「あの頃」を思い出す..だけど...
AND I LOVE YOU
アーティスト:DREAMS COME TRUE | |
ここ最近、ドリカム人気が再び盛り上がってきています。
ドリカムのかつてのヒット曲「未来予想図」をモチーフにした映画が放映されたり、その映画の主題歌が、久しぶりの大ヒットを記録したり、再び勢いづいています。
そんな彼女たちの勢いそのままにリリースされたのが本作。既発のシングルとそのカップリング曲で、13曲中6曲もうまっているので、出来が良いといえば当たり前なのですが、その既発のシングルを含め、実にドリカムらしい、切なくなるようなラブバラードや、とことん明るいラブソングがつまった作品になっていてました。
それはまるで、全盛期だった「MILLION KISSIES」や「The Swinging Star」の頃を思い起こさせてすらくれます。
具体的には・・・
大ヒットした「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」は、まさに名曲「未来予想図」の続編的内容ですし・・・
「サヨナラ59ers!」は、タイトルからしてそうなのですが、「SAYONARA」を思い出させるマイナー調の悲しいバラードナンバーですし・・・
とことん明るい「CARVANAL」は、「うれしい!楽しい!大好き!」と「決戦は金曜日」を足して2で割った作風といったところでしょうか。
そして、本作でなんといっても聴きどころは、タイトル曲の「AND I LOVE YOU」でしょう。昨年急逝した、吉田美和の内縁の夫、末田健にささげたラブソングで、ストレートにその心境を吐露した内容は、聴いていて胸に迫るものがあります。「私情をみんなに聞かせて 申し訳ないけど」とエクスキューズしていますが、それでも、ミュージシャンとして、この感情を歌にのせざるを得なかったのでしょう。
しかし、そんな歌がアルバムのタイトルになるとは・・・プライベイトも切り売りしなければいけないポップスミュージシャンの厳しさも感じさせますね(^^;;
一時期、本格的R&Bやソウル方向に向かっていた彼女たちですが、ここ最近、昔のR&B風ポップス路線に戻ってきていました。そして、そんな中、ついにリリースされた、全盛期に迫る傑作だったと思います。ドリカムの底力を感じさせる作品でした。
ただ、その一方で、「全盛期に迫る」といってしまうには、ひっかかる点があるんですよね。
それはもう、ドリカムはかつてのドリカムじゃない、という点。
かつてのドリカムは、男性メンバー2人+女性メンバー1人という組み合わせで、女性と男性が、恋愛ではなく、友情で結ばれているという点が話題となり、男性2人+女性1人の組み合わせを「ドリカム編成」「ドリカム状態」なんて読んで、一種の流行にもなりました。
そして、そんな恋愛ではなく友情で結ばれているバンドというところに一種の物語性が感じられ、彼女たちの曲をいろどっていました。
しかし、その後の結果は、みなさんご存知の通りで・・・・・・・・・
吉田美和にしても、略奪婚ってのも、正直、少々ひっかかる部分があるし・・・・・・・・・
よく
「ミュージシャンは純粋に音楽のみで評価すべきだ」
という意見は見られます。それはそれで間違いなくひとつの真実だとは思うのですが、でも一方で、やはり音楽を聴く時、そのミュージシャンが持つ物語性やバックグラウンドもまた、音楽を彩る材料になるのではないでしょうか。
そんな訳で、もっとぶっちゃけて言ってしまうと・・・
MILLION KISSES
アーティスト:Dreams Come True | |
この3人の笑顔ってのは、二度と戻ってはこないんだよなぁ・・・(T T)
ってことです。
評価:★★★★★
↑あ、もちろん「AND I LOVE YOU」のね。
さて、あの頃って、こういうドリカム状態のバンドが一種のブームとなり、数々の男性2+女性1のバンド、ユニットがデビューしました。でも、
Every Little Thing→1人脱退し、2人組に
the brilliant green→メンバー同士が結婚
MY LITTLE LOVER→メンバー同士が結婚→1人脱退→もう1人脱退→離婚
globe→メンバー同士が結婚
Hysteric Blue→・・・・・・・・・・・・
そんな訳で、男性2+女性1のメンバーが友情を保ったまま長続きしているバンドは、一組もありません。やはり、男女の友情というのは、非常に難しいのか??????
最近、久しぶりのドリカム状態のバンドとしていきものがかりというバンドが人気を集めていますが、彼女たちの今後はいかに???
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2008年」カテゴリの記事
- 堀込弟脱退!(2013.03.03)
- マイラバらしい作品(2009.12.26)
- ロックンロールの楽しさを伝える(2008.12.30)
- がんばる真夜ちゃん!(2008.12.28)
- 手堅いポップソング(2008.12.27)
コメント
そういえばthe Indigoも1人脱退してるし・・・
Do As Infinityなんかも意味がわからなかったですね・・・
クラムボンは順調?
スウィンギングポプシクルなんかも地味に続いてますよね。
あまり売れないほうが良いんですかね^^;;;
投稿: plasma | 2008年3月 5日 (水) 01時27分
>plasmaさん
ああ、そういえばDo As Infinityってのもいましたね。彼女たちも、いつの間にか解散しちゃったのかぁ。
あと、クラムボンは、今のところ、順調ですね。彼らが唯一のケースとなるのか?それとも・・・。
Swinging Popsicleも地味に続いているんですね。昔はよく名前を聞いたんですが、最近はあまり聞かなかったのでどういたのかと思っていました。
投稿: ゆういち | 2008年3月 6日 (木) 00時19分