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2008年2月12日 (火)

ユニコーントリビュート&奥田民生カバーズ

先日のmonobrightのCD評でも書いたのですが、最近、ユニコーンに影響を受けたのでは?と思われるミュージシャンも増えてきました。そんな中、リリースされたのが、今回のアルバム。ユニコーンはあくまで「トリビュート」で、奥田民生が「カバー」と名乗っている点、ちょっと細かい。

Title:ユニコーン・トリビュート

Title:奥田民生・カバーズ

どちらのアルバムも、一言でいってしまえば、やはりベテラン勢が健闘しています。ここらへん、しっかり自分たちのスタイルを確立しているミュージシャンって、やはり強いよなぁ。

ただ、そんな中で「ユニコーン」の方は、よりよく出来たカバーが多かったです。

ユニコーン自体、個性的なバンドだった・・・とはいえ、やはり、ボーカルの個性は、奥田民生ソロと比べると、少々後ろにさがっています。

それだけに、他のミュージシャンたちがカバーしても、しっかり、そのミュージシャンたちの色に染まり、かつ、メロディーや歌詞など、ユニコーンの良さを表現できている、そんなカバーが多く収録していました。

個人的には、TRICERATOPS「ヒゲとボイン」のカバーが、トライセラらしさもユニコーンらしさもほどよく残っていてよかったかな?トライセラとGRAPEVINEが並んで収録されているのもちょっとうれしいところ。

一方、フジファブリックやキャプテンストライダムあたりの若手バンドは少々苦戦気味。ここらへんは、今後のさらなる成長に期待、といった感じでしょうか?

それと比べ、「奥田民生」の方は、ベテランでも苦戦が目立っていました。

奥田民生のソロの曲って、奥田民生というミュージシャンの個性が色濃く楽曲自体に反映されちゃっているんで、奥田民生以外が歌うと、とたんに曲がダメになっちゃうのが多いんですよね。

典型例が木村カエラ「マシマロ」。あれって、奥田民生の、ちょっとおとぼけたボーカルが、楽曲のユーモアさをかもしだしているのに、木村カエラが真面目に歌っちゃっても、曲が全然おもしろくありません。別に、悪いボーカリストだとは思わないけど・・・>木村カエラ

他も、スピッツやせっちゃんあたりも少々苦戦気味。ベテランでも、あの曲を自分のものにするのは難しいといったところか?

そんな中、やはり圧巻のカバーだったのは井上陽水「The STANDARD」でしょうか。ある意味、奥田民生を上回る個性の持ち主で、完全に陽水の曲にしちゃってます。

あと、奥田民生と井上陽水は以前から組んで曲を出してたりするんですが、井上陽水のボーカルって、奥田民生の曲に合っている気がする。

どちらも、どこか人を食ったような、真面目なのか不真面目なのかユーモアなのかわからない、微妙なバランスを持っているという点が。

それだけに、井上陽水のカバーは、他のミュージシャンが苦戦している中、名カバーに仕上がっていました。

評価:
「ユニコーン」★★★★★
「奥田民生」★★★★


ほかに聴いたアルバム

2007/SOPHIA

全体的に、メロディーを聴かせるタイプの曲が多いけど、正直、松岡充のボーカルで「聴かせる」ってのは無理があると思うよ(^^;;

特に、「愛の讃歌」のカバーは、ちょっと厳しかった(苦笑)。

以前よりは、あのボーカルにあった曲づくりをしている感じはするけど・・・一時期より、勢いが衰えちゃっていて、これは!というメロディーが少ないだけに、それで「聴かせるアルバム」ってのはちょっと辛いなぁ。

評価:★★★

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