2023年6月 5日 (月)

ノスタルジックあふれる

Title:EVERYTHING HARMONY
Musician:The Lemon Twigs

ブライアン・ダダリオ、マイケル・ダダリオの2人組からなるアメリカのポップスデゥオ、The Lemon Twigs。2020年にリリースした前作「Songs for the General Public」も大きな話題となりました。その前作は、80年代を彷彿とさせる爽快なポップチューンの並ぶ作品。懐かしさを感じられるメロディスなメロディーラインも大きな魅力で、高い評価も納得の作品に仕上がっていました。

今回のアルバムも、前作同様、ノスタルジックあふれるメロディーラインが大きな魅力となっているのですが、今回のアルバムは前作以上にアコースティックテイストが強く、80年代ポップスというよりも、むしろさらに前の世代のフォークソングからの影響を感じる作品が並びます。冒頭を飾る「When Winter Comes Around」はアコギのアルペジオに2人のコーラスラインが美しい、ともすればサイモン&ガーファンクルを彷彿とさせるナンバー。続く「In My Head」はギターサウンドメインなのですが、こちらはビーチボーイズを思い起こすような爽やかなサウンドとメロディーが大きな特徴となっています。

「Any Time Of Day」も2人のコーラスラインを美しく聴かせる切なくメロディアスなナンバーで、こちらは80年代のAORを思い起こさせるような楽曲に。「I Don't Belong To Me」もメランコリックに聴かせるピアノバラードで、しんみり聴かせるボーカルも魅力的。「Every Day Is The Worst Day Of My Life」も皮肉たっぷりの歌詞とは逆説的に、アコギの調べが耳を惹く清涼感あるポップチューンとなっています。

全体的にはアコースティックなサウンドが主体のアルバムになっているのですが、一方では「What You Were Doing」「Ghost Run Free」のようなエレキギターとバンドサウンドを前に押し出したポップチューンも大きな魅力で、アルバムの中での大きなインパクトとして機能しています。ここらへんはTEENAGE FANCLUBやラーズあたりを彷彿とさせるポップチューンとなっています。

ノスタルジックあふれる美しいメロディーラインが大きな魅力である本作。上記にも、いろいろなミュージシャンたちを彷彿させる、という感想を書いたように、正直言うと、どこかで聴いたことあるような・・・という印象を受ける作品でもある、そういう点はひとつの弱点のようにも感じました。

ただ、その点を差し引いても、彼らが奏でる美しいサウンドとノスタルジックさあふれるメロディーラインは大きな魅力であることは間違いありません。過去の模倣的な部分は否めないのですが、その点を差し引いても十分な傑作と言えるアルバムだったと思います。メロディーはインパクトもあるし、十分売れそうなアルバムなのですが、現時点で残念ながら本作もビルボードのインディーチャートで6位にランクインされたのみ。ただ、最近、インディーバンドも一気に売れる傾向があるだけに、彼らも近いうちにブレイクするかも?広いリスナー層にお勧めできそうなポップスアルバムでした。

評価:★★★★★

The Lemon Twigs 過去の作品
Songs For The General Public

| | コメント (0)

2023年6月 4日 (日)

ロックオペラ完結

Title:ATUM-actⅢ
Musician:The Smashing Pumpkins

以前にも第1弾、第2弾と紹介している、アメリカのオルタナティブロックバンド、The Smashing Pumpkinsの壮大なロックオペラプロジェクトの第3弾。決して尻つぼみみなることなく、4月に無事、全3枚組となるCDもリリースされ、プロジェクトは完結されました。第1弾、第2弾は以前も紹介しているので、今回は第3弾、actⅢの紹介です。

基本的に3部作の最終作となるので、楽曲としての方向性は以前と変わりありません。ストリングスで伸びやかに聴かせるオープニング的な「Sojourner」は優雅さと爽やかさを兼ね備えたような作品で、まずは気持ちの良いアルバムの幕開けとなります。続く「That Which Animates the Spirit」は出だしこそアコースティックなサウンドからスタートするのですが、楽曲が本格的にスタートするとメタリックなギターリフを主導に構成されたダイナミックなナンバー。そこに流れるメロディーラインは至ってメランコリックで、ある意味、スマパンらしい作品と言えるでしょう。

その後もメランコリックに聴かせる「Pacer」に、ヘヴィーなギターリフ主導のロックなナンバー「In Lieu of Failure」、スペーシーなシンセのサウンドに悲しげなメロディーラインが重なる「Fireflies」など、基本的にはいかにもスマパンらしいメランコリックなメロディーラインを主体としつつ、時にはしんみり聴かせ、時にはヘヴィーなバンドサウンドでロックに聴かせるナンバーが並んでいきます。

特にアルバムの中でもインパクトが強かったのが「Spellbinding」で疾走感あるノイジーなギターサウンドでオルタナロック色が強い楽曲。ポップなメロディーラインも耳を惹く楽曲となっており、ある意味、この壮大な3部作のロックオペラの最後を締めくくるにふさわしいロックチューンとなっていました。

シンセも積極的に取り入れている一方、比較的ダイナミックなロックチューンも目立ち、全体的にはバンドサウンド色も目立ち、スマパンらしいアルバムになっていたため、初期からのファンにとってもロック色の強さから、楽しめる作品になっていたのではないでしょうか。もっとも一方では、スマパンらしいアルバムになっていたとはいえ、新鮮味はなく、そういう意味ではこれだけ力を入れた3部作のロックオペラの割には、目新しさはなかったかな、という印象も受けました。

とはいえ、メランコリックなメロディーラインやサウンドはスマパンらしさがしっかりと出ており、そういう意味では十二分に楽しめたアルバムだったと思います。3部作を一気に聴くのは大変かもしれませんが、インパクトのあるメロの曲も多いため、意外とあっさりと楽しめてしまうかも。スマパンらしさがつまった重厚なロックオペラでした。

評価:★★★★

The Smashing Pumpkins 過去の作品
Teargarden by Kaleidyscope
OCEANIA
(邦題 オセアニア~海洋の彼方)
Monuments to an Elegy
SHINY AND OH SO BRIGHT,VOL.1/LP:NO PAST.NO FUTURE.NO SUN.
CYR
ATUM-actⅠ
ATUM-actⅡ


ほかに聴いたアルバム

ー/Ed Sheeran

イギリスの国民的SSW、エド・シーランの最新アルバム。アルバムタイトルが「+」「×」「÷」「=」と来て、大方の予想通り、最新作のタイトルは「-」となりました。ちなみに読み方は「マイナス」ではなく、減算を意味する「Subtract」と読むそうです。エレクトロサウンド主体だった前作から一転、今回のアルバムはアコースティックなサウンド主体という方向性に。ここに彼らしいメランコリックなメロディーラインが加わり、目新しさこそないものの、壺をついたような楽曲で安心して聴けるアルバムになっていました。

評価:★★★★

Ed Sheeran 過去の作品
+
÷
No.6 Collaborations Project

| | コメント (0)

2023年6月 3日 (土)

詩羽ボーカルとしてのスタイルを確立

Title:RABBIT STAR★
Musician:水曜日のカンパネラ

ボーカルがコムアイから詩羽に変わって2枚目となるEP盤。言うまでもなくボーカルというのはユニットにとっての「顔」であり、もっと言えば水曜日のカンパネラではコムアイ以外のメンバーはほとんど表に出てきていなかっただけに、ともすればファン以外にとっては水曜日のカンパネラ=コムアイ、的な立ち位置だっただけに、このメンバーチェンジというのはかなり大きな驚きを持って迎えれられました。

ところが!予想外に詩羽のボーカルが楽曲にマッチ。現時点において詩羽のボーカルで発表された楽曲はEP2枚分14曲しかないにも関わらず、既に水曜日のカンパネラのボーカルは詩羽以外に考えられないくらいにすらなっています。特にコムアイ時代の末期においては、少々大いなるマンネリ気味になっており、人気面でもやや停滞していた感がったのですが、ボーカルの入れ替えによって再びユニットとして活性化。「エジソン」のヒットもあって、新たなファン層も流入してきています。

今回のEP盤も全6曲入りながらも、全曲シングルカットできそうなくらいのキラーチューン揃い。EPの前作「ネオン」も傑作アルバムでしたが、今回のEPも、現在の彼女たちの勢いを感じさせる傑作に仕上がっていました。

とはいえ、基本的な楽曲の方向性は、コムアイ時代から大きく変化した訳ではありません。軽快でポップなエレクトロチューンに、少々シニカルな視点を入れつつ、ユニークにまとめた歌詞が大きな魅力。今回のEPでも、例えば「金剛力士像」は運慶・快慶の歴史上の登場人物をネタとした曲ですし、「赤ずきん」「ティンカーベル」は「桃太郎」から続く童話ネタ。「シャドウ」はコムアイ時代の代表曲「シャクシャイン」に並ぶような、自動車道の名前をラップ的に連呼する楽曲になっています。

サウンド的にはエレクトロという共通項がありつつ、ピアノも入って爽快にまとめた「金剛力士像」に力強いビートが特徴的な「シャドウ」に、「鍋奉行」ではアニメのエンディングらしい、ユーモラスな歌詞が特徴的ですが、サウンドは高速ビートで攻撃性のあるサウンドが特徴的。ラストの「ティンカーベル」もディープハウスで陶酔感のあるサウンドになっているなど、6曲ながらもバラエティーある展開が楽しめます。

一方で、やはりコムアイと詩羽は似ている部分もありつつ、ボーカリストとして異なる特徴を持っており、類似点で過去の水曜日のカンパネラとの一貫性を保ちつつ、詩羽ならではの特徴で、新たな方向性を感じさせる曲も聴かせてくれます。その最たるものが「赤ずきん」。この2人のボーカリストは、どちらも比較的必要以上に感情をこめない淡々とした部分がありつつ、コムアイはどこかほんわかした雰囲気を持っていたのに対して、詩羽はちょっとドスの利いたボーカルも聴かせられる点が特徴的。この「赤ずきん」ではそんな詩羽のスタイルを生かしたドスを利かせたボーカルを歌詞にも上手く当てはめており、詩羽ボーカルの水曜日のカンパネラらしい楽曲に仕上がっていました。

あらためて言うけど、本当に水曜日のカンパネラは詩羽ボーカル以外考えられない、というほどにわずか2枚のEPでモードチェンジしてしまった、という事実にはまさに驚かされます。また、大きなるマンネリ気味だったからこそボーカルを変えてスタイルを一新し、あらたに勢いを盛り返したという点も驚くべき事実です。本作も文句なしに本年度のベスト盤候補にあがるほどの大傑作。まだEPしかリリースしていないのですが、来るべくフルアルバムも実に楽しみになってきます。これからも彼女たちの活動から目を離せなさそうです!

評価:★★★★★

水曜日のカンパネラ 過去の作品
私を鬼ヶ島へ連れてって
ジパング
UMA
SUPERMAN
ガラパゴス
猫は抱くもの(オリジナル・サウンドトラック)
YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ&オオルタイチ)
ネオン


ほかに聴いたアルバム

BLUE BLUR/SIRUP

Blueblur

SIRUPの6曲入りのEPは「ポジティブな絶望」をテーマとした作品。「ポジティブな絶望」って何??といった感じなのですが、ここ最近の彼の活動の中で浮かび上がってきた感情だそうで、知名度も上がってくる中、彼の周りで様々な出来事が起こったのでしょうか?とはいえ作品全体は軽快なエレクトロビートで非常にポップで聴きやすい作品になっています。一方、メロディーラインは哀愁感漂うものとなっており、ここらへんが「絶望」っていった感じなのでしょうか??いい意味で聴きやすさを感じる作品になっていました。

評価:★★★★

SIRUP 過去の作品
FEEL GOOD
cure

MOONAGE/中田裕二

約1年半ぶりとなる中田裕二のニューアルバム。ベスト盤リリース後、初のオリジナルとなった前作「LITTLE CHANGES」ではタイトルとは裏腹に、さらに彼の世界観を深化させるような作品になっていましたが、今回の作品もその方向性が続きます。これでもかというほど哀愁感たっぷりのメロディーラインで聴かせる彼のスタイルは、ある意味、完全に完成されたスタイル。大いなるマンネリといった感も否めないのですが、ただ日本人の琴線に触れそうなメロディーラインを楽しめるアルバムになっています。

評価:★★★★

中田裕二 過去の作品
ecole de romantisme
SONG COMPOSITE
BACK TO MELLOW
LIBERTY
thickness
NOBODY KNOWS
Sanctuary
DOUBLE STANDARD
PORTAS
TWILIGHT WANDERERS -BEST OF YUJI NAKADA 2011-2020 -
LITTLE CHANGES

| | コメント (0)

2023年6月 2日 (金)

まだまだ魅力的な5枚目

Title:Kemekem
Musician:UKANDANZ

今回紹介するUKANDANZは、フランス人ギタリストのダミアン・クルュゼルのバンドに、エチオピア人のボーカリスト、アスナケ・ゲブレイエスが加わり、エチオピアの音楽を取り込んだことで話題となったバンド。2012年にリリースされたデビューアルバム「Yetchalal」は日本でも話題となり、国内盤もリリース。ただ、デビュー時で話題になっても、その後継続的に取り上げられないケースが多いのが日本の音楽シーンの悲しい性。とはいえ、UKANDANZは、それなりに好評だったのか、2ndアルバム、3rdアルバムも国内盤がリリースされています。

ただ、残念ながら国内盤のリリースもここまで。メディアでもほとんど取り上げられなくなった影響で、私も3枚目のアルバムまで追いかけていたのですが、昨年リリースされたらしい、4枚目のアルバムについてはノーチェックでした。というわけで、1枚飛ばして彼らの5枚目となるニューアルバム。久しぶりに彼らのアルバムをチェックしてみました。

もともとバンド名の「UKANDANZ」という名前、英語の「You can dance」に由来するように、デビューアルバムは非常にダンサナブルな作品に仕上がっていました。それに対して2作目は、プログレッシブロックの影響を感じさせる、「音を聴かせる」という路線にシフト。さらに3作目は再びダンスの方向性に回帰と、アルバム毎に方向性を変えるものの、逆に言えば、それだけ様々な音楽性を内在したバンドと言えるかもしれません。

そんな中、今回のアルバムはダンスという原点よりも、より「音を聴かせる」スタイルに再びシフトしているように感じます。1曲目「Ajebeshe lideresh new」はエチオピア音楽らしい、こぶしを利かせた歌が大きな魅力である一方、ホーンセッションも入って分厚く聴かせるサウンドは、ダンサナブルというよりもグルーヴ感を聴かせるサウンドになっています。続く「Alegntaye」も力強いボーカルのバックに聴かせるのは、ノイジーにゆっくり聴かせるダイナミックなバンドサウンドなのですが、こちらもプログレッシブロックの色合いは強く感じます。

中盤のタイトルチューン「Kemekem」も哀愁感ただようエチオピア音楽らしいメロディーラインにダイナミックなバンドサウンドが魅力的。基本的に、このプログレ的でダイナミックなバンドサウンドをバックに、哀愁感のあるメロディーを、こぶしを利かせたボーカルで歌い上げるというスタイルの曲が並びます。グルーヴ感のあるバンドサウンドに圧倒されつつ、メランコリックなメロディーラインにどこか懐かしさも感じる・・・そんなエチオピア音楽と西洋のロックが融合された音楽性は今回も健在でした。

ちなみに唯一、バンド名らしい踊れるナンバーが中盤の「Endihe new fiker」。ホーンセッションも軽快で楽しく、ダンサナブルなリズムが耳を惹きます。これはライブで盛り上がりそう。以前、「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」でのステージを見た事があるのですが、彼ら、また来日してくれないかなぁ。

そんな訳で、1枚スルーしてしまったのですが、UKANDANZの魅力はまだまだ健在ということがわかった1枚。今回はダンサナブルというよりはバンドとしての迫力ある演奏が魅力的な作品になっていました。哀愁感あるメロディーラインには意外と人なつっこさもありますし、ワールドミュージック好きのみならず、ロックリスナーにもおすすめのアルバムです。

評価:★★★★★

UKANDANZ 過去の作品
Yetchalal
AWO
Yeketelale


ほかに聴いたアルバム

AS PALAVRAS, VOL. 1 & 2/Rubel

Rubel

ブラジルのシンガーソングライター、フーベルによる、約5年ぶりとなるアルバム。アコースティックなサウンド主体で聴かせるブラジル音楽で、メロディーラインもメロウに聴かせる内容。ただ、意外とインパクトあってヒットチャートも狙えそうなポップであか抜けた側面を持った楽曲が特徴的で、そういう意味では幅広いリスナー層にアピールできそうな作品に仕上がっていました。

評価:★★★★

| | コメント (0)

2023年6月 1日 (木)

今週もアイドル系が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週もアイドル系が目立つチャートとなっています。

まず1位は韓国の男性アイドルグループENHYPEN「DARK BLOOD」が獲得。CD販売数及びダウンロード数で共に1位を獲得。韓国盤の4枚目となるミニアルバム。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上16万3千枚で1位初登場。直近の日本盤オリジナルアルバム「定め」の初動23万2千枚(1位)からダウン。韓国盤のミニアルバムの前作「MANIFESTO:DAY1」は、販売の都合上、2週目に12万2千枚を売り上げて1位を獲得していますが、その売上よりはアップしています。

2位は先週1位だったSnow Man「i DO ME」がワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

3位は韓国の女性アイドルグループaespa「My World」がCDリリースの影響で先週の70位から大きくランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。ダウンロード数は24位から31位にダウンしているもののCD販売数が3位を獲得し、総合順位でベスト3入りとなりました。もともと5月8日にリリースされており、先々週のオリコンでランクインしていました。輸入盤ということで当初ランクインしていなかったのですが、今週のチャートではCD販売数がランクイン。おそらくワーナーミュージックストアでの限定特典付き販売分が加味された影響と思われます。オリコンでも先週の12位から3位にランクアップし、ベスト10返り咲きとなっています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にGirls2「Countdown」がランクイン。CD販売数4位。テレビ東京系ドラマのガールズ×戦士シリーズのメンバーで構成されたアイドルグループ。毎回、事実上のシングルをEP盤としてアルバムにランクインさせてくるのですが、本作も3曲+同曲のインスト3曲の6曲入りという事実上のシングル。オリコンでは初動売上2万3千枚で5位初登場。前作「Love Genic/Bye-Bye-Bye」の初動1万5千枚(6位)からアップしています。

6位には「うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING BIRTHDAY SONG CD」が初登場。CD販売数6位。女性向け恋愛ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」より、登場キャラの誕生日に配信していた「SHINING BIRTHDAY SONG」シリーズをまとめたアルバム。オリコンでは初動売上2万3千枚で6位に初登場しています。

7位には初登場組では唯一のロック系。Superfly「Heat Wave」が初登場。CD販売数8位、ダウンロード数4位。オリコンでは初動売上1万4千枚で7位初登場。前作「0」の初動4万1千枚(3位)より大きくダウンしてしまっています。

8位初登場はSUPER JUNIOR-YESUNG「君という桜の花びらが僕の心に舞い降りた。」。韓国の男性アイドルグループSUPER JUNIORのメンバー、イェソンによる日本盤のソロアルバム。オリコンでは初動売上1万1千枚で9位初登場。日本盤の前作「STORY」の初動1万枚(7位)から微増。

最後10位にはavex所属の5人組男性アイドルグループDa-iCE「SCENE」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数5位。オリコンでは初動売上1万枚で10位初登場。前作「SiX」の初動1万5千枚(4位)からダウンしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2023年5月31日 (水)

7週連続1位を獲得

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

これで7週連続の1位です。

Yoasobiidle

今週の1位はYOASOBI「アイドル」が7週連続で獲得。ストリーミング数、YouTube再生回数に加えて、今週はダウンロード数及びカラオケ歌唱回数でも1位を獲得。圧倒的な強さを見せつけての1位獲得となりました。

一方、スピッツ「美しい鰭」はワンランクダウンながらもこちらも3位とベスト3をキープ。ストリーミング数は先週と変わらず2位。ダウンロード数は4位から6位にダウン。一方、YouTube再生回数は21位から19位と若干のアップとなっています。

この2曲に割り込む形で2位にランクインしたのが先週10位にランクインしたINI「FANFARE」。日韓合同事務所のLAPONEエンタテイメント所属の日本人アイドルグループ。CDリリースに合わせて、CD販売数で1位を獲得。ダウンロード数も34位から2位、ラジオオンエア数は5位から1位にアップし、総合順位でベスト3入りとなりました。オリコン週間シングルランキングでは同曲を収録したシングル「DROP That」が初動売上34万5千枚で1位初登場。前作「M」の初動49万5千枚(1位)からはダウンしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず5位に22/7「僕は今夜、出て行く」がランクイン。秋元康が手掛ける声優+バーチャルアイドルのグループ。CD販売数2位、その他はすべて圏外となり総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上6万8千枚で2位初登場。前作「神様だって決められない」の初動5万9千枚(2位)よりアップ。

もう1枚もアニメキャラによるグループですが、結束バンド「光の中へ」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数3位。アルバム人気の割には、といった感もあるのですが、ストリーミング数やYouTube再生回数が圏外のあたり、なかなかファン以外に遡及していっていない感も。ちなみに作詞作曲はSAKANAMONの藤森元生で、SAKANAMONはその実力の割にいまひとつ売れていないバンドなだけにこうやって取り上げられるのはうれしいところ。オリコンでは初動売上2万6千枚で4位初登場。

一方、ロングヒットではVaundy「怪獣の花唄」が5位から4位にアップ。じわりと順位を上げてきています。ストリーミング数3位は先週から変わらず。ダウンロード数も22位から12位、YouTube再生回数も14位から11位にアップ。ただ先週まで12週連続で1位を獲得してきたカラオケ歌唱回数はYOASOBI「アイドル」に譲る形で2位にダウンしています。これで21週連続のベスト10ヒット。

Official髭男dism「Subtitle」も9位から8位にじわりとアップ。YouTube再生回数は15位から16位にダウンしたものの、ストリーミング数は6位から5位にアップしています。こちらは33週連続のベスト10ヒット。また「TATOO」も7位から6位にアップし、今週も2曲同時ランクインとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

2023年5月30日 (火)

いつかは行きたいと思っていたライブ

SEX MACHINEGUNS なーるほど ザ ワイルド 春の祭典25周年スペシャル

会場 RAD HALL 日時 2023年5月19日(金) 19:00~

以前から一度行ってみたい・・・と思っていたSEX MACHINEGUNSのライブ。一番売れていた時期はチケットの確保が非常に困難で、いままで足を運べなかったのですが・・・最初に行きたいと思っていた頃から20年近い歳月を費やし、ようやく足を運ぶことが出来ました。

Machineguns_live

会場は名古屋大須にあるRAD HALL。実は今回、はじめて足を運んだライブハウスだったりします。雑居ビルの地下1階という、ライブハウスとしては典型的な場所に位置するキャパ300の箱。ちょっとユニークなのは、ドリンク代が600円なのですが、チケットが2枚渡され、アルコールなら2枚、ソフトドリンクなら1枚渡す形。要するに、ソフトドリンクなら2杯飲めるという訳で、ある意味、良心的なシステムといった感じでした。

客の入りはほぼほぼ埋まってはいるものの、余裕をもって見られるという感じで、200名程度の入りといった感じでしょうか。帰ってから調べると、一番売れていた頃には市民会館2デイズだったツアーもあったそうなので、その頃に比べると、かなり寂しさを感じてしまいます・・・。

19時10分くらいでメンバーが登場。もちろん会場は大歓声の中のスタートとなるのですが、1曲目はいきなり「みかんのうた」からスタート!さらに「ファミレスボンバー」といきなり代表曲からのスタートに会場のテンションはいきなりマックスに上がっていきます。新型コロナの取り扱いが変わり、ライブ会場での声出しもOKとなったこの日のライブ、思わずテンションをあげて叫んでしまったライブのスタートでした。

その後のMCはまずメンバーのSHINGO☆が中心となったMCで会場を沸かせます。さらに、「サンシャイン」「とうちゃん」から「ONIGUNSOW」と過去からのナンバーの連続。はじめてライブに足を運んだ私にとっては、やはり昔からの曲が聴けるというのはうれしい展開でした。

2度目のMCは、現在はサポートメンバーであるギターのSUSSY。正式メンバーではないはずなのですが、ほとんど扱われ方が正式メンバーと変わらないのですね(笑)。その後は最新アルバム「地獄の暴走列車」から「震え」「The Grave」と続きます。

その後のMCは満を持して(?)、AnchangがメインとなるMC。個人的にどうしてもマシンガンズのイメージというと、初期のイメージが強く残っていたので、大変失礼ながらも、風貌が思ったよりおじさんっぽかったのはちょっとビックリしました。ただ、「犬の生活」に続く「みどりのおばちゃん」では高音部出まくりの迫力満点のメタルなボーカルを聴かせてくれます。現在、もう御年53歳なのですが、その年齢を全く感じさせない、ともすれば「艶のある」とも表現できそうなボーカルで、その点もビックリさせられました。

ここでメンバーは一度ステージ上から去り、ドラムのTHOMASだけ残ります。最後はTHOMASのみのMC。さらにそのMCからドラムソロに続き、しっかりと見せ場でその激しいドラムプレイを聴かせてくれます。その後、再びメンバーが登場し、再び最新アルバムから「燃えろ!!ジャパメタ」、そして逆に懐かしい「愛人28」と続きます。

そしてラストは「語れ、涙」から、これまた懐かしい「桜島」、そして本編ラストは「BURN」で盛り上がり、本編は終了となりました。もちろん盛大なアンコールが起こり、その後は比較的あっさり、まずは1人づつ登場。1人毎にまたメインでMCを取りながら、アンコールのスタートとなりました。

アンコールでは「そこに、あなたが…」でしんみり聴かせつつ、そこから一転、最新アルバム「ポ」では、SHINGO☆のボーカルもあって、彼ららしい非常にユーモラスなナンバー。そしてラストは、ある意味彼らのテーマ曲とも言える「SEX MACHINGUN」で締めくくり。最後は会場全体のノリも最高潮に達し、ちょうど2時間のステージは幕を下ろしました。

以前、彼らが今よりもっと売れていたころ、「マシンガンズのライブはすごいから、一度是非見ておくべき」という評判をよく聞いていました。それだけに一度見てみたいと思っていたものの、その当時はチケットも取れず、今まで一度も彼らのライブは見ることが出来ませんでした。

それから20年近くが経過して、正直、今のマシンガンズはその当時と比べると、淋しい状況になってしまっています。それだけにライブに関してもそこまでは期待せずに足を運んだのですが・・・・・・いや、大変申し訳ありません、かつて「一度は見ておくべき」と言われた理由が、今になっても十分すぎるほど感じられる素晴らしいステージでした!

まずバンドとしての技量が半端ありません!!これでもかというほど押し寄せてくる爆音の嵐。ただ一方で聴いていて決して不快にならず、それぞれの楽器の音がしっかり主張して聴こえてくるのは、それだけのテクニックを持っているということなのでしょう。今となっても全く衰えないどころか、むしろベテランバンドとなってすごみを増した感すらあるそのステージングに驚かされました。

また、マシンガンズの大きな魅力といえば、本格的なメタルのサウンドと、そんなメタルのサウンドに全くマッチしないようなユニークな歌詞。このサウンドと歌詞のギャップが彼らの魅力なのですが、ライブではCD音源以上にメタルのサウンドが本格的かつ迫力があり、歌詞とのギャップが、CD音源以上に際立って聞こえてきます。そのため、マシンガンズの魅力がCD音源以上に増幅されて伝わってきました。

予想外に素晴らしいステージで驚いています。今年のベストライブ候補の1本なのは間違いないでしょう。それだけに、全盛期と比べて、なぜキャパ300程度のライブハウスで見れてしまうのか、というのはちょっと意外な感じ。人気面はともかくとして、そのライブの魅力は全く衰えていないと思うのですが・・・。それだけに「CDは聴かなくなったけど、ライブには足を運ぶ」というファン層がもっともっといてもいいと思うんですけどね。途中のMCで「自分たちは大きい会場の方が映える」といっていて「ダイアモンドホールくらいでやりたい」と言っていたのですが、正直、これだけのライブをやっていたら、ダイホくらい十分埋められるだけの動員があっても不思議ではないと思うのですが・・・かつて足を運んでいたファンはどこに消えたのでしょう?まあただ、活動休止期間とかもあったので、その時に一気に・・・といった感もするのですが・・・。

これは、また是非とも足を運びたい!そう強く感じたステージでした。いまさらながら、久しぶりにSEX MACHINEGUNSにはまってしまいそうな素晴らしいステージでした。

| | コメント (0)

2023年5月29日 (月)

かつて社会現象になったバンドの自叙伝

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

1990年に当時大流行していたテレビ番組「いかすバンド天国」への出演を機に話題となり、一時期は「たま現象」とも呼ばれる社会現象的な人気を博したバンド、たま。そのメンバーである石川浩司がたまでの活動を綴った自叙伝「『たま』という船に乗っていた」です。この本を元とした漫画がWeb上で連載され、発売されたものを以前紹介しました。もともと、元となる本書は書籍の形でリリースされていたものが一度は絶版。その後、石川浩司のWebサイト上にアップされていたのですが、漫画連載に合わせて掲載を取りやめていたものを、今後は逆に漫画化につられる形で書籍にて再販されたのが同書となります。

その漫画版の方がおもしろかったので、原作の方も今回購入。もちろん、内容の方は漫画版とほぼ一緒です。ただ、石川浩司の書く文章は非常に軽快な文章。口語中心の文章なのですが、ともすればこの手の軽薄体はむしろ読みにくいケースも多いのですが、彼の文書はスラスラと読むことが出来ます。なにげに文書を書く才能も感じてしまいます。

一方で、漫画版と比べてみると、漫画版の方は非常によく出来た内容ということを感じます。特に原作の方は軽快な文体なだけに、様々な出来事が、思ったよりもサラッと書いてしまっていて、場面によっては「え、このくらいで終わり?」と思ってしまい部分は少なくありません。個人的に同書に興味を持ったのは、たまが経験してきた、80年代あたりのアンダーグラウンドシーンや、ブレイク後のバンドブーム最中の音楽シーンなどについて、裏事情も含めて、当事者としての視点を知ることが出来るかな、という興味がありました。

実際、そういう当事者ならではの記述も少なくはなかったのですが、全体的には比較的あっさりとした内容。その点はちょっと残念に感じました。ただ、その原作と比べると漫画版の方は、そこに「絵」が加わることによって、当時の雰囲気がより伝わってくる内容に。ここらへん、漫画化にあたって当時の状況などを取材したのでしょうね。何気に漫画版の方が、原作にしっかり肉付けをされており、この凝った仕事ぶりをあらためて実感できました。

ただとはいえ、石川浩司本人の書く軽快な作風の本作も魅力的。メンバーとしてバンドを楽しく演っていたんだな、ということが伝わってきます。特にたまというと、世間一般では「一発屋」というイメージが強く、特に売れなくなってからは、苦労した・・・とみられがちなのですが、この本を読むと、そんな悲壮感は全く無し。ここらへんはバンドとしてあくまでもマイペースに活動を続けてきたからでしょうし、また、本書でも書いているのですが、最後まで音楽一本でごはんが食える程度には稼いでいたみたいで、そういう意味では、本書でも書いてありますが、売れなくなってからも活動としては全く変わらなかったということを、本書の軽快な文体からも感じ取れます。

そんな訳で、このたまの歩みについて、非常におもしろく読むことができる1冊。たまというバンドを、名前程度、あるいはヒットした「さよなら人類」程度しか知らない人でも、これはこれで楽しめる1冊だったと思います。とても楽しい1冊でしたし、あらためてたまの曲についても聴いてみたくなった1冊でした。

| | コメント (0)

2023年5月28日 (日)

懐かしのユニットの約24年ぶりの新作

Title:Fuse
Musician:Everything But The Girl

アラフォーか、あるいはアラフィフくらいの世代の方にとってみれば、このバンド名だけで「懐かしい!」という感覚になるのではないでしょうか。イギリスの男女2人組ユニット、Everything But The Girl。ネオアコ系のユニットとして日本でも大きな話題となったユニット。彼女たちが活動していた90年代中盤は、いわゆる渋谷系の全盛期で、タワレコやHMVなどの外資系CDショップでは、このタイプの「おしゃれな」洋楽がかなりプッシュされ、売れまくっていた記憶があります。1992年の来日公演では、東京でNHKホール2日+中野サンプラザ公演を実施しており、その当時の人気の高まりを感じさせます。

その後、気が付いたら名前を聴かなくなってしまったので、どうしたんだろう?と思ったのですが、どうも2000年にはユニットが解散したようです。ただ、ちょっとおもしろいのは、メンバーの2人の間には解散前に子供がうまれ、解散後に入籍。今に至っているそうで、解散理由も子供との時間を大切にしたかったからだとか。通常、この手の男女2人組ユニットというと、活動中に結婚するものの、離婚を機にユニットも解散・・・というのがよくありがちなケースなのですが、彼女たちみたいに解散後に結婚というのは、かなりレアケースでは?

そして今回、なんと約24年ぶりとなるニューアルバムをリリースし、大きな話題となっています。ただ、ネオアコ系というイメージを持ってこのアルバムを聴くとちょっとビックリするのではないでしょうか。1曲目「Nothing Left To Lose」はいきなりリズミカルな4つ打ちのエレクトロチューンからスタート。2曲目「Run A Red Light」はメロウなボーカルを聴かせてくれるものの、サウンドはエレクトロ主体。続く「Caution To The Wind」では再び4つ打ちのエレクトロチューンとなります。

もっとも、彼女たちの曲のうちもっともヒットした「Walking Wounded」では既にエレクトロの方向性にシフトにしていましたので、20年以上の月日を経たといっても、基本的には以前の活動の延長線上、と言えるかもしれません。もっとも、中盤では「When You Mess Up」のようなピアノをベースとして、抱擁感ある歌声を聴かせる楽曲があったり、「Time And Time Again」のような、打ち込みのリズムを入れつつも、メロウなボーカルで伸びやかに聴かせる楽曲になったりと、初期のAOR的な要素を取り入れた作風も今回のアルバムで感じることが出来ます。

その後も「Lost」「Interior Space」など、哀愁感たっぷりに聴かせるナンバーなども顔を覗かせたりして、ここらへんもネオアコ系と言われた頃に好きになった方にとっても納得のいく内容になっているのではないでしょうか。最後は「Karaoke」というタイトルになっているのですが、インスト曲ではなく、幻想的に聴かせるボーカル曲で締めくくられています。

全体的にいままでのETBGの集大成的とも言えますし、またベテランユニットになった彼女たちの余裕も感じられる落ち着いた作風とも言える作品になっていたとも言えるでしょう。どちらにしろ、久々のアルバムなのですがブランクを全く感じさせない(まあ、二人は解散中も「夫婦」でしたのでそういう意味でブランクなどないのでしょうが)傑作に仕上がっていました。ちなみに本作、全英チャートで3位となっており、自己最高位を更新するという驚きの結果になっています。これを機に、また本格的に活動を続けそう。また日本でもETBGの人気が高まりそうです。

評価:★★★★★

| | コメント (0)

2023年5月27日 (土)

懐かしさを感じる曲調にワクワクさせられるポップス

Title:That! Feels Good!
Musician:Jessie Ware

イギリスはロンドン出身のシンガーソングライターによるニューアルバム。日本では残念ながらさほど知名度が高くないのですが、本国イギリスではデビューアルバム「Devotion」が話題を呼び大ヒット。その後もコンスタントにヒットを続け、本作も全英チャートで3位にランクインするなど、高い人気を誇るシンガーとして、その地位を築いています。

そんな私も彼女のアルバムを聴くのは前作「What's Your Plesure?」以来2作目となります。彼女の音楽の特徴としては、レトロな要素を要所要所に感じつつ、全体としてはポップでいい意味で耳ざわりのいい音楽を楽しませてくれる点。そんな彼女の魅力は今回のアルバムでも文句なく発揮されていました。

特に序盤は軽快なエレクトロチューンが並びます。1曲目はいきなりタイトルチューン「That! Feels Good!」からスタートするのですが、これが80年代を彷彿とさせる軽快でファンキーなディスコチューン。続く「Free Yourself」も完全に80年代を思い起こさせる軽快なエレクトロチューンに。3曲目「Pealrs」も軽快なエレクトロチューンとなっており、心地よいエレクトロチューンを楽しませてくれます。

中盤も同じくダンサナブルな80年代を思いさせる「Beautiful People」「Freak Me Now」と懐かしくもリスナーを楽しませてくれる曲が続きます。最後を締めくくる「These Lips」もメロウさを感じさせるメロディーラインながらもリズミカルでファンキーなビートが楽しい楽曲。最後の最後までリズミカルな曲調を楽しませてくれます。

一方で、メロウに聴かせるナンバーはボーカリストとしての色っぽさも感じさせてくれます。特に「Begin Again」など哀愁感たっぷりのメロディーラインは、日本の歌謡曲にも通じそうな曲調で、日本人の琴線にも触れそう。後半の「Lightning」もメランコリックな曲調をしんみり聴かせるバラードナンバーに仕上がっています。ただ、ミディアムチューンの曲についても80年代的な要素を感じさせてくれ、どこか懐かしさを覚える曲調になっています。

そんな彼女のアルバムなのですが、総じて言ってしまえば、難しいこと抜きにしてワクワク楽しめるアルバムといった感じ。80年代を感じさせる懐かしいナンバーは、耳なじみよく、リズミカルなそのテンポと合わせて、まずは聴いていて直感的に楽しめるアルバムになっていました。前作でも感じたのですが、本作も広いリスナー層が楽しめそうな内容で、もっともっと日本でも知名度があがっていいと思うのですが・・・。ポップス好きなら文句なしに要チェックの1枚です。

評価:★★★★★

Jessie Ware 過去の作品
What's Your Pleasure?

| | コメント (0)

«テイラー・スウィフトも参加!