2023年1月29日 (日)

バラエティーに富んだ23曲

Title:SOS
Musician:SZA

Szasos

本作が2作目となるアメリカのシンガーソングライター、SZA(シザ)のニューアルバム。2017年にリリースされた前作「Ctrl」は各種メディアで軒並みベストアルバムに選ばれて大きな話題となりました。それに続く本作も、文句なしの傑作アルバムに。再び大きな注目を集めるとともに、売上的にも全米ビルボードチャートで見事1位を獲得。人気面でも大きな飛躍を遂げた1枚となりました。

ちょっとけだるさを感じさせるボーカルスタイルは前作から同様。全体を流れる、いい意味で聴きやすさを感じるメロディアスでポップな方向性も前作同様。そしてそんな中で感じるのは、非常にバラエティーに富んだ今回のアルバムの方向性でした。

今回のアルバムは、なんといっても全23曲、1時間超というボリューミーな内容も大きな特徴。そんな中で様々なバラエティーに富んだ曲調が大きな特徴となっています。1曲目はいきなりタイトルチューンである「SOS」からスタート。ちょっとレトロな雰囲気を感じさせるソウルチューンで、このレトロな要素を取り入れている点は前作「Ctrl」からの続きを感じさせます。ただ、タイトルチューンでありながらも、アルバムを象徴する感じではない点がおもしろいところで・・・。

続く「Kill Bill」はむしろソウルテイストは薄めのポップチューンになっているのがユニークな感じ。かと思えば「Low」はトラップ的なリズムにのせつつメランコリックに歌う、いかにも今風な楽曲に仕上げていますし、「Blind」はアコースティックなサウンドにのせてゆっくりと歌う、彼女の「歌」を聴かせる楽曲に仕上がっています。

バラエティー富んだ展開はまだまだ続きます。「Gone Girl」はエレクトロのトラックに載せてしんみり歌い上げるR&B風の楽曲になっていますし、「Ghost in the Machine」はPhoebe Bridgersをゲストに迎えた、これまたR&Bというよりはむしろインディーポップのテイストも感じさせるドリーミーな作品に。さらに「F2F」はギターサウンドを入れてダイナミックな楽曲に仕上げていますし、「Conceited」はエレクトロトラックを全面的に取り入れた作風に仕上げています。

個人的にアルバムの中で耳を惹いたのが「Open Arms」でアコギをベースとしつつ、しんみり清涼感もって歌い上げる切ない歌が非常に印象に残る作品。ゲストのTravis Scottの切ないラップもまた印象に残る作品になっています。

そんな感じで全23曲。R&Bやソウルを基本軸としつつも、必ずしもジャンルにとらわれない幅広くバラエティー富んだ音楽性が大きな魅力で、その幅の広さに彼女の実力を感じさせる作品となっていました。前作に引き続き本作も文句なしの傑作だったと思います。ただ一方で、ちょっと時間が長く、また曲数も多かったため、ちょっとまとまりを欠いた感もあったのが若干のマイナスだったかな。もっとも、その点を差し引いても文句なしの出来栄えだったと思います。実力、人気面ともに、今後のシーンを引っ張っていきそうな予感のする、そんな作品でした。

評価:★★★★★

SZA 過去の作品
Ctrl


ほかに聴いたアルバム

I Don't Give a Fuck About This Rap Shit,Imma Just Drop Until I Don't Feel Like It Anymore/$ilkMoney

Silkmoney

ラップグループDivine Councilの一員であり、ローリング・ストーン誌が選ぶ2016年の「10 New Artists You Need to Know」にも選ばれたラッパーによる約2年半ぶりのニューアルバム。全体的にどこか不穏な空気感を醸し出しつつ、メランコリックさを感じさせるトラックが印象に残る作品に。さらに非常に力強くテンポのよいラップも耳に残るアルバムになっていました。

評価:★★★★

hugo/Loyle Carner

前作「Not Waving, but Drowning」も大きな注目を集めたイギリスはサウスロンドン出身のラッパーによる3枚目のアルバム。彼の人柄も感じられるような、ジャズやソウルの要素を取り込んだ暖かい雰囲気のトラックが魅力的だったのですが、本作もその方向性は同様。ただ前作ではゆっくりと語るようなラップだったに対して、今回はもうちょっとアップテンポなスタイルにシフト。前作との違いを打ち出している感じはします。ただ、メロウなトラックはいい意味でHIP HOPの枠組みにとらわれないアピールポイントを持ったアルバムとなっており、最後まで楽しめる傑作となっていました。

評価:★★★★★

Loyle Carner 過去の作品
Not Waving, but Drowning

| | コメント (0)

2023年1月28日 (土)

ロックバンド系が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

すいません、諸般の事情により2日遅れのアルバムチャート更新です。

まず今週1位はback number「ユーモア」が獲得です。CD販売数及びダウンロード数で共に1位獲得。昨年の紅白に出演するなど、高い人気を誇る彼らの約3年9ヶ月ぶりとなるニューアルバムとなります。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上14万枚で1位初登場。ただし前作「MAGIC」の初動16万5千枚からは若干のダウンとなりました。

2位は結束バンド「結束バンド」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。3位にはザ・クロマニヨンズ「MOUNTAIN BANANA」が初登場です。CD販売数2位。バンドの方針として配信は行われていないため、CD売上のみでのベスト3入り。オリコンでは初動売上1万6千枚で2位初登場。結成16年目となるベテランバンドの彼らですが、オリコン2位はアルバムではここに来て最高位更新となります。前作「SIX KICKS ROCK&ROLL」の初動1万1千枚(3位)からもアップ。

今週はベスト3に2組のロックバンドが初登場していますが、ベスト4以下でもロックバンドのアルバムの初登場が目立ちました。まず6位にヘヴィメタルバンド陰陽座「龍凰童子」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数8位。オリコンでは初動売上7千枚で6位初登場。前作「覇道明王」の初動8千枚(11位)から若干のダウンとなりました。

さらに10位にはManeskin「Rush!」がランクイン。CD販売数11位、ダウンロード数7位。イタリアのロックバンドである彼らは2021年にユーロビジョンソングコンテストで優勝し大きな注目を集め、前作「Teatro d'ira:Vol.1」が日本でも話題に。さらに昨年にはサマーソニックに出演し、そのパフォーマンスも大きな話題を呼びました。オリコンでも本作は初動売上5千枚を売り上げて、見事ベスト10入り。今後、日本での人気もますます高まりそうです。

他には・・・まず4位に坂本龍一「12」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数6位。現在、癌療養中の彼が、闘病生活の中、日記を書くように制作した作品の中から12曲を選んで収録したアルバム。約6年ぶりとなる新作が見事ベスト10入りとなりました。坂本龍一といえば、YMO時代の盟友でもあった高橋幸宏が先日、逝去というショッキングなニュースが飛び込んできました。坂本龍一も現在もまだ闘病中ですが、教授には少しでも長生きしてほしいものです・・・。オリコンでも初動売上1万1千枚を記録し、3位初登場と見事ベスト3入り。前作「async」の初動4千枚(20位)からも大きくアップしています。

7位にはSawanoHiroyuki[nZk] 「V」が初登場。ドラマやアニメなどの劇伴作品を多く手がける澤野弘之のボーカルプロジェクトの5枚目となるアルバム。CD販売数8位、ダウンロード数3位。オリコンでは初動売上4千枚で9位初登場。前作「iv」の初動5千枚(9位)より微減。

8位初登場は水木一郎「アニソンデビュー50周年記念ベスト『絶唱-Z Show-』」。昨年12月に74歳でこの世を去った、水木一郎のタイトル通り、アニソンを集めたベストアルバム。アニソン界の帝王と呼ばれた彼の、アニメソングや特撮系ソングの代表曲を集めたベストアルバムとなります。CD販売数6位。オリコンでは初動売上7千枚で7位初登場。

初登場最後は9位にNovel Core「iCoN」がランクイン。SKY-HI主宰のレーベル「BMSG」の初のミュージシャンとしてメジャーデビューを果たしたラッパーによる1st EP。CD販売数10位、ダウンロード数5位。オリコンでは初動売上4千枚で11位初登場となりました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2023年1月27日 (金)

極上のポップアルバム

Title:SONGS
Musician:スカート

シンガーソングライター、澤部渡のメジャー4枚目となるオリジナルアルバム。毎回、シンプルで上質なポップスソングを聴かせてくれる彼。今回の作品は「SONGS」という非常にシンプルなタイトルがついた今回のアルバムですが、その単純なタイトルがある意味、自信の表れとも言える非常に良質な楽曲が並ぶ、極上のポップアルバムに仕上がっていました。

アルバムはまずピアノが入って、爽やかながらも切なさも感じられる「十月(いちおう捨てるけどとっておく)」からスタート。続く「駆ける」もバンドサウンドを前面に持ってきていますが、切ないメロディーラインが魅力的な楽曲。比較的ロックテイストの強いサウンドからスタートし、ダイナミズムも感じさせる出だしとなっています。

それに続く「ODDTAXI」はメロウなサウンドを聴かせるAORテイストの強い楽曲にシフト。ゲストラッパーとしてPUNPEEも参加し、ちょっとけだるさを感じさせるラップも聴かせてくれます。

個人的に今回のアルバムでお気に入りが中盤の「標識の影・鉄塔の影」で、メロディアスでちょっと切なさも感じさせるギターポップの作品。歌詞もノスタルジックな風景描写となっていて、決して派手な作品ではありませんが、強く印象に残ります。また「Aを弾け」もモータウン風の軽快なビートを聴かせる明るいギターポップのナンバーで、こちらも印象に残る軽快なポップソングになっています。

本作の中でちょっとユニークなのが「私が夢からさめたら」でしょうか。メランコリックなメロディーが印象的なAORチューンに仕上がっており、女性目線の歌詞も併せて、ちょっと歌謡曲寄りの作風になっているのが特徴的。続く「背を撃つ風」もピアノが入って爽快でメロディアスなギターポップ。途中に入る女性コーラスも印象的です。

終盤も、ノスタルジックな歌詞とメロが印象的な「しるしをたどる」も耳を惹きますし、ミディアムチューンの「窓辺にて」も切ないメロディーラインが印象的。ラストを締めくくる「海岸線再訪」も切ないメロとピアノが印象に残るギターポップの作品となっていました。

ほどよくインパクトがあるギターサウンドを軸としつつ、AORの要素も取り入れたバラエティー富んだポップソングが特徴的。全体的に切なさを感じさせるメロディーラインとなっており、決して派手なサビを持っているわけではないのですが、しっかりと印象に残るメロディーを書いてくるあたりに、メロディーメイカーとしての実力を感じさせます。アルバム毎に最高傑作を更新している感もあり、今回のアルバムもオリジナルアルバムとしての前作「トワイライト」を上回る傑作に仕上がっていました。ポップス好きには文句なしにお勧めの1枚です。

評価:★★★★★

スカート 過去の作品
CALL
20/20
トワイライト
アナザー・ストーリー


ほかに聴いたアルバム

今回はここで、人気上昇中のラッパー、PUNPEEの2枚のEP盤を紹介

The Sofakingdom/PUNPEE

Punpee1

まずは5曲入りのEP「The Sofakingdom」。

Return of The Sofakingdom/PUNPEE

Punpee2 

そして同作の「付録」的位置づけとなる、同じく5曲入りEP「Return of The Sofakingdom」。実は、「Return of~」のリリースで、「The Sofakingdom」がリリースされていたことを遅ればせながら気が付き、「The Sofakingdom」は2020年のリリースながらも遅ればせながら聴いてみました。どちらも力強いビートをバックに、ラップというよりもメランコリックなメロディーが印象に残るポップテイストの強いアルバムに。「The Sofakingdom」ではKREVAや、実の弟である5lackが「Return of~」では漢 a.k.a. GAMIが、といった感じで豪華なゲストも魅力的。ただ、「The Sofakingdom」以上に「Return of~」の方がバラエティーに富んだ作風になっており、メロディーのインパクトも強化。「付録」的位置づけながらも、「Return of~」の方が本家を上回るような出来だったような・・・?

評価:
The Sofakingdom ★★★★
Return of The Sofakingdom ★★★★★

PUNPEE 過去の作品
MODERN TIMES
MODERN TIMES-Commentary-
焦年時代(PUNPEE&BIM)

| | コメント (0)

2023年1月26日 (木)

今、もっとも注目される女性シンガー

Rina Sawayama Hold The Girl Tour 2023

会場 ダイアモンドホール 日時 2023年1月17日(火)19:00~

Rina1

今、間違いなく世界で最も注目を集めているシンガーの一人、Rina Sawayama。ご存じの通り、新潟県出身の日本人である彼女は、幼少期よりロンドンに移住。現在はロンドンを拠点に活動を続けています。その彼女の最新作「HOLD THE GIRL」はなんと全英チャートで3位にランクインという快挙を達成。さらに昨年のサマソニに初来日し、ようやく日本でも注目を集めるようになりました。そして今回、初となるジャパンツアーを実施。名古屋でもライブを行うということで、もちろんチケットを確保し、彼女のライブにかけつけました。

会場はダイアモンドホール。キャパ1,000人のライブハウスとしてはそれなりの大きさの箱なのですが、彼女の人気を考えると、これだけの「狭さ」の会場で見れる機会、今後、そうそうないのではないでしょうか。会場は、そんな彼女の初来日公演を目撃しようと、ほぼ満員のファンで埋め尽くされていました。

会場には比較的19時ギリギリに到着。開演は19時となっているものの、外タレの場合、スタートが30分や、下手したら1時間近く伸びるのも当たり前。そのため、のんびりと構えていたのですが・・・なんと、19時ほぼピッタリにライブはスタート。ここらへん、時間に律儀な「日本人」らしい、ということでしょうか?

Rina2

ライブはアルバム「Hold The Girl」の1曲目でもある「Minor Feelings」からスタート。続いてアルバムのタイトルチューンの「Hold The Girl」へと続きます。写真のように、非常にスレンダーな良いスタイルで、キレのあるダンスパフォーマンスを繰り広げながらのステージ。陳腐な言い方かもしれませんが、非常にかっこよいパフォーマンスでした。ステージはサポートメンバーとしてギタリストとドラムが1人ずつ。さらにダンサーが2人くわわり、全5名でのステージパフォーマンスになっていました。

で、2曲終わった後にMCに入ったのですが、MCは流ちょうな日本語でのMC。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが、4歳の時からロンドン在住なだけに、ひょっとしたら日本語はしゃべれないのかも?と思っていたのですが、そこはさすがです。

その後は「Hurricanes」「Your Age」「Imagining」と最新アルバムからのナンバーが続き、会場は盛り上がります。さらに「今、いろいろとむかつくことがあるけど、その怒りを音楽でぶつけていきましょう」というMCから「STFU!」に。メタル風のダイナミックでヘヴィーなバンドサウンドが非常にカッコいい曲で、この日もライブの中でもっともロッキンなパフォーマンスを聴かせてくれます。同じくロック色の強い「Frankenstein」と続き、会場は盛り上がっていきます。

Rina3

その後も「Holy(Til You Let Me Go)」「Bad Friend」と最新アルバムからの曲が続くと、メンバーはみな、会場から一度立ち去り、リナとギタリストの2人のみがステージ上に残ります(上の写真参照)。ここで再びちょっと長めのMCで、「みんなのことありのままに受け入れてくれる人をみつけてください」という話。さらには携帯のライトをつけて、というお願いとともに、ギタリストはアコギをかかえ、リナは椅子にすわってしんみり「Send My Love to John」を披露。ここまで比較的アップテンポな曲が続きましたが、一転、しんみり聴かせるナンバーに会場のファンもその歌声に聴き入ります。会場では、みんなが携帯のライトをかざしつつのステージとなり、携帯ライトの光が会場を包み込みました。

終盤は一転、「Forgiveness」さらには「Cherry」とアップテンポなナンバーに。「Cherry」では、会場の最前列でLGBTの象徴であるレインボーフラッグを振っているファンがいたようで、彼女がそのレインボーフラッグを受け取り、歌いながらステージ上で振り回していました。彼女は先日のサマソニでもLGBTQについてMCを行い、ちょっとした話題となりましたが、まさに彼女らしいパフォーマンスを見せてくれました。

さらに個人的にもライブで聴きたかった「Comme des garcons(Like the Boys)」へ。リズミカルなダンスチューンがやはり生で聴くとカッコいい!そして「XS」へと続き、本編は一度、締めくくりとなりました。

Rina4

もちろん、すぐに盛大なアンコールへ。やがて再びメンバーが登場すると、最後はアルバムの代表曲ともいえる「This Hell」へ。彼女自身、2人のダンサーと共にダンスを披露するパフォーマンスで、そのカッコよさを見せつけてくれました。アップテンポなこの曲で会場のテンションは最高潮に達しつつ、ステージは幕を下ろしました。

ライブは1時間15分。正直言って、予想していたより短かった・・・。もうちょっと聴きたかったなぁ、というのも正直な感想です。ただ、パフォーマンスは文句なしにカッコよく、最初から最後まで終始惹きつけられたパフォーマンスでした。スタジアムレベルでも惹きつけられるようなパフォーマンスで、それをこのキャパで見れたというのは、本当に貴重な体験をしたように思います。

日本人にもなじみやすいような、わかりやすいサビのある曲も多く、J-POPからの影響も感じる彼女。ただ、途中のMCや、レインボーフラッグを振るパフォーマンスなど、社会派なMCやパフォーマンスも目立ち、ここらへんはJ-POPのミュージシャンにはない感覚のようにも感じました。

そんな訳で、ちょっと短かったのですが、参加してよかったと心から思う、素晴らしいパフォーマンスでした。まだまだ彼女の躍進は続きそう。次に彼女のステージを見るときはきっともっと大きなアリーナクラスの会場が必要になりそう。今後の彼女の活躍からも目が離せなさそうです。

| | コメント (0)

2023年1月25日 (水)

8週連続1位獲得!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

見事、8週連続の1位獲得となりました。

Subtilte

今週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」が獲得。これで8週連続の1位獲得となりました。1位獲得はこれで通算13週目となり、これはHot100では史上最多総合首位獲得記録となるそうです。ストリーミング数は14週連続で1位。ダウンロード数は先週から変わらず4位、You Tube再生回数は2位から3位にダウン。これで15週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒットとなりました。

ヒゲダンは先週、ベスト10に初登場した「ホワイトノイズ」が今週も5位をキープ。ただ、「ミックスナッツ」は12位にダウン。今週は2曲同時ランクインとなりました。

そしてそんなヒゲダンとデッドヒートを繰り広げている米津玄師「KICK BACK」は今週3位から2位にアップ。こちらもストリーミング数は14週連続の2位。ダウンロード数も10位から7位にアップ。ただし、You Tube再生回数は5位から6位にダウンとしています。これで15週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒットとなりました。

初登場組の最高位は3位初登場のKinki Kids「The Story of Us」。CD販売数1位、ラジオオンエア数11位でしたが、その他はランク圏外となり、総合順位は3位に留まっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上17万3千枚で1位初登場。前作「Amazing Love」の初動23万5千枚(1位)よりダウンしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週は4位以下には初登場曲はゼロ。ただ一方、ベスト10返り咲きが1曲ありました。それが今週、15位から7位にアップしたback number「アイラヴユー」。昨年11月2日付チャート以来、12週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。今週、彼らのアルバム「ユーモア」がリリースされたので、その影響でしょう。特にストリーミング数が12位から5位にアップしたほか、ラジオオンエア数が13位から2位に大きくアップしています。

さらにTani Yuuki「W / X / Y」が11位から10位にランクアップし、再びベスト10入り。ストリーミング数は5位から8位にダウンしましたが、ダウンロード数は16位から12位、You Tube再生回数も18位から16位にアップ。これで通算37週目のベスト10ヒットとなりました。

そのほか、ロングヒット曲ではAdo「新時代(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」が先週から2ランクダウンの8位にランクイン。ダウンロード数は9位から14位、ストリーミング数も4位から5位、カラオケ歌唱回数も2位から5位と全体的に下落傾向が続いています。これでベスト10ヒットは32週連続に。

SEKAI NO OWARI「Habit」は今週も9位をキープ。ただ、こちらもダウンロード数は6位から11位、ストリーミング数も8位から9位、You Tube再生回数も6位から8位とダウン傾向が続いています。ベスト10ヒットはこれで通算23週目。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

2023年1月24日 (火)

ラストアルバム

Title:.jp
Musician:bonobos

2001年に結成し、2003年にメジャーデビュー。レゲエを軸とした独特のサウンドで大きな注目を集めましたが、ここ最近は若干活動は低迷。ライブを中心とした活動を続けていたものの、残念ながら今年3月のライブを最後に解散することを発表。本作がラストのオリジナルアルバムとなります。

さてそんな彼らはオリジナルアルバムとして前作となる「23区」でジャズやソウルの要素を多く取り入れたシティポップ路線にシフト。その後リリースされたEP盤「FOLK CITY FOLK ep」でもその路線を維持していましたが、今回のアルバムも基本的にその方向性を踏襲したアルバムになっていました。本作の冒頭を飾る「永久彗星短歌水」もホーンセッションとスペーシーなエレクトロを取り入れつつ、ファンキーなリズムで聴かせるソウルテイストの強い作品。「YES」もピアノを取り入れつつ、ジャジーなサウンドが特徴的ですし、「電波塔」もメロウなAORナンバーに仕上げています。

そんな中、今回のアルバムで特徴的とも言える点が2つあり、まず1点目はスペーシーな作風であるという点。タイトルからして「永久彗星短歌水」なんていう、若干意味不明な単語の羅列ながらも「宇宙」的な曲名の作品からスタートしますし、その後中盤にも「おかえり矮星ちゃん」なんていう曲も登場。こちらもエレクトロジャズの要素の強い作品になっています。さらにサウンド的にも「KEDAMONO」などもスペーシーなシンセの音が流れるフュージョン風の作品になっていたり、エレクトロベースな作品がスペーシーな雰囲気を醸し出している曲が目立ちました。

そしてもう1点がアルバム全体としてホーンセッションを取り入れた賑やかな作風になっている点でした。1曲目「永久彗星短歌水」もそうですし、続く「Not LOVE」もホーンにエレクトロサウンドも加わった賑やかな楽曲。前述の「KEDAMONO」もホーンセッションで賑やかなアレンジになっていますし、「アルペジオ」も同様にホーンセッションを入れて賑やかで明るいナンバーとなっています。

このスペーシーなサウンドもそうですし、またホーンセッションを取り入れたサウンドも同様ですが、結果としてアルバム全体として賑やかでちょっと聴いた感じだと祝祭色すら感じさせる作風に仕上がっている今回の作品。このアルバムがラストという事実からすると、ある意味、真逆とも言える方向性とも言えるかもしれません。ただ、そんなサウンドを取り入れながらも、メロディーラインを含め、どこかメランコリックで哀しげな雰囲気も感じる点もあり、ある意味、bonobosらしいラストアルバムと言えるかもしれません。

最後の最後まで傑作アルバムをリリースしてきた彼ら。これが最後というのは本当に残念に感じますが、オリジナルアルバムとして完成に6年以上の月日を要したことを考えると、やはりやりたいことはやりつくした感もあるのかもしれません。今後はメンバーの新たな活躍を祈りつつ、本当にいいバンドだったなぁ、ということをあらためて実感したラストアルバムでした。

評価:★★★★★

bonobos 過去の作品
Pastrama-best of bonobos-
オリハルコン日和
ULTRA
HYPER FOLK
23区
FOLK CITY FOLK.ep


ほかに聴いたアルバム

AGE OF LOVE/Hump Back

3ピースガールズバンドHump Backの新作は彼女たち初となる5曲入りのEP盤。短い内容ながらも、彼女たちらしい力強くパンキッシュなギターロックが並ぶ作品に。いかにも若者らしい青春讃歌的な歌詞は、むしろもっと上の世代の共感も受けそうな、どこか70年代フォークからの繋がっりすら感じられる哀愁感も漂います。5曲ながらも彼女たちの魅力がしっかり伝わる作品でした。

評価:★★★★★

Hump Back 過去の作品
人間なのさ
大阪城ホール単独公演”拝啓、少年少女たちよ”
ACHATTER

A Tribute to Ryuichi Sakamoto - To the Moon and Back

現在、がん治療で療養中の坂本龍一。昨年末には配信限定のピアノコンサートも実施し話題となりました。そんな彼の生誕70周年を記念してリリースされたトリビュートアルバム。さすがに世界的な評価を受ける教授だけに参加したメンバーも豪華。THUNDERCATやDEVONTE HYNES、日本からもコーネリアスや大友良英も参加。さらに元JAPANのDavid Sylvianも10年ぶりにその歌声を披露して話題となっています。そんな彼らが手掛ける曲は全体的に静かな雰囲気の中で、エレクトロサウンドを奏でる実験的なナンバー。それぞれの個性もしっかりと発揮しており、坂本龍一の原曲の良さを生かしつつも、それぞれの個性をアピールしたトリビュートになっていました。

評価:★★★★★

| | コメント (0)

2023年1月23日 (月)

ロックなサニーデイ

Title:DOKI DOKI
Musician:サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービスとしてもソロでも傑作アルバムをリリースし続ける曽我部恵一。ここに来て、脂ののりまくった状況をキープしていますが、フルアルバムとして約2年8か月ぶりとなるニューアルバムも、その状況を維持した傑作アルバムに仕上がっていました。サニーデイとしては2018年にメンバーの丸山晴茂が逝去するなど、困難な状況も待ち受けていましたが、今回のアルバム、ジャケット写真がとても印象的。自然な表情でにこやかにたたずむ3人の姿からは、バンドとしてもとてもいい状況であることが垣間見れます。

今回のアルバムも、そんな晴れやかなジャケット写真が象徴するかのような、さわやかな作品に仕上がっています。冒頭を飾る「風船讃歌」はそんなアルバムを象徴するような1曲。サニーデイらしいフォークロックでメロディアスな曲で、初夏を思い起こすようなさわやかな風景描写も印象的な暖かいラブソングに仕上がっています。

ただ、原点回帰的でフォークロックの色合いが強かった前作と比べると、1曲目こそ彼ららしいフォークロックのアルバムになっていますが、作品全体としては、むしろロック志向の強い、バンドサウンドを全面に押し出したアルバムになっていました。3曲目「ノー・ペンギン」はかなりダイナミックなバンドサウンドを聴かせてくれますし、さらに象徴的なのが続く「Goo」でギターサウンドを前面に押し出し、シューゲイザーからの影響も顕著に感じるオルタナ系のギターロック。出だしのイントロはPIXIESを彷彿とさせますし、タイトルからして、ひょっとしてSonic Youthの代表作からとっているのでしょうか?

「メキシコの花嫁」もメロこそフォーキーですが、非常に力強いビートを聴かせてくれる楽曲ですし、「ロンリー・プラネット・フォーエバー」も彼らの原点ともいえるフォーキーなメロですが、力強いバンドサウンドが流れており、ロックテイストの強い作品に。「海辺のレストラン」も軽快なギターロックのナンバー。ちょっとノスタルジックでオールドスタイルなサマーロックに仕上がっており、爽やかなテイストの流れるこのアルバムにふさわしい作品になっています。さらに「こわれそう」もテンポのよいギターロックで、彼らとしては珍しい、かなりパンキッシュな作品に仕上がっています。

しかしラストを飾る「家を出ることの難しさ」はアコースティックギターの流れる、こちらもサニーデイの王道ともいえるフォークロックのナンバー。分厚いバンドサウンドは流れており、やはりロックテイストは強めの作品ながらも、最初と最後は実にサニーデイらしい作品で締めくくっているところに構成の妙を感じさせますし、まさサニーデイを聴いたという満足感を強く感じさせる流れとなっていました。

ポップなメロディーラインと力強い分厚いバンドサウンド、さらにはサニーデイらしいちょっと切ないメロディーラインに(冬にリリースされた作品なのに)初夏を彷彿とさせる爽やかな歌詞も加わり、タイトル通り、聴いていて楽しくなる、「DOKI DOKI」させてくれる傑作に仕上がっていました。今回も文句なしに年間ベスト候補とも言える傑作アルバム。サニーデイの勢いはまだまだ止まらなさそうです。

評価:★★★★★

サニーデイ・サービス 過去の作品
本日は晴天なり
サニーディ・サービス BEST 1995-2000
Sunny
DANCE TO YOU
桜 super love

Popcorn Ballads
Popcorn Ballads(完全版)
the CITY
DANCE TO THE POPCORN CITY
the SEA
サニーデイ・サービスBEST 1995-2018
いいね!
もっといいね!
冷し中華EP


ほかに聴いたアルバム

サニーボトル/Saucy Dog

Sunnybottol

「シンデレラボーイ」が大ヒットを記録し、昨年の紅白にも初出場を果たしたロックバンドの6枚目となるミニアルバム。基本的にはその「シンデレラボーイ」と、同曲も収録された前作「レイジーサンデー」から変わらないスタイルで、シンプルなギターロックに、恋人の日常を描いたウェットなラブソングがメイン。メランコリックなメロといい歌詞の世界観といい、良くも悪くも昔ながら歌謡曲に連なるような作風が特徴的。似たタイプの曲が多いだけに、マンネリ気味になりそうなのが気になるのですが、一方で、しっかりとした日常や心理状況の描写が耳を惹くだけに、「シンデレラボーイ」に続くヒットも期待できそう。

評価:★★★★

Saucy Dog 過去の作品
レイジーサンデー

夜の庭/畠山美由紀&藤本一馬

畠山美由紀がorange pekoeのギタリスト、藤本一馬と組んでリリースしたアルバム。"orange pekoe"…久しぶりに聞いた名前ですが、基本的に作詞は畠山美由紀が、作曲は藤本一馬が組んだ作品になっているのですが、彼女の包容力ある優しいボーカルと、藤本一馬の哀愁感たっぷりのメロディーラインがピッタリとマッチ。実に息の合った作品に仕上がっています。orange pekoeとしての活動もいいのですが、このコンビでも、コンスタントに活動してほしいなぁ。

評価:★★★★★

畠山美由紀 過去の作品
わたしのうた(畠山美由紀withASA-CHANG&ブルーハッツ)
わが美しき故郷よ
rain falls
Wayfarer

| | コメント (0)

2023年1月22日 (日)

SSWとしての魅力を存分に感じる

ある時はミュージカル風なステージを披露し、リスナーの度肝を抜いたり、ある時はいきなりアイドルグループを結成したり。さらにある時はライブの参加者全員がメンバーというプロジェクト「TOWN」をスタートさせたりと、毎回、奇抜なコンセプトでリスナーを驚かせる清竜人。前作「REIWA」は正統派歌謡曲路線と、またユニークなコンセプトを披露したのですが、純粋なオリジナルアルバムとして3年半ぶりとなる今回のオリジナルアルバムは、かなり豪華なリリース形態が目につきます。なんとCD3枚+Blu-ray+DVDという全5枚組というリリース形態。オリジナルアルバム「FEMALE」のほか、Blu-rayには本人が監督・主演した映画「IF I STAY OUT OF LIFE...?」が収録。さらにそのサントラ盤がCDとしてついて、ライブ映像のDVDと、2020年に配信限定でリリースしたカバーアルバム「COVER」のCD盤が付属された全5枚組という構成。ただ、残念ながら完全生産限定12,000円というフルボリュームまでは手は出せず、別途、単体で配信リリースされたアルバム「FEMALE」をチェック。また、リアルタイムでは聴き逃していたアルバム「COVER」もはじめてチェックしてみました。

Title:FEMALE
Musician:清竜人

まずこちらが3年半ぶりにリリースされたオリジナルアルバム。ファルセット気味なボーカルで伸びやかに聴かせるシティポップ風の作品がメイン。奇抜なコンセプトが前面に押し出した作品が続いていた彼ですが、今回のアルバムはともすれば2010年にリリースした「WORLD」以来となる、「正統派」とも言えるポップのアルバムになっています。

メランコリックに歌い上げる「フェアウェル・キス」もまさに清竜人らしいラブソングに仕上がっていますし、特に秀逸なのが、本人が主演・監督した映画の主題歌にもなっている「If I stay out of life…?」で、エレピでループするトラックをバックにLeo Uchidaのラップを聴かせつつ、彼のメランコリックな歌が重なるスタイルが非常にカッコいいHIP HOP風のチューンに。

微妙に長いタイトルが印象的な「愛が目の前に現れても僕はきっと気付かず通り過ぎてしまう」人間不信に陥りつつも、どこか愛を信じようとする歌詞が印象的。さらに、「離れられない」は美しいウインターバラードに仕上がっており、メロディーメイカーとしての彼の才能も感じられます。ラストを飾る「いない」も非常に切ない歌詞とメロが印象に残るバラードナンバーとなっており、こちらも清竜人の名前を一気に知らしめた名曲「痛いよ」を彷彿させるような作品となっています。

久しぶりに清竜人の本領をいかんなく発揮した、と思われるアルバムになっており、彼の魅力の存分につまった、SSWとしての実力をこれでもかというほど発揮した作品に仕上がっていました。いつもの奇抜なコンセプト重視のアルバムも、彼らしいですし、彼としてはああいうアルバムを作りたいのでしょうが、やはりこういったアルバムもコンスタントにリリースしてほしいなぁ、とは感じてしまうのですが・・・。SSWとしての清竜人の魅力をあらためて実感したアルバムでした。

評価:★★★★★

Title:COVER
Musician:清竜人

Kiyoshi_cover

で、こちらが遅ればせながら聴いてみたセルフカバーアルバム。もともとは2020年に配信限定でリリースしたアルバムで、彼がアイドルや女性声優に提供した楽曲を彼があらためてセルフカバーした作品となっています。

セルフカバーは彼がピアノ1本で弾き語るスタイルで、装飾的な部分は一切なし。純粋に歌詞とメロディーのみを聴かせるという、楽曲を「裸」の状態にして聴かせるセルフカバーとなっており、それだけ「アイドル」というギミックを一切なしにして楽曲のコアな部分にスポットをあてようとするセルフカバーと言えるかもしれません。

そのためあらためてメロディーラインを聴くと、そのメロディーメイカーとしての清竜人の才能をこれでもかというほど感じることが出来ます。シンプルながらもしっかりとインパクトも兼ね備えたメロディーラインは、ピアノ1本での弾き語りというスタイルでもしっかりと耳に残ります。キラキラしたアイドルポップスというギミックに隠されがちですが、実にしっかりとしたメロディーを持った楽曲であることをあらためて実感できます。

ただ、正直なところ、歌詞に関してはいかにもアイドルアイドルした内容に聴いていて違和感を覚えました・・・・・・というよりも、アイドルとしてのコンセプトにしっかりと沿った、アイドルらしい歌詞をしっかりと書いてくるあたり、こちらも清竜人の才能を感じることが出来るのですが、ある意味、男性が女性に持っているような妄想とも言える幻想をそのまま押し付けて歌わせるような歌詞に非常に違和感を覚えてしまいます。もちろん、これは清竜人のせいではなく、性別関係なくアイドルポップスがいずれも持っている特徴で、この点が私がアイドルに全くはまれない大きな要素の一つなのですが、今回のセルフカバーで歌詞とメロがより強調されたがゆえに、違和感をより強く抱いてしまいました。

もちろん清竜人としては、アイドルのコンセプトにしっかり応えた作品を提供している訳で、その部分を含めて彼の才能と言えるのでしょう。もっとも、いかにも女性アイドルが歌いそうな歌詞を、男性の彼がそのまま歌っている点、違和感を覚える部分もあり、その違和感がユニークでインパクトにもなっているのですが。歌詞とメロのみを強調したカバーに仕上がっているだけに、メロディーラインの秀逸さと同時に、アイドルポップに感じる違和感を同時に覚えるセルフカバーに仕上がっていました。

評価:★★★★

清竜人 過去の作品
WORLD
MUSIC
WORK
BEST
WIFE(清竜人25)
TOWN(清竜人TOWN)
REIWA


ほかに聴いたアルバム

Off Course 1982・6・30 武道館コンサート40th Anniversary/オフコース

かつて小田和正が所属し、70年代から80年代にかけて一世を風靡したバンド、オフコースが、1982年に実施した10日間連続武道館コンサート。そのうち6月30日の音源を収録したライブアルバムが本作。「言葉にできない」の途中で感極まって歌詞が出てこなくなるのは、あまりに曲の内容とマッチしすぎていてわざと?と思ってしまうくらい。オフコースといえばもちろんリアルタイムでは知らないのですが、どちらかというと、今の小田和正と同様のフォーキーなバンドというイメージがあるのですが、「のがすなチャンスを」では意外と力強いジャム演奏を披露したりと、ロックバンドとしての側面があったこともはじめて気が付かされました。ファンならチェックしておきたい貴重な音源でしょう。

評価:★★★★

オフコース 過去の作品
OFF COURSE BEST"ever"

| | コメント (0)

2023年1月21日 (土)

お正月らしい(?)アコースティックセッション

THE BAWDIES THE HAPPY NEW YEAR ACOUSTIC SESSION 2023~話して、笑って、歌って、福来て!~

会場 名古屋市千種文化小劇場 日時 2023年1月13日(金)19:00~

徐々に正常ベースに戻りつつあるライブシーン。そんな中、2023年最初に足を運んだのが、THE BAWDIESのライブでした。彼らのステージは何度か見たことあるのですが、ワンマンライブは初!ただ、タイトル通り「ACOUSTIC SESSION」という特別な形態でのステージ。場所も千種文化小劇場という、普通のライブよりも小劇団のステージなどがよく行われるような会場でのライブとなりました。

The-bawdies_acoustic

この日のライブはソールドアウト。ただ、会場はキャパ250名程度のかなり小さい会場で、円形の舞台を客席が囲むセンターステージという形態になっていました。そのため、ステージまでの距離がかなり近い!文字通り、手を伸ばせばメンバーに触れそうなくらいの距離で、まずそのステージとの近さに興奮してしまいました。

そして、開演時間になると間もなくメンバー4人が登場。お正月らしい筝曲をBGMにメンバーが2人と2人にわかれて整列しながら登場。メンバーがステージにあがると、ステージ上には折り畳み式の傘と紙風船が置いてあり、お正月らしく(?)傘をつかって風船回しに挑戦。さらに、ROYがけん玉に挑戦し、こちらは見事に成功すると、全員、おもむろにそれぞれの楽器のある場所に座り、ライブがスタートとなりました。

冒頭は「LEMONADE」からスタート。アコースティック形式でのステージということで、しんみりと聴かせる曲ばかりになるのか、とも思ったのですが、これが冒頭から全く予想はずれで、彼ららしい、アグレッシブなロックンロールからスタート。

最初に2曲ほど演奏して、トークのコーナーへ。この日はサブタイトルで「話して」と書いてある通り、MCコーナーもたっぷり時間がとってあるようで、事前にネットを通じて、この日、来場したファンから質問事項を募集。その中からセレクトしてメンバーが答えるという形式となっていました。もっとも、質問に答えるような形をとっていながらも、本人たちが語りたい内容を語っているような感も否めなかったのですが・・・まずはトークとして「ヤクルト1000」が話題に。ROYがはまっていてみんなに勧めまくっているとかで、この日のトークでも効用を語りつつ、勧めまくっていました。

その後は新年らしい「A NEW DAY IS COMIN'」などを披露しつつ、「新年といえば『光』ですよね」という微妙にわかるようなわからないような会話から「HAPPY RAYS」へと進んでいきました。

さらにトークのコーナーへ。ここでは「好きなお酒の飲み方は」なんて質問でROYが全くお酒が飲めない話をしたり、ウインタースポーツのネタからテレビのスポーツバラエティー「サスケ」の話になったりもしました。また、今回のライブに来る途中、MARCYが、浜松のサービスエリアで食事をしていた時に、すぐそばにTHE BAWDIESの「HAPPY RAYS」のTシャツを着ている人に遭遇。MARCYだと全く気が付かれなかった話をしたのですが、「ひょっとして、今日来ているかも・・・」という話から客席に聞いてみると、なんと該当する本人がいました!ちょっとしたサプライズ。でも、まさかそんなところにバンドのメンバーがいるとは思いませんもんね・・・。

その後は「THE SEVEN SEA」から、ジェイムス・ブラウンの「Try Me」のカバーへ。こちらはROYがおなじみの濁声でおもいっきりシャウトしつつ、カッコいいファンクナンバーを聴かせてくれます。

さらに「IT'S TOO LATE」でアコースティックながらも会場全体で盛り上がり、「LET'S GO BACK」へ。そしてサム・クックの「Twistin'The Night Away」のカバーへ。こちらもかなり泥臭い雰囲気のカバーになっていて、非常にカッコいい!!ラストは「Twistin' Annie」で締めくくり。ライブ本編は幕を下ろしました。

最後はTAXMANが法被を着て登場。全員で「わっしょい!」の掛け声で思いっきり万歳をして盛り上がります。最後は全員で写真撮影。円形の観客席のため、パノラマ機能をつかいつつの撮影となり、締めくくり。全1時間半のステージとなりました。

この日は特別形態のアコースティックでのライブ。そのため、若干、パフォーマンスとしては物足りなさも感じてしまうのかなぁ、なんて危惧もあったのですが、とんでもない!アコースティックでも彼ららしいロックンロールやソウルの魂を存分に感じられる非常にカッコいいパフォーマンスを見せてくれました。たった250名程度というキャパの狭さもあって、メンバーから至近距離で楽しめ、会場の一体感もあり、予想以上に楽しめたステージでした。

ちょっと残念だったのがステージがわずか1時間半程度と予想以上に短かった点。そのため、披露した楽曲も10数曲程度と予想よりも少なかったのは残念・・・。正直、もうちょっと演ってほしかったなぁ、というのが率直な感想です。ただ、そういった点を差し引いても、予想以上に楽しめたステージ。トークも楽しかったし、あっという間の1時間半でした。次回は是非とも通常のバンド形式でのワンマンライブに参加したいなぁ。

| | コメント (0)

2023年1月20日 (金)

歌謡ロック?

Title:Highway X
Musician:B'z

昨年の紅白歌合戦。史上2番目に低い視聴率に終わり、さらにいろいろなことを言われつつも、結局、はじまる前も終わった後も話題に上ることが多い時点で、まだまだ注目度の高いコンテンツということを認識しつつ、そんな中、Twitterでバズった2つのコメントがありました。

まず1つ目が、先日もチラッと紹介しましたが、「ロック」が昔の「演歌」のポジションに来た、という指摘。

そしてもう1つが、日本のロックにおける低音軽視という指摘でした。

で、この2つの指摘を読んでまず感じたのが「それってB'zのことじゃん!」という印象でした。「ロック」が昔の「演歌」のポジションに来た、という意味では、良くも悪くも様式美的なロックを演奏している点、歌謡曲を様式化した演歌と同じようなポジショニングを感じさせますし、ボーカルとギターだけというユニットは完全に低音軽視。海外ではほとんどお目にかかりません。

約3年ぶりとなるB'zのアルバムも、良くも悪くもいつものB'zといった印象を受けるアルバム。ただ、そんな中でも今回のアルバムは特に良くも悪くも非常に歌謡曲的なアルバムになっていたような印象を受けました。アルバムの冒頭「SLEEPLESS」はいきなりエッジの効いたギターサウンドからスタート。非常にダイナミックなサウンドからスタートし、実にロック的な要素の強い作品になっています。続く「Hard Rain Love」もギターサウンド主導のロック的な作品になっており、「お、すごいカッコいいじゃん!」といった印象からスタートします。

ただ、序盤に非常にロック的な作風でスタートしても、その後、一気にJ-POP的、あるいは歌謡曲的な「ベタさ」を感じさせる作風にシフトしてしまうのがB'zのアルバムの特徴で、続く「COMEBACK -愛しき破片-」はビックリするほどの歌謡曲調なメロディーの哀愁感たっぷりの曲調に。「YES YES YES」もJ-POPらしいメロと歌詞の曲となっていますし、タイトル曲である「Highway X」もベタな歌謡曲的な作風となっています。

この傾向は以前からB'zの作品に共通するものの、今回のアルバムは特にこの歌謡曲的な方向性が強く、良くも悪くも「歌謡ロック」というイメージが強くついているアルバムになっていました。もっとも今どき、歌謡曲だからダメ・・・とは思いませんが、彼らの場合、桑田佳祐みたいに積極的に歌謡曲の要素を取り入れているというよりも、結果として歌謡曲になってしまった、といった印象が・・・。その結果、ベタで安直に哀愁感を誘うよう抒情的なメロディーラインという歌謡曲の「悪い」部分が出てしまっているようにも感じました。

前作「NEW LOVE」も楽曲のインパクトは薄めだったのですが、今回のアルバムも悪い作品ではないのかもしれませんが、ちょっと印象が弱いアルバムに仕上がっていたような感じがします。もうちょっとゴリゴリのハードロック路線でもいいと思うのですが・・・ファン層的に、歌謡曲的な路線を望むような人が多い年齢層になってしまったということでしょうか。

評価:★★★★

B'z 過去の作品
ACTION
B'z The Best "ULTRA Pleasure"
B'z The Best "ULTRA Treasure"
MAGIC
C'mon
B'z-EP
B'z The Best XXV 1988-1998
B'z The Best XXV 1999-2012

EPIC DAY
DINOSAUR
NEW LOVE
FRIENDSIII


ほかに聴いたアルバム

ToMoYo covers~原田知世オフィシャル・カバー・アルバム

原田知世デビュー40周年を記念してリリースされた、初のオフィシャル・カバー・アルバム。本作では土岐麻子や堀込泰行、キセルなどといったミュージシャンが彼女の曲をカバー。原田知世といえば、最初はアイドル歌手としてデビューし、その後、90年代後半には「ロマンス」のスマッシュヒットなどでスウェディッシュ・ポップも挑戦。ボーカリストとしても評価を得たのですが、今回のアルバムは、そんな頃の作品はもちろん、初期のアイドルポップもカバー。ただ、アレンジの方向性としては、全体的に90年代後半以降の彼女のスタンスを踏襲するようなアコースティックなアレンジがメインとなっています。

そんな訳で、全体的にアコースティックで暖かい雰囲気のポップソングが並ぶカバーとなっており、カバーアルバムとして統一感もあり魅力的な内容に仕上がっているのですが、そんな中でも特に素晴らしかったのがキセルがカバーした「くちなしの丘」。キセルらしい脱力感あるサウンドでしんみり聴かせる作品で、完全にキセルの曲として自分のものとしています。原曲の魅力もさることながら、キセルの魅力もあらためて感じるカバーに仕上がっていました。他も良質なポップソングが並ぶ本作。原田知世のファンはもちろん、参加ミュージシャンのファンも文句なしにお勧めのカバーアルバムでした。

評価:★★★★★

COVER JUNGLE 2/T字路s

6月にリリースしたカバーアルバムから5カ月。T字路sの2枚目となるカバーアルバムが早くもリリースされました。本作でも「あの鐘を鳴らすのはあなた」「かもめはかもめ」のような歌謡曲から、高田渡の「生活の柄」や斉藤和義の「空に星が綺麗」、真心ブラザーズの「荒川土手」など幅広いジャンルをカバー。今回異色なのは、T字路sの曲を出囃子として使っているという縁から、お笑いユニットオズワルドの畠中悠が作詞作曲を手掛けた「コンビニエンスマン」もカバーしています。前作同様、ボーカル伊東妙子の力強いボーカルが印象的。レトロテイストなサウンドも加わり、完全にT字路sの色に染めあげているカバーに仕上がっており、そのボーカルの力強さもあり、耳に残るカバーアルバムとなっていました。

評価:★★★★★

T字路s 過去の作品
PIT VIPER BLUES
BRAND NEW CARAVAN
COVER JUNGLE 1

| | コメント (0)

«男性アイドルグループが目立つ