2019年8月22日 (木)

「天気の子」もロングヒットなるか

今週のHot Albums

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まず今週1位はKinki Kidsの堂本剛のソロアルバムが獲得です。

1位は堂本剛がENDRECHERI名義でリリースしたソロアルバム「NARALIEN」が獲得。ENDRECHERIではかなりファンクに傾倒した作品を聴かせてくれているようですが、新作のタイトルは、ファンクに欠かせない要素である宇宙と自身の出身地、奈良県を掛け合わせたタイトルだそうです。CD販売数1位、PCによるCD読取数は10位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上6万枚で1位獲得。前作「HYBRID FUNK」の7万7千枚(1位)よりダウン。

そして2位にはRADWIMPS「天気の子」が先週の3位よりアップし、この位置につけてきました。ダウンロード数及びPCによるCD読取数では1位を獲得。CD販売数も8位から6位にアップ。前作「君の名は。」は映画に合わせてアルバムもロングヒットを記録しました。映画「天気の子」も大ヒットを記録しているようですが、音楽の方も前作同様のロングヒットとなるのでしょうか。

3位初登場はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループSUPER★DRAGON「3rd Identity」。タイトル通り、これが3枚目となるアルバム。CD販売数は2位でしたが、ほかはランク圏外ということで総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上3万1千枚で2位初登場。前作「2nd Emotion」の3万6千枚(4位)からダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず5位に倉木麻衣「Let's GOAL!~薔薇色の人生~」がランクイン。CD販売数は4位でしたが、PCによるCD読取数37位に留まり総合順位ではこの位置に。オリコンでは初動売上1万9千枚で3位初登場。直近作は四季をテーマとしたコンセプトアルバム「君 想ふ~春夏秋冬~」で初動売上2万枚(3位)でしたので、同作からは微減。オリジナルアルバムとして前作「Smile」の初動2万1千枚(4位)からもダウンとなっています。

6位は女性声優でAqoursのメンバーでもある斉藤朱夏のソロデビューミニアルバム「くつひも」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数50位を獲得。オリコンでは初動売上1万3千枚で5位初登場。

初登場最後、9位には女性2人組アイドルユニットClariS「SUMMER TRACKS-夏のうた-」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数で8位を獲得。タイトル通り、夏をテーマとした企画盤的なミニアルバムで、オリジナル作のほか、カバー曲にも挑戦しています。オリコンでは初動売上5千枚で8位初登場。前作「Fairy Party」の1万1千枚(8位)から大きくダウン。

今週、初登場盤は以上でしたが、一方ではロングヒットも目立ちました。まずはのベストアルバム「5×20 All the BEST!! 1999-2019」。今週は7位から4位に再びランクアップ。まだまだロングヒットは続きそうです。またBUMP OF CHICKEN「aurora arc」も7位にランクインし、今週6週目のベスト10ヒットに。こちらも先週の10位からランクをあげており、根強い人気を伺わせます。

一方、ベスト10返り咲き組として、なんと今週、あいみょん「瞬間的シックスセンス」が先週の15位から10位にランクアップ。6月10日付チャート以来11週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これで通算15週目のベスト10ヒットとなりました。また菅田将暉「LOVE」も先週の13位から8位にランクアップ。こちらは2週ぶりのベスト10ヒットを記録しています。

今週のHot100は以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年8月21日 (水)

米津玄師旋風ふたたび

今週のHot100

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今週は米津玄師の新曲がランクインした影響もあり、米津玄師旋風が吹き荒れるチャートとなりました。

まず2位に米津玄師「馬と鹿」がランクイン。TBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」主題歌。9月11日にCDリリース予定ですが、先行配信によりダウンロード数1位、ラジオオンエア数4位、Twitterつぶやき数18位で総合順位では見事2位初登場となっています。また、このヒットにつられてか、「Lemon」も先週の13位から5位にランクアップ。5週ぶりにベスト10返り咲きを果たしています。特にダウンロード数が13位から6位にアップ。Twitterつぶやき数も50位から4位に大きくアップしており、今回のベスト10返り咲きの大きな要因となっています。

さらに今週は、彼が作詞作曲プロデュースを手がけたFoorin「パプリカ」も12位から9位にアップ。7月15日付チャート以来、6週ぶりのベスト10返り咲きに。ちなみに同作を米津玄師が歌ったバージョンも公開され大きな話題に。配信やCD販売等はないながらも、You Tube再生回数1位、Twitterつぶやき数2位という結果のみで18位にランクインしています。

この米津玄師に負けていないのがOfficial髭男dism「Pretender」は先週から変わらず3位をキープ。ストリーミング数は今週で13週連続の1位となり、ロングヒットを続けています。さらに「宿命」も先週から変わらず4位をキープ。ストリーミング数は先週から引き続き2位を獲得しており、ストリーミング数ではOfficial髭男dismが2週連続1、2フィニッシュを記録しています。

さらにロングヒット勢ではあいみょん「マリーゴールド」が先週の8位から6位にアップ。ストリーミング数も先週から変わらず3位をキープしており、相変わらずの強さを見せつけています。今週はとにかく米津玄師をはじめ、ロングヒット勢が目立つチャートとなりました。

一方、今週1位を獲得したのはAKB48の姉妹グループ、大阪を拠点に活動を行っているNMB48「母校へ帰れ!」が獲得。CD販売数は1位ながらも他はラジオオンエア数99位、PCによるCD読取数17位、Twitterつぶやき数10位にとどまりましたが、総合順位では1位獲得。オリコン週間シングルランキングでは初動売上19万5千枚で1位初登場。前作「床の間正座娘」の19万6千枚(1位)から微減。

今週、初登場はもう1曲のみ。8位にサザンオールスターズ「愛はスローにちょっとずつ」が先週の94位から大きくランクアップし、ベスト10入り。ダウンロード数3位、ラジオオンエア数1位、Twitterつぶやき数で51位を獲得。この曲、CD形態と配信でのリリースとなったのですが、CDはデビュー40周年を記念して販売された書籍「SOUTHERN ALL STARS YEAR BOOK『40』」への付属という形でのみのリリースに。通常のCD流通を通さない形での発売となっており、一応、おそらく年配層のファンを考慮してCDという形は残したのでしょうが、既にシングルCDにミュージシャンがほとんど価値を置かなくなったことがよくわかるリリース形態となりました。

今週のHot100は以上。Hot Albumsはまた明日!

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2019年8月20日 (火)

アフリカへのラブレター

Title:The Lion King:The Gift
Musician:Beyonce

先日から日本でも公開となり話題となっているディズニー映画の実写版「ライオン・キング」。映画にはなんとビヨンセが声優として参加しているのですが、その彼女が映画からインスパイアされ、プロデュース、キューレイターとして作成されたアルバム「The Lion King:The Gift」が急きょリリースされました。

アルバムは一般的なサントラ盤・・・ではなく、映画から影響を受けて作成された楽曲を収録したコンピレーションアルバム。以前、映画「ブラック・パンサー」にちなんだ、同じようなコンピレーションアルバムがリリースされましたが、基本的なスタイルはそちらに近い感じでしょうか。もちろん、Beyonce本人が参加している楽曲がメインとして収録されているのですが、とにかく参加しているミュージシャンが豪華。旦那であるJay-Zはもちろん、Kendrick LamarやPharrell Williamsなどといったミュージシャンが参加しています。

さらに今回のアルバム、「The Gift」というタイトルは、映画「ライオン・キング」の舞台となったアフリカン・ミュージックに対して敬意を示し、「アフリカに対するラブレター」を意味するものだそうです。そのため今回のアルバムにはYemi Alade、Burna Boy 、Tiwa Savageといった主にナイジェリアで活動するミュージシャンたちも数多く参加しています。

そのため全体的に今回のアルバムではトライバルな雰囲気の曲が多く、Yemi Aladeら、ナイジェリアのミュージシャンが中心となった「DON'T JEALOUS ME」ではトライバルなリズムとボーカルを聴かせてくれるリズミカルな楽曲となっていますし、Burna Boyによる「JA ARE E」もメロウな雰囲気のメロディーを漂わせつつ、そんな中でアフリカらしい勇壮な雰囲気が感じられるナンバーとなっています。また、「WATER」もトライバルなリズムが押し出されたナンバーに。ただ、Pharrell Williamsが参加しているこの曲は、彼らしい非常に軽快である種の楽しさも感じられるポップな楽曲に仕上がっています。

上でもチラッと書いた「ブラック・パンサー」のインスパイア・アルバム「Black Panther: The Album」でも南アフリカのミュージシャンが数多く参加し、トライバルな要素の強いアルバムになっていました。アメリカの黒人のミュージシャンたちにとっては、やはり自分たちのルーツであるアフリカに対する憧憬が強いのでしょうか。今回、アフリカのミュージシャンが数多く参加している背景には、「ライオン・キング」の舞台となっているという理由はもちろん、そんなアフリカン・アメリカンたちのアフリカに対するあこがれを強く感じさせる内容となっています。

ただ、全体的にはリズムなどでトライバルな要素を組み込んだだけ、といった感じで、例えば先日紹介したAfrica Expressのようにアフリカ音楽を積極的に取り込んで、という感じではなく、主軸となっているのはあくまでもアメリカのR&BやHIP HOP。そこにアフリカ的な要素を加えているという程度になっているため、アフリカ音楽を期待しているとちょっと違うのかもしれません。

もちろん、Beyonceも非常に力を入れたアルバムになっているだけにその内容には間違いありません。まさにアルバムのオープニングにふさわしい、何かがはじまるかのような力強さを感じる「BIGGER」からスタートし、Kendrick Lamarとコラボした「NILE」でもダウナーなトラックの中で彼女のボーカルとケンドリックのラップがほどよい気だるさをもって楽曲にインパクトを与えています。

ラストは映画にも使われている「SPIRIT」で締めくくられているのですが、こちらはある意味、ディズニー映画の主題歌らしい、スケール感を覚えるバラードナンバー。ただBeyonceのボーカルにもいつも以上に力が入っており、非常に迫力のある楽曲に仕上がっています。映画は、元のアニメ版を含めて見たことがないのですが、なんとなく映画のシーンにもピッタリと来る雰囲気のあるナンバーになっていました。

全27曲なのですが、楽曲の間には映画のセリフの一部をピックアップしたインターリュードが入っており、まさに映画に沿った形の構成となっている今回のアルバム。もちろん、映画を見たことのない方にとってもBeyonceの新しいアルバムという感覚で楽しめる作品になっていました。数多くのミュージシャンが参加しているだけに楽曲的にもバリエーションもあり最後まで楽しめる傑作アルバム。Beyonceの実力も感じさせてくれる作品になっていました。

評価:★★★★★

BEYONCE 過去の作品
I Am...Sasha Fierce

I AM...WORLD TOUR
Beyonce
Lemonade
HOMECOMING:THE LIVE ALBUM

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2019年8月19日 (月)

ブルースロック色がより強く

Title:NEW LOVE
Musician:B'z

先日、BUMP OF CHICKENのアルバム評の中で「BUMP OF CHICKENというバンドが何を求められているのか、メンバーがしっかりと理解しており、そしてそれにしっかりと答えることが出来た」ということを書きました。ミュージシャンとして長年活動を続け、さらに一定以上の人気を保持し続ける一番の秘訣は、この「ファンが自分たちに何を求めているかわかっており、かつそれにしっかりと答えられる」ということだと思うのですが、その点、おそらく良くも悪くもそういうことが出来る日本で一番のミュージシャンのひとつが間違いなくB'zではないでしょうか。昨年でデビュー30周年。いわば「大いなるマンネリ」な部分は否定できないのですが、長年、高い人気を保持し続ける大きな理由のひとつが、ファンがB'zに何を求めているのか、メンバーがよくわかっており、かつそれにしっかりと答えているというのが大きな要因であるのは間違いないでしょう。

今回、約1年半ぶりとなる新作なのですが、まず1曲目「マイニューラヴ」からギターリフを中心に構成されているハードロックテイストの強いナンバー。ある意味、リスナーがB'zに求めている「ロック」な部分を体現化したような楽曲からのスタートにリスナーはグッと惹きつけられます。

本作では比較的、このギターリフを主導としたハードなロックチューンが目立つ作品になっており、その後も「デウス」やへヴィーなサウンドが目立つ「Da La Da Da」など外連味なくロックなサウンドを聴かせる楽曲が目立ちます。ここらへん、下手なバンドだと中途半端に打ち込みを入れてきたり、下手に違うスタイルを目指そうとするのですが、B'zの場合は、ファンキーなリズムを入れたりホーンセッションを入れたりとそれなりに「色」をつけてくるのですが、コアの部分ではしっかりとB'zとして求められる要素を抑えており、聴いているリスナーを安心させます。ここらへん、彼らの非常に巧みな部分であるように感じます。

一方、もうひとつB'zらしさを感じさせるのはへヴィーなハードロック路線に反して意外と親しみやすく、かつ「歌謡曲」的であるメロディーライン。そこも今回のアルバムでもしっかりと抑えられています。例えば「兵、走る」もハードロック調のアレンジと反してメロディーはポップでわかりやすく、かつ前向きな歌詞が印象的ですし、「俺よカルマを生きろ」なども歌詞もメロディーも「歌謡曲」調な仕上がりとなっています。ここらへん、良くも悪くもJ-POP的であり、いわば「良心的なロックリスナー」からB'zが敬遠される要素のひとつではあるのですが、ただ一方では多くのリスナーに支持される大きな要因であるのも事実。そういうファンが彼らに求める要素を本作でもしっかりと抑えています。

ただ、そんな中でも今回のアルバムはタイトルの「NEW LOVE」が「自分たちが好きな音楽をやってますという気分をタイトルにした」と語っているように、比較的、彼らの作品の中では好き勝手に演った感の強いアルバムに仕上がっています。前作「DINOSAUR」もハードロック志向の強い作品になっていましたが、今回の作品はさらにハードロック寄り、もっといえばブルースロック寄りとなっておりサウンド的には泥臭さも感じます。あまり売れ筋を意識していないという意味とサウンドの方向性という意味では1994年の「The 7th Blues」に似たようなタイプの作品にも感じました。

しかし残念だったのは前作「DINOSAUR」でもメロディーのインパクトが薄いように感じたのですが、その傾向は今回の作品にも引き継いでしまいました。また、その結果でもあるのですが、全体的には終盤になるにつれて少々失速気味。最初は気持ちよく聴けていても、全55分というアルバムの長さとしてはちょうどよい長さではあるものの、終盤の方はちょっとダレてしまいました。そこらへん、やはりかつての勢いはなくなってしまったのかなぁ、ということも感じてしまった作品。ただ、最初から書いている通り、良くも悪くもB'zらしいアルバムではあるので、ファンなら安心して気持ちよく聴けるアルバムだったと思います。なんだかんだいってもこのスタイルを30年以上続けられるというのは彼らのすごさでしょう。まだまだその人気は続いていきそうです。

評価:★★★★

B'z 過去の作品
ACTION
B'z The Best "ULTRA Pleasure"
B'z The Best "ULTRA Treasure"
MAGIC
C'mon
B'z-EP
B'z The Best XXV 1988-1998
B'z The Best XXV 1999-2012

EPIC DAY
DINOSAUR

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2019年8月18日 (日)

強い「癖」を感じさせるピアノ曲

Title:BEST of PIANISM
Musician:三柴理

今回紹介するのは、ピアニスト三柴理のベストアルバム。三柴理・・・ロック好きならばその名前を何度も耳にする機会があるのでしょうか。もともとは筋肉少女帯で「三柴江戸蔵」としてメジャーデビュー。その後、筋少は脱退するものの、ソロとして数多くのミュージシャンとコラボを行い、また2000年からは筋少で一緒だった大槻ケンジと特撮を結成。最近ではくるりのアルバムにも多く参加しています。

個人的に彼は大好きなピアニストのひとり。身長180cmを超える巨漢でありながらも非常に繊細なピアノの音色を奏でつつ、そのメロディーは一種独特なもの。不協和音的に奏でられるメロディーをあえて入れてくるあたり、非常に大胆不敵であり、その繊細さと大胆さのミスマッチが彼のピアノの大きな魅力に感じます。

本作はそんな彼のキャリアを総括するようなソロ作のベストアルバム。自身が作曲したナンバーのみならず、筋少や特撮、クイーンやエマーソン・レイク&パーマーのカバーもおさめられています。もっともベスト盤といいつつ8曲までがこのベスト盤が初出だそうですので、オリジナルアルバム的にも楽しめる1枚となっています。

さて、三柴理の魅力はまず1曲目の「黎明第二稿」から存分に味わうことができます。本人作曲によるこのピアノ曲は大胆なピアノの演奏を聴かせてくれる一方、ダイナミックな演奏の中に流れるメロディーラインは繊細さも感じさせます。さらにこのピアノのフレーズも、単純に「美しい旋律」と言えない強い癖を感じられ、まさに三柴理の魅力を存分に感じられる作品になっています。

またアルバムの中で大きく印象に残るのが、本作が初出となるクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」のカバー。ダイナミックなサウンドと力強いフレディー・マーキュリーの歌が印象に残るナンバーなのですが、これをピアノ1本でカバー。ただ、楽曲の持つダイナミックな雰囲気はそのままに、一方ではまるで歌うような感情的なピアノの音色も強い印象に残るカバーに仕上げており、まさに三柴理の魅力がつまったカバーとなっています。

基本的には叙情感たっぷりに聴かせつつも一方では非常に癖の強いフレーズが頻発する、個性あふれる演奏が大きな魅力。ただ一方では音楽的なバリエーションも非常に広く、筋少のカバーである「サンフランシスコ」ではメタリックなサウンドに仕上げていますし、シルヴァノ・ブソッティの「友のための音楽」は現代音楽にも挑戦している楽曲。一方ではもともと国立音大に在籍したこともあるようにクラッシックの素養も兼ね備えたミュージシャンなだけにショパンの「雨だれ(Prelude Op.28 No.15)」も難なくこなしています。ただどの曲も三柴理らしい一癖を加えており、しっかりと彼の曲として仕上げてきている点も大きな魅力といえるでしょう。

美しいピアノ曲のアルバムながらも、そんな中に強烈な三柴理の個性を感じさせるアルバム。この世界感、かなり癖になりそう。それだけに多くのミュージシャンが彼のピアノの音色を取り入れるのでしょう。今後も、彼の名前はいろんな場所で見かけることになりそう。また次の彼のソロアルバムも楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Epitaph/Koji Nakamura

いままでNYANTORAやiLL名義で活動を続けていた元スーパーカーのボーカリスト、ナカコーこと中村弘二の本名名義での2枚目となるアルバム。もともとはストリーミングサービスで制作過程を公表する「Epitaph」プロジェクトで作成された楽曲をまとめた作品。エレクトロサウンドの中にHIP HOPやインダストリアル的な要素など様々な音楽性を感じさせ、その実験性を感じさせます。ただ、その当時の彼の気分がそのまま収められたアルバムではあるのですが、意外と全体としてはまとまりのある「ちゃんとしたアルバム」に仕上がっているあたりが興味深いところ。全体的にはドリーミーな雰囲気の作風に仕上がっており、ナカコーの「今」を楽しめる作品に仕上がっていました。

評価:★★★★

Koji Nakamura 過去の作品
Masterpeace

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2019年8月17日 (土)

真っ暗闇の中で流れる音楽

あいちトリエンナーレ2019 サカナクション 暗闇-KURAYAMI-

日時 2019年8月8日(木) 会場 愛知県芸術劇場大ホール

いままでサマソニやフジロックでは見たことがあったのですが、ワンマンとしてははじめて足を運ぶサカナクションのワンマンライブ・・・なのですが、この日参加したライブはちょっと普通のライブとは色合いの異なるステージでした。今回のライブは愛知県で行われる現代芸術のイベント「あいちトリエンナーレ」の一環として行われたイベントで、「暗闇-KURAYAMI-」と題された今回のライブは会場全体を一切の光も通さない真っ暗闇として、その中で「音」を流す試み。サカナクションの楽曲は基本的に行わず、暗闇の中で音がどのように響いてくるのかを実験・体験するという、このイベント自体が「芸術作品」という試みだそうで、その内容に興味が沸き、ライブに足を運ぶことにしました。

Kurayami1

Kurayami2

会場はあいちトリエンナーレのメイン会場のひとつである愛知芸術文化センターの中にある愛知芸術劇場のメインホール。事前にこの日のためのパンフレットも配られます。

Kurayami3 Kurayami4Kurayami5

ステージ上では上に遠目ではよくわからなかったのですがおそらくラップトップが載せられたメンバーの数の分だけの黒い台が並べられただけのステージ。さらにそれを途中、黒子のような黒い服に顔にも黒い幕をつけたスタッフにより、台の上のラップトップを囲むような覆いがセットされます。また、会場にも黒子のような格好のスタッフが、通路毎に待機していました。

やがて開演予定時間を5分程度過ぎるとメンバーが登場してくるのですが、普通のライブで発生するような観客からの拍手が起こりません。観客はただひたすらこれからはじまることをかたずをのんで見守るという不思議な雰囲気でのスタートとなりました。

そして最初にスタートしたのは「プラクティス チューニング リズムのずれ」と題されたセッション。ここで会場は真っ暗闇に。5分程度、暗闇の中でチューニングの音やメトロノームが鳴り響く空間を体験します。ただここのセッションはメンバーというよりも観客にとっての肩慣らし。この「暗闇」という雰囲気で不安を感じた場合にはライブの参加を取りやめてもらうためのセッションで、実際、何人か会場を立ち去る方も見受けられました。

この「プラクティス」が終わると本編がスタート。「第一幕 Ame(C)」のスタートです。会場には雨の音や雷の音が流れますが、全くの真っ暗闇ではなく、時折、雨や雷の映像がステージ上に流れては暗闇となる展開に。そんな自然の音がただ流れるだけの展開から後半はリズミカルな4つ打ちの打ち込みのサウンドが暗闇の中で鳴り響くという不思議な展開へと続いていきます。

続く第二幕は「変容」と名付けられます。この日、唯一、サカナクションの曲が流れたのがこのセッションで「茶柱」と「ナイロンの糸」が演奏されます。会場も暗闇だけではなく曲にあわせた映像も流れますが、ただ、映像の合間には真っ暗となり、暗闇の中でおなじみのサカナクションの曲を聴くという体験となります。さらに「茶柱」の最中では会場にお茶がたてられ、お茶っ葉のいい匂いが会場に流れます。耳と鼻からのみ音楽を体験するという実験的な試みとなっていました。

第三幕は「響」と名付けられ、ここでずっと覆いに囲まれた黒い台の後ろで演奏していたメンバーがステージの前に出てきます。メンバーはそれぞれ鈴や太鼓などを持ち、それらの楽器をそれぞれが鳴らすというスタイルに。鈴が鳴らされた時は観客席に配置された「黒子」も持っていた鈴を鳴らし、会場全体が鈴の音色に包まれるという、少々神秘的な雰囲気が作り出されます。

そして最後の第四幕は「闇よ 行くよ」と題され、ここでは完全に暗転。真っ暗闇の中でギターやシンセ、ドラムスの音などの様々な音が鳴り響くという空間となりました。サカナクションの既存曲が流された第二幕を除き、基本的には「音」が奏でられたいままでと異なり、第四幕では完全な暗闇の中で非常に実験的な内容とはいえ「音楽」が流されており、おそらく彼らが一番やりたかったのはこの第四幕なのでしょう。

その全四幕からなるステージはほぼ1時間で終了。最後はステージの後ろの幕も明けられます。芸術劇場の舞台は奥行も非常に広く、メンバーはまず観客にお辞儀をした後、その広いステージの後ろの方に静かに去っていくというラストで会場の幕を下ろしました。

さすがに基本的に暗闇でのライブなので1時間程度が見る側としても限度なのでしょう。ライブとしては比較的短いステージだったと思います。ただ、「暗闇で音を奏でる」ということ自体が一種の「芸術作品」だった今回のライブ、会場には全く光が入らない真っ暗闇。そのため、暗い中で目が慣れても何も見えないという状況に。ただそんな中で奏でられる音が嫌でも全身全霊で受け止めざるを得ず、非常に普段のライブでは味わえない独特な体験をすることが出来ました。

全くの暗闇の中で音だけが流れてきただけに、ひとつひとつの音がとてもクリアに、かつそれぞれの音が意味を持つかのように耳に飛び込んできます。いわば神経を研ぎ澄まして音に聴き入るという状況を意図的に作り出し、それを観客が共有する状況。ある意味、すごい試みなのですが、そんな客席の雰囲気を含めてひとつの作品としてとても興味深く体験できたイベントだったと思います。

ちなみに同公演はこの日だけではなく全4日間、昼・夜2回公演の計7回(1日、昼公演がない日があるので)となっており、「同じ会場で4日間連続で実施することで初めて可能になる緻密な演出」とあるので、おそらく他の日はまた違った形での公演となったのでしょう。普段のライブでは経験できないとても不思議でおもしろいイベント。貴重な経験が出来たと感じると共に、今回のイベントが今後のサカナクションの活動にどのようにつながっていくのか、とても楽しみです。

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2019年8月16日 (金)

ピアノオンリーながらもバリエーション豊かに

数多くのCMソングや映画音楽を手掛けるミュージシャン、高木正勝。最近では細田守監督の作品をよく手掛け、昨年公開された「未来のミライ」の映画音楽でも話題となりました。そんな彼が昨年から今年にかけて2枚のピアノアルバムをリリースしました。

Title:Marginalia
Musician:高木正勝

紹介するのがちょっと遅くなってしまいましたが、昨年11月にリリースされたピアノアルバムの第1弾。そして・・・

Title:MarginaliaⅡ
Musician:高木正勝

そして、こちらが前作に続けて今年リリースされた第2弾となります。楽曲はすべてピアノオンリーのサウンドであり、曲によっては女性の美しいコーラスが入ってきたりもします。彼の前作「かがやき」では京都の山村にて自然の音を取り入れたサウンドが特徴的だったのですが、今回のアルバムに関してもフィールドレコーディングを実施。ピアノの音色に自然の音が混ざった音の世界が繰り広げられています。

タイトルはいずれも「Marginalia」とつけられた上で「#+番号」で区別されています。基本的に小さい数字から順番に並べられているものの番号的には飛び飛びになっており、かつ「Marginalia」で飛ばされた番号が「MarginaliaⅡ」に収録されていたりします。おそらく、「#1」から順番に作っていき、イメージに合うものを曲の雰囲気に合わせて「Marrginalia」と「MargginaliaⅡ」に振り分けたということろではないでしょうか。

楽曲的にはいずれもシンプルなメロディーを聴かせてくれる曲ばかりで、いわば「現代音楽」のような聴き手を選ぶような曲はありません。いずれもピアノのみの曲ではあるものの、バリエーションは様々であり聴き手を飽きさせません。例えば「#1」はミニマル的な曲の構成が耳を惹きますし、「#3」はピアノの2つの音が寄り添ったり離れたりして展開していくユニークかつ可愛らしさを感じる曲。「#23」では女性の歌が入るのですが、この歌が何語なのか不明な言語。優しい雰囲気の曲なのですが、このボーカルのため不思議な感触のする曲となっています。

「Ⅱ」の収録曲の方でもピアノの早弾きで清涼感を覚える「#17」や女性のハイトーンボイスが加わり、どこか幻想的な雰囲気となっている「#35」、ループするようなサウンドが特徴的な「#13」や哀愁漂うメロディーが心に残る「#39」など、演奏はピアノのみにも関わらず、実に様々なタイプの楽曲が並んでおり、2作とも70分を超えるボリュームながらもリスナーを飽きさせません。

そんな訳で幅広い方にアピールできる傑作アルバムであることは間違いないのですが・・・このアルバムのもうひとつの狙いである「フィールドレコーディング」という側面からすると、ちょっと物足りなさも感じてしまう部分はありました。まず1作目の「Marginalia」に関しては、正直、ほとんど自然の音が入った曲はありません。鳥の声が効果的に入った「#8」や虫の声が入った「#23」あたりくらいでしょうか。一方、「MarginaliaⅡ」に関しては自然の音が積極的に取り入れられています。ただ、「#44」「#43」のように自然の音が効果的に用いられている曲もあるのですが、正直、それ以外の曲に関してはピアノが鳴っている後ろで、そういえば外の音が聞こえるような・・・という程度。あまり自然の音をうまく取り込んだ、という印象は受けませんでした。

ここらへんは若干、なんでだろう?と思う部分もあるのですが、ただそこの狙いは別として純粋にピアノ曲のアルバムとしては非常に良くできた傑作アルバムであることは間違いありません。その美しいピアノの響きとメロディーに最初から最後まで聴き惚れる内容で、高木正勝の実力を存分に感じる傑作になっています。基本的に小難しい部分はないため、広い層にお勧めできる作品。特に細田守監督の映画を見て「音楽がいいな」と思った方には無条件でお勧めできるアルバムです。その美しいピアノの世界に酔いしれてほしい作品です。

評価:どちらも★★★★★

高木正勝 過去の作品
Tai Rei Tei Rio
TO NA RI(原田郁子+高木正勝)
おむすひ
かがやき

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2019年8月15日 (木)

新人アイドルグループがいきなりの1位獲得

今週のHot Albums

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今週のHot Albumsは新人アイドルグループがいきなり1位を獲得しました。

今週1位初登場は女性アイドルグループ26時のマスカレイド「ちゅるサマ!」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数4位で総合順位も1位獲得となりました。26時のマスカレイドは本作がアルバムデビューとなる5人組の女性アイドルグループ。読モBOYS&GIRLSとファッション誌Zipperの合同オーディション企画から誕生したグループだそうで、メンバーのうち半数は読者モデルとして活躍していたそうです。ちなみにここで出てくる「読モBOYS&GIRLS」、いろいろと話題になっているようですが、ネットで調べてもいまひとつ的を射ない説明ばかりで、どんな「集団」なのかいまひとつ不明・・・どうもいろいろとみていくと、読者モデルの集団で、ネットメディアなどを中心に情報を発信していくプロジェクトのようですが・・・。ここらへん、アイドル的な人気に加えて、読者モデルとしての中高生あたりからの人気が今回のいきなりの1位獲得の要因でしょうか。ちなみにオリコン週間アルバムランキングでも初動売上3万6千枚で1位獲得となっています。

2位はジャニーズ系。A.B.C.-Z「Going with Zephyr」がランクインです。CD販売数3位、PCによるCD読取数では9位に留まりましたが、総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上3万3千枚で2位初登場。前作「VS 5」(4位)から横バイ。

3位はRADWIMPS「天気の子」が先週からワンランクダウンながらもベスト3をキープ。CD販売数は8位にダウンしましたが、ダウンロード数及びPCによるCD読取数では見事1位を獲得しています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位には韓国の男性アイドルグループWINNER「WE」がランクイン。CD販売数では2位を獲得しましたが、ダウンロード数及びPCによるCD読取数が圏外となり、総合順位では4位に留まりました。オリコンでは初動売上2万4千枚で4位初登場。前作「EVERYD4Y」の1万5千枚(5位)からアップ。

続く5位には森口博子「GUNDAM SONG COVERS」が初登場。CD販売数4位、PCによるCD読取数13位。森口博子といえば、ここ最近ではあまりその名前を聞かなくなってしまいましたが、90年代には「バラエティーアイドル」として一世を風靡したタレント。ただ一方で1985年にリリースしたデビューシングル「水の星へ愛をこめて」がアニメ「機動戦士Zガンダム」のオープニングテーマとなったり、1991年にリリースしたシングル「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」が映画「機動戦士ガンダムF91」のテーマ曲として起用され大ヒットを記録したりと、ガンダムシリーズとはシンガーとして縁の深い間柄にあり、なおかつその歌唱力には高い定評があり、歌手としても高い評価を得ています。そんな彼女がガンダム関連の楽曲をカバーしたのが本作。自身の楽曲はもちろん、「RE:I AM」といった比較的最近の曲もカバー。ガンダムファンの間では彼女の歌手としての評価が高いこともあり、見事ベスト10ヒットを記録しました。オリコンでも初動売上2万5千枚で3位初登場。ちなみに彼女のアルバムは、直近作は2013年のベスト盤「森口博子 パーフェクト・ベスト」以来。同作は最高位222位だったようですので、今回のアルバムはまさに彼女としては異例の大ヒット。彼女のアルバムでのベスト10入りは1991年のベストアルバム「ETERNAL SONGS」以来、28年ぶりという快挙となりました。

6位初登場は四ノ宮那月(谷山紀章) 「うたの☆プリンスさまっ♪ソロベストアルバム 四ノ宮那月『SUKI×SUKIはなまる! 』」。女性向け恋愛ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」登場キャラクターによるソロベストアルバム。CD販売数5位、PCによるCD読取数21位。オリコンでは初動売上2万1千枚で5位初登場。同シリーズの前作、聖川真斗(鈴村健一)「うたの☆プリンスさまっ♪ソロベストアルバム聖川真斗『HOLY KNIGHT』」の2万2千枚(6位)から微減。

8位には奇抜なお面をかぶったスタイルがインパクト大のアメリカのヘヴィーメタルバンド、slipknot「We Are Not Your Kind」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数41位。オリコンでは初動売上9千枚で9位初登場。前作「5:The Gray Chapter」の1万7千枚(1位)よりダウン。

初登場組は以上。一方、ロングヒット組ではのベストアルバム「5×20 All the BEST!! 1999-2019」。今週で7週目のベスト10ヒットに。ただし順位は今週は4位から7位にダウンしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年8月14日 (水)

アイドル勢を下し、三代目が1位獲得

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まあ、三代目J Soul Brothersもアイドルの括りと言われればそうかもしれませんが・・・

まず今週1位を獲得したのは三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「SCARLET feat.Afrojack」。先週の22位からCDリリースにあわせてランクアップし、1位獲得となりました。David Guettaをプロデュースしたことでも知られるオランダのプロデューサー、Giorgio Tuinfortと、同じくオランダのプロデューサーAfrojackの共同プロデュースによるEDMナンバー。正直、若干「今更」感のある音ではあるのですが・・・。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数14位、ストリーミング数10位、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数7位など上位にランクイン。その他、ラジオオンエア数は58位、You Tube再生回数は35位に留まりましたが、総合順位では見事1位を獲得しました。オリコン週間シングルランキングでは初動売上6万2千枚で2位初登場。前作「Yes we are」の6万6千枚(2位)からダウンしています。

2位にはBEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」がランクイン。これがデビュー作となるハロプロ系の新人女性アイドルグループ。CD販売数はこちらが1位でしたが、ダウンロード数30位、PCによるCD読取数11位、Twitterつぶやき数18位で、その他の順位は圏外と奮わず。総合順位では2位に留まりました。オリコンでも初動売上9万9千枚でこちらが1位を獲得しており、Hot100とは1位が異なる結果となりました。

3位には先週2位だったOfficial髭男dism「Pretender」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。ストリーミング数は今週で12週連続の1位、ダウンロード数も6位から5位にアップ。残念ながらYou Tube再生回数は2位から3位にダウンしたものの、まだまだ圧倒的な強さを感じます。さらに今週は「宿命」も7位から4位に大きくランクアップ。ダウンロード数が10位から4位に、ストリーミング数も5位から2位にアップ。先週に続く2曲同時ランクインとなりました。

続いて4位以下の初登場曲です。まず6位に東京スカパラダイスオーケストラ「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」が先週の82位からCDリリースに合わせてランクアップ。CD販売数、ダウンロード数及びPCによるCD読取数がいずれも7位、ラジオオンエア数は1位を獲得。桜井和寿のボーカルがやはり耳に行くポップチューンなのですが、軽快なスカのリズムにスカパラらしさを感じる曲。桜井のボーカルは強い個性を持っているにも関わらず、ミスチルっぽい感じにはならず、しっかりとスカパラの色を出しているのはさすがです。オリコンでは初動売上1万9千枚で5位初登場。前作「明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次」の9千枚(12位)から大きくアップ。ここらへんはさすがミスチル桜井の人気の高さを感じる結果となりました。

7位にはDA PUMP「P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜」が先週の38位からCDリリースに合わせてランクアップ。ベスト10入りを果たしています。ただしCD販売数は4位、PCによるCD読取数は5位を獲得しましたが、ダウンロード数及びTwitterつぶやき数11位、ラジオオンエア数21位、You Tube再生回数22位と奮わず、総合順位ではこの位置に。あきらかに「U.S.A.」の2匹目のドジョウを狙ったトランス調のダンスナンバーなので、MVも「U.S.A.」と同様に「ダサカッコいい」を狙った感が強いのですが、「U.S.A.」に比べるとインパクトはかなり薄い感じ。特に「U.S.A.」で一番強かったYou Tube再生回数が22位と奮っていない点、全くリスナーにウケていないという事実が如実に感じられる結果となってしまっています。オリコンでは初動売上2万9千枚で3位初登場。前作「桜」の2万7千枚(5位)よりアップ。前作がミディアムテンポのナンバーでしたので、それよりはこういうダンスチューンを求めるファンが多いといった感じでしょうか。ただ2作連続CD売上はそれなりの水準を達成しており、「U.S.A.」で再度、固定ファンを獲得できたということは間違いなさそうです。

最後10位にはKing Gnu「飛行艇」が初登場でランクイン。ANAのテレビCMソング。ダウンロード数3位、ストリーミング数21位、ラジオオンエア数8位、Twitterつぶやき数39位を獲得。配信オンリーのリリースですが、見事ベスト10入りを果たしています。ミディアムテンポのダイナミックなナンバーに仕上がっています。

続いてロングヒット曲ですが、あいみょん「マリーゴールド」は見事今週も8位をキープ。ストリーミング数は先週から変わらず3位、You Tube再生回数も3位からダウンしたとはいえ5位をキープしており、まだまだ強さを感じさせる結果となっています。一方、菅田将暉「まちがいさがし」は今週9位から11位にダウン。連続ベスト10記録は残念ながら12週で途切れました。ただストリーミング数は4位とまだまだ強さを感じさせるため、来週以降の動向も気にかかります。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2019年8月13日 (火)

アフリカと西洋の融合

Title:EGOLI
Musician:Africa Express

blurのデーモン・アルバーンが中心となりアフリカ音楽にスポットをあてるべく活動しているユニット、Africa Express。今年、EPの「Molo」がリリースされましたが、それに続き待望となるニューアルバムがリリースされました。本作でもデーモン・アルバーンはもちろんのこと、Supper Furry Animalsのグリフ・リース、Yeah Yeah Yeahsのニック・ジナーといったイギリス勢のミュージシャンが参加。一方、いままではマリのミュージシャンと組んでのリリースが多かったのですが、本作ではBCUC、ファカ、インフェイマス・ボイズといった南アフリカのミュージシャンたちと組んでのアルバムとなりました。

まずはアフリカらしい勇壮さも感じさせるトライバルなリズムが大きな魅力となっている本作。例えば「The River」ではトライバルなリズムにしゃがれ声で力強い男性ボーカルと伸びやかな女性ボーカルとのデゥオが印象的で、サウンドにはスケールの大きさを感じますし、ある意味、そのままなタイトルの「Africa To The World」ではリズミカルなリズムと郷愁感あるホーンの調べの対比が印象的な作品で、この対比が楽曲全体としてトライバルな雰囲気を生み出しています。さらに「Mama」のようなチープさも感じさせる打ち込みのリズムで奏でられるトライバルなサウンドもいかにも「アフリカ的」でありたまりません。

ただし、アルバム全体としてはそんなトライバルなリズムを要所要所に聴かせつつ、西洋音楽からの影響が強い、いわば「垢抜けた」印象を感じさせる曲が目立つ内容となっています。例えば「City In Lights」も軽快なリズムが心地よくも80年代風の打ち込みはむしろニューウェーブからの強い影響を感じますし、「Bittersweet Escape」もトライバルなリズムを奏でつつも重厚なサウンドと澄んだ歌声で力強く聴かせる女性ボーカルは非常に垢抜けたものを感じさせます。

またジャンル的にもバリエーションの多い音楽性が大きな魅力となっており、「Where Will This Lead Us To?」はシンプルなリズムは少々トラップの要素すら感じさせるHIP HOPのナンバーになっていますし、「Morals」もオーガニックな雰囲気が漂う作風はアフリカというよりもソウルミュージックに近いものを感じさせます。また「I Can't Move」に至っては完全に80年代のAOR。軽快なシティポップに都会な雰囲気すら感じさせます。

ただ個人的には単なるアフリカ音楽を模倣するのではなく、欧米のポップスと上手く融合させている部分がAfrica Expressの大きな魅力に感じます。単なる現地の音楽を奏でるのならば、現地でいくらでも優れた作品がリリースされている訳で、今の時代、賛否わかれる部分はあるのかもしれませんが、アフリカ音楽の要素を自国の音楽に上手く取り入れて融合させているからこそ、このアルバムが非常に独特で耳を惹く内容となっているのではないでしょうか。

もちろんそこには現地ミュージシャンへのリスペクトがきちんと感じられるという部分は間違いありません。単純なアフリカ音楽ではなくAfrica Expressでしかできない音楽をしっかりと奏でている傑作アルバムになっていました。新しい文化というのはこういう文化と文化の融合から生まれてくるのが常。ここから、新しい音楽がスタートする予感もする1枚でした。

評価:★★★★★

Africa Express 過去の作品
Molo

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