2020年5月30日 (土)

ユニークだけど考えさせられる歌詞

Title:あたりまえつこのうた
Musician:やくしまるえつこ

ご存じ相対性理論のボーカリスト、やくしまるえつこのソロ名義での最新作。その清涼感ある声から、数多くのミュージシャンの作品にゲストとして参加したり、あるいはナレーションなどでのソロの活動も盛んな彼女ですが、今回のアルバムは非常にユニークな企画モノのアルバム。NHK Eテレの科学教育番組「カガクノミカタ」で制作・歌唱を担当したオリジナルソング「あたりまえつこのうた」を1枚にまとめたアルバムになっています。

この「あたりまえつこのうた」は全部で10番まであるのですが、全部おなじメロディー。それが全10曲分並ぶアルバムなのですが、サビの部分、「あたりま~え、あたりま~え、あたりませつこは知っている~♪」というフレーズが非常に人懐っこく、それが何度も繰り返されるのでいつのまにか頭から離れなくなり、知らず知らずのうちに口ずさんでしまいます。

また非常にユニークかつミュージシャンとしての矜持を感じるのが全10番まであるこの曲、1つ1つアレンジが異なるという点。エレクトロサウンドの「いちばん」からスタートし、ホーンセッションが入って楽しい「にばん」、スペーシーな「さんばん」など、基本的にはエレクトロサウンドが主軸になっているのですが、楽曲によって雰囲気が微妙に異なってきます。特にピコピコサウンドで軽快な「はちばん」やメロウな雰囲気の「きゅうばん」などが並んでいます。

ただ、このアルバムの最大の聴きどころは歌詞でしょう。「あたりまえ」と言われていること、言われている事象を、あらためて考察する内容の歌詞。例えば「いちばん」では男の子と女の子が違うという「あたりまえ」が何で「あたりまえ」なのか、というテーマになっていますし、「ごばん」ではプレゼントの中身はあけないとわからないという「あたりまえ」にあらためて疑問をなげかけています。ある意味、非常に科学的でもあり、哲学的でもある内容。基本的に子供向けの科学教育番組の中での曲なのですが、子供だけではなく大人でも歌詞を読んでみると、深く考えさせられる歌詞になっています。

ちなみにNHKのサイトでは、この曲にあわせた子育て世代にはおなじみ絵本作家ヨシタケシンスケによるかわいらしい絵がついたアニメーションが公開されています。このアニメも併せて聴いてみるのがお勧め。アニメと一緒に聴くことにより、あらためて歌詞の世界について考えさせられるような内容になっています。

しかしNHKのEテレって、こういう音楽的にもおもしろい企画をよく作り出すから見逃せません。この企画についても音楽的な側面からも、化学・哲学的な側面からも実によく出来た企画で、基本、子供向けであり子供にもわかりやすいような内容でありながらも、一方では大人にとっても実は考えさせられる内容であるという、非常によく出来た内容になっています。やくしまるえつこを知らない方でも是非お勧めしたい作品。とりあえずは上のNHKのサイトから動画を観れるので、まずはそちらをチェックしてみてください。子供向きとあなどるべからず。

評価:★★★★★

やくしまるえつこ 過去の作品
RADIO ONSEN EUTOPIA
Flying Tentacles(Yakushimaru Experiment)


ほかに聴いたアルバム

THE PERFECT DAY E.P./カジヒデキ

配信限定でリリースされたカジヒデキ4曲入りのEP。もともとは2018年のツアー時にカセットテープにて300本限定でリリースされたもの。この新型コロナ蔓延で鬱々とした雰囲気の中、彼らしい陽気なポップソングが並びます。さらにスチールギターなどを用いて、ちょっとカリビアンな雰囲気となっているのも特徴的。ただでさえ陽気な彼のポップスにピッタリとマッチした明るいサウンドで、今の鬱々とした気分を吹き飛ばしてくれそうな、そんな作品です。

評価:★★★★

カジヒデキ 過去の作品
LOLIPOP
STRAWBERRIES AND CREAM
TEENS FILM(カジヒデキとリディムサウンター)
BLUE HEART
Sweet Swedish Winter
The Blue Boy
秋のオリーブ
GOTH ROMANCE

真っ黒/tricot

本作がメジャーからのリリースとしては初のフルアルバムとなる女性3人+男性1人というスタイルのロックバンドtricot。タイトルもそうですが、黒を基調としたジャケットもカッコよく、アルバムがスタートするといきなりスタートするエッジの効いたギターサウンドにとにかく惹かれます。これでもかというほどヘヴィーなガレージサウンドを主体としたバンドで、バンドサウンドという側面では文句なしにカッコいいのですが…ただ、これは以前からなのですが、それに載るメロディーラインと歌詞のインパクトは弱いのが残念。バンドサウンドに載るボーカルも端正なのが耳に残るのですが、ただガレージサウンドに上手くマッチしていない部分も。サウンドはすごくカッコいいんだけどなぁ…。ライブも良さそうなのですが、CDで聴くとちょっと残念な部分も目立ってしまうアルバムでした。

評価:★★★★

tricot 過去の作品
A.N.D.
3

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2020年5月29日 (金)

新進気鋭のSSWが1位獲得

すいません。昨晩は所用のため更新できず、1日遅れの更新です。

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、なんと新進気鋭のシンガーソングライターのデビューアルバムが1位獲得です。

今週、初登場で1位を獲得したのは藤井風「HELP EVER HURT NEVER」。You Tubeへのピアノカバー動画などの投稿で話題を呼んだ男性シンガーソングライター。いままで配信限定でEPをリリースしたことはあったものの本作が初のフルアルバムかつCDでのリリースは本作がはじめてとなります。CD販売数で2位を獲得したほか、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数5位で総合順位で見事1位獲得となりました。You Tubeへの投稿動画、というとボカロPや「歌ってみた」系ミュージシャンを想像するのですが、彼はそのようなタイプではない正統派のSSW。シティポップ的な洒落た雰囲気のポップミュージックを奏でるシンガーなだけに、今後、さらなるブレイクも期待できそう。ちなみにオリコン週間アルバムランキングでは初動売上2万枚で2位初登場です。

2位は韓国の男性アイドルグループTOMORROW×TOGETHER「The Dream Chapter:ETERNITY」。2つのグループの合同企画かと思いつつ、TOMORROW×TOGETHERという名前のひとつのグループのようです。CD販売数は1位を獲得したものの、ダウンロード数10位、PCによるCD読取数は97位に留まり、総合順位も2位に。一方、オリコンでは初動売上2万9千枚で本作が1位獲得となりました。

3位にはGirls2「チュワパネ!」が初登場。CD販売数3位、PCによるCD読取数47位。CD販売数3位、PCによるCD読取数47位。テレビ東京系で放送中の女児向けドラマ「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」、「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」、「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」の出演メンバーからセレクトされた女性アイドルグループ。オリコンでは初動売上1万9千枚で3位初登場。前作「恋するカモ」の2万枚(7位)より若干のダウンとなっています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に湘南乃風「湘南乃風~四方戦風~」がランクイン。約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。CD販売数4位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数26位。オリコンでは初動売上1万2千枚で4位初登場。前作「湘南乃風~一五一会~」の1万3千枚(4位)から若干のダウンとなっています。

5位初登場はロックバンドflumpool「Real」。CD販売数5位、ダウンロード数12位、PCによるCD読取数9位。2008年11月にリリースしたデビューミニアルバム「Unreal」の対となるようなアルバムで、ジャケットは「Unreal」と同じくメンバーが全裸で後ろを向いた姿に。同じスタジオ、同じカメラマンによって撮影されたそうで、デビュー以来12年間の経験が詰め込んだアルバムになっているようです。オリコンでは初動売上1万1千枚で5位初登場。前作「EGG」の2万枚(2位)からダウン。

6位にはさだまさし「存在理由~Raison d'etre~」が入ってきました。CD販売数6位、ダウンロード数17位、PCによるCD読取数31位。オリコンでは初動売上1万枚で6位にランクイン。前作「Reborn~生まれたてのさだまさし~」の1万1千枚(5位)から若干のダウンです。

7位初登場はAgust D「D-2」。韓国の男性アイドルグループBTSのメンバー、SUGAによるソロアルバムで、配信オンリーのミックステープという扱いになるそうです。Agust Dは、そのSUGAのソロ活動での名義で、彼の出身地、大邱(Daegu)とTownの頭文字に自分の名前を足した「DT suga」を逆さにしたものだそうです。ダウンロード数で1位を獲得。配信オンリーながらベスト10入りを果たしました。

8位には韓国の男性アイドルバンドFTISLAND「10th Anniversary ALL TIME BEST/Yellow[2010-2020]」がランクインです。タイトル通り、日本デビュー10周年を記念してリリースされたベストアルバム。CD販売数は7位でしたが、ダウンロード数62位、PCによるCD読取数84位で総合順位は8位に。オリコンでは初動売上8千枚で7位初登場。直近のオリジナルアルバム「EVERLASTING」の2万2千枚(3位)からダウンしています。

今週の初登場盤は以上。一方、ロングヒットですが、新譜勢に押されてちょっと失速気味。Official髭男dism「Traveler」は7位から9位にダウン。後がなくなってきました。とはいえ、PCによるCD読取数1位はキープしていますし、CD販売数もまだ9位にランクイン。強さを見せつけています。

さらにJUJUのベストアルバム「YOUR STORY」が今週10位にランクイン。7週目のベスト10入りとなりました。ただ、先々週の1位から5位→10位と急落しており、完全に新譜に押し出された形に。ここで今一歩ふんばるか、それとも・・・?

そして今週、長らくベスト10入りを続けていたKing Gnuの「CEREMONY」が11位とついにベスト10陥落。連続ベスト10記録は今年の1月27日付チャートから連続18週でストップしました。ただ、ダウンロード数は今週も9位。PCによるCD読取数は2位にランクインしているだけに、まだまだ巻き返しも期待できます。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年5月28日 (木)

今年最大の音楽ニュース?

Title:ニュース
Musician:東京事変

新型コロナの影響ですっかり沈滞してしまっている音楽シーンですが、ただ2020年の元旦に飛び込んできた最も大きなニュースは東京事変復活のニュースでしょう。2012年2月29日の日本武道館ライブを最後に解散した彼女たちですが、それからちょうど8年後になる今年、突然の復活を遂げました。その後、解散ライブからちょうど8年後、同じ閏日となる2月29日にライブを決行。ちょうど新型コロナウイルス感染が話題となっており、数多くのライブが中止となる中での実施だったために批判を浴びるなど若干ケチがついた感も出てしまったのは残念ですが、ただ、その後、EP盤である本作がリリース。オリジナルアルバムとしては2012年の「color bars」以来、実に約8年3ヶ月ぶりの新譜となります。

まず今回、目を引くのがそのジャケット。タイトルからイメージされるニュース番組をモチーフとしたコンセプシャルなジャケットとなっています。前作「color bars」もテレビ映像のテストパターンから取られたものですし、その後リリースされたカップリングアルバム「深夜枠」もテレビをモチーフとしたタイトルですから、その路線が続いている形となります。特に今回のジャケット、スーツをピシっと決めた椎名林檎のカッコ良さが目立ちます。一方、他のバンドメンバーはいまひとつスーツが似合っていなくて、浮いてしまっているのですが・・・。

そんな新作は前5曲入りのミニアルバムなのですが、5曲が5曲とも、メンバーそれぞれが1曲ずつ作曲としている点が大きな特徴となっています。特に1曲目の「選ばれざる国民」の冒頭に流れてくるのは、いきなり浮雲の歌声。この点からもあくまでも東京事変が椎名林檎+バックバンドという形ではなく、メンバー5人が対等であり、「椎名林檎のバンド」ではない、という強い主張が伝わってきます。

また、椎名林檎のボーカルよりもバンドサウンドを前に押し出したような曲が多いという点も大きな特徴ではないでしょうか。1曲目の「選ばれざる国民」も、今どきなエレクトリックジャズの楽曲になっているのですが、歌よりもエレクトリックピアノをはじめとするバンドサウンドが前に押し出されている構成になっています。

続く「うるうるうるう」もピアノや力強いドラムが目立つ作品になっていますし、ユニークなタイトルの「猫の手は借りて」も、椎名林檎のボーカルを生かした作品ではあるのですが、ノイジーなギターサウンドも同じように主張している楽曲に仕上がっています。椎名林檎のボーカルも非常に特徴的でインパクトがあるのですが、東京事変のメンバーはそれぞれ個性派揃い。ギターもベースもドラムもピアノも、それぞれ非常に個性的なサウンドで主張している点が大きな特徴でもあり魅力。それがバンドとしてバラバラになっておらず、絶妙なバランスでまとまっているのも大きな魅力に感じます。

椎名林檎ではなく、東京事変としてバンドとしての再出発を高らかに歌いあげる、バンドとしての特色、メンバーそれぞれの個性をしっかりと出すことが出来た傑作アルバムだったと思います。ただ、一方正直なところ、楽曲自体、一番よく出来ていたのはやはりラストに収録されている椎名林檎作曲による「永遠の存在証明」だった点、少々バンドの苦しい面が垣間見れる感じ。特に椎名林檎は、東京事変が解散してからのオリジナルアルバム「日出処」「三毒史」がいずれも傑作だっただけに、そういう意味では東京事変より椎名林檎としての活動を…と若干思ってしまう部分も否定できません。

もっとも亀田誠治作曲の「現役プレイヤー」のような、明るくシンプルでポップなギターロックは椎名林檎作曲の曲ではまず出会えないようなタイプの曲で、そういう意味では椎名林檎の音楽的な幅を広げているという点で東京事変の活動も魅力的なのは間違いありません。本格的活動再開直後に新型コロナの影響でライブツアーが中止になったり、おそらく東京五輪に合わせての再結成だったものの、その東京五輪が延期になったりと、ちょっとタイミングが悪かった感も否めませんが、それでもやはり東京事変としてのこれからの活躍にも期待したいところ。ただ、個人的には椎名林檎のソロも同時並行で続けてほしいのですが。

評価:★★★★★

東京事変 過去の作品
娯楽
スポーツ
大発見
color bars
東京コレクション
深夜枠


ほかに聴いたアルバム

映画ドラえもん うたの大全集

映画ドラえもん40作目及びドラえもん連載開始50周年を記念してリリースされた、過去の映画主題歌や挿入歌を網羅したオムニバスアルバム。2010年、2015年に同企画のアルバムがリリースされており、そういう意味で目新しさはあまりないのですが、2015年以降の映画主題歌が収録。特に個人的には星野源の「ドラえもん」目当てで聴いたのですが、この曲は、特にJ-POP系ミュージシャンが提供してからの曲の中ではドラえもんとの世界観とのマッチや曲の良さ、またドラえもんに対する敬愛度いずれをとってもずば抜けていますね。特に昨年10月からはテレビアニメのオープニングにも起用されており、それはそれで賛否を呼んだようですが、個人的にはかなり納得感があります。個人的にはDisc1は非常に懐かしさを感じつつ聴くことが出来、Disc2以降は少々蛇足だったのですが、そんな中でも星野源が断トツによかった、そう感じたアルバムでした。

評価:★★★★

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2020年5月27日 (水)

相変わらずロングヒット曲主導のチャート

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

新型コロナの影響でCDの販売が極端に落ち込む中、今週もまた、ベスト10のうちCD販売数でベスト10に入っている曲が1曲のみという、配信主導のチャートとなっています。またさらに今週は初登場曲がゼロという結果に。ロングヒット曲が目立つチャートとなりました。

そんな中で見事1位を獲得したのがYOASOBI「夜に駆ける」。先週の2位からアップし、ベスト10入り5週目にして1位獲得となりました。特にストリーミング数とYou Tube再生回数は見事1位を獲得。今後、どこまでヒットを伸ばすか注目されます。ちなみに先週ベスト10に初登場した「ハルジオン」は今週も10位をキープ。ダウンロード数は6位から10位にダウンしましたが、ストリーミング数が14位から8位へとアップしてベスト10入り。2週連続2曲同時ランクインという結果になっています。

2位はLiSA「紅蓮華」が先週の4位からランクアップ。2週ぶりの2位返り咲きとなっています。You Tube再生回数が12位から8位へと再びアップ。CD販売数も7位にランクインしているほか、ダウンロード数2位、ストリーミング数5位、PCによるCD読取数1位といずれも上位にランクインしています。またラジオオンエア数も24位から12位に大幅アップ。「鬼滅の刃」の原作漫画が最終回を迎え、ちょっとしたニュースになったのですが、それに伴って、アニメ主題歌だったこの曲もランクアップしてきたといった感じでしょうか。

そして3位には、YOASOBIと並び今後のロングヒットが期待される瑛人「香水」。今週は1位から3位にダウン。先週1位だったストリーミング数は2位にダウン。今週は「夜に駆ける」の後塵を拝する結果となっています。ただYou Tube再生回数は5位から3位にアップ。こちらも「夜に駆ける」には負けたものの、You Tube再生回数から考えるとさらに人気を伸ばしてきている結果になっています。「夜に駆ける」と「香水」が今後、どのようにデッドヒートを繰り広げるのか、注目されます。

続いては4位以下の楽曲なのですが、いずれもロングヒット曲。まず、YOASOBIと瑛人のヒットで若干失速気味のOfficial髭男dismですが、今週「I LOVE...」が3位から4位にダウン。ついにベスト3からヒゲダンが姿を消しました。長らくベスト3にランクインし続けたヒゲダンですが、ベスト3から彼らの曲が消えるのは2月3日付チャート以来18週ぶりとなります。

ただし、「Pretender」は今週も先週から変わらず5位をキープ。ストリーミング数及びYou Tube再生回数は先週から変わらず4位をキープしていますし、ダウンロード数は13位から11位へとアップ。「I Love...」もストリーミング数3位は先週から変わりませんし、一時期のような勢いはなくなってきたとはいえ、まだまだ彼らのロングヒットは続きそう。

さらに今週「宿命」が先週の11位からランクアップし8位に返り咲き。ベスト10記録を累計43週に伸ばしています。特にダウンロード数が32位から18位に大幅アップ。ストリーミング数は7位、You Tube再生回数は9位と、まだベスト10を継続しており、まだまだヒットは続きそうです。

一方、King Gnu「白日」は6位から7位にダウン。ストリーミング数は5位から6位、You Tube再生回数は6位から7位とまだまだ強さを見せるものの少しずつダウンしています。

そして今週、あいみょん「マリーゴールド」が11位から9位にランクアップ。2週ぶりにベスト10返り咲きとなっています。ダウンロード数、ストリーミング数12位、You Tube再生回数13位、ほか、CD販売数87位、ラジオオンエア数80位、PCによるCD読取数62位、Twitterつぶやき数87位と、いずれもベスト10入りしていないのですが、幅広くランクインし、総合順位では見事ベスト10入り。ベスト10入り累計52週に伸ばしています。

そんな訳で今週も、CDの販売数とはかけ離れたチャートとなっています。ただ今週の対象週は5月18日から24日で、非常事態宣言も一部地域を除いて解除され、CDショップの営業も開始されてきた週。実際、明日紹介するHot Albumsでは多くの新譜もランクインしてきています。もともと新型コロナ関係なく、シングルがほぼ一部アイドルやアニメファンのファングッズと化してきた傾向があったのですが、新型コロナの影響で、本格的にCDシングルという形態がなくなってしまいそうな感があります。新型コロナの影響で、ライブやイベントなどが中止になって久しく、今後、いつになればライブやイベントが行えるのか心配する向きは大きいのですが、ただおそらく、ライブがなくなることはないでしょう。ただ、この新型コロナの影響でCDシングルは本格的に消滅してしまう可能性が出てきたように思います。非常事態宣言が全国的に解除されましたが、今後の動向に注目されます。

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2020年5月26日 (火)

あれ、この音は…oasis??

Title:
Musician:中村一義

最近、寡作気味な中村一義の、途中、セルフカバーアルバムを挟みつつもオリジナルアルバムとしては約4年ぶりとなるニューアルバム。中村一義としては7枚目のオリジナルアルバムとなるのですが、100s名義で3枚のアルバムをリリースしているため、100sとしてのアルバムを含んで10枚目のアルバムとなる計算のようです。

さて、そんな彼のニューアルバムですが、今回のアルバムは基本的にバンドサウンドをメインとしたロックなサウンドが大きな特徴となっています。そしてそんな中で聴いていてまずは思いつくのが「これ、oasis……??」という点。oasisをはじめとする90年代後半あたりのイギリスギターロックバンドの影響を露骨に受けているようなサウンドが目立ちます。つーか、中村一義ってそんな音楽的嗜好あったっけ??と思ってしまったアルバムになっています。

タイトルチューンの「十」などもストリングスとピアノにアコギを重ねて分厚く聴かせるスタイルはoasisっぽいですし、メロディーラインに関してはむしろ「The Bends」時代のRADIOHEADの影響すら感じるほど。「イロトーリドーリ」のギターサウンドなんかも露骨にoasisですし、一番顕著なのが「スターズ」。イントロのアコギのストロークといい、中村一義の歌い出しといい、作曲はノエル・ギャラガーと言われても違和感ないほど(笑)になっています。

さらに「すべてのバカき野郎ども」もギターでダウナーに聴かせるサウンドが完全にoasisなのですが、「ファッキン・メン」やら「兄弟」やら、どこかoasisを彷彿とさせるような単語が歌詞の中に登場してきたりして・・・。アルバム全編にまんまoasis路線のサウンドが目立ち、おそらく90年代のイギリスギターロックが好きならかなり壺にはまりそうな路線かも。いい意味でもバンドサウンドに聴きやすさを感じます。

もちろん、歌詞カードをみなければわからないような、英語みたいに歌われる独特の言語感覚による歌詞の世界はあいかわらず。特に「それでいいのだ!」はアカペラとバスドラの音色ではじまるスタートといい、名曲「犬と猫」を彷彿とさせる中村一義らしいポップチューンになっており、そういう意味でもしっかりと中村一義らしさはアルバム全編に流れている作品になっていました。

また、「叶しみの道」のような

「流行り歌で聴いた『明るい未来』ってなぁ、ここにはねぇが。
だが、どうしたって、ド地獄から、塗り替えりゃあ、いい。」
(「叶しみの道」より 作詞 中村一義)

という歌詞だったり、「十」で歌われる

「孤独の旅路は、闇の中に光射すんで、バカに暗いんだね。」
(「十」より 作詞 中村一義)

という歌詞だったり、祝祭色すら感じる明るくポップなメロやサウンドと反して、どこか影の部分を感じさせる歌詞も健在。もちろんその向こうの希望も同時に歌っており、ここらへんの世界観は中村一義らしさを感じます。

そんな訳で、いつもの中村一義らしさは貫きつつ、露骨にoasisっぽいギターサウンドは個人的には壺。ポップな側面だけではなくロックな側面でも十分楽しめるアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

中村一義 過去の作品
最高宝
6 REMIX'N BIRDS
対音楽
海賊盤
最高築


ほかに聴いたアルバム

Complete Singles 2000-2019/LOVE PSYCHEDELICO

デビュー以来、全シングル曲をカップリングも含めて収録した4枚組となるシングルコレクション。2015年にオールタイムベストをリリースしており、それ以来のベスト盤となりますが、途中、アルバム1枚リリースしたのみですので、正直、またか的な感もあります。また、ベスト盤では楽曲のバリエーションをしっかり出していた彼女たちですが、シングルに関しては似たような曲が多く、特にデビュー直後にヒットした曲の焼き直しのような曲もチラホラ。4枚というフルボリュームもあり、1曲1曲取り出せば、もちろんいい曲ばかりなのですが、最初から最後まで聴くとさすがに飽きてしまいました・・・。

評価:★★★★

LOVE PSYCHEDELICO 過去の作品
This Is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.Best
ABBOT KINNEY
IN THIS BEAUTIFUL WORLD
LOVE PSYCHEDELICO THE BEST I
LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅱ

15th ANNIVERSARY TOUR-THE BEST-LIVE
LOVE YOUR LOVE
LOVE PSYCHEDELICO Live Tour 2017 LOVE YOUR LOVE at THE NAKANO SUNPLAZA
"TWO OF US"Acoutsic Session Recording at VICTOR STUDIO 302

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2020年5月25日 (月)

新メンバー加入で新たな一歩

Title:第七作品集「無題」
Musician:downy

独特の音像で圧倒的な世界観を構築し続けるポストロックバンドdownyの、タイトル通り7作目となる新作。本作は前作から約3年半ぶりと、少々久しぶりとなってしまった作品でしたが、その間にバンドにとって非常にショッキングなニュースが起こったことはご存じの方も多いでしょう。バンドのギタリスト、青木裕が急性白血病のため、わずか48歳という若さでこの世を去りました。その後、サンプラー/シンセサイザーとしてSUNNOVAがバンドに参加。本作はその新たなメンバーによる最初のアルバムとなっています。

そんな新メンバーによるdownyの最初の曲「コントラポスト」はいきなり悲しげなピアノの音色からサンプリング音でスタート。いきなり新メンバーSUNNOVAが奏でる音が全面に押し出された楽曲からスタートし、downyの新たな一歩を感じさせる曲になっています。

この曲を手始めとして、今回のアルバムはSUNNOVAが奏でる音をdownyのサウンドの中に新たに取り込もうとする試みを感じさせるアルバムになっていたと思います。例えば「角砂糖」でもループするノイズにピアノの音色がメランコリックに鳴り響きますし、「ゼラニウム」でも力強いドラムとギターノイズの中にシンセの音色も組み込まれています。全体的には以前のようにヘヴィーなギターノイズで楽曲を埋め尽くす圧巻的な曲というよりも、複雑な音を組み立てつつ、サウンドのソリッドな感触が以前より増したサウンドに仕上がっている、そんな印象を受けました。

もっともだからといって以前のdownyのサウンドをガラッと変えてしまった訳ではありません。実際、今回のアルバムではギター青木裕の奏でるサウンドも用いられているようで、特に1曲目「コントラポスト」に続く「視界不良」では圧巻のダイナミックなドラムスとそれに重なるギターサウンドは実にdownyらしいという印象。「good news」もヘヴィーなバンドサウンドにギターが鳴り響くハードコアなナンバーになってり、ダウナーな青木ロビンのボーカルも相まって、まさにdownyらしい圧巻の音世界を作り上げています。

また、そもそもバンドとしての前作「第六作品集『無題』」ではエレクトロサウンドを積極的に取り入れた作品になっていましたし、既にギターノイズで楽曲を埋め尽くす、ようなタイプの曲は少なくなってきていました。そういう意味では今回のアルバム、SUNNOVAが起用されて新しい方向性にシフトした、というよりもdownyのいままでの活動の延長線上にあるタイプのサウンドとみることも出来ます。

そういう意味では今回、新メンバーとしてSUNNOVAを迎えたことは、逆にdownyの向かう方向性に彼がピッタリマッチしたからこそ新メンバーとして加入させた、とみることができるように思います。実際、新メンバーが加入したものの、ここで鳴っている音は間違いなくdownyの音。バンドとして確固たる個性を今回のアルバムでも間違いなく感じることが出来る傑作アルバムに仕上がっていました。

downyがこれからどんな歩みを見せて行くのか、今の段階ではまだ何とも言えません。ただ、間違いなくこのメンバーでこれからも傑作アルバムをリリースしていくだろう、そんな予感のするアルバムでした。バンドとして不幸な出来事のあった彼らですが、その歩みは続いていくようです。これからも彼らの活動に注目していきたいです。

評価:★★★★★

downy 過去の作品
第五作品集「無題」
第五作品集「無題」Remix Album
第六作品集「無題」


ほかに聴いたアルバム

あの人が歌うのをきいたことがない/堀込高樹

KIRINJIの堀込高樹による書下ろし絵本「あの人が歌うのをきいたことがない」。今回紹介するのは、その絵本に付随する形でリリースされたアルバム。肝心の絵本の方は残念ながらまだ読めていないのですが、こちらは配信などでチェックできるため聴いてみました。ピアノを中心にシンプルに聴かせる作品となっており、ジャジーな雰囲気が強い楽曲が並びます。歌詞はおそらく絵本の内容をそのまま綴っているのでしょう。比較的インパクトが強く、歌詞を聴かせることを主眼とするような作品に仕上がっていました。やはり絵本を読みながら味わいたい作品でしょうか。ただ、音楽だけでも十分に魅力的な作品に仕上がっていました。

評価:★★★★★

"gift" at Sogetsu Hall/青葉市子

今年1月に、東京赤坂の草月ホールで行われた10周年記念ライブの模様を収録した配信オンリーでのライブ盤。基本的にアコーステックギター1本のみのステージで、非常に静かな雰囲気の中、彼女の美しい透き通った歌声が響き渡るライブ。緊迫感はあるものの、同時に優しさを感じさせるステージで、その雰囲気が伝わってくるよう。決してバリエーションは多くない、シンプルな曲の構成ながらも、彼女の歌声に終始惹かれるライブ盤になっていました。

評価:★★★★★

青葉市子 過去の作品
うたびこ
ラヂヲ(青葉市子と妖精たち)
0
マホロボシヤ
qp

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2020年5月24日 (日)

基本的には前作を踏襲

Title:It Is What It Is
Musician:Thundercat

もともとFlying LotusやKendrick Lamarといったミュージシャンのアルバムへの参加で大きな注目を集めたベーシスト、Thundercat。そんな彼が2017年にリリースしたアルバム「Drunk」は80年代のAORやフィリーソウルの影響を色濃く受けた、メロディアスでかつ懐かしさを感じさせるアルバムとなっており、各所で高い評価を受けました。かくいう私もこのアルバムにすっかり魅了され、2017年の私的ベストアルバムで1位に選んだほど。それだけ素晴らしい傑作アルバムとなっていました。

それから3年。それだけに否応なしに今回のニューアルバムも高い期待の元にアルバムを聴き始めました。そんなアルバムは1曲目「Lost In Space/Great Scott/22-26」はイントロ的なナンバー。ハイトーンボイスのメロウな歌声を聴かせてくれ、まずはアルバムへの期待が高まります。その1曲目からそのまま続く2曲目「Innerstellar Love」は複雑なリズムを奏でるジャジーなドラムとベースが奏でるグルーヴが非常にカッコいいナンバー。ただハイトーンボイスで聴かせるメロウなAORとなっており、基本的に前作「Drunk」を踏襲するような楽曲となっており、「Drunk」ではじめてThundercatというミュージシャンの魅力に触れたリスナーも安心させる楽曲となっています。

その後も基本的にアルバムは前作「Drunk」の路線を踏襲する形で続いていきます。特に80年代の要素を強く感じさせる、どこか懐かしい楽曲が魅力的。例えば「Black Qualls」などは、まさに80年代を彷彿とさせるファンクチューン。「King Of The Hill」なんかも80年代、というよりもむしろもっと前の時代を感じさせるような、どこかレトロな雰囲気が大きな魅力になっています。

また、いい意味でポップで聴きやすいのも本作の大きな魅力。例えば「Funny Thing」は軽快でリズミカルなポップチューンになっていますし、「Overseas」なんかも80年代AORの要素の強い、懐かしさを感じつつも、ポップなメロディーラインはインパクトも強く、とても聴きやすい楽曲に仕上がっています。

ただ一方で懐かしさを感じさせつつも、流れてくるエレクトロサウンドやファンキーなリズムやベースラインは間違いなく2020年代の現代のもの。楽曲としては80年代的な懐かしさを感じさせつつも、決して懐古趣味的な「古さ」を感じさせず、サウンド的にはしっかりと今時の音にアップデートされている点も本作の大きな魅力だったように感じます。間違いなく2020年の今だからこそ生まれたアルバムと言えるでしょう。

そんな訳で、基本的には「Drunk」の路線を踏襲しているため、前作にはまった人は間違いなく気に入るであろう本作。その反面、基本的には「Drunk」から大きく新しいことを実施した訳ではないため、そういう意味での目新しさはあまりなかったようにも思います。そういう意味では前作に引き続き傑作アルバムであることには間違いないのですが「Drunk」と比べると、「Drunk」は超えられなかったかな、といった感じ。いいアルバムなのは間違いないのですが、その点はちょっと残念でした。

評価:★★★★★

Thundercat 過去の作品
Drunk
Drank

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2020年5月23日 (土)

久々のフェス参加(ただしオンラインで)

森、道、市場をお茶の間で

会場 お茶の間(オンライン) 日時 2020年5月15日(金)

新型コロナウイルスが蔓延する中、ライブやイベントが一切中止になるなど、音楽業界に大きな影響を与えています。そんな中、オンラインの「ライブイベント」も次々と行われています。今回、私が参加したのはそんな「ライブイベント」のひとつ。もともと5月15日から17日の3日間予定されていたフェス「森、道、市場」。そのイベントが新型コロナの影響で残念ながら中止になりましたが、「森、道、市場をお茶の間で」ということでオンラインでの開催が決定。私はといえば、逆にオンラインになったからこそ参加が可能となり、5月15日の1日だけですが、久々に「森、道、市場」に参加してきました。

「森、道、市場」は一般的な音楽フェスとは異なり、音楽だけではなく、数多くのレストランや雑貨店が参加しており、「市場」というタイトルの通り、そういった様々な店舗の出店もメインとなっているイベント。オンラインのイベントでも、有料配信となった音楽ライブ以外に、You Tubeやインスタグラムのライブ機能をつかったオンラインショッピング的な様々な番組が配信されており、オンラインながらも音楽以外の様々な番組を楽しむことが出来る、まさに「フェス」的な内容になっていました。そんな中、まずこの日は朝の11時より、ライブ配信がスタートしました。

眉村ちあき

まず第1弾は眉村ちあきという「弾き語りトラックメーカーアイドル」を自称する「アイドル」。最初はおそらくライブハウスの片隅でアコギ弾き語りでスタート。途中からライブハウスのステージに立ち、打ち込み+エレキギターでのスタイルでライブをスタートしました。アイドルという立て付けだが、楽曲自体はシンプルなポップ。今回の事態をテーマにして作ったという「手を取り合うからね」は明るいポップに仕上がっており、また「できない」というメロウなポップの新曲も披露。最後は「開国だ」ではサビではこぶしを利かせた力強いボーカルも披露。楽曲的にはアイドルポップっぽさはあまりなく、あくまでも女性シンガーソングライターというイメージ。アイドルを自称しているだけあって、とてもキュートでかわいい方でしたが、「アイドル」と言ってしまうと、若干微妙な気はしないでもないような………。

Campanella

続いては、12時からNAGAN SERVERというミュージシャンのライブ配信だったのですが、昼食を取っていたためパス。13時からのCampanellaのライブ配信から再度参加です。Campanellaはスタジオの録音ブースからの配信。エフェクトをかけた打ち込みのトラックをバックにドリーミーな雰囲気に。最初は「YUME no NAKA」からスタート。新曲も披露してくれました。ドリーミーなトラックにエフェクトをかけてドリーミーな雰囲気のラップも心地よい雰囲気に。Campanellaはビールをのみながら、全体的にまったりした「ライブ」となっていました。

VenueVincent

14時からはVenueVincentというバンドのライブ配信。最初かメンバーそれぞれ個々人の部屋から挨拶。その後は以前行ったライブ映像を配信する形となりました。ラテンフレーバーのギターとパーカッションがちょっとじとっとして心地よい感じのオーガニックなインストバンド。ボーカルみたいな人がずっと踊っているなぁ、と思ったけど、タップダンサーだったのね…。本人たちは「ライブに来てほしい」と盛んに言っていましたが、確かにライブハウスが似合いそうなグループ。彼らについては、音源はもちろん、名前もはじめて聴くグループだったのですが、リズミカルなサウンドが心地よく、思わずパソコンの前で踊ってしまいました。生で見たら気持ちよさそう。コロナ騒動が終わったら、是非、ライブで見てみたい、そう思った配信でした。

bird

続く15時からはbirdの登場。最初は挨拶でスタート。彼女もコロナ騒動の前に行われた、群馬県桐生市で行ったライブの模様をそのまま配信する形に。彼女のボーカルとサポートギタリストによるアコギ1本。「LIFE」「SOULS」の2曲をアコギでしんみり感情的に。内容はよかったけどわずか2曲のみで過去のライブ映像の使いまわし・・・無料配信なら問題ないと思うのですが・・・うーん・・・。

高橋創

16時からは高橋創というミュージシャンのライブ配信。彼も音源はもちろん、名前もはじめて聴くミュージシャンでした。ブロック塀の前で、外での演奏。アコギでの弾き語りのステージ。山下達郎ばりの長髪が印象的なルックスで、暖かい雰囲気のインストナンバーを聴かせてくれました。なんでも、アイルランドの曲だとか。The Beatlsの「Here Comes The Sun」のカバーも。外からマイク一本での配信のため声が聴こえにくかったのですが、それもまたリアリティあって逆によい感じ。途中、ヒキダカオリという女性シンガーも参加「Swan LK243」という曲をアイルランドの曲の日本語カバーをしんみり聴かせてくれました。心地よい風がふいてくる感じのステージで、なかなか心地よいひと時を過ごすことができました。

坂本美雨

17時からはご存じ、坂本美雨のライブ配信。そういえば、彼女の「ライブ」を見るのはおそらくはじめてなのですが、まず感じたのは坂本龍一にそっくり…(笑)。この日は自宅から、キーボードをかかえてのライブ。最初は猫と一緒にまったりトーク。アカペラで「Over The Rainbow」を披露してくれましたが、非常に美しい澄んだ歌声が印象的。その後はシンセでクランベリーズのカバー。こちらも伸びやかな歌声を美しく聴かせてくれました。ライブはまったりトークを挟みながら、自宅からの配信らしくのんびりとした雰囲気で続きます。途中には「猫のうた」というユニークな曲も披露。この曲は作詞作曲が彼女ですが、非常に矢野顕子っぽい曲になっており、こちらも血は争えない感じ(笑)。その後は「I Can't Help Falling in Love With You」をアカペラで披露。最後は「喜び合うことは」で締めくくり。最後には彼女の子供も登場し、幕をおろしました。そういえば彼女はもともと高校生の頃、Sister Mとして美声を聴かせる謎の女性シンガーとしてデビューしたんですよね。その美声は今となっても全く衰えていない、そうあらためて認識できたライブでした。

カジヒデキ

18時からはカジヒデキのライブ配信。配信はおそらく彼の自宅と思われ、バックにはレコード棚にレコードいっぱいつまっていました。ボーダーの半そでシャツに麦わら帽子というスタイルで登場し、昔から全く変わらないスタイルが印象的。この日はアコギ1本での弾き語りを披露してくれます。最初は「甘い恋人」からスタート。ちょっと懐かしいナンバーでうれしくなってしまいます。さらに「きみはちから」、そして「シヴィラはある日突然に」というこれまた非常に懐かしい曲を…。軽快な楽曲で、パソコンの前で思わず身体ものってしまいました。その後は「ユーモアが行方不明」、「Have a Lovely Day」と次々と披露。特に「Have a Lovely Day」はこのコロナの中でのエールのような選曲になっていました。そして最後は「ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~」!彼の代表曲とも言うべきナンバーで、個人的にも大好きな曲だけに、これはうれしかったです。ポップな曲の連続で、思った以上に楽しいライブにくぎ付けとなりました。個人的に、カジヒデキというと、線が細くて、ボーカリストとしてはあまり歌が上手いという印象はなかったのですが、ライブで聴くと、非常に失礼ながら結構歌が上手いんですね…。これはちょっと意外。とても良いステージでした。コロナが終息したら、是非ライブも行きたいなぁ。

The Worthless

19時からは、こちらも初耳のThe Worthlessというグループ。まずはメンバーそれぞれ別の場所からリモートで。「うたうヒゲとおどるマリオネットのジャグバンド」といううたい文句のグループなのですが、メンバー全員が付け髭をつけていて、さらになぜかマリオネットも参加。1つの絵本から1曲をつくるスタイルだそうで、「音源」も「絵本」という形でリリースしているそう。絵本の中にQRコードが隠れていて、QRコードを読み取ると、ダウンロードで音源が聴けるスタイル。これはかなりユニークですね。この日はオンラインでの絵本の読み聞かせからスタートしました。その後は途中からはかつてのライブ映像。ジャグバンドらしく軽快で楽しそう。盛んに「ライブを見てほしい」と言っていたけど、確かにライブは楽しそう。「I'm crazy for cats more than lover」「Hambarger」「深呼吸」「うまうま う・う・う!」という4曲を披露。ちなみにこの日の配信は見ている人がコメントを寄せれるのですが、メンバー本人の書き込みもあったりして、ちょっとうれしくなりました。彼らもいつか、ライブで見てみたいなぁ。

畳野彩加(Homecomings)

さて、次はMONO NO AWAREの玉置周啓のライブだったのですが、夕食を取ったためパス。21時からのHomecomingsから畳野彩加のライブ配信を見てみました。レコーディングスタジオからギター1本での弾き語り。フォーキーに聴かせるほっこり暖かい感じのライブ配信となっていました。特にMCもなく淡々と進む感じで、途中のトークは最後の曲の前に「ありがとうございました」くらい。淡々としているが、意外と耳に残るメロが印象的でした。次は、Homecomingsとしても見てみたいなぁ。

君島大空

有料のライブ配信最後となるのは22時から君島大空という男性ミュージシャンの配信。彼も名前を聴くのもはじめてのミュージシャン。この日は自宅のようなところからの配信となっていました。アコギアルペジオとウイスパー気味のハイトーンボイスで聴かせる。アコギアルペジオとファルセットボイスが美しく印象的。MCもウイスパー気味で静かで、ちょっと緊張している感じでした。この日は自粛期間に出来たという「扉の夏」や「向こう髪」を披露。また、吉澤嘉代子の「東京絶景」のカバーも聴かせてくれました。非常に美しい歌声が印象的なシンガーソングライターで、最近、折坂悠太や小袋成彬といった男性シンガーソングライターが注目されていますが、その流れで登場してきそうなシンガー。これから徐々に名前を聴く機会も増えそう。予想外に素晴らしいライブでした。

N F in MORI MICHI ICHIBA 2020

そしてこの日、24時からサカナクション山口一郎が主催するクラブイベントN Fが、ライブ配信という形で実施されました。ライブ配信がスタートすると山口一郎が登場。さらにサカナクションのドラマーの江島啓一、さらにN Fでおなじみらしい青山翔太郎がゲストで登場。インスタのライブ機能なので音は途切れがちだったのは残念・・・。最初は山口一郎のDJでスタート。1時ちょっと前に江島啓一が登場いs。お互い、曲をかけあう「Back To Back」というスタイルでDJを披露してくれました。明け方の5時6時くらいまでやるみたいだったけれど、さすがに寝ないといけないので1時過ぎに後ろ髪を引かれつつ終了しました。

そんな訳で、ほぼ1日中、パソコンの前で「森、道、市場」を楽しんだこの日。正直、リアルタイムでの映像ではなく、以前収録した映像の配信がほとんど(だったと思う)のがちょっと残念にも感じたのですが、ただ一方、自宅からのライブという、ある意味、コロナのこの時期しか見ることの出来ない貴重なライブ映像も楽しむことが出来ました。今年に入ってから、1度もライブに足を運ぶことが出来ず、残念な思いを抱えていましたが、こうやってライブ配信というスタイルでも、あらためてライブの良さを実感することが出来た1日。この日はじめて名前を聴くミュージシャンも予想外に素晴らしいライブを聴くことが出来、意外な出会いもあったのも、ある意味「フェス」らしい感じでした。
早くコロナ騒動が終息して、憂いなくライブを楽しむことが出来るようになればいいのですが・・・。早くその日が来ることを願いつつ、次のライブはいつになるのかなぁ・・・。

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2020年5月22日 (金)

「ヒゲダン」に続くか?

Title:hope
Musician:マカロニえんぴつ

最近のヒットチャートを見ると、いわゆるシンプルな良曲のロングヒットが目立ちます。2016年のRADWIMPS「前前前世」からスタートし、星野源「恋」、米津玄師「Lemon」、あいみょん「マリーゴールド」とロングヒット曲が続き、今現時点でロングヒットを続けているのがKing Gnu「白日」、LiSA「紅蓮華」などもありますが、なんといってもOfficial髭男dism「Pretender」でしょう。既にランクインから1年以上が経過しながら、驚異的なロングヒットを続けています。

これらの曲は映画やドラマ、アニメのヒットに紐づけられた曲もありますが、どの曲にも共通するのはシンプルないい意味でわかりやすさを持ったポップソングであるという点。ある意味、奇をてらわないポップソングであるからこそ多くのリスナー層に受け入れられたのではないでしょうか。ちょっと前までは握手券需要で水増しされり、必要以上に奇抜さを狙ったようなアイドルポップが表面的には「CDが売れている」ということでヒットチャートの上位に名前を連ねていましたが、多くのリスナーはやはりシンプルなポップソングを欲していたということなのでしょう。ようやく音楽シーンに本当の意味で「ヒットしている」曲が戻って来たように思います。

そんな中、今のヒットチャートで人気を伸ばしているのが彼ら、マカロニえんぴつ。昨年リリースしたミニアルバム「season」がベスト10ヒットを記録。続く本作もベスト10ヒットを記録し、その人気を確固たるものとしています。正直言って、彼らの楽曲も決して目新しいわけではありません。あくまでもシンプルなギターポップが特徴的。ただ、歌詞にしてもメロディーラインにしても、いい意味でわかりやすく、いわばポップソングの王道を行きつつ、しっかりインパクトを持った彼らの曲は、個人的にはヒゲダンに続く、次のロングヒット候補ではないのかな、とも思っています。

今回のアルバムも、冒頭、いきなり爽やかなピアノのフレーズからスタートして心躍らされますし、そして歌われる「レモンパイ」は爽快で軽快なポップなのですが、歌詞はシンプルな片思いの、ちょっとキュンとするラブソング。歌詞にしろメロにしろポップソングの王道を行くような楽曲なのですが、しっかりと耳に残るポップソングとなっています。続く「遠心」も軽快なギターロックチューンなのですが、わかりやすくインパクトあるフレーズをサビに持ってきているため、メロディーラインがしっかりと耳に残ります。そのインパクトに残るサビのフレーズをイントロに持ってきて、リスナーの耳をまず惹きつけるセンスの良さも素晴らしい感じ。この勘の良さも彼らが注目される大きな要因のように思います。

その後もちょっと切ないフレーズが印象に残る「ブルーベリー・ナイツ」、ストリングスが入ってスケール感を覚えるタイトルチューンの「hope」、アコギでしんみり聴かせる「嘘なき」と楽曲的にもバラエティー豊富に展開していきます。特に切なさ満載の歌詞にAメロから疾走感あるテンポよいメロディーラインが印象に残る「ヤングアダルト」は今後の彼らの代表曲になりそう。どの曲も比較的シンプルなラブソングが多く、そういう意味でもヒットポテンシャルある曲が並んでいます。

一方ではそんな中、「この度の恥は掻き捨て」「Mr.ウォーター」のようなノベルティー的要素も強い曲もあったりして、ここらへんのユーモアセンスも楽しいところ。この手の余裕も重要ですし、人気のあるミュージシャンというのは、しばしば肩の力の抜けたノベルティーソングもアルバムの中に入れてきており、こういう曲を自然に演れてしまうあたりも、彼らの人気ミュージシャンとしての可能性を感じます。

前作「season」は正直なところ、平凡なポップソングという印象も強く、なぜこれだけ売れるのか不思議でしたが、今回のアルバムは間違いなくそんな彼らが一回りも二回りも成長し、これは売れる、と間違いなく言うことの出来るアルバムになっていました。まだまだ若手バンドの彼らにこういう言い方は違和感あるかもしれませんが「貫禄が出てきた」とも感じられる作品。次のシングルあたり、ヒゲダンクラスのロングヒットをたたき出しても不思議ではないかも。2020年の紅白出演もありうるか???

評価:★★★★★

マカロニえんぴつ 過去の作品
season

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2020年5月21日 (木)

コロナの中でも新譜は多め

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

GWが終わったからでしょうか。新型コロナウイルスの影響で新譜リリースの延期が相次いでいる中ですが、それでも今週は新譜が比較的多いチャートとなりました。

そんな中で1位を獲得したのはRain Drops「シナスタジア」でした。バーチャルライバーグループ「にじさんじ」から派生したユニットだそうで、これがデビュー作となるミニアルバム。ちなみに「ライバー」とは動画サイトなどでライブ配信を行っている人だそうです。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数で1位獲得。PCによるCD読取数10位で、総合順位では1位獲得となりました。ちなみにオリコン週間アルバムランキングでは初動売上1万6千枚で2位初登場となっています。

2位はMAN WITH A MISSION「MAN WITH A"REMIX"MISSION」が獲得。ご存じ、身体は人間、頭は狼という設定のロックバンドによる結成10周年記念アルバムの第2弾。彼らの楽曲をAA=の上田剛士やケンイシイ、石野卓球などといった豪華な面子がリミックスしたアルバムとなっています。CD販売数は1位だったのですが、ダウンロード数は5位、PCによるCD読取数も6位に留まり、総合順位は2位となっています。オリコンでは初動売上1万7千枚で1位初登場。前作「MAN WITH A "B-SIDES&COVERS" MISSION」の1万9千枚(1位)より若干のダウンとなっています。コロナで外出規制がかかり数多くのCD店が閉店し、かつ、リミックスアルバムという形態ながら、かなり健闘した結果ではないでしょうか。

3位初登場は絢香「遊音倶楽部~2nd grade~」。女性シンガーソングライター絢香によるカバーアルバムで、2013年にリリースした作品に続く第2弾となります。今回は五輪真弓「恋人よ」やレベッカ「フレンズ」、Mr.Children「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」など、30代前半の彼女がリアルタイムで聴いていないような、ちょっと古いナンバーがメインとなっています。CD販売数4位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数29位。オリコンでは初動売上7千枚で5位初登場。前作「30 y/o」の1万2千枚(9位)からダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に角松敏生「EARPLAY~REBIRTH 2~」がランクイン。セルフカバーベストの第2弾。CD販売数は3位だったものの、ダウンロード数21位、PCによるCD読取数9位にとどまり、総合順位もこの位置に。オリコンでは初動売上9千枚で4位初登場。直近のオリジナルアルバム「東京少年少女」の8千枚(6位)からアップしています。ちなみにこのアルバム、ジャケット写真が印象的。

AORの名盤として名高いAIRPLAYの「ロマンティック」のジャケットの、かなりわかりやすいパロディーになっています。↓

しかしこうやって並べてみると、服の袖のまくり方までそっくりで、かなり凝ったパロディーになっていますね。ちなみにAIRPLAYの「Cryin' All Night」のカバーも収録されています。

6位には家入レオ「Answer」がランクイン。彼女初となるEP盤。CD販売数5位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数53位で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上5千枚で8位初登場。前作「DUO」の1万3千枚(6位)からダウンしています。

初登場盤最後は10位の諏訪ななか「So Sweet Dolce」。CD販売数7位、その他は圏外となり総合順位はこの位置に。Aqoursにも参加していた人気女性声優。これが諏訪ななか単独名義では初のアルバムとなります。オリコンでは初動売上5千枚で6位初登場。

一方、ロングヒット盤ですが、今週は初登場に押し出される形で大きくダウン。Official髭男dism「Traveler」は4位から7位にダウン。ただし、PCによるCD読取数は1位をキープしています。また、King Gnu「CEREMONY」も3位から8位にダウン。さらに先週まで8週連続のベスト10ヒットを続けていたUru「オリオンブルー」ですが、今週は残念ながら11位にランクダウンしてしまいました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評は来週の水曜日に!

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