ゆずのね 1997-2007/ゆず
ゆずのね 1997-2007 [初回限定生産盤](DVD付)
アーティスト:ゆず | |
ゆずというミュージシャンは、もっと評価されていいミュージシャンだと思う。
ゆず、というと、おそらくヒットした「夏色」のようなイメージが強く、さわやかなフォークデゥオというイメージが一般的になっているんじゃないかなぁ、と思います。
しかし、彼らの曲は、決して表面的な明るいポップな曲ばかりではありません。
例えば、本作でも収録されている「連呼」では、いきなりこんな歌詞からはじまります。
「久しぶりに会った友達が
何かヤな奴に変わってたよ
いい奴だったのに
その友達はこう言ってたよ
『お前全然変わってないね』って
お前が変わり過ぎ」
(「連呼」より 歌詞 岩沢厚治・北川悠仁)
うーん、かなりブラック(^^;;
その他にも、おなじく本作で収録されている「君は東京」は、東京に出てきてであった、都会風の女の子に対する憧れを歌っているのですが・・・
「
久しぶりに君を見かけたのは新宿のアルタ前
随分と痩せ細ってた君に僕は驚いた
後から聞いた話では訳の分からないクスリにはまって
病院を行ったり来たりしてるんだってね」
(「君は東京」より 作詞 北川悠仁)
といった衝撃の結末が。残酷ながらも、胸が切なくなるような名曲に仕上がっていました。
つまり、彼らの曲って、純粋に「明るくポップな曲」ばかりではなく、現実を、時には残酷に見つめていたり、毒がある曲が少なくないんですよね。
単純なポップスではなく、そんな奥深さも持っていること、それがゆずの大きな魅力であって、そして、私が、彼らはもっと評価されてもいいのではないか、と思う大きな理由だったりします。
ベスト盤が2枚リリースされた後に発売された本作は、メンバー自ら選んだ曲が収録されている、裏ベスト的な1枚。だからこそ、シングル曲に多い、「明るくポップな曲」だけではなく、「毒のある曲」が多く収録されている、ゆずの魅力が、ヘタしたらシングル曲中心のベスト盤以上に出ているように感じたアルバムでした。
評価:★★★★★
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コメント
ゆずの一般的イメージはブレイク以降、良くも悪くも「爽やか」という感じなんですよね。
アルバム「トビラ」前後の頃はそういったイメージを壊そうとゆず側もしていたような気がするんですが、ここ数年はシングルで切る曲も爽やかイメージに配慮した曲を選んでいる→一般的にはそのシングル曲が耳に入る→ああ、やっぱりゆずは爽やかだな、という認識になると。毒のある曲は確かにアルバムに入っているんですが、それだと一般リスナーがあまり聴く機会がないんですよね。
だから、この「ゆずのね」はコアなファンよりもライトなリスナーに聴いてもらって、「え?ゆずってこんな曲も作ってたの?」と思ってもらいたいアルバムだと思います。
追伸:ようやく私の音楽ブログが軌道に乗ってきました。ゆういちさんのブログをリンクしてもよろしいでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
投稿: SASA | 2008年2月 3日 (日) 00時04分
>SASAさん
そうですよね。ゆずのイメージからすると、毒のある曲こそ聴いてほしいし、こういうアルバムこそライトなファンに聴いてほしいですよね。売上がちょっといまひとつだったのは残念。多くの方に聴いてほしいアルバムです。
>ブログ
もちろんOKですよ~。さっそく拝見しましたが、読み応えのあるサイトですね!!今後、ちょくちょく遊びに行きますね。
こちらは、今、リンク集とかつくっていないんですが・・・リンク集をつくり次第、SASAさんのところにもリンクさせていただきますね~。
投稿: ゆういち | 2008年2月 3日 (日) 00時31分
>ゆういちさん
ありがとうございます!早速リンク貼らせていただきました。
今後とも、よろしくお願いしますね。
投稿: SASA | 2008年2月 3日 (日) 21時36分
>SASAさん
どうもありがとうございます!!
こちらこそ、今後もよろしくお願いします~。
投稿: ゆういち | 2008年2月 4日 (月) 23時07分