2022年5月28日 (土)

ようやく!ようやく!

Thundercat Japan Tour 2022

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2022年5月18日(水)18:00~

今、もっとも注目されているベーシストで、Flying LotusやKendrick Lamarのアルバムにも参加しているThundercat。2017年にリリースされたアルバム「Drunk」、2020年にリリースされたアルバム「It Is What It Is」はいずれも傑作アルバムでした。そんな彼の来日ライブが行われるとあって、さっそくチケットを確保しました!2020年に・・・・・・。

Snapshot

当初、このライブが開催される予定だったのが2020年4月。そう、あのコロナ禍がはじまった真っ最中。当然のごとく、ライブは延期に。延期後のスケジュールは同年の9月と決定されたものの、それも延期。その後、しばらく無しのつぶての状況になったのですが、当初の予定から2年、ようやく、ようやく来日公演が正式決定!この日を迎えました。正直、ライブ自体が中止になるものと半分以上諦めていたのですが、ようやく発券したチケットを握りしめ、クワトロに向かいました。

⇐発券したチケットは、このように当初の公演予定日が記載。ちなみに、コロナ禍の入場制限ということで、2回にわけての公演となり、私はそのうち1回目、18時スタートの会に参加しました。

会場には、テープで白い枠が区切ってあって、1つの枠につき1人が入ってみる見るように指示されていました。とはいえ、会場の定員の半分の入りということもあって、特に後ろの方はスペースも余裕で空いている状況。さすがに前の方で混雑の中、見るのはちょっと怖い感じもしたので、すいている後ろの方に陣取って、ライブ鑑賞となりました。

2回公演の1回目で、2回目も控えていることもあり、ほぼ18時ちょうどにライブはスタート。この日は、ドラマーには、Thundercatのアルバムにも参加しており、現在、非常に注目を集めているドラマーであるLouis Coleが参加。さらにキーボードのメンバーとの3人でのステージとなりました。1曲目は、最新アルバムからの1曲目ということもあり「Lost In Space/Great Scott/22-26」からスタート。ファルセットボイルで美しく聴かせてくれるのですが、さらにグルーヴィーなThundercatのベースと、Louis Coleの超絶ドラミングが重なるパフォーマンスで、序盤から一気に惹きつけられます。

その後はメンバー紹介を挟み、「I Love Louis Cole」へ。こちらは、まさに今回参加したドラマーLouis Coleのために作られたようなナンバーで、待ってましたとばかりのLouis Coleのドラムプレイを楽しめるナンバーで、さらに会場は盛り上がっていきます。さらに「Dragonball Durag」を聴かせてくれた後は再びMCに。こちらは日本ということでThundercatの趣味でもあるアニメネタに。途中(おそらく)「NARUTO」の話なども飛び出して、その話をLouis Coleに振ったところ、きちんと答えてくれたので「だから、君のことが好きだよ」なんていう2人の仲の良さを感じさせる会話も飛び出しました(笑)。Thander

最新アルバムからのナンバーを中心に、次々と演奏を披露。もちろん彼のファルセットボイスでメロウな歌も聴かせてくれるのですが、全体的には原曲よりも、やはり3人のプレイを楽しめるような内容に。ジャムプレイもじっくりと聴かせてくれ、特に、「チック・コリアに捧げます」と話してスタートした曲については、ThundercatとLouis Coleが延々と掛け合いのグルーヴィーなジャムを聴かせてくれて、会場を沸かせました。

終盤は「It Is What It Is」から、本編ラストは彼の代表曲とも言える「Them Changes」に。最後は、歌メインで、ファルセットボイスにのせてしっかりと聴かせてくれます。非常によい心持ちになってライブは終了。客電も明るくなり、さすがに2回目も控えているため、アンコールはなしかな・・・と思いつつも、客席からは盛大なアンコールが起こります。

そうするとやがて照明が暗くなり、なんと再びメンバーがステージに登場!最後は「Funny Thing」を披露。軽快でアップテンポなナンバーに、観客も大盛り上がり。最後は会場のテンションもマックスになった中、ライブの幕は下ろされました。

2回目のスタートが8時ということもあり、ライブが終了したのは7時半。約1時間半のステージでした。わかってはいたのですが、比較的短めのステージ。ただ、それでもLouis Coleとのプレイは非常に魅力的で、短いながらも非常に濃い内容のステージになっていました。まさに2年間、待ちに待ったかいのあったステージ!!途中のMCもかなりフランクリーで、彼の人柄も伝わりましたし、とにかく独特のグルーヴ感がたまらないライブとなりました。非常に満足度の高い1時間半でした。

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2022年5月27日 (金)

25周年の記念アルバム

Title:プロム
Musician:Cocco

今年、デビュー25周年を迎えたCoccoの、25周年記念アルバム。あの、衝撃的だったデビューシングル「カウントダウン」から、もう25年も経つのか・・・と、デビュー当初からリアルタイムに知っている身としては、自分も年を取ったなぁ、とも思ってしまいます。ただ一方で、いろいろと紆余曲折もあったよなぁ、とも感じてしまいます。2001年には、伝説とも言えるミュージックステーションの出演後の逃走劇や、その後の活動休止などもありつつ、最近ではYou Tubeで、今後メディアには一切登場しない旨を宣言し、物議をかもしたりもしました。もっとも、特にデビュー当初などは、自分の身を削って音楽を生み出すような活動が大きなインパクトを与えていたミュージシャンなだけに、逆に活動休止などもありつつ、よく25年も活動が続いたなぁ、という感覚も抱いてしまいます。

さて、そんな25周年を記念してリリースされたアルバム。本作の大きな特徴として様々な人たちとのコラボがあげられます。参加ミュージシャンとして「コバルト」ではハマ・オカモト、「ラブレター」ではCurly Giraffeの高桑圭、「ままいろ」ではBEGIN、さらには「結い」ではスガシカオがゲストボーカルとして参加。サウンドプロデューサーとして、おなじみの根岸孝旨の他にも、前述の高桑圭やBEGIN、さらには「星の子ら」では亀田誠治が参加しているほか、「てぃんさぐぬ花」ではCoccoも参加した沖縄のイベント「沖縄のウタ拝」を主催した作編曲家の辺士名直子がピアノとサウンドプロデュースで参加しています。あ、あとブックレットを見ていて気が付いたのですが、「ままいろ」でヴァイオリンを弾いているのはKANの奥様の早稲田桜子ですね・・・。

結果として、いつものCoccoの作品より音楽的なバリエーションも広がった意欲作になっていたと思います。「コバルト」ではファンキーなハマ・オカモトのベースラインをバックにCoccoがラップを披露。トオミヨウがサウンドプロデュースを行ったタイトルチューンの「PROM」はシンセのサウンドでスケール感を覚える楽曲に。「恋い焦がれて」ではラテンバンド、ディアマンテスのメンバーが参加したラテンナンバーといった、より意欲的に様々な作品に挑戦しようとする、彼女の挑戦が感じられます。

ただ、その結果としては良くも悪くもCoccoはCoccoだな、という印象をより強く受けたアルバムになっていました。どんなタイプの楽曲であろうと、彼女の歌声が加わると、一気にCoccoの楽曲となります。もちろん、すべての曲をCocco自身が作詞作曲を行っているというのも大きな要素なのでしょうが、あらためてCoccoの曲の一種の癖の強さを感じました。そのため、これだけ音楽的な幅を広げた意欲作にも関わらず、聴き終わると、むしろ「いつものCoccoのアルバムだ」という印象も抱いてしまいました。

もっとも、音楽性を広げた、といってもCoccoのイメージを一新させるような楽曲はありまえん。また、彼女のイメージを崩すためにも、あえて他のミュージシャンに作詞作曲をゆだねるというのも手だったように感じます。ある意味、Coccoらしさが残ったアルバムということで安心して聴けたことは聴けたのですが、どうせ様々なミュージシャンとコラボするのならば、いままでのCoccoのイメージからかけ離れたような曲も聴きたかったかも、とも思ってしまいました。

また、今回のアルバム、沖縄音楽の要素も比較的目立った点もポイントかもしれません。沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」を取り上げているほか、「コバルト」でも沖縄民謡的な部分が、またBEGINが参加している「ままいろ」でも同じく沖縄の要素を強く取り上げています。Coccoが沖縄的な要素を前に出すのは今に始まった話ではありませんが、前作「クチナシ」でも沖縄民謡的な楽曲がありましたし、今、より自らのふるさとに目を向けているのかもしれません。

個人的には上にも書いた通り、意欲的な作品であることが非常に魅力的に感じられた反面、その割には新たなCoccoの姿が見れなかった点はちょっと残念に感じました。結果としては良くも悪くも安心して聴ける良作に仕上がっていたとは思います。もっとも、全く新しいCoccoの姿が見れたといって、それがリスナーの求めていたものになるかどうかは難しいところなのですが・・・。なんとも煮え切らない感想になってしまうのですが、よく出来たアルバムだったのは間違いありません。今後、メディアには登場しないという彼女ですが、ライブツアーなどは通常通り行うとか。あくまでも「歌」で勝負していく彼女の今後に期待したいところです。

評価:★★★★★

Cocco 過去の作品
エメラルド
ザ・ベスト盤
パ・ド・プレ
プランC
アダンバレエ
20周年リクエストベスト+レアトラックス
Cocco 20周年記念Special Live at 日本武道館 2days~一の巻x二の巻~
スターシャンク
クチナシ

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2022年5月26日 (木)

アイドル系がベスト3を占拠

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はベスト3を、いずれもアイドル系が占めました。

まず1位は韓国の男性アイドルグループTOMORROW×TOGETHER「Minisode 2: Thursday's Child」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数31位、PCによるCD読取数31位。5曲入りのEP盤。オリコン週間アルバムランキングでも15万枚を売り上げて先週の7位から1位にランクアップし、2週目にして1位獲得となりました。

2位は、こちらは日本の女性アイドルグループ。ももいろクローバーZ「祝典」が初登場。CD販売数及びPCによるCD読取数3位、ダウンロード数1位。オリコンでは初動売上2万6千枚で2位初登場。前作は、田中将大の応援歌を集めたコンピレーションアルバム「田中将大」で同作の初動1万5千枚(7位)よりアップ。オリジナルアルバムとして前作「MOMOIRO CLOVER Z」の5万3千枚(1位)からは大幅にダウンしています。

3位には、こちらは韓国の女性アイドルグループLE SSERAFIM「FEARLESS」が、国内盤のCDリリースの影響で先週の22位からランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。CD販売数で2位にランクインしています。オリコンでも今週2万4千枚を売り上げて、先週まで輸入盤の売上で10位にランクインしていたのですが、ランキングを大きくアップさせています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず6位にRoselia「ROZEN HORIZON」がランクイン。ガールズバンドをメインとしたメディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」から誕生した架空のガールズバンドによる最新のミニアルバム。CD販売数6位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数8位。オリコンでは初動売上1万9千枚で6位初登場。前作「劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia』Theme Songs Collection」の1万6千枚(3位)よりアップしています。

7位にはL'Arc~en~Ciel「30th L'Anniversary L'Album Complete Box -Remastered Edition-」がランクイン。CD販売数7位。結成30周年を迎えたラルクの、過去にリリースした11枚のオリジナルアルバムをリマスターして、ボックス版としてリリースしたのが本作。定価4万円超えという内容ながらも、見事ベスト10入り。オリコンでも初動7千枚で8位にランクインしており、ラルクの根強い人気を感じさせる結果となりました。

9位にはロックバンドNovelbright「Assort」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数48位。本作がメジャーでは2作目となるフルアルバム。オリコンでは初動売上5千枚で9位初登場。前作「開幕宣言」の8千枚(6位)からはダウンしてしまいました。

今週、返り咲き組も1枚。8位にHKT48「アウトスタンディング」がランクイン。11週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。

今週のHot100は以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年5月25日 (水)

話題の映画の主題歌がついに1位獲得

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

主題歌も高い評価を得ているようです。

今週、見事1位を獲得したのは米津玄師「M八七」。CDがリリースされた影響で、先週の2位からランクアップし、チャートイン2週目で見事1位獲得です。CD販売数は2位、ダウンロード数は先週と変わらず1位、ストリーミング数も44位から4位に大きくアップ。You Tube再生回数も9位から3位にアップしており、ラジオオンエア数2位、PCによるCD読取数1位、Twitterつぶやき数6位といずれも上位にランクインしており、その強さを見せつけました。ご存じ映画「シン・ウルトラマン」主題歌。映画の方も評判になっているようで、この曲もロングヒットが期待できそうです。オリコン週間シングルランキングでは初動売上22万8千枚で2位初登場。前作「Pale Blue」の15万6千枚(1位)からアップしています。

2位にはBE:FIRST「Bye-Good-Bye」が先週の41位からランクアップ。SKY-HIが自腹を投じたボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」から誕生したアイドルグループ。CDがリリースされた影響で、7週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。CD販売数は3位初登場。ただ、CDリリースの影響で、ダウンロード数は88位から3位、ストリーミング数も53位から3位、You Tube再生回数も20位から2位と軒並みランクアップ。ほかにラジオオンエア数1位、PCによるCD読取数3位、Twitterつぶやき数1位といずれも上位にランクアップしています。オリコンでは初動売上13万8千枚で3位初登場。前作「Gifted.」の19万3千枚(2位)からダウンしています。

3位は初登場組。AKB48「元カレです」。CD販売数は1位でしたが、ダウンロード数52位、ラジオオンエア数18位、PCによるCD読取数7位、Twitterつぶやき数9位となり、総合順位は米津どころかBE:FIRSTにも負けて3位となりました。オリコンでは初動売上32万8千枚で1位初登場。前作「根も葉もRumor」の初動35万1千枚(1位)からダウンしています。

続いて4位以下ですが、今週は初登場はゼロ。その影響もあり、ベスト10返り咲きも。それが優里「ドライフラワー」。ここ4週連続11位をキープしていましたが、今週10位にランクアップし、6週ぶりのベスト10返り咲き。通算74週目のベスト10ヒットを記録しました。優里は「ベテルギウス」が8位から9位にダウン。通算28週目のベスト10ヒットとなっています。

また他のロングヒット曲としてはSaucy Dog「シンデレラボーイ」。今週は5位から7位にダウン。ストリーミング数も3位から5位にダウンしています。ただ、これで通算16週目のベスト10ヒットとなりました。

一方、先週までロングヒットを記録していたAimer「残響散歌」は今週、11位にダウン。ベスト10ヒットは23週連続でストップしました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年5月24日 (火)

明るく朗らかな戦前ジャズの世界

Title:The LOST WORLD of JAZZ 戦前ジャズ歌謡全集・ニットー篇

ここでも何度か取り上げている、戦前のSP盤の復刻を専門としたレーベル、ぐらもくらぶ。「戦前ジャズジャズ歌謡全集」と名付け、レーベル毎に戦前ジャズのSP盤をまとめた企画を続けてきましたが、今回はその第4弾。今回は戦前、関西にて活動を行っていたニットーレコードの作品を収録したオムニバスアルバム。大正9(1920)年に日東蓄音器株式会社として誕生したニットーレコードは、昭和初期には関西一のレーベルとなり、さらには東京進出も試みたものの、昭和10(1935)年にタイヘイレコードと合併。ニットーというブランドは存続したものの先細りとなり、昭和13(1938)年にはついにニットーブランドは消滅に至ったそうです。

「ジャズは戦後、アメリカの進駐軍によって日本にもたらされた・・・」なんていう俗説、最近ではすっかり否定され、戦前にも日本においてジャズが一大ブームになっていた、ということは、このぐらもくらぶのアルバムの紹介で何度もここでも記載しています。また戦前においてジャズというのは、今でいう「ジャズ」というジャンルのみを指すのではなく、一昔前までバンドサウンドが鳴っていれば、なんでも「ロック」と呼ばれていたのと同様、洋楽風のサウンドが鳴っていれば、なんでも「ジャズ」と呼ばれていたようです。

そのため、このアルバムに収録されている「ジャズ」についてもバラエティーは実に豊か。例えば「グランドホテルの歌」など、歌い方はむしろクラッシック的なボーカルスタイルですし、「谷の灯ともし頃」「月下の丘に」に至っては、ジャズというよりもハワイアン。「恋の思ひ出」なども今でいうところのムード歌謡曲風。「ジャズ」と一言で言っても、実に幅広いジャンルを指す言葉として用いられていたことが、このアルバムでもよくわかります。

そんな中、このニットーレコードの作品について感じたのは、楽曲が明るく、朗らかな雰囲気の曲が多かったという点でした。例えば戦前の大ヒット曲「アラビアの唄」「青空」は井上起久子のボーカルによるものですが、彼女のハイトーンボイスが明るく朗らか。「行進曲紐育」は内海一郎の明るいボーカルと軽快なジャズサウンドにのって、非常に明るく爽やかに繰り広げられています。「瀧の傍にて」を歌う三上静雄のボーカルも非常に朗らかですし、「恋人がほしい」はいわゆる戦前に流行ったボーイズものでコミカルな演奏がとても楽しい作品となっています。

全体的に明るく朗らかで、どこかコミカルさを感じる曲が多いというのは、関西のニットーレコードならでは、といった感じなのでしょうか?戦前の明るく陽気なジャズ文化を感じさせるオムニバスアルバム。毎回のことながら、ぐらもくらぶらしい良企画でした。戦前ジャズに興味がある方には文句なしにお勧めの1枚です。

評価:★★★★★

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2022年5月23日 (月)

セルフカバー3部作、完結!

Title:ズ盤
Musician:ウルフルズ

2022年にメジャーデビュー30周年を迎えたウルフルズ。昨年から、30年30曲のセルフカバーアルバムのリリースが続きましたが、本作は「ウル盤」「フル盤」に続く第3弾。予想通り「ズ盤」となったのですが、今回は「ズっと聴きたいウルフルズ不朽の名曲選」というコンセプトに選曲したカバーアルバム。聴かせるナンバーがメインだった「ウル盤」、力強いファンキーな作品がメインだった「フル盤」に対して、その二つのコンセプトからちょっとはずれた、いわばメロディアスなポップチューンがメインとなった選曲だったように思います。

まず本作は、まさに待ちに待ったといった感じ、ようやく収録された大ヒット曲「ガッツだぜ!!」からスタート。彼らを代表するコミカルな「借金大王」「あそぼう」「ええねん」などといった代表曲が並んでいます。確かに、「ウル盤」に収録されているような感情込めて思いっきり聴かせるような曲でもありませんし、「フル盤」のように、思いっきり力強く歌い上げるというタイプでもない、でも実にウルフルズらしさを感じさせる曲が並びます。ちなみに「明日があるさ」はカバー曲であり企画的要素も強いためか、今回のセルフカバーでは選曲されませんでした。

さて今回セルフカバーアルバムということで、デビュー30年、彼らの成長ぶりが感じられるカバーが並んでいます。特に過去の2枚のセルフカバーでは、彼らのルーツであるブラックミュージックの要素の強い、より「黒い」カバーになっていましたが、本作も同様、基本的に原曲のアレンジを重視しつつも、ソウルやファンクの要素をより強めたカバーに仕上がっています。

例えば大ヒット曲でウルフルズの名前を世間に知らしめた「ガッツだぜ!!」も、基本的に原曲同様なのですが、よりファンクなリズムが強調され、トータス松本のボーカルもよりソウルフルに。「借金大王」もブギウギの要素がより強く、「年齢不詳の妙な女」にしても、原曲がもともと持っていたモータウンサウンド的な要素をより表に出してきたアレンジになっています。

原曲のアレンジをそのままに、少しだけ黒くリメイクしたアレンジにすることによって、原曲がもともと持っていた、彼らのルーツ志向の要素をより強く感じることが出来るカバーに仕上がっていました。そういう意味では、原曲のイメージを求めていたようなファンにとっても抵抗なく聴くことができ、かつ、ウルフルズの実力、30年の成長を感じさせる、とてもよいバランスのセルフカバーになっていたように感じます。

また、特に本作で注目したいのが、本作では唯一のオリジナル作となる「タタカエエブリディ」。コロナによる最初の非常事態宣言の最中に同作のデモ音源がウルフルズの公式You Tubeチャンネルにアップされた同作が、アルバム初収録となります。文字通り、コロナ禍が続く中、日常の中で「闘う」人たちへのエール。残念ながらあれから2年、ようやく今年のGWは行動制限なしとなったもののコロナ禍は終わっておらず、苦しい状況は続いていきます。それだけに今でも強いメッセージ性を感じる本作。早く、こういう苦しい時もあったね、と言えるようになればよいのですが・・・。

本作でとりあえずカバーアルバム3部作は終了。いずれもウルフルズの実力、魅力を感じることが出来る良作になっていました。30周年を迎えて、すっかりベテランバンドとなった彼ら。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

ウルフルズ 過去の作品
KEEP ON,MOVING ON
ONE MIND
赤盤だぜ!
ボンツビワイワイ
人生
ウ!!!
ウル盤
フル盤


ほかに聴いたアルバム

ニューマニア/ハルカミライ

人気上昇中のロックバンド、ハルカミライのメジャー3枚目となるアルバム。良くも悪くもいかにもパンクロック然とした風貌に、いかにも青春パンク志向のようなバンド名といい、微妙な雰囲気も漂う反面、楽曲の方は、いかにも青春パンクといった路線もありつつ、ビートロックや、もっと正統派パンク、さらにはオルタナ系のギターロック路線など幅広く聴かせてくれます。何気に結成10周年という既に中堅というキャリアのバンドで、それだけに、いい意味での卒のなさも感じられます。ただ、逆に、悪い意味でも「卒のなさ」も感じてしまうアルバムで、そろそろ次の一歩を聴きたい感じもするのですが。

評価:★★★★

ハルカミライ 過去の作品
THE BAND STAR

10-feat/10-FEET

バンド結成25周年を迎える彼らが、25周年を記念してリリースされたアルバムの第1弾。本作はコラボレーションアルバム「6-feat」シリーズの第3弾。本作もWANIMA、クリープハイプ、Dragon Ash、岡﨑体育、ヤバイTシャツ屋さん、氣志團など豪華なメンバーとのコラボレーションとなっています。そんなコラボ作は、コラボ相手の個性もそれなりに出しつつも、基本的には分厚いバンドサウンドで聴かせる10-FEETらしいパンクロック路線が基本。そういう意味では10-FEETの良い意味での強い個性も感じられるコラボ作となっていました。

評価:★★★★

10-FEET 過去の作品
VANDALIZE
Life is sweet
thread
Re:6-feat
6-feat 2

10-FEET入り口の10曲
Fin

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2022年5月22日 (日)

WEEZERで四季を感じる

Title:SZNZ:SPRING
Musician:WEEZER

アメリカのパワーポップバンドWEEZERの新作。ここ最近、かなり積極的なアルバムリリースが続いている彼ら。昨年には2枚のアルバム、さらに2019年にも2枚のアルバムをリリースしています。一方で、ここ最近はちょっと異色作とも言えるアルバムが続いており、前作「Van Weezer」はHR/HM路線、その前の「OK Human」はギターを取り除いたアレンジ、さらに2019年にリリースしたBlack Albumもポップ調の強いアルバムになっており、さらにTeal Albumもカバーアルバムと、彼ららしい正統派のパワーポップのアルバムは、ともすれば2017年の「Pacific Daydream」以来ということになってしまいます。

ただ、一方で正統派パワーポップアルバムのリリースはないものの、アルバムの出来としてはむしろかなり充実した内容の作品が続いているように感じます。特にポップなメロディーラインという彼らの持ち味については、冴えわたっている作品が続いており、バンドとしては脂がのった状況であることを伺うことが出来ます。異色作が続いているとはいえ、高い頻度でのアルバムリリースが、彼らの状況の良さを伺わせてくれます。

今回のアルバムに関しても異色作と言えるでしょう。今年は四季の節目に合わせて4枚のEPシリーズ「SZNZ」をリリースすることになり、春分の日である3月20日に、第1弾のEPである本作がリリースされました。今後は「SZNZ:Summer」「SZNZ:Autumn」「SZNZ:Winter」が順次リリースされるということ。今回も「異色的」な形でのリリースとなっています。

そんな本作は、本人たち曰く、「異教の神話、宗教儀式、魔法、シェイクスピア、ヴィヴァルディの『四季』などがインスピレーションの源」となっているということ。ここらへん、特に神話や宗教儀式、魔法などといった要素は、特に日本のバンドにとってはあまり取り上げられることのない素材。ジャケット写真も、どこかファンタジックなものとなっており、ユニークさを感じさせます。

実際、1曲目「Opening Night」もいきなり、ご存じヴィヴァルディの「四季」のフレーズを楽曲の中に用いており、春らしい爽やかさが演出されています。このクラシックのフレーズを楽曲の中に用いるという手法は日本でもよくあるのですが、得てして強度の強いクラシックのメロディーラインが楽曲の中で不自然に浮いてしまう形になることが少なくありません。しかし、そこはいままで数多くの名ポップチューンを作り出していたWEEZER。彼らのオリジナルのメロディーパートも「四季」のフレーズに全く負けることなく、「四季」の有名なフレーズがしっかりと曲の中に溶け込んでいました。

全7曲20分程度という短い楽曲構成なのですが、どの曲も爽やかな雰囲気の曲になっており、まさにタイトル通り「春」のイメージを持った楽曲が並びます。そんな中、爽やかながらもちょっと切なさを感じるメロディーラインが実にWEEZERらしく秀逸。例えば「A Little Bit of Love」もアコースティックベースのシンプルなサウンドからスタートしつつ、途中から展開される分厚いバンドサウンドが心地よい楽曲。「The Sound Of Drums」も分厚いバンドサウンドとメランコリックなメロがインパクトのある楽曲で耳に残りますが、特に耳に残るのが「All This Love」。非常にポップながらも切ないメロディーラインで胸が締めつけられそうになるポップソング。特にサビに入る前に転調するという、ちょっとJ-POPっぽい展開もインパクトとなり、WEEZERのポップスセンスが光る作品になっています。

今回のアルバムは、リリース形態こそ挑戦的であるのですが、楽曲としてはむしろWEEZERの王道とも言えるメランコリックなメロディーラインと分厚いバンドサウンドのパワーポップ路線。楽曲としてのインパクトも十分にあり、ある意味、WEEZERらしさを待ち望んでいたファンにはたまらない作品だったのではないでしょうか。ちなみに今後、夏、秋、冬のリリースも予定されているのですが、それぞれの季節を感じるものをリアルタイムで追求するために、現時点では制作されていないということ(ただ、そろそろ「夏」の制作は開始されているのかな?)。この調子だと、次回作以降も期待できそう。今年は1年間、WEEZERの新曲で楽しめそうです。

評価:★★★★★

WEEZER 過去の作品
WEEZER(Red Album)
RADITUDE
HURLEY
DEATH TO FALSE METAL
Everything Will Be Alright in the End
WEEZER(White Album)
Pacific Daydream
Weezer(Teal Album)
Weezer(Black Album)
OK HUMAN
Van Weezer

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2022年5月21日 (土)

モーサム寄りにシフト?

Title:OVERHEAT 49
Musician:百々和宏

MO'SOME TONEBENDERのボーカリスト、百々和宏による、約5年ぶり4枚目となるソロアルバム。モーサムと並行してのソロ活動ということで、ソロアルバムは明確に、モーサムの楽曲と一線を画するような内容になっていました。具体的には、ゴリゴリのガレージロックを前面に押し出したモーサムの作品と異なり、ソロアルバムでは比較的シンプルなサウンドに、メロディーラインを聴かせるようなポップな作品が目立ちます。歌詞にしてもパーソナルな部分を押し出したような歌詞が多く、いわばバンドとは明らかに異なるソロらしい作品を聴かせてくれています。

今回のアルバムに関しても、そんなモーサムとは異なるソロらしさを感じる作品も目立ちます。1曲目「鬼退治」はウォール・オブ・サウンドを彷彿とさせるような分厚い音に美しいメロディーラインを聴かせるミディアムテンポのポップチューン。「ハルノハクチ」もドリーミーなサウンドにメランコリックなメロディーラインが美しい楽曲。軽快でコミカルな「コロちゃん」やラストの「サルベージ」もギター弾き語りでしんみり聴かせるメランコリックなメロディーラインが耳を惹きます。

ここらへんの美しいメロディーラインは、モーサムでもよくよく聴くと感じられる部分ではあるのですが、あらためて百々和宏のメロディーメイカーとしての才能を感じさせられる部分。ゴリゴリのガレージロックが特徴的なモーサムのサウンドですが、実は、そこを裏から支えているメロディーラインの良さことがモーサムの魅力の大きなポイントだったんだな、ということをあらためて感じさせられます。

歌詞にしてもロックンロールへの愛情を素直に綴った「ロックンロールハート(ア・ゴーゴー)」、出身地の博多弁で歌詞を綴った「H・A・K・A・T・A・BEN」、さらにコロナ禍をユニークに歌った「コロちゃん」など、ユーモラスかつよりパーソナルな視点に立った歌詞が目立ちます。そういう意味でもソロらしい作品と言えるでしょう。

ただ今回の作品はその上で、MO'SOME TONEBEDERを彷彿とさせる作風の曲も目立ちました。例えば「H・A・K・A・T・A・BEN」などは歌詞はともかく、サウンドはヘヴィーなギターリフがメインのガレージサウンドになっていますし、タイトルチューン「オーバーヒート49」もパンキッシュな作風でバンド色の強い楽曲になっています。特に顕著だったのが「ジャグリNUパー」で、トランペットにモーサムの武井靖典が参加していることもあり、後半なフリーキーなサウンドといい、モーサムらしさが顕著。率直な感想としてモーサムでも出来たのでは?とも思ってしまいました。

モーサムはライブ活動を中心に継続的な活動は行っているものの、音源のリリースは久しく途絶えており、ライブでは披露されているのかもしれませんが、新曲も聴けていません。そのような状況だからこそ、ソロでの作品がモーサム寄りにシフトしてしまったように今回のアルバムでは感じてしまいました。結果としては音楽的なバリエーションが増し、内容的にいままで以上の傑作に仕上がったとは思うのですが。ただ、これだけの内容ならば、次はそろそろ久しぶりにモーサムの新作を聴きたいところ。百々和宏の実力を感じるとともに、モーサムを懐かしく感じてしまった作品でした。

評価:★★★★★

百々和宏 過去の作品

ゆめとうつつとまぼろしと
スカイ イズ ブルー


ほかに聴いたアルバム

廻人/Eve

ネット発シンガーソングライターの中でも、ネットという媒介を超えて人気を博しているミュージシャンの一人、Eve。本作にも収録されている「廻廻奇譚」がアニメ「呪術廻戦」主題歌に採用し、ロングヒットを記録しました。その同作も含め、全体的には疾走感あるギターロックのアレンジに、メランコリックなマイナーコード主体のメロディーラインがメイン。ただ、ほぼ全曲、マイナーコードのメロディーラインになっており、切なさを感じるメロディーラインはインパクトがあって耳を惹くものの、ちょっと一本調子かなという印象も受けてしまいます。前作「Smile」同様、前々作までのようないかにもボカロ系的な曲は減り、いい意味で一般性は増している感じもするのですが、もうちょっと曲のバリエーションが欲しい感じも。

評価:★★★★

Eve 過去の作品
おとぎ
Smile
廻廻奇譚 / 蒼のワルツ

1 OR 8/瑛人

ご存じ「香水」で一躍ブレイクした瑛人のニューアルバム。タイトルは「一か八か」という慣用句と、自身の名前(エイト=8)を掛けたものでしょう。基本的にアコースティックなサウンドをベースに、日常を暖かい視線から描く歌詞は確かにちょっと地味な感じもしますが、なかなか魅力的。このアルバムも含めて売上はいまひとつのようで、「香水」の一発屋になってしまいそうな感も強い彼ですが、正直、それにはちょっと惜しい感じがします。同じバラードナンバーでブレイクした優里がアルバムを含めてあれだけ売れていることを考えると、もうちょっと彼も売れていいような感じもするのですが、甘いルックスとそれに合った甘いラブソングを聴かせる優里は、確かに女性受けしそうだよなぁ・・・と感じたりもするのですが・・・。無骨な感のある彼にももうちょっと期待したいところです。

評価:★★★★

瑛人 過去の作品
すっからかん

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2022年5月20日 (金)

デビュー25周年

Title:SugarlessⅢ
Musician:スガシカオ

今年、デビュー25周年を迎えたシンガーソングライターのスガシカオ。その記念すべき25周年イヤーの第1弾リリースとなるのは、いままで2001年、2011年と10年に1度のサイクルでリリースしてきたコンセプトアルバム「Sugarless」シリーズの第3弾となります。アルバム未収録曲や他のミュージシャンへの提供曲のセルフカバーを収録したコンピレーションアルバム。もっともコンピレーションアルバムといっても、全12曲中4曲が新曲。4曲は配信シングル曲で、事実上のオリジナルアルバムと言ってもいい構成になっています。

さてスガシカオといえば、もともとオフィスオーガスタの中心的なミュージシャンとして人気を博していました。その後、2011年に独立。現在はSPEEDSTAR RECORDSから作品をリリースし、今に至っています。ただ、残念ながら独立後は売上的には下降傾向。本作も残念ながら最高位13位とベスト10入りを逃してしまいました。

しかし、楽曲の出来栄えとしては、むしろ独立後の方がより充実した作品を聴かせてくれています。独立後、初アルバムだった「THE LAST」も、独立後2作目となる「労働なんかしないで 光合成だけで生きたい」も、いずれも彼のキャリアを代表しそうな傑作アルバム。そしてそれに続く本作もまた、今の彼の充実ぶりをあらわす傑作アルバムに仕上がっていました。

独立後の作品が、本作を含めて充実作になっている大きな理由としては、やはり以前に比べると楽曲の自由度がグッと増した点が大きいのではないでしょうか。特に、彼が最も好むファンクミュージックを取り入れて、より「黒さ」を感じさせる作品がオフィスオーガスタ時代よりも増えています。本作でも冒頭「トワイライト★トワイライト」も、いきなりエッジの効いたギターサウンドからスタート。ファンキーなギターのサウンドがまずはカッコよさを感じさせます。「JOKER」もヘヴィーでファンキーなギターリフが怪しげで非常にカッコいいナンバー。「ハッピーストライク」も打ち込みのサウンドが80年代的な雰囲気を醸し出しつつ、ファンキーに聴かせるポップチューンに仕上がっています。

そんな「黒さ」を感じさせる楽曲を軸にしつつ「Music Train~春の魔術師~」のような爽やかなポップチューンや、切ない失恋の歌詞が胸をうつ「心の防弾チョッキ」、また小林武史プロデュースによる「ぼくの街に遊びにきてよ」のようなピアノで伸びやかに聴かせるミディアムチューンなど、バラエティー富んだ楽曲がズラリ。既発表曲のうちアルバム初収録となる曲を並べているのですが、スガシカオらしさがあらわれた曲の連続で、オリジナルアルバムとして聴いても、その流れに違和感がありません。

特に今回のアルバムで印象に強く残るのがラスト2曲。まずKAT-TUNへの提供曲「Real Face」。こちら、スガシカオは作詞のみの提供で作曲はB'zの松本孝弘。また今回、松本がプロデュースを手掛けています。かなりダイナミックなロックアレンジに仕上がっており、スガシカオの他の楽曲とは異なる雰囲気になっているのが逆にアルバムの中で大きなインパクトとなっています。そして最後は彼がKokua名義でリリースした「Progress」のセルフカバー。基本的にオリジナルに忠実なカバーになっているのですが、前向きな歌詞を含めてあらためて名曲だな、と感じさせるインパクトの強い作品に仕上がっています。

売上の傾向とは逆に、ミュージシャンとしての充実ぶりを感じさせる傑作アルバムに仕上がっていた本作。コンピレーションということで忌避しないで、是非とも聴いてほしい傑作だと思います。これだけ充実した作品が続くのなら、また人気的にも上り調子になりそうな感じがするのですが・・・。ちなみに25周年記念リリースはまだ続くのでしょうか?次のオリジナルアルバムも早く聴きたいです!

評価:★★★★★

スガシカオ 過去の作品
ALL LIVE BEST
FUNKAHOLiC
FUNKASTiC
SugarlessII
BEST HIT!! SUGA SHIKAO-1997~2002-
BEST HIT!! SUGA SHIKAO-2003~2011-

THE LAST
THE BEST-1997~2011-

フリー・ソウル・スガシカオ
労働なんかしないで 光合成だけで生きたい


ほかに聴いたアルバム

Doping Panda/DOPING PANDA

2005年にメジャーデビュー。ディスコテイストも強いダンサナブルなロックチューンで、特にライブなどで多くのリスナーを惹きつけたロックバンドDOPING PANDA。残念ながら2012年に解散してしまったのですが、なんとこのたび再結成。実に10年ぶりとなるニューアルバムをリリースしてきました。セルフタイトルとなった本作は、かつてのドーパンらしいダンサナブルな曲がメインなのですが、エレクトロサウンドをバリバリに聴かせるというよりは、よりギターロックの色合いが強い作品に。ロックバンドとしての彼らの矜持を感じさせる内容となっています。解散前にリリースされたアルバムは、ちょっとチルアウト気味の地味な作風が目立っただけに、セルフタイトル通り、実にドーパンらしさを感じるとも言えるアルバムに。これはライブも見てみたくなりました。

評価:★★★★★

DOPING PANDA 過去の作品
Dopamaniacs
decadance
anthem
THE BEST OF DOPING PANDA
YELLOW FUNK

余命10年~Original Soundtrack~/RADWIMPS

タイトル通り、映画「余命10年」のサントラ盤。基本的には、ピアノやストリングスでしんみり聴かせる劇伴音楽が収録されている曲。映画を観ていないのでなんとも言えないのですが、タイトルからある程度の方向性は推測できそうな映画なので、なんとなく映画の雰囲気にもマッチしてそう・・・。ラストは主題歌「うるうびと」が収録されているのですが、分厚いストリングスアレンジに、RADWIMPSらしい、情熱的なラブソングの歌詞となっており、ある意味、これでもか、というほどの仰々しさを感じます。ここらへんは良くも悪くもRADWIMPSらしいといった感じがするのですが、個人的にはちょっと暑苦しすぎるかなぁ。

評価:★★★

RADWIMPS 過去の作品
アルトコロニーの定理
絶対絶命
×と○と罰と
ME SO SHE LOOSE(味噌汁's)
君の名は。
人間開花
Human Bloom Tour 2017
ANTI ANTI GENERATION
天気の子
天気の子 complete version
夏のせいep
2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs
FOREVER DAZE

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2022年5月19日 (木)

いまだに大人気グループ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

Hot100は、まさに今をときめく若手ミュージシャンが1位2位を獲得しましたが、アルバムチャートは、30年近くにわたり、トップミュージシャンの地位を維持している人気グループが見事1位2位を獲得しました。

そんな訳で、今週の1位2位はMr.Childrenのベストアルバムが1位2位に並びました。1位は「Mr.Children 2015-2021&NOW」、2位には「Mr.Children 2011-2015」が並びました。タイトル通り、2012年にリリースされたベストアルバム「Mr.Children 2001-2005<micro>」「Mr.Children 2005-2010<macro>」に続く2011年以降にリリースした曲をまとめたベストアルバム。2001年にリリースされたベスト盤を含め、国内でCD媒体でリリースされたベスト盤としては、これが3度目。「Mr.Children 2015-2021&NOW」はCD販売数及びPCによるCD読取数がそれぞれ1位、「Mr.Children 2011-2015」はCD販売数及びPCによるCD読取数がそれぞれ2位と両方ともきれいに並びました。オリコン週間アルバムランキングでは「Mr.Children 2015-2012&NOW」が初動19万3千枚で1位、「Mr.Children 2011-2015」が初動18万5千枚で2位に初登場。ただ、前作「SOUNDTRACKS」の27万9千枚(1位)からはダウン。ベスト盤としての前作「Mr.Children 2005-2010<macro>」の初動73万2千枚(1位)及び「Mr.Children 2001-2005<micro>」の71万6千枚(2位)からは大きくダウン。もっとも、こちらは10年前のアルバムで、CDをめぐる状況も大きく変化しているので参考にはならないのですが・・・ただ、ミスチルというとブレイクしたのが1993年のシングル「CROSS ROAD」。それから30年近くが経過しているのに、いまだに第一線で人気を博しているのは驚くべき限りです。ただ、そのころ人気を博していたB'zもドリカムもスピッツも、いまだに第一線で人気を博しているだけに、逆にこの30年近く、音楽シーンの新陳代謝があまり進んでいないような気もしてしまうのですが・・・。

3位初登場は平井大「HOPE/WISH」。日本ではちょっと珍しい感じもするサーフミュージックをベースとしたシンガーソングライターによる新作。CD販売数3位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数28位。デビューが2008年という、既に中堅の域に入ったミュージシャンなのですが、ここ数作、人気が上昇しており、これが初のベスト3ヒット。オリコンでも初動売上1万4千枚で3位初登場。前作「THE GIFT」の4千枚(15位)から大きくランクアップしており、オリコンでは初のベスト10ヒットを記録しています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にはLeo/need「Leo/need SEKAI ALBUM vol.1」がランクイン。スマートフォン向けゲームを中心としたメディアミックスプロジェクト「プロジェクトセカイ」から登場した架空のグループによるアルバム。CD販売数5位、ダウンロード数1位、PCによるCD読取数16位。オリコンでは初動売上9千枚で5位初登場となっています。

5位初登場はAAA「AAA DOME TOUR 15th ANNIVERSARY-thanx AAA lot-LIVE ALBUM」がランクイン。現在、活動休止中のavexのダンスグループAAAによるライブアルバムで、デビュー15周年を記念して開催されたライブツアーの中の、昨年12月に行われた東京ドーム公演の模様をおさめた音源。CD販売数4位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数34位。オリコンでは初動売上1万枚で4位初登場。直近作はリミックスアルバム「AAA MIX CD」で同作の5千枚(19位)よりは大きくアップ。その前にリリースしたベストアルバム「AAA 15th Anniversary All Time Best -thanx AAA lot-」の11万5千枚(1位)よりは大きくダウンしています。

6位初登場はアニメソング系女性シンガーReoNa「Naked」。CD販売数6位、ダウンロード数15位、PCによるCD読取数48位。新曲3曲+既発表曲のニューヴァージョン1曲+それらの曲のインスト盤4曲が収録された、事実上のシングルとも言えるEP盤。オリコンでは初動売上7千枚で6位初登場。前作も同じような事実上のシングルとも言えるEP盤「月姫-A piece of blue glass moon-THEME SONG E.P.」で、同作の初動1万枚(5位)からはダウンしています。

7位にはThe Rolling Stones「Live At The El Mocambo」がランクイン。1977年にトロントの300名収容のクラブで実施されたシークレットライブの模様を収録したライブ盤。CD販売数7位、ダウンロード数22位、PCによるCD読取数21位。オリコンでは初動売上5千枚で8位初登場。直近作はBBCでのライブ録音の模様を収録したライブ盤「On Air」で、初動売上は横ばい(16位)となっています。

9位にはYUKI「Free&Fancy」がランクイン。CD販売数8位、ダウンロード数34位、PCによるCD読取数52位。こちらも3曲入りの、事実上のシングルとも言えるEP盤なのですが・・・なんでこの収録曲数でシングル扱いじゃないんだ??オリコンでは初動売上3千枚で9位初登場。前作「Terminal」の1万6千枚(2位)からは大きくダウンしています。

最後、10位にはニューヨークを拠点に活動する2人組ユニットThe Chainsmokers「So Far So Good」がランクイン。CD販売数は25位でしたが、ダウンロード数で4位にランクインし、総合順位では見事ベスト10入り。オリコンでは初動売上1千枚で22位初登場となっています。

一方、ロングヒット盤として、藤井風「LOVE ALL SERVE ALL」。先週の2位から8位にダウンしたものの、これで8週ぶりのベスト10ヒットとなりました。今週は新譜の多さもあって大きくダウンした結果となりましたが、来週は再度のランクアップとなるか、それとも??

そして先週、ランクアップしてきた多くのロングヒット盤は残念ながら今週はベスト10圏外になってしまいました。Ado「狂言」は12位、優里「壱」は11位、YOASOBI「THE BOOK 2」は16位、宇多田ヒカル「BADモード」は14位にそれぞれランクダウン。いずれの曲も先週で通算10週目のベスト10ヒットという、奇遇な結果となっていましたが、今週は仲よくそろってランクダウンとなりました。

今週のHot100は以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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