何を歌っても桜井の曲になっちゃうんだよね。
Title:沿志奏逢2
Musician:Bank Band
Bank Bandとしての2枚目のオリジナルアルバム。
Bank Bandの設立趣旨については、とりあえず、wikipediaにゆずります。
Bank Band(wikipedia)
ap bank(wikipedia)
収録曲は、邦楽のカバーを中心に、オリジナル曲を含む全14曲なのですが、この選曲がおもしろい。
決してメジャーではなく、知る人ぞ知る的な曲を集めたものの、決してマニアックに走りすぎるわけではない・・・いってみれば「名の知れたミュージシャンの、知られざる名曲」を多く選んでいます。(まあ、矢野顕子の「ひとつだけ」や、RCサクセションの「スローバラード」は定番曲ですが)
個人的には、やはりKANの曲をカバーしてくれたことがうれしいなぁ。それも「何の変哲もないLove Song」を選ぶところが、本当にKANちゃんのファンなんだなぁ、ということを感じさせます。
しかし、一方、これらのカバーが「名カバーか」といわれると、少々微妙な点が。
というのも、桜井って、ボーカリストとして、あまりにも桜井らしさが出すぎているんですよね。
それでいて、どれもミスチルの時と同様、叙情感をあおって歌い上げるような歌い方をしています。
結果、これらのカバー曲は、いわば「桜井」という濃い色のペンキで、曲の上を塗りたくられたような、そんなカバーになっています。
要するに、元曲の本来の良さが、少々後ろに下がってしまう部分が否めないんですよね。
この強烈なボーカリストの個性があるからこそ、ミスチルというバンドは、長く日本のヒットシーンの中心に居続けられるんでしょうが・・・。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
EIGHTH WORLD/MISIA
MISIAらしさがすっかり確立されたアルバム。最近のMISIAって、かなりポップに曲をまとめてくるよなぁ。昔って、もうちょっと本格派R&Bっぽかった印象があるんですが。自分の耳が、以前より本格的なR&Bも「ポップ」と認識するようになったんだろうか?
評価:★★★★
Fantastic OT9/奥田民生
なんというか、アルバムのリリースを重ねれば重ねるほど、奥田民生以外、誰にも歌えないようなアルバムをつくってきますね、この人は。
彼のアルバムの素晴らしさは、その絶妙な力の抜き具合だと思う。
ちょっと聴いた感じだと、彼の曲って、すごく力が抜けていて、ある意味「ふにゃふにゃ」。しかし、よくよく聴いてみると、しっかり要所要所では、骨太のロックを聴かせてくれているんですよね。
そんな音をポップにまとめあげられるのって、彼だけだし、また、彼のあのおとぼけた(ような)ボーカルがあってのことなんですよね。
ますます円熟の域に達成しようとしているアルバムでした。
評価:★★★★★
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