再結成を素直に喜べない理由
komedia.jp(初回生産限定盤)(DVD付)
アーティスト:米米CLUB | |
やっぱりさぁ、「石井竜也」よりも「カールスモーキー石井」だよねぇ(笑)。
いや、正直「石井竜也」としてのソロ作って、ほとんど聴いていないんで、ある種の偏見の入った意見かもしれないけど、どうも石井竜也としての活動って、いかにも「自分は『アーティストです』」って主張していて、かつ、そのナルシストっぽさが鼻につくんですよね。
しかし米米としては一転、そういう部分を、逆にパロディーにしちゃっていておちゃらけているような、カールスモーキー石井って、そういうキャラクターに感じるんです。
この作品も、再結成後初のシングルとなる「WELL COME 2」をはじめ、思いっきりハッピーになれる作品や、「Sorry Music」と題される、おふざけソングなども収録され、エンタテイナーとしての米米をいかんなく聴かせてくれています。
一方では、「君を離さない」のような正統派バラード。あるいは、HOME MADE 家族とのマッシュアップという手法に挑戦した「アイコトバはア・ブラ・カタ・ブラ」なども収録され、幅広いタイプの曲が楽しめます。
石井竜也って、「アーティスト」としては「?」だけど、「エンターテイナー」としては間違いなく一流だよね。
米米CLUBというバンドのおもしろさを、1枚に凝縮したような、再結成作としてはふさわしい、1枚だと思います。
評価:★★★★
ただ、この米米CLUBもそうなんですが、最近、「再結成」って多いですよね。
思いつくだけで、X-JAPANや、LUNA SEAも再結成ライブとかやったよなぁ。ちょっと毛色が違うけど、紅白にも出たあみんとか、この間も、TM NETWORKがアルバムを出していたし・・・。
あと、海外でも、レッド・ツェッペリンが再結成ライブをやって話題になりましたよね。それから、My Bloody Valentine再結成のニュースが入ったり、ちょっと前になるけど、PIXIESが再結成したり・・・。
でも、どうもこの再結成というのを素直に喜べない自分がいます。
というのも、バンドっていうのは、ある種「ひとつの物語」だと思うんですよね。
結成からはじまり、バンドのメンバーを主人公に、ファンひとりひとりが登場人物になり、つむいでいくひとつの物語。
その物語は、ハッピーエンドにしろバッドエンドにしろ、「解散」によって、ひとつの結末を迎えるんです。
だから、その後に「再結成」といわれても、終わった物語を、無理やり再開させられたような、そんな違和感を感じるんです。
例えるなら、大ヒットした小説や映画、漫画に対して、無理やり続編がつくられるような、そんな感じ。
「~2」とかそんな感じ。
ファンとしては、続編はうれしいことはうれしいんだけど、この続編ってのは本当に駄作が多いんですよね(もちろん、傑作もあるけど)。
だからこそ、バンドの再結成に関しては、たとえかつてのファンでも、素直に喜べない部分があったりします。
だからって、バンドの再結成に関して、異議を唱えたい、とかそういう訳じゃなくて・・・
再結成するなら、ライブ1回切りとか、CD1枚だけとか、区切りをつけた一発だけの再結成にするか、再結成後、以前に負けないだけの積極的な活動を続けてくれるか、どちらかにしてほしいんですよね。
グタグタと、たまに思い出したようにCDを出したりしたり、過去のヒット曲をリメイクして食いつなぐみたいな、中途半端な再結成だけはしてほしくないんですよね。
でも、かつてのファンとしてはそれでも気になってCDとかチェックしちゃうんですけどね、TM NETWORK(苦笑)。
物語は、終わらせるにしても続けるにしても、きれいな形で私たちを楽しませてほしいです。
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