題になりました。ただ、その話題性の割りに伸びなかったのは、参加ミュージシャンのファン層と浜崎のファン層が重ならなかったからか。もっとも、浜崎のファンが、これを機に、参加ミュージシャンに興味を持ってくれればおもしろいんですけどね(ってか、おそらく、それを意図してのアルバムでしょうし)。

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2008年4月 1日 (火)

これぞ、ロックンロール!

Title:The Black and White Album
Musician:The Hives

スウェーデンのロックバンド、THE HIVESの新譜。この手のギターロックバンドってたくさん出てくるんで、出てきた時は、正直一発屋かなぁ、とも心配したのですが、この作品も、そこそこ売れているみたいで、なんとか残ったようですね。よかったよかった。

彼らは、以前からそうなのですが、ともかく、これぞ、ロックンロール!というような、陽気なロックンロールサウンドと、ポップなメロディーを両立させて聴かせてくれています。

典型的なのが5曲目の「Hey Little World」

カッコいいギターリフが特徴的なこの曲は、まさにTHE HIVESのカッコよさを如実にあらわした1曲と言えるでしょう。

ただ、加えて本作では、いろいろなパターンの曲にも挑戦しています。

「THE H.I.V.E.S」は、テンポのよいリズムに、ミニマルのテイストを持ち込んでいて、どこかダンスチューン風に聴こえますし

「Return The Favour」は、いつもにましてハードなナンバーになっていて、コアパンク風に仕上げていたりします。

ある意味、マンネリを勢いで乗り切るバンド(笑)だと思っていたので、このバリエーションは少々意外。ただ、どの曲も、基本的には、ロックンロールのフォーマットにのっており、彼ららしさはしっかり守っています。

ロックンロールのカッコよさを忠実に守っているアルバム。とても心地よくカッコいい作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Idlewild/OUTKAST

日本でもHIP HOPという枠を超えて話題となった前作はとてもよかったんですが。本作も、実験的な作風を目指しながらも、前作と比べるといまひとつ。ポピュラリティーという面が少々不足気味、だからかなぁ。

評価:★★★★

Revenge of the king/Kula Shaker

再結成後初のミニアルバム。新曲は、ふつーのギターロックという感じ。それはそれで悪くないけど、ちょっと凡個性的かと。最後の「Govinda」は、ファン向けかもしれないけど、このアルバムの中では浮いちゃっているなぁ。

評価:★★★

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