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2008年2月

2008年2月29日 (金)

甘く切なかったあの時代へ

十七歳

アーティスト:Base Ball Bear

十七歳

「十七歳」

どこか、甘く、切ない感情がよみがえってくるような、あの頃。

そんな年頃を、そのままアルバムタイトルとしたBase Ball Bearの新作は、アルバム全体を通じて、中高生の頃を思い出させてくれます。

とても幼くて、いまから考えると「恋に恋していた」のかもしれないけど、一途にあの人のことを思っていた、そんな頃に・・・。

デビュー当初から、そういうノスタルジックな感情をうまく曲にのせてきた彼らですが、Base Ball Bearらしさが、結実したのが本作だと思います。

「十七歳」をはじめとするどこかセピア色の雰囲気を持ったラブソングを、ハードなギターロックと、それに反するようなポップなメロディーラインで歌い上げており、Base Ball Bearとしての個性をしっかり出したアルバムになっていると思います。

ただ、全体的に似たようなタイプの曲が多く、少々ワンパターン気味なのがマイナスかな?その点、RADWIMPSやチャットモンチーみたいに大ブレイクに至っていない要因かも。

さて、以下、アルバムとは直接関係ないのですが

Base Ball Bearの曲って、中高生あたりが聴くと、どう感じるんでしょう?

というのは、彼らが歌っているラブソングって、どこかノスタルジックな雰囲気が魅力なんですが、「十七歳」という年齢にノスタルジックを感じるのって、少なくとも、20歳を超えたころからだと思うんですよね。

そういう意味で、彼らの曲って、ストレートに、彼らと同世代(22~3歳)あたり以上向きの曲。私が17歳だったころ(はるか昔ですが、一応あったんですよ(笑))を思い出すと、彼らの曲って、あまりピンと来なかったんじゃないかなぁ、と思ってしまいます。

そこらへん、中高生から大学生あたりが中心のヒットチャートの中で、彼らが不利になってしまうんじゃないかなぁ、と思ったりして。逆に、彼らより上の世代って、彼らみたいなタイプの新人バンドって、なかなか聴かないだろうし・・・。どうなんでしょうか?

評価:★★★★★

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2008年2月28日 (木)

中田ヤスタカの時代が来るのか?

      
FLASH BACK

アーティスト:capsule

FLASH BACK

最初、「CUTIE CINEMA REPLAY」を聴いた頃は、「なんだこの『なんちゃって小西康陽』は?」なんて思っていたのですが、いつのまにか、中田ヤスタカとしての個性を確保しちゃいましたね。

特に最近は、その音楽性が広く評価されているみたいで、例えば彼がプロデュースを手がけるアイドルユニットPerfumeなんかも、ネットを中心に話題となっているみたいです。

もともと、昔から、しっかりとしたポップスセンスを持っていたミュージシャンでしたが、ここ最近、時代の半歩先を読む嗅覚を持つように至ったみたいです。先日のTM NETWORKのCD評でも書いたのですが、この半歩先の音楽を追及する適度な先駆性と、徹底したポピュラリティーという点、全盛期の小室哲哉を彷彿とさせます。

そういう意味でも、以前、テレビで「J-POPの革命児」みたいに紹介されていましたが、彼のサウンドは決して斬新で真新しいという訳ではありませんし、スタイルとしても、他に類のない、というタイプではありません。ただ、小室哲哉をはじめ、いままで彼みたいなタイプのミュージシャンは、まず「芸能界」のど真ん中から大ヒットを産み出すというスタイルが多かった中、アンダーグラウンドから口コミで広まるという点、新しいといえるでしょうし、また、ネットで口コミが瞬時に広まる「今」という時代を象徴しているといえるかもしれません。

そんな中、発売されたこの新作は、ここ最近見られた、中田ヤスタカがやりたいことが、また暴走しちゃっている作品になっていました。というか、はっきりいって、もう、こしじまとしこいらないじゃん(笑)。最近は、プロデュース業も増えた影響か、自分のユニットcapsuleで、好き勝手できるようになった、というところでしょうか。また、彼自身、自分のスタイルを確立してきたからこそ、こういう暴走できるのではないでしょうか。

前作に比べると、少々暴走気味の感が否めず、そういう意味では、個人的には前作の方がよかったかな。ただ、時代の半歩先を行くような、フレンチテクノポップの軽快なリズムが楽しめる傑作だったと思います。中田ヤスタカの勢いはまだまだ止まらなさそうです。

評価:★★★★★

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2008年2月27日 (水)

ある意味、これが「日本らしさ」?

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、4位に、アフリカ系アメリカ人が歌う演歌の新曲が、5位に純粋ジャパニーズが歌うR&Bの新曲が、それぞれランクインしています。

4位はワイドショーなどでも大きく取り上げられ話題となった黒人の演歌歌手、ジェロのデビュー作「海雪」。その異色性から、既にメディアで取り上げられているので、ここであえて詳しく紹介する必要性はないでしょうが・・・。

肝心の曲自体の方は、秋本康/宇崎竜童のコンビが曲を提供しているだけに、ど演歌というよりは、演歌畑じゃない人が、『演歌っぽいなあ』と感じそうな、いかにもという作風になっています。また、そのためもあって、演歌というよりも演歌風ポップスというノリで聴けそう。ここらへんも、ヒットの要因かもしれません。

一方、5位の清水翔太は、ニューヨークのアポロシアターの「アマチュアナイト」で絶賛されたとかで話題のシンガー。クリアな歌声が印象的なのですが、こちらも本格的なR&Bというよりも、ラップも取り入れた、今風のR&B風ポップスという感じに仕上がっています。

ある意味、シンガーと楽曲の組み合わせが逆じゃん!!というこの新人2人。ただ、こういう節操のなさが日本的といえば日本的。また、どちらも、「本格的」というよりは、J-POP風にアレンジを加えているという意味では共通していて、これも、いかにもヒットチャート、といった感じですね。

ちなみに今週1位はの新曲「Step and Go」で、初動32万枚ですか。ここらへん、完全に別世界といったところでしょうか。

宇多田ヒカルの新曲は3位と不調。アルバム発売直前というのも影響しているのですが、それを差し引いてもちょっと気にかかるところです。

6位には平井堅の新曲がランクイン。今回もまた、ドラマ主題歌という強力タイアップ付。ただ、いまひとつ伸びていません。なんか、相変わらず固定ファンが、なかなかつかないよなぁ、この人は。

BoAちゃんが13位というのもちょっと不調か?ただ、こちらもアルバム発売直前というのが影響しているんdしょうが。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

ここ最近、久しぶりに復活したthe brilliant greenのベスト盤が見事1位を獲得しています。最初期の英語詞シングル2枚が収録されているのが、個人的にはすごくうれしい。この1枚目2枚目は、ある意味、本来もっともブリグリがやりたかったことなのでは?と思ってしまう、洋楽直系の曲づくりになっています。未聴の方は是非。

と思って久しぶりに聴いてみたら、思ったよりポップな曲調でビックリ。ただ、oasisあたりを彷彿とさせるイギリスギターロック直系サウンドは、個人的にやはりかなりの壺。お勧めの作品です。

他、くるりのライブアルバムが9位にランクイン。まあ、ライブ盤だしこんなところかな?

あと、7位には、マイケル・ジャクソン「スリラー」の25周年記念盤がランクイン!マイコーといったら、最近は、数々の奇行でスキャンダラスなイメージがすっかり定着しちゃったけど、もともとは「キング・オブ・ポップス」の異名を持つ、80年代を、いや、ポップス史を代表するミュージシャンの一人。本作は、そんな彼の代表作で、おそらく表題曲「スリラー」は誰もが一度は耳にしたことあるはず。これを機に、80年代を代表する傑作をチェックしてみるのもいいかも。

ちなみに「スリラー」といったら、それ自体が一編の映画のような構成になっていて、かなり手の込んでいるプロモーションビデオも有名。この25周年記念盤では、そのPVも収録されたDVDもついています。こちらも要チェックです。

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2008年2月26日 (火)

いろいろと語りたくなってしまう作品

      
SPEEDWAY

アーティスト:TM NETWORK

SPEEDWAY

活動しているんだかしていないんだかわかんない、TM NETWORKの3年半ぶりとなるオリジナルアルバム。アルバムタイトルの「SPEEDWAY」というのは、メンバー3人がTM結成前に所属していたバンド。しかし、これがまた、いつものことながら、ファンにとっては一言も二言も物申したくなってしまうアルバムだったりします。

(1)そもそも、何で今、「SPEEDWAY」??

例のごとく、Wikipediaの記述によると

「本作の製作へのきっかけは小室哲哉がiTunes Storeで「SPEEDWAY」の楽曲を見つけたことから始まり、レコーディングに際し、小室曰く「SPEEDWAYの『3rdアルバム』」であると述べている。」

だそうです。ただ、彼らの原点でもあるバンドの名前を、あえてアルバムタイトルに持ってくる意味がわかりません。「SPEEDWAY」という名前はもっと重要なものじゃないのか?例えば、これを機に、原点回帰し、本格的に活動を再開する、というのなら十分理解できるのですが。

以前にも書いたのですが、中途半端に再結成し、活動を続けるくらいなら、バンドとしての物語は「解散」で終わらせるべき、と思っているだけに、TM NETWORKの中途半端な活動と、そして、意図が不明な「SPEEDWAY」というアルバムタイトルには疑問を感じてしまいます。

(2)つーか、小室哲哉は大丈夫なのか?

なんか、ここ最近、すっかり音楽活動をしなくなってしまって、週刊誌などでも、その凋落ぶりが時たま話題となってしまう小室先生。しかし、その凋落ぶりは本作からも痛いほど感じられます。ってか、本作、11曲中5曲も木根尚登作曲だしね。

これは、あくまでも私見なんですが、今の小室先生って、どういう音楽をやりたいのか、見失ってしまっている感じがするんですよね。小室哲哉というミュージシャンのすごさというのは、時代の半歩先を行く音楽を見つけるその嗅覚と、その半歩先の音楽にヒットチャートで通用するレベルまでのポピュラリティーを加味してしまう天性のポップスセンス。その才能ゆえに、「小室系」の大ヒットという一時代を築き上げました。

しかし今、小室哲哉自身、その半歩先の音楽を見つけられないでいる印象を受けます。実際、ここ最近の小室作品って、一応先端的な音楽を目指しているっぽいんですが、どこを目指しているのか、いまひとつ焦点が定まっていませんし、それは本作も同様。もう、完全にスランプに陥ってしまっていることが、痛いほどわかってしまいます。

ちょっと話はそれるけど、かつての小室哲哉がやっているようなことを今やってるのが、中田ヤスタカなんじゃないかなぁ。ちょうど時代の半歩先を行っているような音を(まあ、半歩先というよりも、ちょっと昔懐かしい感じの音なんだけど)ポップにまとめあげているし。いわゆる「おたく層」からの盛り上がりという点で、TM NETWORKの盛り上がりと、Perfumeの盛り上がりって、共通する点もある気がするし・・・。

(3)しかし、にも関わらず、復帰後TMのアルバムの中では、一番の出来なんだよなぁ。

皮肉なことに、小室先生がちょっと後ろに下がって、木根尚登が前に出てきて、また、下手に「先端」の音を強調するのではなく、あくまでもメロディーを前に押し出した結果、復帰後のTMの作としては文句なしに一番よく出来たアルバムになっていました。

まあ、小室先生が迷走しちゃっている今、あくまでもメロディーを前に押し出した方針というのは正しいと思うけど・・・いい出来なのは間違いないけど・・・でも、これでいいの?

うーん、木根さんの才能をあらためて感じたという意味では、木根さんのファンとしてはうれしい事実なんだけど、TM NETWORKのファンとしては、なんとも煮えきれない作品でした。

本当に、大丈夫?小室先生??

評価:★★★★
↑「純粋に」メロディーの良さだけを評価すると★★★★★でもいいけど、前述の理由から1つマイナスです。


ほかに聴いたアルバム

The Gospellers Works/ゴスペラーズ

ゴスペラーズのカバー曲や、他のミュージシャンとのコラボ曲、メンバーでのソロでの活動曲などをまとめた、アナザーワーク集。

どの作品も、それなりのクオリティーにまとめあげていて、かつ、ゴスペラーズらしさもきちんと出していたのはさすが。あらためて、彼らの底力を感じさせる作品集でした。

評価:★★★★★

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2008年2月25日 (月)

「生きる」ことへの情念を感じさせる傑作

      
私を抱いて下さい(DVD付)

アーティスト:中村中

私を抱いて下さい(DVD付)

昔から、ポピュラーミュージックというジャンルでは、しばしば一般社会では「マイノリティー」といわれる層が、その中心となり、傑作を産み出してくる、という例が数多く見られます。

例えば、ジャズやR&B、ソウル、最近ではHIP HOPももともとはアメリカの黒人層から生まれた音楽ですし、ロック自体もまた、起源は、黒人の音楽にたどり着きます。

また、日本でも、ミュージシャンや芸能人の中では、在日韓国人/朝鮮人や、いわゆる同和地区出身者がかなりの割合を占めているといわれています。

おそらく、マイノリティーに属している人たちが、マイノリティーとして虐げられている日々を払拭するために、自分たちのアイデンティティーを確保する手段として、また、マジョリティーに対する主張の手段として、「音楽」という手段を用いているのでしょう。

そして中村中、彼女も性同一障害という一般社会ではマイノリティーと言える障害を抱えています。

このアルバム、そんな彼女の心の叫びでしょうか、心に迫るような凄みを感じさせます。具体的には、「生きる」あるいは「自分自身のアイデンティティー」に関する執着や渇望を、切なくも力強い歌声にのせて歌い上げています。

ある意味この彼女の心の叫びは、彼女の持つ「障害」ゆえに産まれてくるものであり、決して普遍性はないのかもしれません。そのため、その歌詞は、時としてラブソングなどに形態を変え歌われています。それでも、そんな彼女の主張は、しっかりと私たちの心の中に響いていきます。

昨年末の紅白歌合戦に出場し、話題となった彼女。ただ、残念ながら、性同一性障害という側面ばかり取り上げられたためか、紅白出場後、その曲が大ヒットを記録した、ということはありませんでした。また、彼女の曲は、やはりその主張ゆえに少々重く、また、その重たさをポピュラリティーに変えているか、といわれると、少々、そこまでこなれていないという印象を受けます。残念ながら、私も紅白で彼女のステージを見た段階では、そこまで惹かれることはありませんでした。

しかし、このアルバムを聴けば、必ず彼女の持つ主張や凄みというのを感じることが出来ると思います。前述の通り、重さと、主張をポピュラリティーに転嫁しきれていない部分がマイナスポイントなのですが、今後、とんでもないアルバムを作ってくるような予感も感じられるアルバムです。

評価:★★★★★

ちなみに、曲とは直接関係ないんだけど、Wikipediaの記述を見ると、所属レコード会社がavexということもあって、一昨年のa-nationなんかに出てるんだね。でも、彼女みたいなタイプの曲が、a-nationのリスナー層に受けるとはとても思えないんだけどなぁ・・・。なんか、どうもavexって、浜崎とかみたいな、メディアを大々的に使って売れるタイプではなく、口コミや、音楽ファン層の支持から売れるようなタイプのミュージシャンの売り方がすごい下手なような感じがする・・・。


ほかに聴いたアルバム

Shining/Crystal Kay

冬をテーマとした企画盤のミニアルバム。聴きやすいアルバムにはなっているけど、全体的には、少々マンネリも感じてしまうかも。悪くはないけど、全体的にポップ路線に走りすぎている感も。

評価:★★★★

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2008年2月24日 (日)

DO YOU LOVE PARTY PEOPLE?

I LOVE PARTY PEOPLE2(DVD付)

アーティスト:DJ OZMA

I LOVE PARTY PEOPLE2(DVD付)

前作「I (LOVE) PARTY PEOPLE」は、文句なしに楽しい傑作だったけど・・・こちらは、「駄作」・・・ではないけど「凡作」。基本的には、前作と同じ路線を引き継いでいるんだけど、結局、少々マンネリ気味なのは否めず。

そもそも、綾小路翔(DJ OZMA)のつくるエンタテイメントって、非常に即効性のあるエンタテイメントで、かつ、作りこまれているんですが、その即効性ゆえに、比較的早い段階でマンネリ気味になりがち。実際、マンネリ気味になりだした氣士團を事実上、活動休止させ、DJ OZMAとしての活動をスタートさせたわけですが、氣士團は、マンネリ気味になっても、他のバンドメンバーに個性を持たせることによって、オリジナリティーを維持してきた一方、DJ OZMAはソロである以上、そういう手法も使えません。結果、氣士團以上に早い段階で、マンネリ気味になっちゃったかな、という印象を受けました。

もっとも、おそらくこんなこと、私が言うより早く前に、DJ OZMA自身が感じていると思うんですけどね・・・そろそろ、次の一手を打ってくるかな?

まあ、とはいえ、エンタテイメント性のある楽しいアルバムなのは間違いないので、前作がお好みなら、チェックしても損のないアルバムだとは思います。

評価:★★★★


他に聴いたアルバム

THE LOVE SONG COLLECTION 2006-2007/MINMI

MINMIの曲の中から、ラブソングをセレクトした企画盤。m-floや10-FEETと組んだ曲も収録されているので、レゲエにこだわらず、幅広い音楽性を楽しめます。素直にポップな曲を楽しめるので、レゲエに抵抗のある方でも楽しめるかも。

評価:★★★★

DON'T STOP A.I./A.I.

やはり、A.I.は数多いR&Bミュージシャンの中でも、頭ひとつ出てるよなぁ・・・

ここ最近、傑作が続いていた彼女ですが、このアルバムでもまた、そういうことを感じてしまいます。R&B、ソウルを中心に、ロックやヒップホップの要素を取り入れた曲まで、どれも、力強くボーカルとポピュラリティーたっぷりのメロディーで聴かせてくれます。特に、ボーカリストの迫力のため、楽曲に説得力が出ている印象があります。まだまだ彼女の勢いは続きそうです。

評価:★★★★★

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2008年2月23日 (土)

FUNFAIR/RIP SLYME

Title:FUNFAIR
Musician:RIPSLYME

RIP SLYMEといえば、以前から、とてもエンタテイメント性が豊かな、ポップで楽しいアルバムを作ってきましたが、これほど明るくて楽しいアルバムは、はじめてです!

本作は「移動遊園地」がコンセプトらしいのですが、そのコンセプトがピッタリ来る、いろいろなタイプの楽曲、音がつまったアルバムになっています。

例えば

「NP」は、ロック風のアレンジでスタート。ギターリフがとても心地よく響きますし

「Bubble Trounbe」「SPEEDKING」はエレクトロポップな曲が続き、軽快な電子音のリズムが、リスナーを楽しませてくれます。

「EVOLUTION」は、彼らにしては珍しい、女性ボーカリストをフューチャーし、いままでの彼らとはまた一風かわった作品になっていますし

そしてアルバムを締めくくる「熱帯夜」は、彼らの王道ともいえるようなパーティーチューン。

最後の最後まで、聴いていてワクワクしてくるアルバム。これほど、徹底してエンタテイメント性を追及し、そのテンションを最後まで維持してしまうアルバムは珍しいのではないでしょうか。文句なし、今年を代表する最高傑作です。

評価:★★★★★


他に聴いたアルバム

ベストコンディション~kinmokusei single collection~/キンモクセイ

今年1月をもって活動休止となったバンドの、ベスト盤。

ポップスセンスのあるバンドだと思うし、ユーモアセンスも持ち合わせているし、いいバンドだと思うけど、結局一発屋だったなぁ・・・まあ、予想していたけど(^^;;

結局、曲にもメンバーにも、いまひとつ「華」がなかったんだよなぁ。それと、「昭和ムード歌謡風」という、「二人のアカボシ」で植え付けられたイメージに、あまりにもとらわれすぎちゃったのかなぁ。いいバンドだったと思うので残念。

評価:★★★★★

STICK WITH YOURSELF/GOOD 4 NOTHING

典型的なメロコアバンドだなぁ。まあ、メロディアスで聴きやすいアルバムだけど、ちょっと個性が薄い感じがする・・・。

評価:★★★

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2008年2月22日 (金)

Chaos in Apple/髭

Chaos in Apple

アーティスト:髭(HiGE)

ここのサイトでもいろいろと語っちゃったりしてるんですが、そもそもロックンロールってのは、ごちゃごちゃと御託を述べるような音楽じゃないと思うんですよね。

彼らの音楽は、そんなごちゃごちゃした御託は抜きとして聴いていて爽快で、気持ちいい!!となりそうなロックンロール。

60年代のオールドスタイルのバンドサウンドに

90年代のオルタナ系のサウンド風のアレンジを加え、

全ての世代に共通のポップなメロディーを載せる。

ある意味、いろいろな世代のロックのいいとこどりなんですが、それだけに、最初から最後まで、何も引っかかることなく、爽快なロックンロールを楽しむことができる1枚となっています。

ここらへんの彼ららしさが、本作ではさらに強化され、しっかり「髭」らしさが確立されたかな?これからも、どんどん傑作をリリースしてくれそうな、予感のする1枚です。

評価:★★★★★


他に聴いたアルバム

THE REVOLUTION WILL NOT BE COMPUTERIZED/菊池成孔ダブ・セクステット

心地よくポップなジャズをベースに、エレクトロニカ的な要素など加えて、アバンギャルドさをかもし出しているアルバム。うーん、ある意味、「優等生的」で、斬新さみたいなのは薄いような感じが・・・。

評価:★★★★

自己ベスト2/小田和正

彼の場合、あの泣きのメロディーに、あの透き通るようなボーカルがのれば、他に何もいらないという感じがする。ある意味、見事なまでのマンネリにも係わらず、どの曲も心に響いてくるのは、彼の書く普遍的なメロディーと、彼の歌声の力なんだろうなぁ。

評価:★★★★

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2008年2月21日 (木)

清水/ミドリ

      
清水

アーティスト:ミドリ

清水

かなりインパクトのあるジャケ写ですが・・・

「セカンド」を聴いて、すっかりミドリにはまってしまったのですが、それにつづく、このミニアルバムも最高!!

この作品で、なんとメジャーデビュー!だそうですが、そのためか、内容的にはまとまりがあって前作に比べれば聴きやすい内容になっています。

でも、それはあくまでも前作に比べれば、なんで

この作品でも、相変わらず狂ったようなボーカルとバンドサウンド。そしてなによりも個人的に壺なのが、そんな中で奏でられるピアノの調べ。あの・・・初期の筋少とも近いものを感じるのですが、ああいう、狂気を秘めたピアノって、すごくカッコいいよね~。

なんとなく、このタイプのバンドは、ライブに行ってこそ、その真髄に触れられるような印象があるので、一度ライブに行ってみたいのですが

でも、彼らが持っている、狂気性は、アルバムからもビシビシ伝わってきます。

にも関わらず、ピュアな感情をこめたようなラブソングや、セーラー服姿という、こういうギャップもユニークなところ。

「セカンド」とともに、2007年を代表する傑作です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

地球の裏から風が吹く/eastern youth

しっかり、彼ららしさを発揮しているアルバム・・・と思うと同時に、少々マンネリ気味かな?

メロディーは聴きやすいし、いいアルバムだとは思うけど、もう一歩、グッとくるものがなかったなぁ。

評価:★★★★

三枚おろし/音速ライン

基本的に、アジカンあたりの路線に連なるような、メロディアスなパワーポップが魅力。それに加えて、彼らのサウンドは、どこか和風。「歌謡曲風」とはちょっと違った、和風テイストを感じられるのが彼らの個性かな?

そういう意味ではしっかりとした個性もあるバンドなのですが、全体的に似たタイプの曲が多いので、早い段階で飽きちゃいそう。ここらへん、いま一歩の成長が欲しいところ。

評価:★★★★

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2008年2月20日 (水)

特徴のない、おとなしいチャートだなぁ。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

1位はポルノグラフィティの新作。

ポルノは、派手な大ヒットこそ少ないけど、シングルをリリースすれば、必ず上位に食い込んでくる印象。固定ファンを持っているんでしょうね。ある意味、音楽シーンの中で、いいポジショニングをしているバンド、という感じが。

2位氷川きよしは演歌だし、3位のガゼットはビジュアル系だし、ここらへん、ガッチリとした固定ファンがいる一方、それ以外の人は全く聴かない、という感じ。こういうタイプのミュージシャンが、確実にチャート上位に入ってくるってのが最近のシングルチャートの特徴なのかな?

せっかくなので、ガゼットの方は、公式サイトで試聴してみました。

おどろおどろしいサイトの雰囲気や、いかにもといった曲名と反比例するような、歌謡曲テイストなメロディーライン。うーん、ここらへんのアンバランスさが賛否わかれるところなのかも。あと、これは彼らに限らないけど、なんでビジュアル系バンドって、そろいもそろって同じ歌い方をするんだろう?

湘南乃風は、大ヒットした「純恋歌」の次の次の作品。今後、コンスタントにヒットを続けられるか、このまま下降線をたどるか、微妙なところ。このままだと・・・・・・。もう一発、中くらいのヒット作がほしいかも。

あと、先週も取り上げた木山裕策が予想通りベスト10入り。これはロングヒットの予感が。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

m-floが1位というのは純粋にうれしいな~♪ただ、次はどういう道に進むんだろう?やはり、またボーカルを固定するのかなあ?

いきものがかりが2位というのはちょっとビックリ。「SAKURA」の一発ヒットで終わるかと思ったら、ここ最近、シングルもコンスタントにベスト10入りしているみたいですし、人気を確立してきたのか?

あくまでも印象論だけど、「チャットモンチーだとロックすぎるし、大塚愛だとアイドルすぎる」って思っているような層が聴きそうな印象。昔だと、LINDBERGだったり、永井真理子だったり、もうちょっと時代が下るとHysteric Blueあたりを聴いていた層かな?

9位には、いまいろいろと話題のPerfumeがランクイン。ただ、本作は過去の作品をまとめた企画盤なので、動向が注目されるのは、4月に予定されているアルバムのランキングかな?

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2008年2月19日 (火)

空洞です/ゆらゆら帝国

      
空洞です

アーティスト:ゆらゆら帝国

空洞です

この土管をただ並べただけのようなジャケット

そしてタイトルが「空洞です」

ジャケットみながらかみしめるようにタイトルを言ってみてください。

僕は、かなり笑えました。

「ゆらゆら帝国」という名前も含めて、このタイトル、ジャケットに、おそらく彼らのことをまったく知らない人たちは笑ってしまうのではないでしょうか。

ってか、ゆらゆら帝国って、実は、かなり「笑えるバンド」なんじゃないかなぁ。

例えばギターウルフなんかが典型例なのですが、カッコいいロックというのは、えてして、「笑い」という要素と表裏一体な側面があったりします。

このアルバムだって、よく考えたら、かなり笑えるアルバムなんですよね。

先行シングルになった「美しい」なんて典型例。

歌詞の内容も内容だし、アニメをパロったPVも、ある意味、ふざけまくっています。

「美しい」PV(You Tubeより)

「美しい」の、このシモネタ満載の歌詞に、「意味」をもとめてもっともらしく解釈するのは簡単ですが、でも、これ、笑っちゃう、というのが素直な反応だと思うんですよね。

まあ、ジャケットを見ていたりアルバムを聴いていたりして、ふと、そんな

「ゆらゆら帝国って笑えるじゃん」

という結論になってしまったんですが、でも、この正直、今のところ、

なぜロックのカッコよさと笑いの要素が表裏一体であるのか

に関してその答えは自分では結論が出せないでいます。

ロックというのはあくまでもエンタテイメントであるから

なんでしょうか。それとも、

「笑い」の持つ、「常識とのギャップ」という要素が、ロックという音楽が追求するものとイコールだから

なんでしょうか。

うーん・・・わかんない。

以上。ゆらゆら帝国の「空洞です」を聴いて、私が漠然と考えたこと、でした。


あの・・・こんな書き方しちゃって、誤解されちゃうと困るんですが・・・本作、間違いなく、2007年を代表する傑作です。

いままでの、音を詰め込んだ爆音路線から一転、音を絞りに絞り込んだ作風が特徴的な本作。しかし、音を絞ったからこそ、ひとつひとつの音が、その世界を雄弁に語っています。

それだけに、このアルバムの中を流れる緊張感は半端なものじゃありません。

聴きこめば聴き込むほどその世界にはまりこんでしまうアルバム。音数が少ないにも関わらず・・・いや、少ないからこそ、聴けば聴くほどあらたな世界を発見できる、そんな作品です。

ゆらゆら帝国というバンドが、さらに一皮むけた、そんなアルバムだと思います。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

TALKIN'/土岐麻子

基本的にはポップなんだけど、ジャジーな雰囲気が魅力的な作品。大人のポップ、といった感じなのですが、土岐麻子のかわいらしい魅力が、キュートな雰囲気を作り出していて、そのアンバランスさもおもしろい。

評価:★★★★

ウタジカラ~CORNER STONE 4~/佐藤竹善

カバーアルバムの第4弾。

今回は、日本の、誰でも知っているヒット曲をカバーしています。

彼の、その美しいボーカルが心地よい一方、全体的に、ちょっときれいにまとめすぎているかも。上手すぎて、ある意味面白みがない、といったらちょっと酷かなぁ。それなりに、曲の良さは生かしたカバーだとは思うんですが。

評価:★★★★

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2008年2月18日 (月)

プリプリ・フユソン/プリンセス・プリンセス

      
プリプリ・フユソン!(初回生産限定盤)

アーティスト:PRINCESS PRINCESS

プリプリ・フユソン!(初回生産限定盤)

最近、「R35」がリリースし、ヒットしたり、昨年末には、「イカ天」が、一夜だけ復活したり、30歳中盤あたりが学生時代に聴いていた、90年代初頭あたりの曲を売り出していこう、という流れが見受けられます。

おそらく、90年代初頭に一大ブームを巻き起こしたプリンセス・プリンセスも、今一度、ブレイクを!という思惑があるのでしょう。ここ数年、プリプリのヒット曲を集めた企画盤が続いています。具体的には・・・

「プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST」(2006年3月8日)

「プリプリサマソン」(2007年7月18日)

そして本作と続いていくわけです。

しかし、これが残念なことに、「プリ2」がチャート47位と惨敗したのをはじめ、悲しいほど話題にならず売れてもいません。

決してプリプリの曲が駄作だなんて思わないんですけどね。

「M」なんて名曲中の名曲だし、(最近、「M」っていうと「浜崎あゆみ」になっちゃうんですよね。それがとても悲しい)

「パパ」とか、結婚式の定番になってもいいくらい、泣かせるナンバーだし

「One」とか、あまりメジャーな曲じゃないけど、結構好きだったなぁ・・・

でも、おそらくプリプリのベストが今、さほど売れなかった理由って、残念ながら、プリプリって、例えばBOOWYだとかブルーハーツだとかと違って、後の時代にフォロワーが続くような影響力をさほど生み出せなかったんですよね。

実際、プリプリでいわゆる「ギャルバン」というのが注目を浴びたけど、それに続くバンドってあまりあらわれなかったし。

最近だと、GO!GO!7188だとか、チャットモンチーだとか、ギャルバンが人気を集めているけど、残念ながら、彼女たちの口から、プリプリに対するリスペクト等の賛辞は聞こえてきません。

プリプリって、一応「ロックバンド」なんだけど、どちらかというと、ポップス的、あるいは歌謡曲的な側面が強かったせいもあって、彼女たちの曲を聴いて、「よし、私もバンドを組もう!」という女の子があまりあらわれなかったんでしょうね。(まあ、彼女たちが売れた頃ってバンドブームの最末期だったせいもあるでしょうけどね。)

結果、その後プリプリフォロワーというのがあらわれなかったし、今も、残念ながら、プリプリというバンドが、多くのバンドに影響を与えた、といえないような状況になってしまっているんでしょうね。

でも、少々恥ずかしくなるくらい「ベタ」なんですが、「女の子の気持ち」をあらわした彼女たちの曲って、今もかわらず魅力的。「サマソン」とあわせてチェックしてみることをお勧めします。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

KISS/L'Arc~en~Ciel

ここ最近、ストレートにオルタナ系路線のギターロックのアルバムが続いていたんですが、久しぶりにデビュー直後を思い起こさせるような、ニューウェーヴ色の強く、ポップテイストの強い、ある意味、「ラルクらしい」アルバム。

個人的には、ヘタに意気込んで「本格的ロックバンド」を狙ったようなアルバムよりも、こちらの路線の方が、彼ららしい、「耽美的なメロディーや歌詞」ともマッチしていていいと思うんですけどね。

ただ、デビュー~ブレイク期の、他を寄せ付けないような美メロがあまり聴かれず、メロディーのインパクトのなさをアレンジに頼っている部分も見受けられるのが残念。

評価:★★★★

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2008年2月17日 (日)

Termination/9mm Parabellum Bullet

      
Termination(期間限定盤)

アーティスト:9mm Parabellum Bullet

Termination(期間限定盤)

今、もっとも期待している新人バンドの初のフルアルバム

もっとも、「期待の新人」とはいえ、既にいたるところで話題になっていますし、このアルバムも、チャートでベスト10入りする人気をみせているんですけどね。

このバンド、なんといってもユニークなのがそのサウンドとメロディーのアンバランスさ。

メロディーは、歌謡曲からの影響も感じられる、ちょっと影を感じるメロディアスなもの。

そして、そのメロディーがのるサウンドは、ハードコアとグランジの中間を行くようなハードなサウンド。

しかし、その途中で、突如、メタルからの影響を強く感じるデス声が、空間を貫くように響き渡ります。

グランジ、ハードコア、メタル、そして歌謡曲が、不思議なバランスで入り組んでいる点。それが彼らの楽曲のおもしろさであり、個性だと思います。

一方、歌詞の世界も独特。

なんというか・・・世界を絶望的に切り取っているわけでもなく、かといって明るい世界を描いているわけではない・・・なんか「くすんだ世界」とでもいったらいいのでしょうか・・・

正直、まだどこかしっかりとした世界観を確立するまでには至っていないようですが、独特な雰囲気を感じられる歌詞の世界を繰り広げています。

ま、少々、「歌謡曲チックなメロディーから一転、デス声の絶叫」というパターンに頼りすぎている部分は見受けられるのですが

まだまだこれからどんどん傑作を世に送り出してきそうな新人バンドです。

ちなみに本作、2月までの期間限定で1,999円という廉価で販売しているそうです。興味ある方は急げ!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Immortal/ストレイテナー

聴いていて・・・

「あれ、もう終わり?」

と思ってしまったミニアルバム。

全体的にはポップな仕上がりになっていて聴きやすかった一方、インパクトという面で、少々物足りなさがあるかな?

評価:★★★★

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2008年2月16日 (土)

TEARDOP/The Birthday

      
TEARDROP

アーティスト:The Birthday

 

ミッシェル・ガン・エレファントという、あまりにも大きな十字架を、いかにしてふりほどくか。

おそらく、ミッシェル解散後のチバユウスケに課せられた、大きな課題は「これ」ではないでしょうか。

あまりにも特徴的な、しゃがれたボーカルは、ミッシェルの大きな個性を形づくっていた一方、ミッシェル解散後も、どうしても、その声だけで「ミッシェル・ガン・エレファント」というバンドが思い浮かんでしまう結果となっています。

事実。同じくロックバンドの雄だった、元ブランキーのベンジーは、いまだにブランキーという影を引きずって、苦しんでいるような印象すら受けてしまいます。

そんな中、The Birthdayというバンドにおいて、彼が出した答えは、

ミッシェルと違う路線も取り入れながらも、ミッシェル・ガン・エレファントの後継的な路線も引き継ぐ

というやり方。

新たな路線を模索しつつ、ミッシェル・ガン・エレファントの元ボーカルという立場も否定しないやり方でした。

前作では、新たな路線を押し出した作風になっていましたが、本作では、むしろポスト・ミッシェル的な路線が目立ったような印象を受けます。

例えば、冒頭の「バブスチカ」から、かつてのミッシェルを彷彿とさせるような、ヘヴィーなグルーヴを聴かせてくれますし、

疾走感のある「アリシア」も、かつてのミッシェルの路線を継承しているように感じます。

ただ一方では、「プレスファクトリー」などは、かなりポップ路線。以前のミッシェルでは、あまり聴けなかったタイプの曲調で、新たな路線の模索かな、とも感じさせます。

全体として、まだまだ模索の途上ながらも、The Birthdayとしての路線が徐々に固まりつつある、その過程を楽しめるアルバム、といった感じがします。

ただ、ちょっと残念なのは、勢いのあった前半に比べ、後半はちょっと失速してしまった点でしょうか。

まあ、ともかく、The Birthdayの、これから、が楽しみになる作品だったと思います。

評価:★★★★★

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2008年2月15日 (金)

山崎シェフのきまぐれカバー

山崎まさよしの2作同時リリースのカバーアルバム。

洋楽編と

      
COVER ALL-YO!

アーティスト:山崎まさよし

COVER ALL-YO!

こちらは邦楽編

      
COVER ALL-HO!

アーティスト:山崎まさよし

COVER ALL-HO!

どちらも、山崎まさよし料理人がつくるおいしいお料理といった感じのコンセプト。

ちなみに、どちらの作品も共通して、基本的に、誰もが知っているような大ヒット曲を中心とした選曲になっています。

ただ、カバーでおなじみな曲を選んだ、というよりも、微妙に、カバーの定番曲をはずしているような印象を受けます。

例えば邦楽編の「M」とか「あなたに会えてよかった」とか、かなり有名なヒット曲だけど、こうやってカバーとして取り上げられるケースは珍しいかも。

洋楽編も、シンディー・ローパーが取り上げられているけど、カバーの定番「Time After Time」じゃなくて「True Colors」だし、微妙にずらしているところが、ユニークなところです。

ただ、アレンジは、どれも原曲の良さをそのままいかしたような、いい意味で、奇をてらわないアレンジになっています。

また、ボーカルの個性も、あまり前に出すぎていません。

結果、山崎まさよしらしさ、というのがちょっと後ろに下がって、一方で、原曲のメロディーや歌詞の良さが、よりクリアになったカバーに仕上がっていました。

このアルバムのコンセプトに従った書き方をすると・・・

あくまでも素材の味を生かしたシンプルな味付けで、素材の持つ本来のうまみを引き出した料理を楽しむことが出来ました。

といった感じでしょうか?

名曲の良さにひたれる、いいカバーアルバムだと思います。

評価:
「YO!」★★★★★
「HO!」★★★★★

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2008年2月14日 (木)

SPECIAL FORCE/NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

      
SPECIAL FORCE

アーティスト:NITRO MICROPHONE UNDERGROUND,KASHI DA HANDSOME

SPECIAL FORCE

NITROのメンバーのソロって、正直、MACKA-CHIN以外いまひとつピンとこないんですが、NITROとしてのアルバムはやはり別格。8人のメンバーによるマイクリレーもカッコいいし、次から次へ新しい音で展開していくトラックも最後まであきさせません。

そんな間違いなくカッコいいアルバムではあるんですが

ただ、デビューしてきた段階でみせた、一種の「やばさ」。具体的に言うと、他のHIP HOPグループとは大きく異なるようなサウンドやラップ、また「雰囲気」「勢い」といったものは、正直、かなり薄れちゃったなぁ、という印象を受けます。

まあ、ぶっちゃけて言ってしまうと

いいアルバムだとは思うけど、このくらいのアルバムなら、たくさん出てるしね・・・

思えばデビューアルバムをリリースしてから約7年、日本のHIP HOPシーンは、かなり変化したよね・・・

そんな中、NITROも、決してデビュー当初のような「別格」じゃなくなっちゃったってことかな?

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Mynah/A Hundred Birds

80年代テイストのディスコサウンドと、ワールドミュージックが融合した、そんな雰囲気。

ちょっと懐かしいリズムと、雄大なサウンドが楽しめる作品。

ただ、あくまでもライブ志向のアルバムかな?CDで聴く分には、少々物足りなさも感じるかも。

評価:★★★★

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KAT-TUNの法則?

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

これでKAT-TUNが6作連続1位だとか。

で。また「今回は、誰が書いているのかな?」なんて思いながら調べてると、KAT-TUNって、シングル1作ごとに、「有名ミュージシャン」と「無名の作家」の作品を見事に交互にリリースしているんですよね。

具体的には、

1st スガシカオ/松本孝弘

2nd ma-saya/ジョーイ・カーボーン&リサ・ファン

3rd 小田和正

4th N.B.Comics/zero-rock

5th 氷室京介

6th Axel-G/Yukihide"YT"Takiyama

これって、ファンとかJ-POPマニアには当たり前の事実なのかもしれないけど、こういうバランス感覚が実に上手いんだよね、ジャニーズ事務所って。

ちなみに、4thの作曲を手がけたzero-rockってのは、元Fish&Chipsの人らしい。

Fish&Chips懐かしいなぁ~。「ハーシー」とか、話題になったけど、いつの間にかいなくなったと思ったら、がんばっているじゃん。なんかうれしい。

で。今回の作詞作曲を手がけている人って、全然知らなかったんだけど、調べていくうちに、こんな会社にたどりつきました。

http://www.g-ape.com/

ここに所属している人って、ジャニーズ系の楽曲制作を、かなり請け負っているんだけど、ジャニーズ事務所とはどういう関係なんだろう?ちょっと調べても、関係性はわかんなかったのですが・・・気になります。

あと、11位に知らない名前が初登場しているけど、↓こういう方らしいです。

手術後に奇跡の復活、木山裕策のデビュー作が11位!

へぇ。

ってか、「自分の声をCDに残して子供達に聴かせてあげたい!」で、CDデビューに挑戦するって、かなりの自信があったんだろうなぁ。だって、私なら、せいぜいビデオレターか、カセットテープにおさめるってくらいだろうし。

で、試聴してみたんですが。

確かに、自分の声には自信があったんだろうなぁ(笑)。実際、いい声だと思います。

曲も素直に「いい曲」って感じですね。今後、徐々に順位をあげてきそう。

ただし、この手のバラード曲って、典型的な一発屋タイプの曲だなぁ(^^;;山根康広とか、小野正利とかとおなじ匂いを感じます・・・。まあ、本人は、デビューで十分目的を果たしているんで、一発屋だろうとなんだろうと、そんなの関係ない、って感じかもしれないですけどね。

ちなみに、遅咲きデビューというと、30歳でデビューしたスガシカオがすぐ浮かんできますが、Wikipediaで調べると、↓こんな人たちが遅咲きでデビューしているらしい。

「遅咲き」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%85%E5%92%B2%E3%81%8D

これを見ると、綾戸智絵みたいな例もあるから、決して遅すぎるデビューって訳でもないんだなぁ。別に遅咲きって訳じゃないけど、おととし話題になったベント・ファブリックなんて、81歳だったし。

それと、遅咲きで子連れといったら、野球の世界では、こんな遅咲き選手もいたっけ・・・とドラゴンズファンの私としては、思ったり思わなかったり。

チャートに戻って。

あと。

スキマスイッチって、自分が思っている以上に人気があるんだなぁ。

とか。

マッキー17位は悲しすぎる!!(T T)
新曲も、いい曲だと思うのになぁ。

とか。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/

ってか、DOUBLEがもうデビューから10年というのにはビックリしました。

SACHIKOさんの急逝という悲しい出来事から、もう8年もたつんですね。

個人的には、日本のR&Bミュージシャンの中で、大人の色気を感じる、数少ない女性ボーカリストなんで(あ、ちなみにほめ言葉よ。誤解ないように)、もっともっとがんばってほしいミュージシャンです。

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2008年2月12日 (火)

ユニコーントリビュート&奥田民生カバーズ

先日のmonobrightのCD評でも書いたのですが、最近、ユニコーンに影響を受けたのでは?と思われるミュージシャンも増えてきました。そんな中、リリースされたのが、今回のアルバム。ユニコーンはあくまで「トリビュート」で、奥田民生が「カバー」と名乗っている点、ちょっと細かい。

Title:ユニコーン・トリビュート

Title:奥田民生・カバーズ

どちらのアルバムも、一言でいってしまえば、やはりベテラン勢が健闘しています。ここらへん、しっかり自分たちのスタイルを確立しているミュージシャンって、やはり強いよなぁ。

ただ、そんな中で「ユニコーン」の方は、よりよく出来たカバーが多かったです。

ユニコーン自体、個性的なバンドだった・・・とはいえ、やはり、ボーカルの個性は、奥田民生ソロと比べると、少々後ろにさがっています。

それだけに、他のミュージシャンたちがカバーしても、しっかり、そのミュージシャンたちの色に染まり、かつ、メロディーや歌詞など、ユニコーンの良さを表現できている、そんなカバーが多く収録していました。

個人的には、TRICERATOPS「ヒゲとボイン」のカバーが、トライセラらしさもユニコーンらしさもほどよく残っていてよかったかな?トライセラとGRAPEVINEが並んで収録されているのもちょっとうれしいところ。

一方、フジファブリックやキャプテンストライダムあたりの若手バンドは少々苦戦気味。ここらへんは、今後のさらなる成長に期待、といった感じでしょうか?

それと比べ、「奥田民生」の方は、ベテランでも苦戦が目立っていました。

奥田民生のソロの曲って、奥田民生というミュージシャンの個性が色濃く楽曲自体に反映されちゃっているんで、奥田民生以外が歌うと、とたんに曲がダメになっちゃうのが多いんですよね。

典型例が木村カエラ「マシマロ」。あれって、奥田民生の、ちょっとおとぼけたボーカルが、楽曲のユーモアさをかもしだしているのに、木村カエラが真面目に歌っちゃっても、曲が全然おもしろくありません。別に、悪いボーカリストだとは思わないけど・・・>木村カエラ

他も、スピッツやせっちゃんあたりも少々苦戦気味。ベテランでも、あの曲を自分のものにするのは難しいといったところか?

そんな中、やはり圧巻のカバーだったのは井上陽水「The STANDARD」でしょうか。ある意味、奥田民生を上回る個性の持ち主で、完全に陽水の曲にしちゃってます。

あと、奥田民生と井上陽水は以前から組んで曲を出してたりするんですが、井上陽水のボーカルって、奥田民生の曲に合っている気がする。

どちらも、どこか人を食ったような、真面目なのか不真面目なのかユーモアなのかわからない、微妙なバランスを持っているという点が。

それだけに、井上陽水のカバーは、他のミュージシャンが苦戦している中、名カバーに仕上がっていました。

評価:
「ユニコーン」★★★★★
「奥田民生」★★★★


ほかに聴いたアルバム

2007/SOPHIA

全体的に、メロディーを聴かせるタイプの曲が多いけど、正直、松岡充のボーカルで「聴かせる」ってのは無理があると思うよ(^^;;

特に、「愛の讃歌」のカバーは、ちょっと厳しかった(苦笑)。

以前よりは、あのボーカルにあった曲づくりをしている感じはするけど・・・一時期より、勢いが衰えちゃっていて、これは!というメロディーが少ないだけに、それで「聴かせるアルバム」ってのはちょっと辛いなぁ。

評価:★★★

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2008年2月11日 (月)

2007年ベストアルバム(仮)

もう、2月も中旬。去年はいそがしくって、感想がおいついていないんですが、あまり遅くなっちゃうとつまんないんで、2007年に聴いたアルバムの中でのマイベスト(仮)を紹介します。

邦楽

とりあえず、暫定版なので順位はつけません。なお、文字が灰色なのは、当サイトで取り上げてないもの。それ以外は、このサイトか、旧サイトで取り上げています。

ぶっ生き返す/マキシマムザホルモン

COSMICOLOR/m-flo

セカンド/ミドリ

LIFE STORY/THA BLUE HERB

ワルツを踊れ Tanz Walzer/くるり

レキシ/レキシ

平成風俗/椎名林檎×斎藤ネコ

spirits/soulja

空洞です/ゆらゆら帝国

清水/ミドリ

FUNFAIR/RIP SLYME

レキシは個人的な趣味も入っているかな?ミドリは2007年に発売された2枚ともに最高でした。

洋楽

Costello Music/The Fratellis

FAVORITE WORST NIGHTMARE/ARCTIC MONKEYS

TRAFFIC AND WEATHER/fountains of wayne

In Rainbows/RADIOHEAD

多分ベストはThe FratellisかRADIOHEAD。結構ベタなベストでごめんなさい。洋楽はまだ大きく変わる可能性もあり。

どちらも、あくまでも暫定版です。順位付の決定版は後日!・・・っていつくらいに出来るかは不明です(^^;;

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2008年2月10日 (日)

monobright one/monobright

      
monobright one

アーティスト:monobright

monobright one

最近、なぜか「ユニコーンに影響を受けたんじゃないかなぁ」なんて思うバンドが増えてきているような印象を受けます。

例えばフジファブリックあたりが典型例なのですが、彼らもそんな1組。

本当にストレートに影響を受けているのかどうかは別として、かつてのユニコーンを彷彿とさせるひねくれたポップスセンスとユーモアな歌詞を売りとするようなバンドが増えてきているような気がします。

彼らは、それに加えて、ソウルやロックンロールの要素を楽曲にストレートに取り入れていて、楽曲からは、ルーツ志向な雰囲気を感じながらも、一筋縄ではいかないような、いろいろなサウンドを取り入れており、独特な個性とバランス感覚をその楽曲からは感じられます。

最近、そのオール眼鏡な風貌もあわせて注目を集めているバンドですが、既にブレイクしちゃったチャットモンチーやRADWIMPSの次あたりに来ちゃいそうな予感もするバンドですね。

これからの活躍が非常に楽しみです。

評価:★★★★★

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2008年2月 9日 (土)

spirits/Soulja

      
Spirits(初回限定盤)(DVD付)

アーティスト:SoulJa,青山テルマ

Spirits(初回限定盤)(DVD付)

日本のHIP HOPシーンにとって、新たな一歩を踏み出したような、そんな作品。

いや、かなりおおげさな言い方だけど(笑)。

まあ、HIP HOPシーンについては、そんなに詳しくないので、以下、印象論的な部分もある点は勘弁ね。

いままで、日本のHIP HOPというと、

ZEEBRAみたいなハードコア系

スチャダラやRIP SLYMEみたいな、音楽的に凝っているけど、エンタテイメント性が高い系統と、

nobody knows+やSEAMOみたいに、どちらかというと歌謡曲方面にむかっちゃっている系統と、

THA BLUE HERBみたいに、クオリティーが高いけどアングラ方面にむかっちゃっている系統と、

おおまかにいうとそんな印象があって。

しかし、そんな中で、Souljaは、ハードコア路線を取り入れつつ、音楽的にクオリティーが高く、かつ、ポップで心に響くメロディーを書いてくる、いままでのHIP HOPシーンとは一線を画く楽曲を作り上げている、そんな印象を受けました。

具体的にいうと、

大ヒットした「ここにいるよ」「Sotsugyo」は、ヒットチャートでも通用するような、ポップで心に響くメロディーを書いてきたかと思えば

「DOGG POUND」「First Contact」では、かなりハードな路線を追及し、

一方、あの高橋幸宏が楽曲を提供して話題となった「ID」や、細野晴臣が楽曲を提供してこれまた話題となった「CASSIS」では、アンビエントやエレクトロニカ系の香りを感じたり

とかなり自由自在。

そして、どれも非常に音楽的に聴かせる作品をつくってきており、同時にポップにまとめてきているんですよね。

いままでのHIP HOPシーンになかったような、高い次元での音楽性と、ポピュラーセンスを両立させた傑作。

まあ、いままで発表してきた曲が多く収録している「初期ベスト」的様相もあるため、本当の勝負は次の作品かな、という見方も出来るのですが

とんでもないおもしろい新人だと思います。これからも、次々と名曲を世に送り出してくれることを期待して・・・次の傑作を早く聴きたい!!!

評価:★★★★★

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2008年2月 8日 (金)

ALL LIVE BEST/スガシカオ

      
ライブ・ベスト・アルバム「ALL LIVE BEST」

アーティスト:スガシカオ

ライブ・ベスト・アルバム「ALL LIVE BEST」

スガシカオの2枚組ライブベスト。1枚目は、過去のライブ音源のうちのベストセレクション。そして2枚目は弾き語りツアー「Hitori Sugar Tour」のリキッドルームでの音源を収録したものです。

1枚目のライブベストも、ベスト盤のように楽しめて、聴きごたえ十分なのですが

なんといっても、このアルバムの肝となるのは、弾き語りツアーの模様を収録した2枚目でしょう。

基本的に、彼の弾き語りをベースとしたアレンジに、ストリングスが少々入る内容。アンプラグドなライブスタイルで、彼の楽曲の持つ魅力が、そのまま表にさらけだされています。

ファンキーなリズム

ポップなメロディー

そして、叙情感たっぷりのスガシカオのボーカル

余分なアレンジがないからこそ、そういう彼の楽曲の魅力が、そのままストレートに伝わってきます。

(あ、だからって、普段のアレンジがダメだ、なんて言っているわけじゃないからね)

2枚組とボリュームのある内容だけども、広い層にお勧めしたいライブベストです。

評価:★★★★★

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the pillowsの時代が来たのか????

今週のヒットチャートを見て・・・

青山テルマの「そばにいてね」が1位を記録して、アンサーソングが元の曲より売れちゃうって、正直どうよ

と思ったり

中川翔子「snow tears」がシングル2位って、話題先行のアイドルだと思っていたので、そんなに人気があるなんて、ちょっと意外だなぁ

と思ったり

あんなニュースがあっても、倖田來未のアルバムが1位を取るなんて、なんだかんだいってもすごいなぁ

と思ったり

エレカシのアルバムが7位って、しっかり固定ファンを獲得しているなぁ

と思ったり

Syrup16gのラストアルバムが13位って残念だなぁ

と思ったり

↑もちろん買いました。いいアルバムでした。感想は近いうちに。

そんなこんな思いながらチャートをながめていた中、シングルチャートを見ていて、思わず声をあげてしまいました。

the pillowsニューシングル「Tokyo Bambi」がシングルチャートで9位を獲得!!!

まじですかまじですかまじですか!

最近、徐々に人気が上昇してきた彼らですが、ついにブレイクですか!

昔からのファンとしては、やはりすごくうれしいニュース。

ここはあえて、上からの目線でこう言いたいと思います(笑)

「時代がthe pillowsに追いついたぜ!オゥイェイ!!」

と。


ただ、正直言うと、ちょっと寂しくもあるんですけどね。複雑なファンの心境です・・・。

      
Tokyo Bambi(初回限定盤)(DVD付)

アーティスト:the pillows

Tokyo Bambi(初回限定盤)(DVD付)

そんあ新作は、ホーンセクションを導入し、いままでのthe pillowsから新たな一歩を踏み出した感のする作品。

ただ、賛否はあるみたいですね。

正直、the pillowsの良さを感じられる名曲だとは思うんですが、彼らの曲の出来としては

「フツー」

って感じになっちゃうかな?

とはいえ、こういう新たな挑戦はおもしろいところ。the pillowsの勢いは止まりそうもありません。

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2008年2月 6日 (水)

泣いちゃいそうだよ

今日、いつものように、朝、目を覚まし、パソコンを起動し、ネットを立ち上げた私に、あまりにショッキングなニュースが飛び込んできました。

岡村靖幸が覚せい剤取締法違反で3度目の逮捕

3度目だよ、3度目!!

先日の、smorgas来門逮捕のニュースもかなりショックだったけど。

ここまでくると、完全に「中毒」なんじゃないか?

罪をつぐなって再び外に出てきたら、無理にでも更正施設に入れる必要があるんじゃないか?

逮捕のニュースもビックリですが、それ以上に、このままだと、岡村ちゃんが廃人になってしまうんじゃないか、という方でも心配してしまいました。


最近、覚せい剤での芸能人逮捕のニュースが続いているような印象があるのですが、警察が一網打尽に捕まえようとしているのかな?

そうすると、先日つかまった三田佳子の次男と、smorgasの来門と今回の岡村ちゃんは、なんだかのつながりがあるってことかなぁ・・・

・・・全くの憶測にすぎないけど・・・


さて、岡村ちゃんのケースもそうなんですが、ミュージシャンって、覚せい剤とかでつかまっても、簡単に復帰できちゃうようなところがあって、それが一部では非難をあびているようなところがあるみたいですね。

ただ、私は、きちんと罪をつぐなって、刑期を終え、出所してきたのなら、その後、ミュージシャンに復帰するのは何ら問題はないと思います。

まあ、執行猶予がついたのなら、せめてその期間くらいは活動を休止すべきだとは思うんですが。

それには2つの理由があって・・・

まず第一に、これはミュージシャンに限らず一般論なのですが、

きちんと罪を償った人は、やはり社会は受け入れるべきだと思うから

という点。まあ、きれいごとと言われればその通りかもしれないけど、正論だと思うし、また、社会が受け入れることにより、再犯の可能性が低くなると思います。

そして、第二に、これはミュージシャンに限った話なのですが

例え罪を犯したとしても、その才能自身は、犯罪とは切り離し、評価すべきだと思うから

という点です。

要するに、ミュージシャンをはじめとする芸術家というのは、ある意味、結果が全て。例え犯罪者であろうと名曲は名曲だと思うからです。

もちろん、これが「殺人」みたいに、被害者がいるケースなら話は微妙に違うかもしれませんが・・・。


そういうわけで、岡村ちゃんには、しっかりと罪をつぐなって、また、いつか、名曲をつくって世に送り出してほしいです。また、彼の名曲が聴ける日を待っています。

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ACTION/B'z

      
ACTION

アーティスト:B’z

ACTION

ここ数作、「今風」のヘヴィーロック路線を取り入れた作風をすすめてきた彼らですが、新作は、ビックリするほど保守的な作風。

そもそも彼らって、以前から、新しい作風への挑戦→旧来のスタイルへの回帰という形を繰り返してきています。

もっとも、あらたな挑戦といっても、基本的には、彼らのスタイルであるハードロック路線を大きく逸脱するものではないのですが。

こういう「ちょっとした挑戦」を感じさせるアルバムを出しながらも、次では「B'zらしいなぁ」と思うような曲がメインのアルバムをしっかり出してくる、こういうバランス感覚が、長く続くB'z人気の秘密なんでしょう。

ただ、そこらへんを考慮しても、本作は、あまりにもB'zというミュージシャンからイメージされるような曲をそのまま演ったような、そんな内容になっています。

それが、ほぼ70分近くにわたるフルボリュームで展開されています。

さすがに、最後はちょっと飽きる・・・

なんでも、これでも曲数を絞ったということですが、それなら、2枚のアルバムにわけてリリースした方がよかったのかも。

評価:★★★

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2008年2月 4日 (月)

SSWは素敵な稼業??

      
LAS VEGAS

アーティスト:鬼束ちひろ

LAS VEGAS

なんと、5年ぶりとなるオリジナルアルバム!

活動休止中は、ストーカー事件があったり、精神的にも病んでいた時期もあったみたいですが(Wikipedia参照)、無事、復帰、待望のオリジナルアルバムリリースというのは純粋にうれしい話です。

前作との間には、シングル「育つ雑草」をリリースし、いままでとガラリと変わった作風でファンを驚かせました。

でも、「あの変化はなんだったの??」

と思うほど、このアルバムは、いままでの鬼束ちひろそのまんま。

かつてのファンとしては、この路線の方がうれしいかもしれませんし、実際、聴いていて安心できるのは間違いないんですが、あれだけ路線の違うものを1枚だけ出されると

「じゃあ、彼女はどちらのタイプの音楽をやりたいの?」

と思ってしまいます。

本作。よく出来ているけど、ある意味、ひねりがなさすぎ。

次のオリジナルで、彼女の進みたい方向はどちらなのか、見極めたいところなのですが・・・。

評価:★★★★


      
I LOVE ME(初回限定盤)(DVD付)

アーティスト:斉藤和義

I LOVE ME(初回限定盤)(DVD付)

せっちゃんといえば、30代以上の男のリアルな心境をそのまま歌に出来る、数少ないミュージシャン。

でも、本作、出来は悪くないとおもうのですが、いまひとつ、私の心に響いてくる曲はありませんでした。

「男節」とか、「バカにすんなよ!」みたいな、心に突き刺さるようなリアリティーや心の叫びを感じる曲もありましたが、一方どこか・・・

「おやじが居酒屋でクダまいているんじゃない?」

と思ってしまったんだよなぁ・・・正直言ってしまうと。

東京に引っ越してきた女性の描写を、ちょっと胸がキュンとなりそうな心境を歌いこんだ「新宿ララバイ」なんて、彼らしい名曲だと思うんだけど・・・。

なんか、今回、彼の歌が対象とする世代が、私の世代よりもうひとまわり上の世代になっちゃったのかなぁ。

評価:★★★★


わたしのうた/畠山美由紀withASA-CHANG&ブルーハッツ

彼女が影響を受けた楽曲をカバーしたアルバム。ジャズのスタンダードから歌謡曲まで、彼女の包容力ある力強い歌声で、時にはジャジーに、時にはソウルフルに歌い上げています。

聴きごたえ十分のカバーアルバム。ボーカリスト畠山美由紀の魅力を感じる作品です。

評価:★★★★★

I Love You,答えてくれ/中島みゆき

TOKIOに提供した「本日、未熟者」をはじめとして、非常にパワーあふれる曲が並んだアルバム。

個人的には、ここ最近のアルバムの中で一番の出来だったかも。

リスナーに力を与えてくれるような、そんなアルバムに感じました。

評価:★★★★★

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2008年2月 3日 (日)

ゆういち的KAN論(??)

ARABAKI ROCK FES.08にKAN出演決定!!

最近、KANが熱い!!

なんか、このところ、KANに関するニュースを、いろいろなところで見ているような気がします。

例えば

平井堅に曲を提供したり。

Bank Bandにカバーされたり。

(以上「ナタリー」より)

話題に事欠きません。

そんな中、昨年にリリースされたのが、このベストアルバム。

Title:IDEAS~the very best of KAN~
Musician:KAN

また、彼の過去の名曲の数々を聴いて、彼の世界にはまってしまいました。


KANというミュージシャンの良さ、それはまず、彼の書く歌詞の世界、特に恋する心境を見事に読み込んだラブソングにあるのではないでしょうか。

そして、彼の歌詞の大きな魅力のひとつが、

感情をストレートにあらわさず、その周りの描写や心象を描くことによって、その状況を浮き彫りにしていく点だと思います。

具体的に言うと、例えば本作にも収録された「プロポーズ」という作品。歌詞は下のような描写からスタートします。

「ぼくの街に 大きな公園があるよ
緑の芝生も野球場も 噴水もある
天気のいい日には 自転車に乗ろうよ」

(「プロポーズ」より 作詞 KAN)

その後も、風景の描写や、心境の描写が続いていきます。プロポーズらしい言葉は、最後の「ぼくのとこにおいで」の一言くらい。

しかし、逆にストレートに表現していないからこそ、2人の間に流れる素敵な空気や、プロポーズをするその瞬間の、男性の心境をリアルに感じられることが出来るのです。

また、本作には残念ながら収録されていないのですが、これまた名曲の「Regret」という曲。

「つれて行きたかった West Home Town
むかしはできたんだ Butterfly
東京18:00発の Wondering Flight」

(「Regret」より 歌詞 KAN)

このように、彼女に見せたかったもの、彼女と行きたかったところをただただ並べることによって、別れの辛さを表現しています。

こういう風に並べると、KANの代表曲と思われている「愛は勝つ」の歌詞は、彼の中では、むしろ異質なものだ、ということを感じるのではないでしょうか。


そして、一方で彼のメロディーの面での大きな魅力、それはリズムやテンポの良さ。歌詞と見事にマッチングして、ユニークで楽しいテンポの曲を聴かせてくれる点でしょう。

例えば名曲「言えずのI LOVE YOU」では

「あのね うんとね」という、告白が出来ない男の気持ちをそのまま歌詞にのせ、それをリズミカルなテンポで歌い上げています。

また、前述の「プロポーズ」にしても、メロウなリズムながら、プロポーズしようとする男の言葉を、複雑ながらも見事にメロディーに載せています。


とかく「愛は勝つ」の一発屋と誤解されがちな彼。しかし、その一方でミスチルの桜井や、aikoなど、ミュージシャンや、多くのファンの熱烈な支持を受けています。

ある意味、世間的な評価と、音楽ファンをはじめとした層との評価が、もっとも乖離しているミュージシャンのひとりだと思います。(他には、たまなんかが、そのタイプかな。)

そんな、KANの魅力を、このベストアルバムで是非味わってください。彼の魅力を再確認できるかと思います。

・・・なんていいながら、私個人のこのベスト盤の感想と言うと

「比較的最近の曲が多いなぁ」

という感想。

前述の「Regret」とか「秋、多摩川にて」とか、いろいろと他にも入れて欲しい曲も多かったんだけどなぁ・・・

なんて思ってしまうほど、名曲が多いんですよね、彼は(笑)。

とりあえず、手軽に聴けるベスト盤なので、是非。

評価:★★★★★

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2008年2月 2日 (土)

five-star/YUKI

      
Single Collection”five-star”

アーティスト:YUKI

Single Collection”five-star”

バンドとして、一世を風靡した後のソロって、いろいろと難しいものがありますよね。

バンドでは出来なかったことが出来るからといって、好き勝手やってたら、昔のファンが離れてしまって、人気が落ち目になってしまったり。

バンドの音をそのまま承継したら、人気も続いたけど、いつまでたっても「元~の」という肩書きが消えなかったり。

奥田民生みたいに、ソロとして完全に成功して、ヘタしたらバンド時代以上の人気を獲得できたミュージシャンもいれば、米米の石井竜也みたいに、ソロの後はいまひとつパッとしなくなってしなかったミュージシャンもいたりします。

バンド時代とは違うことをやりつつ、いかに個性を出していくのか、というのが、バンド解散後のソロとしての、非常に難しい課題なのではないでしょうか。

JUDY AND MARYというモンスターバンド解散後のYUKIは、いかに元ジュディマリという肩書きをはずし、ソロとして自立していくか、という模索の積み重ねではなかったでしょうか。

ソロデビュー後のシングルを発売順に並べたこのベストアルバムは、そんなYUKIの積み重ねの歴史を、ありのまま感じられる作品になっています。

ソロデビュー直後の彼女に関しては、ただひとこと。

痛々しい

につきてしまいます。

「the end of shite」でガレージパンク風な曲をリリースし、脱ジュディマリを露骨にはかったかと思えば

「66db」では、エレクトロニカ風なアレンジを加えてきて、「今風」をアピールしたり

ちょっと厳しい言い方にしてしまえば、サブカルに媚びたような姿勢が見え隠れしていて痛々しい。

以前のアルバム評にも書いたと思うのですが、この頃の彼女って、おそらく、CHARAとかUAとか、そこらへんの位置を狙っていたんだろうなぁ、というのが嫌というほどわかってしまって、辛い内容になっています。

しかし、そんな痛々しさが徐々に消え、YUKIとしての個性が確立されたのは「ハローグッバイ」あたりからでしょうか。

素直なポップで明るいナンバーが続き、YUKIのボーカルにもピッタリあったかわいらしいナンバーが続いています。

無理に洋楽風を目指したソロデビュー初期のナンバーと比べると、歌謡曲風な方向性も否めないのですが、素直な作品が続いていて、誰でも口ずさめるような、名曲が続いています。

ジュディマリ時代に見せていたYUKIのボーカリストとしての良さがしっかりと戻り、かつ、ソロとしてのYUKIの個性が確立されてきた、といってもいいのではないでしょうか。

この作品も、チャート1位を記録し、ベスト盤であるという点を差し引いても、ソロとしての人気を確立したといっても間違いないでしょう。

もう、彼女に対して「元ジュディマリの」というのは失礼にあたりそうですね。

女性シンガーYUKIの、確かな歩みを感じさせるベストアルバムでした。

評価:★★★★★

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ゆずのね 1997-2007/ゆず

      
ゆずのね 1997-2007 [初回限定生産盤](DVD付)

アーティスト:ゆず

ゆずのね 1997-2007 [初回限定生産盤](DVD付)

ゆずというミュージシャンは、もっと評価されていいミュージシャンだと思う。

ゆず、というと、おそらくヒットした「夏色」のようなイメージが強く、さわやかなフォークデゥオというイメージが一般的になっているんじゃないかなぁ、と思います。

しかし、彼らの曲は、決して表面的な明るいポップな曲ばかりではありません。

例えば、本作でも収録されている「連呼」では、いきなりこんな歌詞からはじまります。

「久しぶりに会った友達が
何かヤな奴に変わってたよ
いい奴だったのに
その友達はこう言ってたよ
『お前全然変わってないね』って
お前が変わり過ぎ」

(「連呼」より 歌詞 岩沢厚治・北川悠仁)

うーん、かなりブラック(^^;;

その他にも、おなじく本作で収録されている「君は東京」は、東京に出てきてであった、都会風の女の子に対する憧れを歌っているのですが・・・

「 久しぶりに君を見かけたのは新宿のアルタ前
随分と痩せ細ってた君に僕は驚いた
後から聞いた話では訳の分からないクスリにはまって
病院を行ったり来たりしてるんだってね」

(「君は東京」より 作詞 北川悠仁)

といった衝撃の結末が。残酷ながらも、胸が切なくなるような名曲に仕上がっていました。

つまり、彼らの曲って、純粋に「明るくポップな曲」ばかりではなく、現実を、時には残酷に見つめていたり、毒がある曲が少なくないんですよね。

単純なポップスではなく、そんな奥深さも持っていること、それがゆずの大きな魅力であって、そして、私が、彼らはもっと評価されてもいいのではないか、と思う大きな理由だったりします。

ベスト盤が2枚リリースされた後に発売された本作は、メンバー自ら選んだ曲が収録されている、裏ベスト的な1枚。だからこそ、シングル曲に多い、「明るくポップな曲」だけではなく、「毒のある曲」が多く収録されている、ゆずの魅力が、ヘタしたらシングル曲中心のベスト盤以上に出ているように感じたアルバムでした。

評価:★★★★★

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2008年2月 1日 (金)

honeycreeper/PUFFY

デビュー11年目にして、この無邪気さ、ってのがある意味すごいよなぁ。

以前にも増して、ミュージシャンたちの「遊び場」という雰囲気が強くなったPUFFYの新作。

本作も、おなじみ奥田民生からはじまり、the pillowsの山中さわお、チバユウスケ、真島昌利、グループ魂、吉井和哉・・・と豪華なミュージシャンがズラリ。

そして、それぞれが好き勝手に曲を提供しています。

マーシーなんて、クロマニヨンズそのまんまだし。

グループ魂なんて、いつも通りのコントだし(笑)。

全体的には、参加ミュージシャンが前述の通りだからでしょうか、オルタナ系ギターロックの色合いが強く出来ていたアルバムでした。

まさにミュージシャンたちがPUFFYをつかって遊んでいた、そんな無邪気に楽しめるポップスアルバムです。

評価:★★★★★


他に聴いたアルバム・・・

ソレイユ/中納良恵

EGO-WRAPPIN'と比べると、さわやかな味付けのポップなアルバムに仕上がっていました。

EGOと方向性が違うというのは、ソロとしての方向性としてアリだとは思うけど・・・。

1曲1曲はいい曲が多いけど、ちょっと薄味。EGO-WRAPPIN'で嫌というほど伝わってくる「個性」があまり感じられなかったなぁ。

評価:★★★★

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