ポップスバンドにまつわるエトセトラ
さざなみCD
アーティスト:スピッツ | |
メロディアスなメロディーを書けるバンドは強い・・・以前は、強くそう思っていました。
いや、いまでもそれは間違いない事実だと思います。
しかし、例えばメロコアといわれるジャンルのミュージシャンが激増したり、あるいは、「歌モノ」といわれるような、メロディー重視のバンドが多くなる中、ただ単に「メロディアスなメロディーを書ける」というだけでは物足りないんだな、そう感じています。
スピッツの最新作。はっきりいってしまえば、マンネリです。
言い方を変えましょう。
「大いなるマンネリ」
です。
特に本作は、奇抜な方向性を目指すのではなく、あくまでもスピッツの王道であるメロディーと歌詞を生かした曲づくりを志向したような感じがします。非常にシンプルなメロディーとアレンジは、「ロビンソン」など、スピッツがブレイクした時期の雰囲気さえ感じ取れる作品となっています。
それだけに、全体的には「マンネリ気味」。それにも関わらず、一度聴いただけでは忘れられないメロディーがここにはあります。
もう、ここらへんのメロディーの魅力については、草野正宗の才能、としか言い様がありません。ずっと変わらないメロディーでありながらも、しっかりと耳に残り、輝きを放っている・・・。
ヘタな装飾抜きの、スピッツの底力を感じさせるアルバムでした。
評価:★★★★★
おやすみモンスター(初回限定盤)
アーティスト:GOING UNDER GROUND | |
すっかり、安定感と、彼らなりのスタイルの確立を感じさせるGOING UNDER GROUNDの新作。
ただ、それだけに、マンネリ気味を感じさせられた作品でした。
メロディーはどれも非常に美しく、メロディアス。かつ、安定感もあり、しっかりとGOING UNDER GROUNDの魅力を伝えています。
また、ファンタジックな雰囲気をかもしつつ、男女の恋模様の内面を描いた歌詞も実に彼ららしく魅力的。しっかりとGOING UNDER GROUNDの良さを出していた1枚でした。
しかし、その世界観が確立してしまっていたがために、マンネリを感じてしまったアルバムでした。
彼らの作品って、その美メロにしても、歌詞の世界にしても、また、ストリングスを多様したアレンジにしても、これでもか、というほど山場を連続して作り上げるので、その分、飽きも早く来ちゃうんですよね。
このアルバムは、そんな山場の連続だっただけに、パッと聴いた感じだと好印象を持ったのですが、アルバムの最後まで聴くと、少々飽きが来てしまいました。
シンプルでも、しっかり耳に残る曲作りって、本当に難しいんですよね。
GOING UNDER GROUNDも、そろそろ次の一歩を踏み出す時に来たのではないかなぁ、そう感じさせるアルバムでした。
評価:★★★★
他に本日聴いたアルバム
B面画報/Plastic Tree
プラトゥリのB面ベスト。甘ったるい歌い方は相変わらずだけど、ノイジーなオルタナ系の影響を強く感じるギターサウンドと、ポップなメロディーが魅力。ボーカルの歌い方に抵抗がなければ、オルタナ系バンドリスナーにも薦められる1枚。
評価:★★★★
風味堂3/風味堂
ピアノをメインに、ソウルやジャズの影響を強く受けたポップスを聴かせてくれる。以前よりも、ソウルやジャズの風味が薄くなっちゃったかな?その分、聴きやすくなった一方、少々似たタイプの曲が多かった印象も。日常の恋愛模様をドラマチックに描く歌詞も魅力的だが。
評価:★★★★
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