2018年5月20日 (日)

踊れるロックがテーマ

Title:BEAT&ROSES
Musician:及川光博

いまだにほぼ毎年、アルバムをリリースし、さらにライブツアーを行うミッチーこと及川光博。さらには俳優としての活動も目立ち、御年48歳、デビューから20年以上という「ベテランミュージシャン」の域に入る彼ですが、まるで若手ミュージシャンのような積極的な活動が続いています。

そんな前作からわずか1年というインターバルでリリースされたのがこの新作。全7曲入りのミニアルバムとなっています。ここ最近、ミニアルバムのリリースが続いています。ちょっと寂しい感じもするのですが、ただアルバムリリースの間隔をあけてでもフルアルバムをリリースするよりも、少しでも早く多くの曲をファンに届けたいという彼の意気込みが感じられます。今回もまさにミッチー節といえる彼らしい曲が並んでいました。

今回のアルバムコンセプトは「踊れるロック」。そしてアルバムの中にそのテーマに沿ったJ-POPのカバーが収録されている点は前作「FUNK A LA MODE」と同じような構成になっています。そして今回カバーに選ばれたのは布袋寅泰の「スリル」。原曲に比べてギターの音は後ろに下がり、シンセの音を入れて軽快なビートを強調したようなカバー。ちょっと意外な選曲のようにも思いましたが、今回のアルバムの中でしっくりおさまっており、しっかりとミッチーの曲になっています。

そんな「スリル」以外にも今回はテーマに沿った「ロック」の曲が多く収録されています。1曲目「インフィニティ∞ラブ」から軽快なギターロックのナンバーからスタート。「セックスフレンド」のセルフカバー「セックスフレンド<2018>」もハードロック風なカバーに仕上がっていますし、ラストのタイトル曲「BEAT&ROSES」も軽快なビートロックのナンバーに仕上げています。

ほかのナンバーも、「恋にうつつをぬかしたい」もキラキラしたシンセが目立つ楽しいポップチューンながらもヘヴィーなギターとベースラインというロック風のアレンジが加わっていますし、「Birthday~バラのブレス~」もメロディアスなポップチューンながらも分厚いギターサウンドが加わっているなど、ロック風のアレンジが目立ちます。

そんな訳で、全体的にロックなアレンジを主軸とした楽曲が目立つ今回のアルバム。ただし、基本的にはいつものミッチーらしさは変わらず、良い意味でファンにとっては安心して聴ける作品ですし、安定感ある作品に仕上がっていたと思います。ロックなアレンジなだけにライブ映えしそうですし、ライブは盛り上がりそう・・・。聴いていて素直に楽しめる1枚でした。

評価:★★★★

及川光博 過去の作品
RAINBOW-MAN
美しき僕らの世界
喝采
銀河伝説
ファンタスティック城の怪人
さらば!!青春のファンタスティックス
男心DANCIN'
20 -TWENTY-
パンチドランク・ラヴ
FUNK A LA MODE


ほかに聴いたアルバム

doorAdore/Plastic Tree

昨年、メジャーデビュー20周年を迎えたPlastic Tree。ただライブ公演は行ったものの音源としてはベスト盤もオリジナルアルバムもリリースせずリリースされたのはトリビュートアルバムのみ。ある意味、マイペースな感じが彼ららしいのですが、約2年4ヶ月ぶりにリリースされたオリジナルアルバムが本作。基本的にはいつもの彼ららしい耽美的で哀愁感あふれるメロディーにノイジーなギターロックというスタイルなのですが、シューゲイザー路線はちょっと後ろに下がり、ダイナミックなバンドサウンドが目立つような印象が。前作「剥離」でもバンドサウンドのへヴィネスさが増していた印象がありましたが、その路線を引き継いだような新作になっていました。

評価:★★★★

Plastic Tree 過去の作品
B面画報
ウツセミ
ゲシュタルト崩壊
ドナドナ
ALL TIME THE BEST
アンモナイト
インク
echo
剥離

スポットライト/FLOWER FLOWER

ソロミュージシャンとして活動していたyuiが結成したバンドFLOWER FLOWER。yuiの結婚・出産により一時期活動を休止していたものの、徐々に活動を再開。そして3年ぶりとなるアルバムがリリースされました。

楽曲的には比較的シンプルなギターロック。前作「色」では実験的な作品も目立ったのですが、本作は一部幻想的な曲はあるものの、基本的にはポップな楽曲がメイン。ただ、バンド色、ロック色はより強くなり、ロックバンドとしての明確な方向性が感じられます。インパクトとしてはちょっと弱く、核となるような1曲がないのはちょっと残念ですが、YUI時代に感じられた外連味なく楽しめるアルバムになっていたと思います。

評価:★★★★

FLOWER FLOWER 過去の作品


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2018年5月19日 (土)

なにげにワンマンははじめて

椎名林檎 ひょっとしてレコ発2018

会場 名古屋国際会議場センチュリーホール 日時 2018年5月11日(金)19:00~

Ringolive

なにげにほぼ20年来のファンなのですが、実はワンマンライブに足を運ぶのははじめてだったりします。椎名林檎ワンマンライブ@センチュリーホール。いままで椎名林檎はエゾロックで1回、東京事変として日比谷野音でライブを1回見ただけ。今回、念願のチケットも手に入れ、初となる椎名林檎ワンマンに足を運んできました。

会場についたのは19時ちょっと前。で、ホールに入るとステージの後ろで既にカウントダウンがはじまっていました。私が来た時は3分前。やがて10秒前になるとカウントダウンがスタートし、0になると同時にロケットが打ちあがる映像が流れるのと同時にライブがスタート。最初は「人生は思い通り」からスタート。シングルのカップリング曲という、ちょっと意外なスタートとなりました。

最初はホーンセッションが楽しく鳴り響くレビュー風の楽曲からスタート。さらに「色恋沙汰」ではジャジーな雰囲気を醸し出し、全体的にムーディーな雰囲気が漂う序盤となりました。その間もバックのスクリーンでは、最初はロケットが打ちあがり宇宙に出ていくシーンからスタートし、ド派手な映像の演出が続いていきます。

そしてこの日一番歓声があがったのは懐かしいヒット曲「ギブス」を演奏したところでしょうか。いままでのムーディーな雰囲気から一転、へヴィーなバンドサウンドをバックとしたロッキンな演奏に。さらにこちらも懐かしい「意識」へと続き、個人的にはかなり懐かしさを感じる展開となりました。

さらに「JL005便で」では曲にあわせた飛行機の映像をバックにオープニングロールとしてバンドメンバーやスタッフが紹介されます。ちょっと映画みたいな展開がユニーク。この日はこの映像もさることながら、ライブ全体でひとつのエンターテイメントとして組み立てられたような構成が目立ちました。

そしてこちらもちょっと懐かしい「浴室」。いままでのバンドサウンドから一転、打ち込みでテンポよいリズムからスタート。最初は着物姿で歌っていた彼女ですが、ラストでは着物を脱いでセクシーなキャミソール姿に(!)。思わず目をみはってしまいました(笑)。

その後は「暗夜の心中立て」で番傘をつかって踊りを披露していたかと思えば、最後は番傘で自らの姿を隠し、そのままステージからいなくなるという演出。ここで一度、ステージから去ります。

後半戦はスタンダードナンバー「枯葉」のカバーからスタート。映像をバックにフランス語の語りも入り、映画風でムーディーな雰囲気からのスタートとなります。そんな「大人」な雰囲気からスタートした後半戦なのですが、ガラッと雰囲気がかわるのが「重金属製の女」。いままでの色っぽい雰囲気から一転、Tシャツ1枚のパンクロックな雰囲気に。ステージも完全にロックな雰囲気に一転。へヴィーなバンドサウンドを聴かせます。

さらに「華麗なる逆襲」では「MANGARAMA」という文字(椎名林檎の率いるバンドの名前だそうです)をバックのダンスチューンに。この日、観客には小さな旗が配られましたが、椎名林檎本人もこの旗を持って、みんなで振り回します。ちなみにこの旗、ちょっとチベットの文字のような不思議な文字が書かれています。よく見るとバンドメンバーの服もどこかモンゴル風な雰囲気が・・・。テーマは東アジアの内陸部、なのでしょうか?

後半はバンドサウンドメインのロックの雰囲気が強い楽曲が続きますが、ラストは「人生は夢だらけ」で締めくくり。ホーンセッションも入って賑やかな雰囲気で、ラストにふさわしい展開に。ある意味、スタートと対になるような構成といった感じでしょうか。

もちろんその後は盛大なアンコールが。アンコール1曲目はこちらも懐かしい「丸の内サディスティック」からスタート。原曲と異なりフランス語(?)混じりの歌詞になっており、ちょっとムーディーな雰囲気が加わります。そして続いては「NIPPON」。ロック色が強いナンバーで盛り上がります。そしてラスト前にようやくこの日はじめての簡単なMCが。「また近いうちに会いましょう。明日もやってるよ!」というMCが妙にかわいらしさを感じました(笑)。ラストは「野性の同盟」で締めくくり。ライブは幕を閉じました。

序盤から最後まで一気に走り抜けた感のあるこの日のライブ。MCもラスト前にちょっとあっただけ。結果として1時間40分程度というちょっと短いステージでした。

最初から最後までバックの映像をふんだんにつかった演出が魅力的。上にも書いた通り、ライブ全体としてひとつのエンタテイメントとして構成されたようなステージで、ライブ自体ももちろんのこと、演出にも惹かれるものがありました

そしてこの日のライブなのですが、「ひょっとしてレコ発」というタイトルとは裏腹に、残念ながらアルバムはリリースされなかったのですが、それだけにかなり懐かしいナンバーから最近の楽曲まで網羅したベスト盤的なセットリストになっています。

またそのベスト盤的なセットリストによってあらためて感じたのですが、椎名林檎って、本当に音楽的な幅が広いんですね。ビックバンド的な曲からジャジーな曲、バリバリのロックナンバーや打ち込みのエレクトロサウンドなどなど、ありとあらゆるタイプの曲が次々と展開されるステージ。それにも関わらず、楽曲はきちんと椎名林檎のカラーが一貫してついておりバラバラになっていません。バラバラになっていない要因としてはどの曲もポップなメロディーがしっかりと流れているから。あらためてメロディーメイカーとしての椎名林檎の魅力も再認識させられました。

正直なところ2時間にみたないライブはかなりあっという間という印象が強く、非常に素晴らしいステージだっただけに、あまりにも短く、そういった意味での物足りなさを感じてしまいました。それだけ中身の濃いステージだった、ということでもあるのですが・・・。とにかく、椎名林檎の魅力を再認識させられたステージで非常に楽しかったです。これはまた次のライブにも足を運ばなくては!

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2018年5月18日 (金)

初音ミク10周年!

Title:HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album 「Re:Start」

昨年、最初のリリースから10周年を迎えたボーカロイドソフト初音ミク。このソフトが音楽シーンに与えた影響はご存じの通り。動画サイトを中心に、いわゆる「ボカロP」と呼ばれる初音ミクを使用して数多くの楽曲を生み出すミュージシャンたちが登場。そしてその中でその「ボカロP」出身の米津玄師が昨今ではお茶の間レベルでのヒットを飛ばしているのはご承知の通りです。

本作はタイトル通り初音ミクリリース10周年を記念してリリースされたアルバム。2枚組となっており、Disc1は人気ボカロPが10周年を記念して書き下ろした曲が収録されており、Disc2は、過去のボカロ曲の代表曲が収録された内容となっています。残念ながらハチこと米津玄師は参加していないようですが・・・。

さて、ちょうど先日、同じく初音ミク10周年にあわせるかのようにリリースされたオムニバスアルバム「合成音声ONGAKUの世界」を紹介しました。こちらは「初音ミク」という名前を一切出さないタイトルやジャケット写真からもわかるようにストイックの音楽のみの側面にスポットをあてたアルバム。ボカロ曲として決して大ヒットは記録していなくても音楽的に「聴くべき」と思われる曲を収録しています。

この「Re:Start」はある意味、「合成音声ONGAKUの世界」とは裏表の関係にあるアルバムと言えるかもしれません。「合成音声ONGAKUの世界」がボカロシーンにおける「サブカルチャー」的な存在だとすると、「Re:Start」におさめられている曲はボカロシーンにおけるメインカルチャー。ヒットシーンの中心を行くような曲が収録されています。

そんな「メインカルチャー」の曲を集めた本作を聴くとまず感じるのが、収録曲が良くも悪くもJ-POPだな、ということでした。「合成音声ONGAKUの世界」のアルバム評でも書いたのですが、全体的に昨今のJ-POPシーンと共通するような情報を詰め込んだようなポップスがメイン。サウンド的にはオルタナ系のギターロック、あるいはエレクトロポップがメインとなっており、目新しいものはありません。当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、オリコンのヒットチャートに入ってくる曲とボカロのヒット曲に大きな差異はありません。

個人的にはボカロシーンはもっと自由度が高いはずなので、もっといろいろなタイプの曲がヒットすればおもしろいのに・・・とは思っているのでちょっと残念に感じるのですが・・・。ただ、そうとはいってこのオムニバスアルバム、さすがにそんな中でも人気のボカロPの曲やボカロ曲が収録されているだけあって、しっかりと聴かせる魅力的なポップソングが並んでいます。

特に印象に残ったのがまず和田たけあき(くらげP) feat.初音ミク「ひとごろしのバケモノ」。童謡のような世界観のファンタジックな歌詞とカントリーテイストの軽快なポップチューンが耳を惹く作品。また、れるりり feat.初音ミク「神様からのアンケート」も歌詞がユニークで耳を惹く作品。ともすれば早口すぎて聴き取りにくい曲が多いボカロ曲の中で、しっかりと歌詞が耳に残る作品になっていました。

ボーカロイド音楽のシーンの「中心」を総括的に知るにはもってこいのオムニバスアルバム。有名曲も手っ取り早くおさえられます。ただ、純粋に音楽的な側面について言えばやはり「合成音声ONGAKUの世界」の方が断然よかったかなぁ。初音ミクの「合成音声」という側面を上手くいかしていたのもあちらに収録されていた曲が多く、こちらは「初音ミクの消失」みたいな曲はあるものの、基本的には「人間のボーカルの代わり」みたいな位置づけにすぎない曲がほとんどだったし・・・。

もっとも、「合成音声ONGAKUの世界」に収録されているような曲だけではなく、こういう万人が楽しめる「売れ筋の曲」があるからこそ、ボカロのシーンとしての分厚さが増しているのは間違いありません。一時期に比べるとちょっと落ち着いた感じもするボカロシーンですが、まだまだ魅力的なミュージシャンたちが登場してきそう。これからのボカロシーンもまだまだ要注目です。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Year Book 1985-1989/坂本龍一

坂本龍一のレア音源を集めた「Year Book」シリーズの第4弾。今回はタイトル通り、1985年から1989年の音源を収録したアルバムで、なんと全5枚組の大ボリューム。まずDisc1は1985年の「国際科学技術博覧会」いわゆるつくば万博で行ったライブパフォーマンスの模様をおさめたライブ盤。Disc2はビル・ラズウェルや近藤等則と1985年に六本木インクスティックで行った即興演奏の模様をおさめたライブ盤。Disc3,4は1985年にバッハ生誕300年を記念して製作された音楽パフォーマンス「マタイ1985 ~その人は何もしなかった~」の模様を収録した音源。さらにDisc5ではNHK「科学万博ハイライト」エンディング・テーマ曲やフジテレビCM「しなやか思想」テーマ曲などのレア音源が収録されています。

全体的にはいかにも現代音楽的な曲が多く、ポップスさは全くなく、聴く人を選びそう。また楽曲的にも「いかにも80年代」といった感じの曲が多く、昨今、80年代の音楽は見直されつつあるものの、それを差し引いても、今聴くとちょっと厳しいかも、といった感じの曲の見受けられます。どちらかというと「記録」という側面の強いアルバム。興味深い貴重な音源なのですが、5枚組というボリュームもあり、熱心なファン以外にはちょっとお勧めできにくいかも。

評価:★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014
The Best of 'Playing the Orchestra 2014'
Year Book 1971-1979
async
Year Book 1980-1984

ASYNC-REMODELS

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2018年5月17日 (木)

ベスト盤が1、2フィニッシュ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は1位2位に2枚同時リリースされたベスト盤が並びました。

主にアニソンを中心に歌う女性ボーカリストLiSAの2枚同時リリースのベスト盤「LiSA BEST-Way-」が初動売上4万2千枚で1位を獲得。「LiSA BEST-Day-」が初動売上4万1千枚で2位に続き、2枚同時のランクインとなっています。彼女の1位獲得はシングルアルバム通じて初。前作「LiTTLE DEViL PARADE」の2万8千枚(4位)からもアップしています。

3位は韓国の男性アイドルグループEXO-CBX「MAGIC」がランクイン。アイドルグループEXOからチェン、ベクヒョン、シウミンの3人が組んだ別働ユニット。初動売上4万1千枚。直近作は韓国盤の「BLOOMING DAYS」でこちらの7千枚(10位)よりは大きくアップ。ただし、国内盤では前作「GIRLS」の5万5千枚(2位)からダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まずは4位にポルカドットスティングレイ「一大事」が入ってきました。最近人気上昇中の女性ボーカル+男性3名のロックバンドで4位は自己最高位。ただし初動売上1万2千枚は前作「全知全能」の1万6千枚(6位)よりダウン。ただし、前作がフルアルバムだったのに対して本作はミニアルバムという要因もあるのですが。

5位初登場はヨルシカ「負け犬にアンコールはいらない」。ボカロPとして活躍していたn-bunaが結成したロックバンドで、これが初のベスト10入りとなります。初動売上は8千枚。前作「夏草が邪魔をする」の2千枚(32位)から大きくアップしています。

7位にはThe BONEZ「WOKE」が入ってきました。こちらはRIZEのJESSEが、元RIZEのNAKA、Pay money to my PainのT$UYO$HI、ZAXと組んだロックバンド。本作が初のベスト10ヒットとなりました。初動売上6千枚は前作「To a person that may save someone」の4千枚(16位)からアップ。

最後9位10位には海外勢が並びました。まず9位にはイギリスの4人組ロックバンドArctic Monkeys「Tranquility Base Hotel & Casino」がランクイン。約5年ぶりのアルバムとなります。初動売上は4千枚。前作「AM」の7千枚(10位)よりダウン。

そして10位にはアメリカのシンガーソングライターCharlie Puth「Voicenotes」がランクインしています。こちらが2枚目のアルバムでベスト10ヒットは初。ただし初動売上4千枚は前作「Nine Track Mind」(27位)から横バイとなっています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2018年5月16日 (水)

アイドルグループが目立つ中

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はアイドルグループが目立つチャートとなりました。

まず1位は名古屋を中心に活動する男性アイドルグループBOYS AND MEN「進化理論」が初登場で獲得。TBS系アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」オープニングテーマ。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)1位、Twitterつぶやき数17位、ラジオオンエア数40位を記録。オリコンでは初動売上13万9千枚で1位を獲得。前作「帆を上げろ!」の16万5千枚(2位)よりダウン。

また3位には乃木坂46「シンクロニシティ」が先週2位よりワンランクダウンでベスト3をキープ。さらに4位以下でもまず4位にハロプロ系女性アイドルグループアンジュルム「泣けないぜ...共感詐欺」が初登場でランクイン。実売数2位ながらもラジオオンエア数28位、PCによるCD読取数25位、Twitterつぶやき数47位といずれも奮わなかった影響でこの位置に。オリコンでは初動売上4万4千枚で2位初登場。前作「愛さえあればなんにもいらない」の4万5千枚(3位)から微減。

また6位にはBABYMETALの配信限定シングル「Distortion」が初登場でランクイン。実売数7位、Twitterつぶやき数9位、You Tube再生回数28位を記録。さらに10位に韓国の男性アイドルグループBTS(防弾少年団)「Don't Leave Me」が先週の14位からランクアップしてベスト10入り。4月4日にリリースされたアルバム「FACE YOURSELF」収録の楽曲で、フジテレビ系ドラマ「シグナル 長期未解決事件捜査班」主題歌に起用されています。実売数は34位に留まりましたが、Twitterつぶやき数で1位を獲得し、初のベスト10ヒットとなりました。

そんなアイドル勢の中で、孤軍奮闘2位を獲得したのが米津玄師「Lemon」。先週は4位までランクダウンしましたが、再び2位に返り咲き。実売数4位、ラジオオンエア数35位、Twitterつぶやき数11位を記録したほか、PCによるCD読取数及びYou Tube再生回数では先週から引き続き1位を記録しており、まだまだロングヒットは続きそうです。

4位以下のアイドル系以外の初登場ではまず8位にレン(楠木ともり)「To see the future」がランクイン。アニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」エンディングテーマで、登場キャラクターのレンが歌っている設定のキャラソン。声優の楠木ともりとしても初のシングルとなります。実売数6位、PCによるCD読取数11位、Twitterつぶやき数15位を記録。ちなみにオリコンでは初動売上4千枚で18位止まり。ただし、デジタルシングルチャートでは3位を記録しており、デジタル系中心のヒットとなっています。

最後9位には三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「恋と愛」がランクイン。6月6日リリース予定のアルバム「Future」からの先行配信曲。実売数28位、Twitterつぶやき数5位、You Tube再生回数10位を記録。主にネット系チャートで高順位を記録し、ベスト10入りとなりました。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート!

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2018年5月15日 (火)

ソロ活動10年目のベスト盤

Title:(re:Rec)
Musician:AA=

ご存じ90年代後半から2000年代初頭にかけて絶大な人気を誇り、日本のみならず海外でも多くのファンを獲得していたパンクロックバンドTHE MAD CAPSULE MARKETS。そのバンドの全曲のプロデュースを手掛け、ほとんどの曲の作曲を手掛けていた上田剛士。2006年から残念ながらTHE MAD CAPSULE MARKETSは活動休止状態に入っていますが、2008年から自身のソロプロジェクト、AA=を立ち上げ、その後、アルバム6枚をリリースし、現在まで積極的な活動を続けています。

本作はそんな彼の活動10周年を迎えてリリースされた初のベストアルバム。タイトル「(re:Rec)」(リレックと読むようです)の名前の通り、全曲再録した内容となっており、単なる過去の曲の羅列ではなく、今のスタイルにリメイクしている点、彼のこだわりも感じさせます。

楽曲的にはTHE MAD CAPSULE MARKETSの司令塔だった上田剛士のソロプロジェクトだけあって、基本的にはマドカプの延長線上のような楽曲がメイン。エレクトロサウンドにへヴィーなバンドサウンドを重ねたハードコア路線が主軸となっており、「2010 DIGItoTALism」「sTEP Code」のようなシャウト気味のボーカルに分厚いサウンドというスタイルが耳を惹きます。ただ、一番印象的なのはただハードな楽曲スタイルだけではなく、「KILROY WAS HERE」「The Klock」のように、へヴィーなサウンドが続いたかと思えば、途中、いきなりサウンドが爽やかに抜けてポップになるスタイルの曲。こういう曲のスタイルはTHE MAD CAPSULE MARKETSでもよく見受けられ、彼らの曲の大きな魅力となっていましたがAA=でもそのスタイルは受け継がれていました。

また、ただへヴィネスさ1本ではなく、例えば「ROOTS」はレゲエ的な裏打ちのリズムで軽快なポップチューンになっていますし、「DREAMER」のようにノイジーなエレクトロビートは流れていつつも、ハードコアなサウンドではなくポップなメロディーが主軸となっているような曲もチラホラ。ハードなデジタルサウンドを聴かせるだけではなく、メロディーメイカーとしての魅力も持っていることを感じさせます。

そして今回のベスト盤の中でも一番インパクトがあったのが、自らのミュージシャン名「AA=」の元ともなっている「ALL ANIMALS ARE EQUAL」。もともとはジョージ・オーウェルというイギリスの作家の作品「動物農場」に登場する言葉。基本的にエレクトロ路線を前に押し出したへヴィーなバンドサウンドよりもエレクトロ色の強いナンバーなのですが、「すべての創造は平等である」という繰り返させるサビの歌詞に彼の強い主張を感じるナンバーになっています。

そんな訳でへヴィーなエレクトロサウンドは文句なしにカッコよく、ロック好きには文句なしにお勧めできるAA=。今回のベスト盤もそんな彼の魅力が文句なしに発揮されており、入門盤的にも文句なしにお勧めできるアルバムにあんっています。ただ・・・THE MAD CAPSULE MARKETS時代の曲と比べると、確かに方向性的には完全に一致するのですが・・・「でも、何かが違う・・・」(by「2010 DIGItoTALism」)と印象を受けてしまいます。一番わかりやすいのがドラムスのサウンドが軽くなってしまっているという点なのでしょうが、それ以外にも全体的にTHE MAD CAPSULE MARKETSの3人が奏でていたグルーヴ感に比べると、どこか物足りなさを感じてしまいます。

最近はBABYMETALなどへの楽曲提供でも大きな話題をさらった上田剛士。ただ、正直なことを言ってしまうと、それよりも是非、THE MAD CAPSULE MARKETSの活動再開を!!とも思ってしまいます。まあ、上田剛士一人の問題ではないだけに活動再開は難しいのかもしれないのですが・・・。AA=の楽曲ももちろん素晴らしい名曲ばかりなのですが、THE MAD CAPSULE MARKETS不在の物足りなさを、10年以上たった今でも正直感じてしまったベスト盤でした。

評価:★★★★★

AA= 過去の作品
#1
#2
#
4

#5

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2018年5月14日 (月)

岸田繁の好みを強く反映

Title:京都音楽博覧会2017 in 梅小路公園

2007年から毎年、京都の梅小路公園でくるり主催により開催されている「京都音楽博覧会」。私も一度だけ足を運んだことがありますが、毎年、「音楽博覧会」という名前にふさわしく、ロックやポップスというジャンルを超えて、ほかの音楽フェスではまずお目にかかれないようなミュージシャンも呼び、話題となっています。

今回紹介するアルバムは昨年9月に行われた「京都音楽博覧会」の模様をおさめたライブアルバム。配信限定でのリリースとなっています。2017年に開催された「音楽博覧会」では、おなじみのくるりはもちろん、ブラジルのミュージシャン、Alexandre Andrés & Rafael MartiniやインドネシアのシンガーソングライターDhira Bongs、ブエノスアイレス出身のバンドネオン奏者でシンガーソングライターのTomi Lebreroといったワールドミュージック界隈のミュージシャンも多く参加しています。

さらには京都音博フィルハーモニー管弦楽団としてスペシャルオーケストラが参加したほか、このオーケストラをバックに「京都音博”生”歌謡ショー」と称してアジカンのゴッチ、オリジナルラヴ田島貴男、UA、二階堂和美がその歌を披露し、今回のアルバムでもその模様が収録されています。

さて、そんなバラエティー豊かなミュージシャンたちが参加した「京都音楽博覧会」。もともとくるりが主催=ミュージシャンの選定は基本的に岸田繁が決定しているだけあって、岸田繁の好みが如実に反映されたラインナップになっています。基本的に彼の好みの方向性はブラックミュージック的要素が排除された、いかにも西洋音楽的な方向性。彼自身、ブラックミュージックに言及することもあって、それなりに聴いているようですが、どちらかというと「お勉強」的に聴いている印象があり、彼の薦めるミュージシャンのラインナップを見る限りは、複雑なリズムやグルーヴ感よりも整ったリズムや美しいメロディーラインが主軸となった西洋音楽的な楽曲が好みであることがわかります。

「京都音楽博覧会」に招待されたラインナップを見てもまさにそんな感じ。海外からのミュージシャンもアコースティックな演奏でフォーキーな雰囲気の曲が多く、まずは美しいメロディーラインを楽しむタイプのミュージシャンが並びます。

またこのアルバムの特徴はすべてのミュージシャン、オーケストラをバックとしたステージという点でした。そのため聴きなれたような曲もストリングスアレンジがほどこされており新鮮味も感じるステージになっています。11回目の開催となる「京都音博」ではじめてライブアルバムがリリースされたのも、そんなオーケストラバックのステージを記録的に残しておきたいという意図が働いたのかもしれません。

特にくるりの「ジュビリー」「奇跡」、田島貴男のご存じ「接吻」などはストリングスによるアレンジがより映えて、楽曲の新たな魅力を感じることが出来ました。ただ逆に、くるりの「everybody feels the same」は正直バンドアレンジの方がしっくりきたような。またゴッチの「Taxi Driver」も歌い方が完全にロックのそれだったためか、いまひとつしっくりこなかったのは残念です。

ただ、海外から参加したミュージシャンもそれぞれ非常に魅力的な歌を聴かせてくれ、後半、「京都音博”生”歌謡ショー」と称したステージングも、それぞれ「歌」が本来持つ魅力を存分ひ引き出した魅力的なステージ。最後は締めくくりにふさわしいくるりの「宿はなし」をストリングスやホーンを入れて叙情感たっぷりに聴かせてくれ、ほどよい聴後感を残してアルバムは幕を下ろします。最近、家庭的な事情からなかなか遠出のライブはいけなくなってしまったのですが・・・また久しぶりに「京都音博」に足を運びたくなったライブアルバムでした。

もっともこのアルバム、ひとつ非常に残念なのが、「大人の事情」でしょうか、この日参加した布施明の音源が収録されていません。ある意味、彼のステージはいかにも「ザ・歌謡ショー」といった感じと想像でき、この日の「京都音博”生”歌謡ショー」の主軸でもあったと思われるのですが・・・この点だけはとても残念です。

そんな残念な点はあったのですが、全体としては間違いなく「京都音博」の魅力を存分に伝えるアルバム。毎回、ユニークなラインナップが特徴的なだけに、この手のライブアルバムはまたリリースしてほしいです。とても楽しめました。

評価:★★★★★

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2018年5月13日 (日)

お茶の間レベルでブレイク

Title:GOOD LUCK TRACK
Musician:竹原ピストル

俳優としての活躍から徐々に知名度をあげ、前作「PEACE OUT」で本格的にブレイク。さらには昨年末の紅白歌合戦への初出場も果たし、お茶の間レベルにまで知名度を広げてきた竹原ピストル。野狐禅としてデビューしてから15年以上が経過しており、ブレイクまでの非常に長い時間がかかった訳ですが、既に自分のスタイルをキッチリと確立しており、今回リリースされたアルバムでもそのスタンスを大きく変えることはありません。

とはいえ今回のアルバム、1曲目の「ぼくは限りない~One for the show~」は最初、アコギのみの演奏からスタートし、いつもの彼らしいと思いつつ聴きすすめると、いきなり打ち込みのリズムが入って来たりして、ちょっと驚かされます。その後も「どーん!とやってこい、ダイスケ!」ではホーンセッションを入れてきたり、「月光の仮面」ではレゲエなリズムを入れてきたりとバリエーションを出していますが、基本路線はいつも通り。弾き語りによるアコースティックギターでの力強い歌声を聴かせる曲をメインに、バンドサウンドの曲を加えてくるといういつものスタイルでした。

なによりもメロディーに、そして歌詞を重視するのが彼のスタイル。歌詞は一語一語丁寧に歌い上げるスタイルで、それだけに印象に残る歌詞が本作でも多く収録されています。特に、モデルがいるのかな?と思われるような、具体性あり、かつドラマ性ある歌詞が大きな魅力。「どーん!とやってこい、ダイスケ!」は歌手としてようやく売れてきた友人へのエールのような歌詞で、ともすれば昔の彼が今の彼へエールを送っているようにも感じられます。ラップで歌詞を綴る「本庄のド根性」はボクシング部の先輩へのエール。かなり具体的な内容になっているのですが、モデルもいるのでしょうか?「ドライブドライブ~初代機材車、二郎号に捧ぐ~」もライブを共にする機材車へ語った歌詞が印象に残ります。

そんな中でも今回のアルバムで大きなインパクトになっているのが「Amazing Grace」。有名なスタンダードナンバーを歌詞を書き換えてカバーした曲。最初はちょっと過激なラブソングか?と思って聴き進めるのですが・・・最後に感涙モノのオチが・・・。テレビの音楽番組でも歌って大きな反響があったそうですが、その理由も納得のインパクト強いナンバーになっています。

そんな感じでとにかく歌詞を聴かせるスタイルの曲が並ぶ今回のアルバム。正直言って、非常にリスナーの耳に押しこんでくるような雰囲気の歌詞が多く、しゃがれ声の彼の声質と歌い方とあわせて、少々暑苦しいという印象も受けます。ただ一方で、抽象的で説教じみた歌詞ではなく、物語性ある歌詞で具体的に伝えてくるような歌詞なだけに、ボーカルので受ける暑苦しさのイメージよりは比較的あっさり聴けるような曲が多かったようにも思います。前述の「Amazing Grace」も、最後のオチが非常に感情的なだけに、必要以上に「オチ」を強調しがちなのですが、そこはあっさりと曲を終わらせ、変なくどさを感じさせる前に歌い終えています。ここらへんにはバランスの上手さも感じました。

ブレイク後の曲ということもあって自分のスタイルは変えていないものの、比較的聴きやすい曲も多く、徐々に「ヒット」の壺をつかんできたのかな、という印象も受けた本作。これからもまだまだこの人気は続きそうです。

評価:★★★★

竹原ピストル 過去の作品
PEACE OUT

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2018年5月12日 (土)

プロの2人によるセッション

Title:SESSIONS
Musician:田島貴男&長岡亮介

オリジナル・ラヴとしても活躍している田島貴男が、ひとりだけでステージに立つ恒例のライブツアー「ひとりソウルツアー」。昨年10月から11月にかけ、その番外編としてペトローズの長岡亮介と2人のみでライブをめぐる「ふたりソウルショウ」が開催されました。本作は、その「ふたりソウルショウ」の全6公演から音源をセレクトして収録したライブアルバム。2人のみで行われた貴重なライブ音源が収録されています。

収録曲は全14曲ですが、うちオリジナル・ラヴの曲が6曲、ペトローズの曲が5曲、カバーが2曲に「ふたりソウルショウ」のために作られた「ふたりソウルショウのテーマ」の全14曲からなる構成になっています。ペドローズの曲に関しては、実は一度も聴いたことがなかったのですが、並べて聴いてもほとんど違和感はありません。基本的に、特に前半に関してはファンキーなリズムでアコースティックギターをかき鳴らすようなナンバーが並びます。2人がかき鳴らすアコギが勢いよく鳴り響く楽曲が目立つ中、「Million Secrets of Jazz」ではボイスパーカッションも披露。2人だけのステージなのですが、決して「アコギの弾き語り」だけに留まらない演奏スタイルを聴かせてくれます。

中盤「湖畔」ではアコギをつまびきながらゆっくりと聴かせてくれたかと思えば、続く「Crazy」はアメリカのカントリーシンガー、パッツィー・クラインのカバー。ソウル、ファンクの色合いが強かったこれまでの曲とはまた異なる、カントリーテイストのナンバーをしんみりと聴かせてくれます。

基本的に今回のアルバムは、「ふたりソウルショウ」6公演の中からのベスト音源を収録したアルバムのためMCは収録されていませんし、ライブの雰囲気を伝えるというよりは2人のセッションを録音した、記録的要素の強いアルバムになっています。ただ、それでもオリジナル・ラヴ最大のヒット曲「接吻」がはじまった時は観客席が大きくざわつきます。それだけファンからの期待度も強いナンバーをアコギ1本でしんみり歌い上げており、オリジナルとはまた異なる「接吻」の魅力を感じるステージングを披露してくれました。

全体的にはメンバー2人が火花を切らしてセッションを行うという感じでもなく、仲良しの2人が和気藹々といった感じでもありません。ただ、プロの2人が淡々と素晴らしい音楽を作り上げるような演奏といったイメージでしょうか。それだけにライブの迫力というよりは楽曲として完成度の高い14曲が収録されていました。

最後は50年代から60年代にかけて活躍したギターデゥオ、エヴァリー・ブラザーズの「Love Hurts」で締めくくり。こちらでは息の合った2人のハーモニーを聴かせてくれます。全体的にはわかりやすい派手なパフォーマンスというよりも、しっかりとしたプロの演奏を聴くことが出来た傑作アルバム。今後もこの2人でまたセッションを行うのでしょうか?是非次は、ライブで見てみたいです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ネオンと虎/パスピエ

前作「OTONARIさん」に続いて2作連続となるミニアルバム。前作から引き続き、良くも悪くも素直なポップスのアルバムになっていたという印象。「トビウオ」のようなピコピコ音が楽しいポップや「オレンジ」のようなエレクトロディスコチューンで、エレクトロ色が強く感じたかと思えばラストの「恐るべき真実」ではスケール感を持った曲調で締めくくるというバラエティーある展開も。ただやはり突き抜けたようなインパクトには不足しているのは気になります。

評価:★★★★

パスピエ 過去の作品
ONOMIMONO
演出家出演
幕の内ISM
娑婆ラバ
&DNA
OTONARIさん

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2018年5月11日 (金)

約半日のTakkyu地獄

Title:Takkyu Ishino Works 1983~2017
Musician:石野卓球

すさまじいBOX盤がリリースされました。石野卓球といえばご存じ電気グルーヴのメンバーにして、世界的にも名を響かせる日本を代表するテクノミュージシャンの一人。昨年12月に50歳の誕生日を迎えた彼ですが、その彼の30年に及ぶソロ活動の曲から代表曲を網羅的に収録した8枚組となるBOX盤が本作です。

この8枚の中に、彼がプロデュースした曲、リミックスした曲、コラボした曲、そしてソロ楽曲など、ありとあらゆる石野卓球の「仕事」が収録。まずDisc1はプロデュース曲。リリース当初大きな話題となった篠原ともえ「クルクルミラクル」や、電気グルーヴの全身バンド、人生の「いかした彼女」も収録。比較的コミカルな曲が多く、ハリウッドザコシショウというお笑い芸人が歌う「ゴキブリ男」などは90年代あたりの電気グルーヴを彷彿とさせるようなかなりコミカルかつシニカルなナンバー。ちなみに作詞作曲も石野卓球です。あと細川ふみえの「にこにこにゃんにゃん」も今聴くと、あきらかに「自分は誰でもやらせてしまう女性だ」と歌っているナンバーで、ある意味、かなり破壊度の強いナンバー。この曲も作詞作曲石野卓球です・・・。ある意味、石野卓球の「狂気」の部分がもっとも強く出た1枚となっていました。

Disc2から4はリミックス曲を集めた曲。Disc2はちょっと前のリミックスが収録されていて、時代を感じさせるような曲もありますが、そんな曲を含めて石野卓球らしさがリミックスによくあらわれています。エレカシの「浮雲男」などはエレクトロのサウンドと宮本浩次のボーカルのミスマッチが非常にユニークなリミックスで印象に残ります。

Disc5はほかのミュージシャンとのコラボ曲を集めた1枚。TOKYO No.1 SOUL SETの川辺ヒロシと組んだユニット、Inkの曲もこちらに収録されています。Disc6は「ASSOATED CLUB TRAX」として基本的に石野卓球ソロ曲がメイン。ミニマルなテクノが淡々と続く作品で、石野卓球のストイックな側面が表にあらわれています。Disc7は「OTHER WORKS」ということで、ほかのどれにもあてはまらない「その他の仕事集」。Disc7のストイックな雰囲気から一転、コミカルな曲が多く収録されています。2008年にリリースされた「マッハGoGoGo」へのトリビュートアルバムに収録された「SPEED RACER」は、その「マッハGoGoGo」の昔のテーマソングがサンプリングされておりインパクトの強いナンバー。夏木マリの「逆走BBA」も彼女の力強いボーカルが逆にコミカルに聴こえる石野卓球らしいユーモラス感あふれる曲になっています(ただし、彼は作曲のみで参加)。

そしてラスト8枚目は「RARE TRAX」としてタイトル通りのレア曲集。なによりもレア度が目立つのがラスト石野文敏(16)名義の「Noise In The Ear」。ご存じのとおり、石野文敏とは石野卓球の本名。「16」ということはおそらく彼が16歳の頃に作った曲なのでしょう。いまから聴くと音は非常にチープですが、きらりと光るポップスセンスはこの頃から健在。のちに花開く彼の才能の片りんを確実に感じることが出来ます。

そんなわけで全8曲。「約半日のTakkyu地獄」とは石野卓球のこのアルバムに対するコメントから抜粋した、彼らしい言い回しですが、全10時間近くにも及ぶ石野卓球の世界を堪能できるアルバムになっています。

さてそんな石野卓球の仕事ぶりをたっぷりと聴いたのですが、まず彼に関して感じた大きなポイントは彼は良い意味で仕事を選ばないな、ということでした。以前から様々な毒舌ぶりが話題の彼ですが、昔から今に至るまで「実力派ミュージシャン」だけではなくアイドル系からお笑いタレント、最近でもORANGE RANGEやらSCANDALやら、なにげにいろいろなタイプのミュージシャンのプロデュースやリミックスを手掛けています。そんな相手を選ばない仕事ぶりにも関わらず一貫とした石野卓球色を感じることが出来、より彼の実力が際立つ結果となっています。

もう1点は彼の仕事にはかなりコミカルな曲が多い反面、音楽的にはストイックな仕事をしているという点でした。彼自体、普段の発言もコミカルでシニカルな発言が多い反面で、音楽に関しての発言は非常にストイックな発言が目立ちます。そんな彼に音楽に対する真摯な態度はまずはこの仕事ぶりに非常に反映されており、歌詞にはコミカルな側面が目立つ反面で音楽的にふざけたりしている点は皆無。彼の「真面目」な側面を強く感じました。

そんな訳で石野卓球を存分に体験できる約半日。さすがに10時間、通しでは聴いていませんが、CD1枚ずつ聴いてももちろん楽しめるアルバムです。ちなみにこの8枚組から厳選し、2枚組とした「Takkyu Ishino Works 1986~2017(Excerpt)」もリリースされていますので、さすがに8枚組は・・・と思った方はこちらを是非。

評価:★★★★★

石野卓球 過去の作品
CRUISE
WIRE TRAX 1999-2012
LUNATIQUE
EUQITANUL
ACID TEKNO DISKO BEATz


ほかに聴いたアルバム

ポプテピピック ALL TIME BEST

今年1月から3月の放送で一番話題となったクソアニメ「ポプテピピック」で使用された楽曲を収録したサントラ盤。ただ、基本的にDisc1はアニメでつかわれたBGM集で、アニメを見ていたからならシーンを思い出して「クスっ」と笑える方もいるかもしれませんが、曲だけで純粋に聴くのは厳しい感じ。エンディングテーマの「POPPY PAPPY DAY」はアニメ同様、様々な声優さんによって歌われているのですが、それによってオルタナ系ギターロックっぽく聴こえたりアイドル系っぽく聴こえたりするのがユニーク。ただオープニングテーマが未収録なのが残念なのと、アニメの狂いっぷりに反して収録曲自体は「普通の」J-POPなのはちょっと残念。個人的にはコラボTシャツも発表している電気グルーヴあたりに、もし2期があったらテーマ曲を歌ってほしいのですが・・・。

評価:★★★

ラーメンな女たち/矢野顕子×上原ひろみ

2011年に東京・昭和女子大学人見記念講堂で行ったレコーディングライブにて共演。ライブアルバム「Get Together -LIVE IN TOKYO-」をリリースした矢野顕子×上原ひろみ。本作はその後5年を経て、久々の共演となった2016年9月15日渋谷・Bunkamuraオーチャードホールで行われたライブの模様をおさめたアルバム。矢野顕子、上原ひろみどちらも非常に自由度の高い演奏が魅力的で相性の良さを強く感じます。特にジャズをベースに「おちゃらかほい」や「真っ赤な太陽」、「東京ブギウギ」など、古き良き日本の童謡、歌謡曲などを盛り込み、フリーキーなジャズの中に和の要素を強く感じるユニークな作品に仕上がっていました。

前作同様、矢野顕子と上原ひろみが対峙するというよりも一体となって演奏でている感じが強く出ており、ある意味ベクトル的には近いミュージシャンなんだな、ということを感じます。このコンビでまた是非アルバムを作ってほしい!そう強く感じた1枚でした。

評価:★★★★★

矢野顕子 過去の作品
akiko
音楽堂
荒野の呼び声-東京録音-
Get Together~LIVE IN TOKYO~(矢野顕子×上原ひろみ)
矢野顕子、忌野清志郎を歌う
飛ばしていくよ
JAPANESE GIRL - Piano Solo Live 2008 -
さとがえるコンサート(矢野顕子+ TIN PAN)
Welcome to Jupiter
矢野顕子+TIN PAN PARTⅡ さとがえるコンサート
(矢野顕子+ TIN PAN)
矢野山脈
Soft Landing

上原ひろみ 過去の作品
BEYOUND THE STANDARD(HIROMI'S SONICBLOOM)
Duet(Chick&Hiromi)
VOICE(上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips)
MOVE(上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips)
Get Together~LIVE IN TOKYO~(矢野顕子×上原ひろみ)
ALIVE(上原ひろみ THE TRIO PROJECT)
SPARK (上原ひろみ THE TRIO PROJECT)
ライヴ・イン・モントリオール(上原ひろみ×エドマール・カスタネーダ)

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