2020年2月28日 (金)

勢いのあるバンドの勢いのあるアルバム

Title:CEREMONY
Musician:King Gnu

昨年からシングル「白日」がロングヒットを記録。特に昨年末の紅白歌合戦出場を機に、一気にお茶の間レベルにまで知名度を広げたバンドKing Gnu。そんな中でリリースされたちょうど1年ぶりとなるニューアルバムが本作。まさに絶妙なタイミングでリリースされたアルバムで、当然のようにBillboard Hot Albumsでも1位を獲得し、大ヒットを記録しています。

楽曲的にもイントロとアウトロ、及びよびインターリュードとなっている3曲と家入レオに提供した曲のセルフカバー「Overflow」及び締め切り1週間前に急きょ作成されたというバラードナンバー「壇上」を除く全曲にタイアップがついているという、まさに彼らの勢いを象徴するかのようなラインナップ。そのため、インパクトのある聴き応えあるシングル曲が並んでいるかのような構成となっており、今、最も勢いのあるバンドによる勢いのあるアルバムという内容となっています。

さて、前作「Sympa」の時のレビューにも書いたのですが、King Gnuというバンドは昨今の非J-POP的なシティポップブームの流れの中で登場したバンドでありつつ、一方で非常にJ-POP的なバンドである、という特徴を持っています。例えば大ヒット中の「白日」にしても軽快なソウル風のポップチューンでありつつ、サビは比較的わかりやすく耳障りのよいメロディーラインが入ってきますし、「小さな惑星」や「Overflow」にしても比較的シンプルでポップなギターロックチューンに仕上げられています。また「傘」などはかなり哀愁感あるメロディーラインが歌謡曲のテイストすら感じさせます。もっとも、この曲の哀しげなメロディーラインは実に深く印象に残る展開になっており、作曲をつとめる常田大希のメロディーセンスの才を感じさせる楽曲となっています。

どうも日本では、新しい音楽のシーンが浸透しはじめた時、最初は音楽的にストイックでルーツ志向が強いようなミュージシャンがデビューしてくるのですが、徐々に「歌謡曲的」な要素が強くなってしまい、良くも悪くもJ-POP的になっていまい、最後はシーン全体が平凡になってしまってつまらなくなる…というサイクルに陥ってしまうことが少なくありません。ただ、一方で、歌謡曲的な要素を入れて、一気にお茶の間レベルに浸透しはじめた頃のミュージシャンというのは非常に勢いがあるおもしろいミュージシャンが少なくありません。ロックに「歌謡曲」的な要素を加味して一気に売れたBOOWYなんかがその典型例のように感じます。

上にも書いた通り、King Gnuも徐々にシーンに浸透してきたロックにソウルやジャズのフィーリングを加えた、現代のシティポップムーブメントの中で、一気に「歌謡曲」的な要素を強めたバンド、ように感じます。そういう意味では彼らは実に勢いのあるおもしろいバンド、とも言えるのかもしれません。ただ一方で、前作「Sympa」でも感じたような、売れ線のJ-POP的であるゆえの「ベタさ」が気にかかる部分は少なくありません。

そんなこともあって、正直なところ、King Gnuというバンドの評価は「実力派」なのか「ハイプ」なのか、いまだに私の中で評価が定まっていない部分があり、「保留」としているのですが、ただ一方、このアルバムにだけ関して言えば、まさに彼らの勢いそのまま体現化された作品に仕上がっていたと思います。例えば「飛行艇」にしても、ダイナミックなバンドサウンドにはベタさはあるものの、それ以上にカッコよさが勝った作品になっていましたし、「傘」にしても歌謡曲的な楽曲だったのですが、なによりもメロディーの良さがまずは先に立つ楽曲に仕上がっていました。

この勢いが次も続くのか、それとも…。次回作もこれだけの作品が作れれば、彼らの実力は間違いなく「本物」なのでしょう。そういう意味でも今後の動向が気になるバンドなのは間違いありません。さて、2020年もKing Gnuの1年となるのか?

評価:★★★★★

King Gnu 過去の作品
Sympa


ほかに聴いたアルバム

ジャパニーズポップス/キンモクセイ

2002年にシングル「二人のアカボシ」が大ヒットを記録。その年の紅白歌合戦にも出演を決めるなど、話題を集めたバンド、キンモクセイ。その後、2008年に活動を休止したものの、2018年に活動を再開。このたび約12年9カ月ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。King Gnuもその紹介に「シティポップ」という表現を使っていますが、彼らの楽曲もそんな「シティポップ」の枠組みに入るタイプの楽曲。ただ一方で、非常に懐かしい歌謡曲的なテイストも強いバンドでした。久々のニューアルバムでもそんな方向性は変わらず。若干、これといったキラーチューンがない点は気になるのですが、一方で月日を重ね、音楽的にはより老成された感も垣間見れるアルバムに。今後は本格的に活動を続けるのでしょうか。これからの活躍にも注目したいところです。

評価:★★★★

キンモクセイ 過去の作品
ベストコンディション~kinmokusei single collection~

GODBREATH BUDDHACESS/舐達麻

2019年各種メディアのベストアルバムを後追いで聴いた1枚。本作はMUSIC MAGAZINE誌、日本のラップ/ヒップホップ部門で1位を獲得したアルバム。埼玉は熊谷の3人組ラップクルーによる作品。彼らの作品を聴くのはこれがはじめてなのですが、メロウに聴かせるトラックに対して、ヤバさを感じるダークなラップの対比が非常におもしろい作品。確かに高評価も納得な作品でした。

評価:★★★★★

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2020年2月27日 (木)

活動休止前最後のベストが1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週の1位は2020年12月いっぱいで活動を休止するグループのベスト盤が獲得しています。

今週、初登場で1位を獲得したのはavexの男女混合ダンスグループAAA「AAA 15th Anniversary All Time Best -thanx AAA lot-」が獲得しました。CD販売数1位、ダウンロード数36位、PCによるCD読取数10位。メンバーそれぞれのソロ活動も目立っており、かつ元メンバーの浦田直也の暴行事件という不祥事もあり、活動継続も難しくなってきたのでしょうか。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上11万5千枚で1位初登場。オリジナルアルバムとしての前作「COLOR A LIFE」の7万枚(1位)よりはアップ。前作「AAA 10th ANNIVERSARY BEST」の8万5千枚(1位)よりもアップしています。

2位はKing Gnu「CEREMONY」が先週より同順位をキープ。ダウンロード数は1位から2位にダウンしてしまいましたが、PCによるCD読取数は先週から変わらず1位。CD販売数が6位から3位と再びアップしており、まだまだロングヒットは続きそうです。

3位初登場は韓国の男性アイドルグループBTSの韓国でのニューアルバム「Map Of The Soul:7」。ダウンロード数で1位を獲得し、ダウンロードでの順位のみで見事ベスト3入りを果たしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にはEXILEの派生ユニット、EXILE THE SECONDのベストアルバム「EXILE THE SECOND THE BEST」がランクイン。CD販売数は2位ながらもダウンロード数29位、PCによるCD読取数33位で総合順位は4位にとどまっています。オリコンでは初動売上2万6千枚で2位初登場。前作「Highway Star」の3万4千枚(3位)からダウン。

6位には日韓合同の女性アイドルグループIZ*ONE 「BLOOM*IZ」が初登場。昨日のHot100でも取り上げましたが、彼女たちが結成された日韓合同オーディション番組「PRODUCE48」で投票操作疑惑報道があり、その結果、延期となっていた彼女たちのデビューアルバムが6位初登場。韓国盤のためHot AlbumsではCD販売数は対象外となったのですが、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数45位で総合順位はベスト10入り。オリコンでは初動売上2万枚で3位にランクインしています。

7位初登場は女性シンガーソングライターmilet「Prover/Tell me」。詳細なプロフィールを明らかにしていない「謎」が売りのシンガーソングライターによる7枚目となるEP。CD販売数7位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数100位で、総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上5千枚で11位初登場。前作「Drown/You&I」の3千枚(25位)よりアップ。オリコンでもデジタルアルバムで8位、合算チャートでは10位にランクインしており、配信先行型の売上となっています。

8位には中性的な雰囲気を漂わせる奇抜なスタイルで話題のロックバンド、女王蜂「BL」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数39位。オリコンでは初動売上7万枚で6位初登場。前作「+」の6千枚(5位)からアップしています。

9位は女性アイドルグループBLACKNAZARENE「ADMIRATION」が初登場。CD販売数4位ながらもほかのチャートは圏外となり総合順位はこの位置に。いままで配信でのリリースはありましたが、本作が初のミニアルバムかつCDでのリリース作となります。オリコンでは初動売上8千枚で5位初登場。

初登場組最後は10位の藤井風「もうええわEP」。中学時代にアップしたYou Tube動画が大きな話題となり、またSpotifyの選出する2020年注目のミュージシャン「Early Noise 2020」にも選出され、話題の男性ミュージシャンによる2枚目となる配信限定のEP。ダウンロード数で4位にランクインし、配信限定ながらもベスト10ヒットを果たしました。

今週の初登場盤は以上。一方、ロングヒット組ですが、まだまだ強いOfficial髭男dism「Traveler」。今週は6位から5位に再びアップ。ただダウンロード数は3位から5位にダウン。まだまだヒットは望めるものの、若干、勢いは後退しています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年2月26日 (水)

ヒゲダンの活躍は目立つものの…

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

相変わらずヒゲダン旋風が吹き荒れているHot100。しかし、今週1位はとりあえずAKB系に明け渡しています。

今週1位は日向坂46「ソンナコトナイヨ」が獲得。CD販売数及びPCによるCD読取数で1位、ダウンロード数4位、ストリーミング数49位、ラジオオンエア数14位、Twitterつぶやき数8位、You Tube再生回数73位。ストリーミングやYou Tubeが解禁されていますが、CD売上に比べて順位が極端に低いのがロングヒット曲とは真逆の傾向にあります。オリコン週間シングルランキングでは初動売上55万8千枚で1位初登場。前作「こんなに好きになっちゃっていいの?」の47万7千枚(1位)からアップ。

そして2位はOfficial髭男dism「I LOVE…」が先週よりワンランクダウンながらも2位をキープ。ダウンロード数及びストリーミング数は1位、ラジオオンエア数及びPCによるCD読取数2位、You Tube再生回数3位とロングヒットの様相を見せています。そして3位にも「Pretender」がワンランクながらもベスト3をキープ。こちらはYou Tube再生回数及びカラオケ歌唱回数で1位を獲得。ダウンロード数7位、ストリーミング数3位と上位をキープしており、ヒットはまだまだ続きそう。さらに「宿命」は先週の9位からワンランクダウンで10位だったものの、これでヒゲダンは3曲同時ベスト10入り。残念ながら「イエスタデイ」は10位から11位にダウンしてしまったものの、まだまだヒゲダンの活躍は続きそうです。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週の初登場曲は1曲のみ。それが6位にランクインしてきた日韓合同の女性アイドルグループIZ*ONE「FIESTA」。彼女たちが結成された日韓合同オーディション番組「PRODUCE48」で投票操作疑惑報道があり、その結果、昨年の11月に予定されていたアルバムの発売が延期され、活動休止状態だった彼女たち。その後、活動再開がアナウンスされ、先日、延期されていたアルバム「BLOOM*IZ」がリリースされていたのですが、同作に収録されていたのが本作。ダウンロード数26位、ストリーミング数17位でしたが、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数6位が順位を引き上げ、総合順位でも6位にランクインしてきました。

一方、今週はベスト10返り咲きも1曲。ジャニーズ系男性アイドルSixTONES「Imitation Rain」が先週の13位から9位にアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。ただ、CD販売数8位→10位、PCによるCD読取数3位→4位、Twitterつぶやき数2位→3位と個別の順位はいずれもランクダウンしています。また、同時デビューで話題となったSnow Man「D.D.」はベスト10ヒットを続けており、今週も7位にランクインしています。

またロングヒット曲ですが、まずはLiSA「紅蓮華」。ダウンロード数は4位から2位にアップ。ストリーミング数も4位をキープしているほか、いままで低順位だったYou Tube再生回数も18位とジワリと順位をあげてきており、徐々に支持層の広がりを感じさせます。同曲が主題歌となっているアニメ「鬼滅の刃」も漫画ともども、大ヒットを記録しており、この曲のロングヒットもまだ続きそうです。

そしてKing Gnu「白日」は今週3位から5位にダウン。ダウンロード数も6位から8位にダウンしています。ただストリーミング数及びYou Tube再生回数の2位は先週から同順位を維持しており、まだロングヒットは続きそう。さらに「どろん」も6位から8位にダウンしたもののベスト10をキープ。2週連続の2曲同時ランクインとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2020年2月25日 (火)

より生々しく

Title:燦々 ひとりでに
Musician:カネコアヤノ

 Sansann

今、最も注目を集めている女性シンガーソングライターのひとり、カネコアヤノ……と知ったかなことを言いつつ、私も彼女をはじめて知ったのは昨年9月にリリースした「燦々」から。その素晴らしい内容に一気にはまってしまいました。そして本作は、その「燦々」を全編アコースティックアレンジで再録音したアルバム。前作「祝祭」も同じような全編弾き語りアルバムをリリースしており、そのほかにも弾き語りアルバムを数作リリースしている彼女。バンドサウンドと弾き語りは、どちらも彼女の音楽に欠かせないスタイル、といった感じなのでしょうか。

もともと、オリジナルの「燦々」でも、その日常を描いた歌詞が強いインパクトを残したアルバムだったのですが、一方では最小限の音で最大限の世界観を構築している、そのサウンドも大きな魅力となっているアルバムでした。それだけにアコースティックアレンジのアルバムがどのような形になるのか、楽しみであると同時に不安もあったのですが…結果として彼女の書く、メロディーと歌詞だけでもこれだけ魅力的だったのか!とあらためて驚かされるアルバムに仕上がっていました。

まずメロディーライン自体に、予想していた以上に惹かれました。オリジナルアルバムのライブ評でも「明け方」「ごめんね」を取り上げてメロディーラインの良さについて記載したのですが、この2曲に限らず、どの曲も妙にメロディーラインに惹かれる曲が並んでいます。決してわかりやすい派手なサビがあるわけでもありません。しかし、聴いていて耳を離せなく、ついつい聴いてしまうようなメロディーラインの曲が並んでいます。派手さはないが人を惹きつけるメロディーを書ける、これは彼女が本当の意味でのメロディーメイカーとしての実力を持っているということでしょう。このアルバムではその実力がより明確になっていたように感じます。

そして歌詞。こちらもオリジナルでもリアリティーある歌詞、特に肉感のある歌詞が大きな魅力に感じました。これがアコースティックアレンジになることにより、より前面に押し出されたように感じます。

「かみつきたい 散らかしたい
安いお酒でキスでもしたい」
(「かみつきたい」より 作詞 カネコアヤノ)

「布と皮膚 布と皮膚 布と皮膚
交互になぞった
眠れない夜にそっと
布と皮膚 交互になぞった」
(「布と皮膚」より 作詞 カネコアヤノ)

「プレゼントボックスのりぼんを
体のかたちが変わっても
焦ってほどいていたい」
(「りぼんのてほどき」より 作詞 カネコアヤノ)

など、微妙なエロティシズムも感じる肉感に、リアリティーある男女の描写が強い印象に残る作品が並びます。オリジナルアルバムでも感じた彼女の魅力でしたが、この弾き語りアルバムではその魅力がより強調されていました。

また、さらに力強さを感じる彼女のボーカルも弾き語りのアルバムではより前面に押し出されており、アルバムの魅力のひとつを構成しています。オリジナルとはまた異なる、ある意味、カネコアヤノのコアな部分に触れる、そんなアルバムだったように感じます。

確かに、サウンドを強調したオリジナルだと、なかなかこういうメロディーや歌詞、カネコアヤノの歌という魅力の部分は、もちろん感じることが出来るのですが、後ろに隠れがちだよなぁ。そんな中で、あえてもう1枚、弾き語りでアルバムを作ってしまうあたり、彼女がメロディーや歌詞、歌といった部分にもしっかりとプライオリティーを置いているということを感じさせるのと同時に、ミュージシャンとしての強いこだわりも感じさせます。カネコアヤノの魅力がより伝わるアルバム。個人的にますます彼女に注目したくなった1枚でした。

評価:★★★★★

カネコアヤノ 過去の作品
燦々

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2020年2月24日 (月)

あいかわらず目が離せない!

Title:もう紅白に出してくれない
Musician:ゴールデンボンバー

2019年の紅白歌合戦出場者発表の日に突如、公表された今回のアルバムタイトル。その絶妙なタイミングに個人的にもめちゃくちゃ受けてしまったのですが、まさにそういうタイミングで、こういうアルバムタイトルを発表する彼らのアイディアの豊富さ、センスの良さに、まずは強く感心してしまいます。特に、彼らのそのセンスの良さと、なにより行動力に感心させられたのが昨年4月1日の「令和」のリリース。あらかじめ元号の部分以外を録音しておき、元号が発表となった直後に残りの部分を録音。そしてその日のうちに新元号を読み込んだ歌をリリースする、というスピード感とそしてユーモアセンスが強く印象に残りました。元号ネタでは同じ4月1日にGLAYが「元号」という曲をリリースを発表したり、清竜人が令和への改元日に「REIWA」というアルバムをリリースしましたが、残念ながらゴールデンボンバーのアイディアの前には、完全にかすんでしまいました。

さらに彼らのアイディアやその行動力はユーモアな部分のみに限りません。おととしの12月には、かつてライブ会場限定でリリースとなり廃盤となっていたためネット上で高値で取引されていたアルバム「音楽が僕らを駄目にする」「The Golden J-POPS」「恋愛宗教論」を無料配信。このような人気ミュージシャンの昔の音源が高値で取引される現象は彼らだけに限らないのですが、その行動力とファンを思う気持ちにも感心させられました。これに続くミュージシャンは残念ながら今のところいないのですが・・・。

さて、そんな活動の勢いの衰えない彼らの、約2年ぶりとなるニューアルバムは、まず話題の「令和」からスタート。トランシーでリズミカルな楽曲は、新たな時代のはじまりを祝福するような曲調…なのですが、サウンド的にはかなり「平成」的なのはわざとでしょうか。さらに「ガガガガガガガ」は特撮マニアの女の子を主人公としたNHKドラマの主題歌。ドラマの世界観に沿ったような、誰にも理解されないような趣味についてうたったような曲が、多くのマニア層の共感を呼んでいます。

その後も「LINEのBGMにしてるとモテる曲」も、ちょっとこじゃれたエレクトロ風のナンバーで、英語詞のメロウなナンバーとなっており、タイトル通り、完全におしゃれな雰囲気を狙った曲。「暴れ曲」はタイトル通り、ライブで暴れることを意図したような、デス声も登場するメタル調のナンバーと、ユーモラスな楽曲が目立ちます。歌詞の面でもタイトル通り、顔を化粧でごまかしている女の子が、いかにスッピンをごまかすかの悲哀を歌った「私すっぴんブスだから」や好きな子の過去を思い悩む「ぺしみずみ」など、彼ららしいユニークな視点の楽曲も目立ちます。

ただ、アルバム全体としては、タイトル通りの傑作だった前作「キラーチューンしかねえよ」に比べると、勢いは落ちてしまった感は否めません。全体的には平凡なJ-POPといった感じのナンバーが並び、特に前半は勢いがあったのですが、後半はちょっとダレてしまった感があります。全16曲65分というボリュームだったのですが、もう3、4曲削って、50分程度の長さに絞った方がよかったような気がします。そういう意味ではちょっと残念に感じる作品でした。

もっとも、とはいえ一時期ほどではないにしろ、まだまだ高い人気を誇る彼ら。特に2019年は「令和」が話題になりましたし、NHKドラマの主題歌も歌いましたし、2019年は十分、紅白に出演させてあげてもよかったと思うのですが…もっとも、このアルバムを出すためにわざと紅白を辞退したのでは?というのはちょっとうがちすぎか。ただ、そろそろまた彼らのパフォーマンスを紅白で見せてくれてもいいと思うんですけどね~。来年こそは、是非!

評価:★★★★

ゴールデンボンバー 過去の作品
ゴールデン・アワー~下半期ベスト2010~
ゴールデン・アルバム
NO MUSIC NO WEAPON
キラーチューンしかねえよ
音楽が僕らを駄目にする
The Golden J-POPS
恋愛宗教論

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2020年2月23日 (日)

エチオピアのベテランシンガーによる新作

Title:Chewa
Musician:Aster Aweke

毎年、1月から2月あたりに各種メディアで前年度のベストアルバムに選定された作品の中で、まだ聴いていなかった作品のチェックを行っているのですが、今回紹介する作品はそれで聴いてみたアルバム。MUSIC MAGAZINE誌の年間ベストワールドミュージック部門の第1位となったアルバム。エチオピアの女性シンガー、Aster Awekeのニューアルバムです。

1959年生まれで現在、60歳となるベテラン女性シンガーの彼女。80年代から90年代にかけてはアメリカを拠点にも活動していたそうですが、97年からは故郷エチオピアに拠点を戻し、変わらぬ活動を続けています。今回のアルバムは約6年ぶりとなるニューアルバムとなったようです。

エチオピアのポップソングといえば、こぶしを利かせた哀愁感たっぷりのメロディーラインが特徴的で、どこか日本の演歌にも通じるような、日本人にとってもどこか懐かしさを感じさせるフレーズが特徴的。今回のアルバムでも1曲目の「Nafkot」からいきなりこぶしの利いたボーカルで哀愁感たっぷりに歌い上げるスタイルがまず耳に残ります。女性に対して若干失礼な表現かもしれませんが、60年という月日を重ねた円熟味を感じる表現力たっぷりのボーカルが大きな魅力。どちらかというとハイトーン気味で、ドスを利かせたといった感じではないのですが、透き通ったような歌声で繰り広げる感情たっぷりのボーカルが耳に残るアルバムとなっています。

ただ、こぶしを利かせた哀愁感たっぷりのフレーズは日本人とって、どこか琴線に触れる部分はあるものの、全体的にはアラブの色合いの濃いサウンドやフレーズが印象に残ります。「Tiwsta」も演歌ばりの哀愁感たっぷりのメロやサックスのむせびなくような音色を聴かせてくれるのですが、アラビアンな空気が匂いたつ楽曲に、日本人にとっては強いエキゾチックな雰囲気も感じさせます。「Widdid」も、軽快なメロディーを聴かせるナンバーなのですが、こちらもアラブ色の強いポップスに。ただこの異国情緒にあふれるサウンドも大きな魅力、と言えるのかもしれません。

ブルージーなギターとピアノでしんみり聴かせるAster流のブルースナンバーとも言える「Yewedede」は、まさにその彼女の表現力をあますところなく聴かせる楽曲の真骨頂といった感じでしょうか。その反面、終盤は比較的ポップで明るいナンバーが続き、ラスト2曲の「Fasiledes」「Lib Weled」はむしろポップで明るい軽快なナンバーで締めくくられています。そのためアルバムを聴き終わった感じとしてはむしろ明るい印象を受けるような作品になっていました。

サウンド的には打ち込みのサウンドが中心になっているのですが、こちらは正直言ってちょっと安っぽい感じのサウンドに。あえて彼女のボーカルをメインにするために控えめなサウンドにしているのかもしれませんが、彼女のボーカルを支えるにしても、ちょっと物足りなさも感じる部分もありました。この点はちょっと残念だったかもしれません。

ただ全体的には感情たっぷりのボーカルをしっかりと聴かせるオーソドックスなポップチューンといった感じがしました。これが年間1位か…と思うと、目新しさもなく、2019年という時代性も感じられず、物足りなさも感じてしまいます。いや、良作であることは間違いないので、聴いて損のない作品だとは思うのですが…。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Cotillions/William Patrick Corgan

William Patrick Corganって誰だよ?と一瞬思うかもしれませんが、こちら、かのスマッシング・パンプキンズのボーカル、ビリー・コーガンによるソロアルバム。アコースティックなサウンドをバックに、スマパンを彷彿とさせるメランコリックなメロディーラインのポップスを聴かせてくれるアルバム。バンドサウンドで分厚く装飾されたスマパンの楽曲から、コアなメロディーラインの部分のみを取り出したアルバム、とった印象。まさに美メロという表現がピッタリの、ビリー・コーガンのメロディーメイカーとしての魅力を存分に感じさせてくれるアルバムになっています……が、比較的似ているような曲が並んでおり、かつ全17曲61分というのはちょっと長すぎたかも。45分程度の長さに留めれば傑作アルバムだったと思うのですが…。

評価:★★★★

Hidden History Of The Human Race/Blood Incantation

アメリカのデスメタルバンドによる2枚目のアルバム。終始、デス声が流れる中、ヘヴィーでダイナミックなバンドサウンドが流れる作品。わずか4曲入りのアルバムで、正直なところ、特に複雑に展開するような構成もないのですが、変な様式美などに陥ることなく、迫力あるサウンドを終始楽しめる良作に仕上がっていました。

評価:★★★★

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2020年2月22日 (土)

むしろ完成版より良いのでは?

今日紹介するのは、イギリスのロックバンドKeaneが配信オンリーでリリースしているデモ音源を集めたEPシリーズ。既に第1弾は紹介していますので、今日は第2弾と第3弾の紹介です。

Title:Retroactive-EP2
Musician:Keane

Keane2

まずは第2弾。「Perfect Symmetry」に収録されている「Again&Again」「Better Than This」、「Strangeland」収録の「In Your Own Time」、さらには初収録の音源となる「Glass Bottles」 の全4曲が収録されています。

Title:Retroactive-EP3
Musician:Keane

Retroactive3

そしてこちらは第3弾。「Strangeland」の表題曲ながらもなぜかボーナストラックの収録となっている「Strangeland」、「Perfect Symmetry」収録の「The Lovers Are Losing」、「Hope and Fears」収録の「This Is The Last Thing」「Sunshine」の4曲が収録されています。

今回のデモ音源は、いわばKeaneの楽曲の原型が収録されているアルバム。彼らのコアな部分があらわれた作品と言えるのですが、はっきり言ってしまって、完成版の音源よりも良いのでは?とすら感じてしまうような曲がチラホラ見受けられました。

特にその傾向が顕著だったのが、今回、2枚のEPで3曲が収録されている「Perfect Symmetry」収録の作品。このアルバム、ニューウェーブのテイストを取り込んだアルバムで、はっきりいって個人的には凡作だと思っているのですが、シンプルなアレンジとなっているデモ音源では、Keaneのメロディーセンスがしっかりと感じられる楽曲に仕上がっています。特に「Again&Again」は、爽やかながらも切ないメロでKeaneのメロディーの素晴らしさが再認識されられる作品に仕上がっていました。

そのほかも「Strangeland」もアコギのみで聴かせるアレンジで、ボーカル含めてちょっと泥臭さを感じるのですが、シンプルなアレンジでメロディーをしっかりと聴かせる曲となっているため、非常に彼らの良さがよく出ています。「Hope and Fears」収録の2曲については、比較的、デモ音源と完成版が近い印象もあり、これはどちらもしっかりとKeaneらしさが出ている作品になっていました。

さらに素晴らしかったのが今回初収録となった「Glass Bottles」。感情たっぷりのピアノの美しさが絶品の傑作となっており、なぜいままでリリースされなかったのが不思議にすら感じました。

Keaneは、そのメロディーラインのすばらしさに定評があるものの、どうも彼らがバンドとして挑戦したがるのか、せっかくの素材の持ち味が台無しになってしまうようなアレンジのアルバムを時々リリースしてくる悪い癖があります。「Perfect Symmetry」などはその代表的な作品ですが、最新アルバム「Cause and Effect」も正直、Keaneの良さがいまひとつ感じにくいアルバムでした。しかしそんな中、デモ音源を集めたむしろこちらのEP盤の方こそ、Keaneの良さが実感できるようにすら感じました。少々アレンジに粗さもあるのですが、それを差し引いてもKeaneの素晴らしさを実感できる内容。率直なところ、彼らの良さはその素晴らしいメロディーラインにあるのだから、アレンジをあまりいじくることなく、シンプルなアレンジの方がいいと思うんだけどなぁ。デモ音源集というとファンズアイテムの様相が強いのですが、本作に関しては広いリスナー層にお勧めできる傑作でした。

評価:どちらも★★★★★

KEANE 過去の作品
Perfect Symmetry
NIGHT TRAIN
Strangeland
The Best Of Keane
Retroactive-EP1
Cause and Effect


ほかに聴いたアルバム

Surrender(20th Anniversary Edition)/The Chemical Brothers

1999年にリリースされ、The Chemical Brothersの代表作の一つとして名高い「Surrender」。そのリリース20周年を記念して"20th Anniversary Edition"がリリースされました。当時のオリジナルアルバムの他、当時リリースされたリミックスなどを収録したCDがついた2枚組。さらに"The Secret Psychedelic Mixes"と称された、未発表のリミックス盤や、2000年のグラストンベリーフェスティバルでのライブの模様やプロモビデオを収録したDVDがついたCD3枚組+DVDの組み合わせなどがリリースがリリースされています。

「Surrender」といえば、収録曲の「Hey Boy,Hey Girl」が日本でも大ヒットを記録し、The Chemica Brothersの名前が一躍知られるようになった作品。個人的にもはじめてThe Chemical Brothersのアルバムを買って聴いたのが本作なのですが、あれからもう20年も経つのか…と感慨に浸ってしまいます。しかし、今聴いてもエレクトロサウンドにロッキンな要素がほどよく加わった作品は、気分がどんどんと高揚していきます。本作から流れるサウンドは、今流行の音ではないものの、今聴いても決して古臭さは感じません。おそらく今のリスナーが聴いても十分楽しめるサウンドではないでしょうか。特にロック的な要素が強く含まれている点も、当時、幅広い層に支持された大きな理由でしょう。ボリューミーな本作はさすがにファンズアイテム的な要素が強いのですが、それを差し引いても、アルバム本編だけでも今なお多くのリスナーに聴いてほしいと感じる傑作アルバムです。

評価:★★★★★

The Chemical Brothers 過去の作品
Brotherhood
Further(邦題:時空の彼方へ)
HANNA
Born In The Echoes
No Geography

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2020年2月21日 (金)

ロットンへの愛情を強く感じる

Title:ROTTENGRAFFTY Tribute Album ~MOUSE TRAP~

2019年にデビュー20周年を迎えたロックバンド、ROTTENGRAFFTY。2015年にリリースしたミニアルバム「Life is Beautiful」がバンドで初となるベスト10ヒットを記録するなど、ここ数年、人気が上昇してきています。そんな彼らのデビュー20周年を記念してリリースされたのがこのトリビュートアルバム。Dragon Ashや10-FEET、ヤバイTシャツ屋さんといった豪華なメンバーがロットンの曲をカバーしています。

そんな今回のトリビュートアルバムなのですが、率直に言ってしまうとROTTENGRAFFTYのオリジナルより良いんではないか?と思ってしまうほどの出来栄えでした。ROTTENGRAFFTYのアルバムは、何作か聴いているのですが、正直言ってしまうといずれのアルバムも「これ」といった作品ではなく、個人的にはさほどいいな、と思っているバンドではありませんでした。そのため今回のトリビュートアルバムも聴くきっかけとしてはロットンのトリビュートだから、というよりも参加しているメンバーに惹かれた部分があり、曲そのものに関してはさほど期待はしていませんでした。

しかし今回参加しているミュージシャンはそれぞれ、ロットンの曲をしっかりと解釈し、それぞれバンドとしての個性をしっかり色つけしていた非常によく出来たカバーに仕上がっていたと思います。分厚いサウンドで彼ららしいパンクロックに仕上げている10-FEETの「金色グラフィティー」からスタートし、男女ツインボーカルがちょうどよいインパクトとなっているヤバTの「D.A.N.C.E.」に、洋楽テイストの強いミクスチャーに仕上げているcoldrainの「エレベイター」、そして軽快なパンクロックに仕上げているキュウソネコカミの「e for 20」など、それぞれ各個人のオリジナルナンバーだと言われても違和感ないくらい、しっかりとバンドとしての個性を曲に反映させつつ、原曲の魅力もしっかり保った良カバーに仕上げています。

また、Dragon Ashの「マンダーラ」ではポエトリーリーディングに近いスタイルのラップでロットンへの思いを語ったり、コミックバンドの四星球の「響く都」ではコントが入り、ロットンをコミカルに紹介しつつそんな中にロットンへの愛情を感じさせたりと、バンドのROTTENGRAFFTYへの愛情も強く感じさせるナンバーになっています。彼らに限らず、それぞれのバンドの良さをいかしつつ、原曲の良さをしっかり保ったカバーにしっかり仕上げている点も、バンドそれぞれのロットンへの愛情を強く感じさせるトリビュートアルバムになっていました。

ラストを締めくくる上田剛士の「THIS WORLD」のへヴィーなエレクトロサウンドによるリミックスも上田剛士らしいアレンジになっており見事。最後の最後まで参加メンバーそれぞれの個性がしっかり生かされた良質なトリビュートアルバムになっていました。しかし、正直、上にも書いた通り、ロットンの曲はいままでさほど良いと思ったことが少なかったのですが、これだけカバーが良いというのは、それだけ原曲にもしっかりと魅力があるという点。あらためてロットンの曲を聴き直そうかな、そうとまで思わせてくれるトリビュートアルバムになっていました。ちなみにロットン自身、2月にベスト盤をリリースしています。そちらもチェックしてみたくなる、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SOLEIL in STEREO/SOLEIL

噂の美少女ボーカリスト、それいゆ率いるバンドSOLEIL。残念ながら彼女が学業に専念するということで活動休止となってしまったのですが、そんなSOLEILのラストアイテムとして、バンドの1stアルバムと2ndアルバムの全曲をステレオミックスとして収録したリミックスアルバムがリリース。それも単なるステレオ化した音源ではなく、初期から中期のビートルズのステレオ録音を意識した、極端に音を左右に振られたステレオミックスを再現。最後の最後までこだわりたっぷりの仕事ぶりを楽しませてくれます。もちろん、全編60年代のキュートなガールズポップ、ロックンロールを体現化した楽曲は実に魅力的。あまりにも早い活動休止は非常に残念に感じます…が、一方では昨年5月、メンバーだった中森泰弘が、「やれることはやり切った」と脱退してしまったのですが、確かにやはり楽曲のバリエーションとしては限界がありますし、マンネリ化する前のこのタイミングでの活動休止は、タイミングとしてはちょうどよかったのかなぁ、なんて思うことも。ただ、一度、ライブに行きたかったな…。

評価:★★★★★

SOLEIL 過去の作品
My Name is SOLEIL
SOLEIL is Alright
LOLIPOP SIXTEEN

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2020年2月20日 (木)

例の事件の影響で・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今でもなお、引き続き世間を騒がしている槇原敬之の覚せい剤所持による逮捕というニュース。今週、この事件の影響で、なんと彼のベストアルバム「SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA」が9位にランクイン。特にダウンロード数は2位という結果となり、本作は1997年のリリースであるため、ビルボードチャートでは初となるベスト10ヒットとなっています。おそらく、逮捕の影響により彼のCDが回収されたり配信が中止されることを見越しての駆け込み需要なのでしょう。ただ、彼は何枚もベスト盤をリリースされており、2010年にも2枚組のベスト盤をリリースしているのですが、今回一番売れたのが一番最初のベスト盤というのはちょっと複雑な印象も。

今のところ、彼の作品についてCD回収や配信停止という事態にはなっていないようです。ネット上では覚せい剤使用についてちょっと異常ともいえる糾弾も目立つ反面、作品については罪がないと、CD回収や配信停止に対して批判的な意見も少なくありません。個人的にも当然、CD回収や配信停止は単なるレコード会社側の保身的行為以上でも以下でもないと思っているため、こんなバカバカしい慣習は一切やめるべきだと思っているのですが、今回のケースではどうなるのでしょうか…。

さて、そんな今週のチャートで1位を獲得したのは、女性6人組のボーカルグループLittle Glee Monster「BRIGHT NEW WORLD」でした。CD販売数1位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数10位。昨年末まで3年連続紅白出場と絶好調の彼女たち。先行EPにも収録されていましたが、本作ではEarth,Wind&Fireとのコラボ作も収録されるなど、意欲的な活動が続いています。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上4万枚で1位初登場。直近のEP盤「I Feel The Light」の1万4千枚(5位)からはアップ。ただし、オリジナルとして前作である「FLAVA」の初動5万2千枚(1位)からはダウンしています。

2位はHot100でも大活躍中のKing Gnu「CEREMONY」が先週から同順位をキープ。CD販売数は6位に下がってしまいましたが、ダウンロード数、PCによるCD読取数共に1位をキープしており、まだまだロングヒットは続きそうです。

3位にはEve「Smile」がランクイン。動画投稿サイトの歌唱動画で注目を集め、その後、いわゆるボカロPとしても人気を博した男性シンガーソングライター。前作「おとぎ」ではポスト米津玄師的にプッシュされていましたが、続く「Smile」も大ヒットを記録しています。CD販売数2位、ダウンロード数8位、PCによるCD読取数13位。オリコンでは初動売上2万7千枚で2位初登場。前作「おとぎ」の2万枚(6位)からアップしています。

4位には女性4人組バンドSCANDAL「kiss from the darkness」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数22位。オリコンでは初動売上1万7千枚で5位初登場。前作「HONEY」の2万2千枚(3位)よりダウン。

5位初登場は韓国の男性アイドルグループATEEZ「TREASURE EP. Map To Answer」。CD販売数で3位でしたが、そのほかのチャートは圏外となり、総合順位でもこの位置に。オリコンでは初動売上1万8千枚で3位初登場。直近の韓国盤「Treasure Epilogue:Action To Answer」の1千枚(31位)からは大幅アップ。前作「TREASURE EP. EXTRA:Shift The Map」の1万3千枚(9位)からもアップしています。

7位はFANTASTICS from EXILE TRIBE「FANTASTIC9」が初登場。LDH所属の男性ダンスグループで本作がアルバムではデビュー作となります。CD販売数は4位ながらもダウンロード数54位、PCによるCD読取数35位で総合順位もこの位置に。オリコンでは初動売上1万8千枚で4位初登場。

8位には、まさかの復活となります。Chara+YUKI「echo」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数7位、PCによるCD読取数38位。オリコンでは初動売上1万2千枚で7位初登場。1999年に、当時、活動休止中だったJUDY AND MARYのボーカルYUKIとCharaがコラボ。シングル「愛の火 3つ オレンジ」をリリースし、大きな話題となりました。ただ、当時は、「売れ線の人気バンド」ジュディマリのボーカルと、「サブカル系の実力派シンガー」Charaのコラボというイメージがあり、YUKIの側が、自らを「実力派のシンガー」として認めさせようとして組んだコラボ、という印象がぬぐえず、シングルも正直言っていまひとつという印象を受けました。そのためか、このコラボはわずかシングル1枚で消滅。その後、当時はアルバムなどがリリースされることはありませんでした。しかしあれから20年。CharaはともかくYUKIの方はボーカリストとして大きく成長し、イメージも大きく変化しました。そんな中でのコラボ復活。20年前のシングル曲「愛の火 3つ オレンジ」もリメイクして収録されています。アルバムはまだ聴いていませんが、20年の月日を経て、どのような成長を感じられるのでしょうか。また待望のライブツアーも予定されており、今後、このユニットは継続していくのでしょうか?楽しみです。

最後10位にはアイドル的人気を誇るカナダのシンガー、Justin Bieber「Changes」がランクイン。CD販売数は16位に留まりましたが、ダウンロード数で4位を記録し、総合順位ではベスト10入りを果たしています。オリコンでは初動売上3千枚で16位初登場。前作「Purpose」の1万3千枚(7位)からダウンしています。

今週の初登場盤は以上。そしてロングヒットですが、Official髭男dism「Traveler」は今週は4位から6位にダウン。ただダウンロード数は先週と変わらず3位をキープしており、まだまだ人気のほどを感じます。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年2月19日 (水)

今週もヒゲダン大活躍

今週のHot100

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先週に引き続き、今週もヒゲダンの活躍が目立つチャートとなりました。

今週、Official髭男dism「I LOVE...」が見事2週連続の1位を獲得。CDリリースにあわせてCD販売数が5位にランクイン。ストリーミング数が1位にアップし、さらにラジオオンエア数、PCによるCD読取数がいずれも1位を獲得。You Tube再生回数も3位にアップ。ダウンロード数は先週から変わらず2位だったものの、多くのチャートで上位に食い込んできました。Twitterつぶやき数は55位、カラオケ歌唱回数は45位と奮いませんでしたが、特にカラオケ歌唱回数は今後のヒットで上位にランクアップしていきそうです。ちなみにオリコン週間シングルランキングでも今週、初動売上1万5千枚で5位初登場。前作「宿命」の7千枚(15位)よりアップしています。

さらに今週は2位も「Pretender」がランクインし、2週連続で1、2フィニッシュを達成。ストリーミング数は1位から3位、ダウンロード数も4位から7位とダウンしたものの、You Tube再生回数、カラオケ歌唱回数は共に1位をキープしており、まだまだ根強い人気を感じさせます。そして「宿命」も先週の10位から9位にアップしたほか、今週はなんと「イエスタデイ」が先週の11位からワンランクアップで5週ぶりのベスト10返り咲き。これでなんとベスト10にOfficial髭男dismの曲が4曲同時にランクインするという結果になりました。

その圧倒的な強さを誇るOfficial髭男dismに対抗しているのがKing Gnu。今週も「白日」は3位をキープ。ダウンロード数は5位から6位にダウンしたもののYou Tube再生回数は2位をキープ。さらにストリーミング数が3位から2位にアップしており、先週1度抜かれた「Pretender」を抜き返しました。

さらに今週、King Gnuはさらに1曲「どろん」が先週の33位からランクアップ。6位にランクインし、ベスト10入りを達成しています。最新アルバム「CEREMONY」収録の楽曲で、映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」主題歌となっているナンバー。先日、「ミュージックステーション」でこの曲が歌われた影響もあり、ダウンロード数が圏外から13位、You Tube再生回数も8位にランクイン。ストリーミング数も16位から12位にランクインし、初のベスト10入りとなりました。

今週、ベスト10初登場はこのKing Gnuの「どろん」1曲のみ。ほかにロングヒット曲ではLiSA「紅蓮華」が5位から4位にアップ。ダウンロード数はワンランクダウンながらも4位、ストリーミング数も先週と変わらず4位をキープ。カラオケ歌唱回数は5位からついに2位にアップと、ロングヒットを続けています。

そんな訳で今週のベスト10は以上・・・なのですが、今週、ベスト10のうち、CD販売数でベスト10入りしているのがヒゲダンの新曲と7位にランクインしているSnow Man「D.D.」(CD販売数4位)の2曲のみという事態になっており、ますますCDの実売とヒットの実態が乖離しているチャートとなってきています。

ただ一方、CD販売数で3位に入っている桑田佳祐&The Pin Boys「悲しきプロボウラー」が総合順位では16位に留まるなど、ちょっと残念な結果にもなっています。同曲はラジオオンエア数でも2位、PCによるCD読取数でも12位にランクインしており、正直、ちょっとHot100はストリーミング数やYou Tube再生回数に比重を置きすぎなんじゃないのか??と感じない部分はないでもありません。

そしてちょっと厳しい話だと「悲しきプロボウラー」はダウンロード数では30位、ストリーミング数ではサブスクが解禁されているにも関わらず圏外という結果になっています。比較的、CDアイテムにも重きを置いた販売戦略になっているとはいえ、ネット系が弱いというのは、ファン層が比較的高年齢という影響も大きいのでしょう。他にも似たような例では氷川きよしもシングルではCD販売数が上位に来ても、総合順位ではネット系の順位が奮わないため上位に入ってこれない、という現象がみられます。そういう意味でも、中高年のファンの多いミュージシャンにとって、今のHot100の集計方法は上位をなかなか狙いにくい状況であり、そういう意味では、今の方法でも「全てのヒットを正確に」捉えているかは微妙な部分があるのは否めません。ただ、CDという形態が、今後ますます時代遅れになっていくという点だけは間違いなさそうですが...。

明日は、シングルに比べると、まだCDの売上がヒットとリンクしているHot Albums!

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«ただただ残念です。