2019年7月23日 (火)

疾走感あふれるパンクチューンが心地よい

Title:Patience
Musician:Mannequin Pussy

女性に対する侮蔑語であるPussyという言葉がかなり強いインパクトを持つこのバンドは、アメリカ出身の女性ボーカルによる男女混合4人組のインディーロックバンド。3枚目となるこのアルバムはオフスプリングやNOFXなど数多くのパンクバンドを輩出してきたアメリカのインディーレーベル、エピタフ・レコードからリリースされています。

まだまだ日本では無名な彼女たち。今回、はじめて彼女たちのアルバムを聴いたのですが、メロディアスでポップなメロディーと勢いあるパンキッシュなバンドサウンドがとにかく気持ちよく、一気に気に入ってしまいました。

彼女たちのサウンドは基本的に非常にシンプルなオルタナ系のギターロック。インディーバンドらしい粗削りな部分も多く、それもまた大きな魅力となっています。特に分厚いバンドサウンドに力強いシャウトを聴かせる「Cream」や1分弱という短さをシャウトとバンドサウンドで一気に畳みかける「DrunkⅠ」、力強いギターリフが耳を惹く「F.U.C.A.W.」などは80年代あたりのインディーロックバンドを彷彿とさせる部分があり、懐かしくもこの時代にこんな音を鳴らすバンドが残っていたんだ、といううれしさを覚える曲になっています。

ただ彼女たちのもうひとつの大きな魅力はパンキッシュなバンドサウンドだけではなく、しっかりとインパクトあるポップなメロディーラインを聴かせてくれるという点。単純に力強いバンドサウンドで勢いで押し切るのではなく、あくまでも聴かせるメロディーラインが土台となっており、バンドとしての基礎体力の強さを感じさせます。

例えば「DrunkⅡ」ではちょっと切なさを感じさせるメロディーを聴かせてくれますし、「Fear/+/Desire」も哀愁感を覚えるメロディーが耳を惹きます。「Who You Are」なども軽快でポップなメロディーが大きなインパクトとなっていますし、ラストを締めくくる「In Love Again」も軽く入ったピアノの音色も爽やかな、メロディアスなポップチューンに仕上がっています。

パンキッシュなサウンドを軸にしつつ、バラエティーのある作風も大きな魅力。ポップなメロディーラインはインパクト十分で人なつっこさもあり、日本で売れそうな印象もあります。チャットモンチーやSHISHAMOあたりのガールズロック好きはもちろん、the pillowsのようなオルタナ系ギターロックが好きなリスナーや海外でいうとPixiesあたりに通じる部分もありそう。個人的にはかなり壺をつきまくったバンドでした。

ちなみに全10曲25分というパンクバンドらしいアルバムの短さもひとつの魅力。そのため最初から最後まで一気に聴ききることができて、いい意味でダレることがありません。このアルバムの短さも本作の大きな魅力に感じました。

そんな訳で、ロック好きにはかなりおすすめしたいパンクロックバンドの傑作アルバム。上に出したバンドでピンと来たような方には是非とも聴いてほしい1枚。いい意味で聴きやすいアルバムになっているため、ロック好きには幅広くお勧めできる傑作でした。

評価:★★★★★

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2019年7月22日 (月)

11年ぶりの突然の新作

Title:Help Us Stranger
Musician:The Raconteurs

途中、ライブ活動などで断続的な活動は続けていたものの、オリジナルアルバムとしては11年ぶりとなる、ジャック・ホワイト率いる4人組ロックバンドの新作。ファン待望の・・・というよりも、まさかいまさらリリースされるとは思わなかった、と思った方も多いのではないでしょうか。個人的にも率直に言ってしまうと、まだ活動していたのか・・・とすら思ってしまいました。

もともとルーツ志向的な傾向が強いジャックですが、今回のアルバムでも60年代や70年代の、ロックが最も輝いていた時代の音楽を、思う存分に奏でています。メンバー自ら「The Whoを彷彿とさせる」と語っている疾走感あるロックナンバー「Bored and Razed」からスタートし、「Only Child」も70年代あたりの匂いを感じさせるくすんだ雰囲気が特徴的な楽曲。「Shine The Light On Me」はピアノが入ってメロディアスなナンバーなのですが、The Beatlesっぽさを強く感じます。

その後も、これまた70年代風のブルースロック「Somedays(I Don't Feel Like Trying)」と続き、ラストの「Thoughts And Prayers」もカントリーの雰囲気を入れてしんみり聴かせる、これまた70年代あたりを彷彿とさせるナンバー。アルバムを通じて、古き良きロックに対するバンドの愛情を強く感じさせます。

ただ、このバンドのおもしろい点は単なる懐古趣味のロックではない、という点でしょう。例えばオールドスタイルのロックだけではなく、「Don't Bother Me」などは力強いギターリフにハードロックやメタルからの影響も感じさせます。さらに特徴的なのはアルバムの終盤。パンキッシュな「Live A Lie」は昔ながらのロックというよりはむしろ90年代以降のグランジの影響を色濃く感じます。全体的にもバンド全体の音量の大きななども含めて、単純に昔ながらのロックを追随するのではなく、現代としての視点を感じさせるアレンジになっており、しっかりとThe Raconteursのロックと作り上げていました。

そしてそんなアルバム全体に共通するのは、ただただ音量の大きなギターロックと勢いのあるメロに感じさせる心地よさとロックを聴いたという満足感。楽曲をいろいろと聴くと、前述のような理屈をこねられるのですが、純粋にリスナーとしてはそんな屁理屈などどうでもよくなるような、大音量のロックサウンドに身をゆだねられる、そんなアルバムに仕上がっていました。

ちなみに久しぶりのアルバムにも関わらず、全米チャートでは見事1位を獲得したとか。ヒットチャートの主役がすっかりHIP HOPに置き換わってしまった今、これほど「ロック」らしいアルバムが1位を獲得するのは快挙といえるかもしれませんが、逆に言えば、今でもこのアルバムのように大音量のバンドサウンドを聴きたいと思っているリスナー層は大きいという証左でしょう。次は11年後・・・なんて言わないで、また近いうちにアルバムを作ってほしいなぁ。ロック好きにはたまらない1枚でした。

評価:★★★★★

The Rancounteurs 過去の作品
Consoler Of The Lonely

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2019年7月21日 (日)

ジェットコースターのようなアルバム

Title:
Musician:女王蜂

メンバー全員、年齢、国籍、性別まで不明という謎にみちたプロフィールに奇抜なファッションがとにかくインパクトのあるバンド、女王蜂。2011年のメジャーデビュー後も確実にその人気を伸ばしてきました。ただ個人的には彼らのスタイルが非常におもしろいと思う反面、楽曲がミュージシャンイメージのインパクトに負けてしまっていたというのがいままでの彼らのアルバムの感想でした。

しかし、今回のアルバムではついに、楽曲のインパクトが彼らのミュージシャンとしてのインパクトに追いついてきました。今回の彼らのアルバムについて一言で例えるとまるでジェットコースターのようなアルバムと言っていいかもしれません。最初から最後まで次々と楽曲のスタイルが変わっていく構成に最後まで耳の離せない、非常にスリリングな作品になっていました。

アルバムの1曲目「聖戦」はストリングスも入って優雅な雰囲気にスタート。哀愁感たっぷりのメロとダイナミックなバンドサウンドは女王蜂っぽいものの、端整なサウンドには逆に意外性も感じさせます。ただ続く「火炎」は琴の音色で和風を施したサウンドと打ち込みのリズムのアンバランスさがユニークな和風なナンバーに展開。さらに「魔笛」では和風なメロを奏でながらもファンキーなリズムでギターリフ主導のロックなナンバーに、と次々と異なるタイプの作風の曲が展開されていきます。

女王蜂の真骨頂的なのが中盤の「先生」。ファルセットを用いた中性的なボーカルスタイルに「むすんでひらいて」のメロディーを入れつつ、妖艶さとエロチシズムを感じさせる和のテイストのロックが、まさに女王蜂らしい怪しさがむんむん楽曲全体から漂ってくる楽曲。禁断の恋愛を描いた歌詞にもゾクゾクさせられます。まさに彼らのアーティストイメージが楽曲とピッタリマッチした楽曲に仕上がっていました。

さらにジェットコースターのような展開は後半も続いていきます。タイトルチューンの「十」は静かな雰囲気の前半から、後半は打ち込みやストリングスも入れたダイナミックで分厚いサウンドに変化。そこから「Serenade」はディスコ風のダンサナブルなナンバーに一気に変化。さらに「HALF」ではハードロック風なギターリフを聴かせるヘヴィーなロックチューンへと展開していきます。

最後を締める曲が「Introduction」というタイトルなのがまたユニーク。こちらは比較的ポップでリズミカルなギターロックチューン。ただ、ポップな曲調の中でもどこか怪しげな雰囲気を感じさせる部分がチラホラ感じられるのが女王蜂らしいといった感じでしょうか。最後の最後まで耳を離せない展開が続くアルバムになっていました。

ただ、これほどバリエーションのある内容ながらもアルバム全体としては女王蜂らしさがしっかりと貫かれており、統一感をちゃんと感じられる作品になっていました。こちらは女王蜂というミュージシャン自体が強いインパクトを持っている影響でしょうか。彼らが演っていれば、どんな曲でもしっかりと女王蜂の曲になる・・・そんなインパクトありすぎるミュージシャンイメージが、バラバラな作風の今回のアルバムではうまい方向に作用していたように感じました。

いままで少々物足りなさを感じることの多かった彼らのアルバムでしたが、今回のアルバムは文句なしの傑作といえる出来だったように感じます。今回のアルバムでは、アルバムとして初のベスト10ヒットを記録しましたが、そんな人気の高さも納得の1枚でした。

評価:★★★★★

女王蜂 過去の作品
孔雀
蛇姫様
奇麗
失神
Q


ほかに聴いたアルバム

SICK(S)/BLUE ENCOUNT

BLUE ENCOUNTの新作は全6曲入りのミニアルバム。1曲目の「PREDATOR」は疾走感あるギターロックで垢抜けた感もあり非常にカッコいい楽曲に仕上がっていました。その後の楽曲に関しては1曲目と比べると若干平凡なギターロックという傾向にあったことは否定できないのですが、インパクトもありポップなメロをしっかりと聴かせる楽曲に仕上がっていたと思います。個人的にはもう一皮むけてほしい感のあるバンドなのですが、それなりに楽しむことの出来たミニアルバムでした。

評価:★★★★

BLUE ENCOUNT 過去の作品

THE END
VECTOR

Fetish/夜の本気ダンス

タイトル通り、ダンサナブルなロックが特徴的な夜の本気ダンスの3枚目となるアルバム。正直言って、いままで聴いた2枚のアルバムはあまりピンと来なかったのですが、今回のアルバムはメロディーにもインパクトが増し、またダンサナブルなビートと分厚いバンドサウンドのバランスも絶妙。ロックバンドとしてのダイナミズムさも兼ね備えてきており、いままでのアルバムの中では文句なしに一番楽しめました。ただ、サウンドにしろメロにしろ、あと一歩で傑作になりそうだったのにそこに至らなかったもどかしさを感じる面も。あと一歩、乗り越えてほしい壁も感じてしまったアルバムでした。

評価:★★★★

夜の本気ダンス 過去の作品
DANCEABLE
INTELLIGENCE

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2019年7月20日 (土)

齢80歳にして圧巻の傑作

Title:We Get By
Musician:Mavis Staples

主に60年代から70年代にかけてソウルグループのThe Staple Singersのメンバーとして活躍した女性シンガーMavis Staples。いわばリビング・レジェンド的な立ち位置の彼女ですが、しかし、ミュージシャンとしての勢いは全く止まっていません。今でも2、3年に1度はオリジナルアルバムを作成する精力的な活動を続けていますが、ただ単にアルバムを作っているだけではなく、そのどれも傑作アルバムとなっているから驚き。さらに今年2月にリリースしたライブアルバムでも若手ミュージシャンにはとても真似できないすごみのあるボーカルを聴かせてくれており、その実力のほどを見せつけています。

今回のアルバムもオリジナルアルバムとしては約1年半という、ベテランシンガーとしては非常に短いスパンでリリースされたアルバム。そんな彼女はなんと今年、御年80歳(!)。さすがにここ最近、還暦を超えても精力的に活動を続けるミュージシャンが珍しくはなくなりましたが、80歳を過ぎてもここまで精力的に、現役感ある活動を続けるミュージシャンも珍しいように思います。

前々作と前作はWilcoのJeff Tweedyプロデュースによる作品が続いていましたが、今回のアルバムはアメリカのミュージシャン、Ben Harperが全面的にプロデュース及び作詞・作曲を手掛けています。Ben Harperも今年50歳を迎えるベテランミュージシャンですが、Mavisから見ればおそらくまだまだ若手のうち(笑)。そんなミュージシャンと新たにコラボするあたりも彼女のミュージシャンとしての現役感があらわれているように思います。

今回、プロデューサーが変わった影響でしょう、前作までと比べて作風が変化しました。その最大の特徴はギターサウンドが前に押し出された曲が多かったという点。1曲目の「Change」も力強いギターが印象的ですし、続く「Anytime」もブルージーなギターが耳に残ります。Ben Harper自らも演奏に参加しているタイトルチューン「We Get By」も哀愁感たっぷりのギターを聴かせるバラードナンバーですし、「Brothers And Sisters」もファンキーなギターが大きな魅力となっています。

ただこのアルバムでなんといっても素晴らしいのは彼女のその歌声。静かに聴かせるボーカルながらも迫力とある種の凄みのあるボーカルで、失礼ながらもその年齢故の円熟味した深みを感じさせます。一方で彼女くらいの年齢になると普通はやはり声に艶やはりがなくなってくるのですが、彼女のボーカルにはそんな年齢ゆえの衰えは全く感じさせません。ボーカリストとしてこの年齢でありながらもここまでの現役感を維持するというのは驚きですらあります。

特にそんなボーカルの迫力を存分に感じされるのが中盤の「Heavy On My Mind」。ギターが静かに流れるだけのサウンドをばっくに噛みしめるように静かに歌い上げる彼女の歌声はまさに文字通り、胸に突き刺さってきます。さらに「Stronger」のような静かに力強く歌うボーカルは包容力たっぷりという表現がまさにピッタリくるような、スケール感も覚えるボーカルが大きな魅力となっていました。

また前作「If All I Was Was Black」は強いメッセージ性を込めたアルバムになっていましたが、今回のアルバムも彼女の強いメッセージが込められている点も大きな特徴。1曲目の「Change」では「世の中を良くするためには変わらなくてはいけない」と歌い上げていますし、「Brothers And Sisters」でも不平等に立ち向かおうというメッセージを発信しています。さらにアルバムの最後「One More Change」でも、どんなに大変であっても変わらなくてはいけないという強いメッセージで締めくくっています。80歳となった今でもなお、さらに世の中を良くして行こうというスタンスも彼女の活力の大きい理由のように感じます。

2月にリリースされたライブ盤も今年を代表しそうなベスト盤候補でしたが、本作もそれに勝るとも劣らない傑作アルバムに仕上がっていました。本当にその歌声とメッセージに圧倒された作品。まだまだ彼女は傑作をこの世に送り出してくれそう。これからもまだまだ楽しみなシンガーです。

評価:★★★★★

Mavis Staples 過去の作品
One True Vine
If All I Was Was Black
Live In London


ほかに聴いたアルバム

Late Night Feelings/Mark Ronson

ブルーノ・マーズをゲストに迎えた「Uptown Funk」が大ヒットを記録。日本でも昨年、星野源とコラボライブを実施し大きな話題となったマーク・ロンソンの新作。本作では全編女性ボーカルをゲストに迎えたアルバムになっており、マイリー・サイラスやアリシア・キーズといった豪華なゲストも参加。そんな女性ボーカルを生かしつつ、ダンサナブルだったりドリーミーだったり、またちょっとレトロな雰囲気を入れてきたりと魅力的なポップソングを並べてきています。無難という印象もあるのですが、良くできたポップスアルバムといった印象を強く受けるアルバムでした。

評価:★★★★

Mark Ronson 過去の作品
Uptown Special

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2019年7月19日 (金)

Princeの音楽性の広さを実感

Title:Originals
Musician:Prince

ファンクミュージックの第一人者として絶大な人気を誇り、数多くのヒット曲をこの世に送り出しながらも2016年にわずか57歳という若さで突然この世を去ったPrince。そんな彼は生前、自ら歌うのみならず数多くのミュージシャンたちに楽曲を提供してきましたが、本作は彼が他のミュージシャンたちに提供した楽曲を自らが歌ったデモ音源を収録した企画盤。いわば楽曲提供を行うためのガイドボーカル的な録音をおさめたアルバムになっており、ファンにとっては実にうれしいアルバムになっています。Princeは特に80年代に、シーラ・EやThe Timeといった「プリンス・ファミリー」と呼ばれるようなミュージシャンたちのプロデュースを手掛け、楽曲を提供してきたこともあり、今回、それらの曲のPrince版の録音が数多く収録されています。

ほかのミュージシャンに提供した楽曲とはいえ、当たり前といえば当たり前ですがPriceが歌うと実に彼らしい、軽快なファンクチューンが並んでいます。ハイトーンボイスで軽快にファンキーに歌う「Sex Shooter」からスタートし、The Timeに提供した「Jungle Love」もダンサナブルなリズムが心地よいナンバー。また「Noon Rendezvous」はピアノのシンプルな演奏でPrinceの歌声をこれでもかと聴かせるバラードナンバーになっており、Princeファンにとっては感涙ものの、魅力的な楽曲となっています。

また、Princeが楽曲提供を行っていた時期は主に80年代に固まっており、いかにも80年代的な楽曲が多いのも今回のアルバムの特徴。ラップを聴かせる「Holly Rock」も、いかにも80年代のオールドスクール的なHIP HOPナンバーになっていますし、「The Glamorous Life」もある意味80年代的なチープとも言える打ち込みのサウンドが特徴的。「Dear Michaelango」も、特にドラムのサウンドなど80年代の空気を色濃く感じさせるナンバーになっています。ここらへんは良くも悪くも時代を感じさせるのですが、一方では非常に懐かしさを感じさせる楽曲にもなっていました。

さらに今回のアルバムで非常におもしろかったのはPrinceらしい楽曲が並んでいる中に、ちょっと彼のイメージからすると毛色の違う楽曲が紛れ込んでいる点でしょう。前述の「Holly Rock」もオールドスクールなHIP HOPチューンになっていますし、「Manic Monday」もファンク色の薄いフォーキーでメロディアスなナンバー。「You're My Love」もAORの色の濃いメロディアスなミディアムチューンとなっており、Princeらしいファンク色は薄くなっています。ここらへん、逆に他のミュージシャンへの楽曲提供だからこそPrinceの普段の作風とは異なる色を出せたということでしょうか。非常に興味深く感じるとともに、彼の音楽性の幅の広さを感じることが出来ました。

そんな訳でPrinceらしい楽曲を楽しめると同時にPrinceの音楽性の広さをあらためて感じることが出来るアルバムに。ファンにとっては間違いなく実にうれしいアルバムになっていたと思います。また熱心なファンでなくてもオリジナルアルバム感覚でPrinceの魅力に触れられる傑作に。突然の逝去から3年がたった今でも彼の楽曲の魅力はまだまだ多くのリスナーを魅了しそうです。

評価:★★★★★

PRINCE 過去の作品
PLANET EARTH

ART OFFICIAL AGE
PLECTRUMELECTRUM

HITnRUN Phase One
HITnRUN Phase Two
4EVER
Piano&A Microphone 1983


ほかに聴いたアルバム

Black Star Dancing/NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

ノエル・ギャラガーの新作はリミックス込み全5曲入りのEP盤。表題曲は先日の来日公演でも披露してくれましたが、打ち込みのリズムが軽快なサイケ的な要素も入ったダンスチューンで、oasis時代では聴けなかったような方向性の曲調が魅力的。2曲目は哀愁感たっぷりに聴かせるナンバーに、3曲目はカントリー風の軽快な楽曲になっており、どちらもノエル・ギャラガーのメロディーメイカーとしての才を感じさせる出来となっています。今年はあと2枚のEPのリリースを予定しているそうで、今後の新曲、そしてその後に控えているであろうフルアルバムも楽しみになってきます。

評価:★★★★★

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS 過去の作品
NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS
CHASING YESTERDAY
Who Built the Moon?
Wait And Return EP

Loom Dream/Leif

The XXやFKA TWIGSを生み出したイギリスのレーベル、YOUNG TURKS傘下のサブレーベルWHITIESからリリースされたイギリスのプロデューサー、Leifによる新作。基本的にドリーミーなエレクトロサウンドを聴かせるアンビエントなのですが、その中にパーカッションが加えられており、なにげにアルバム通じてリズミカルな作風になっているのがユニーク。しんみり聴き入りつつも、独特なリズムに妙な癖のあるアルバムでした。

評価:★★★★★

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2019年7月18日 (木)

嵐を見事下したのは・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週まで2週連続1位を獲得していた嵐のベスト盤を見事下して1位を獲得したのはあのバンドでした。

今週、初登場で1位を獲得したのはBUMP OF CHICKENの約3年5ヶ月ぶりとなるニューアルバム「aurora arc」でした。CD販売数、ダウンロード数、PCによるCD読取数でいずれも見事1位を獲得。文句なしの1位となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上20万2千枚で1位獲得。前作「Butterflies」の19万7千枚からアップ。なにげにここ2作、18万2千枚→19万7千枚→20万2千枚と増加傾向が続いており、既に「ベテラン」の域に入る彼らが、CDがどんどんうれなくなってきている今の時代に、CDの売上を伸ばしているというのは驚きです。

2位は先週1位の嵐「5×20 All the BEST!! 1999-2019」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。CD販売数及びPCによるCD読取数でいずれも2位を獲得しています。

そして3位は、現在「まちがいさがし」がロングヒット中の俳優、菅田将暉のアルバム「LOVE」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数は12位。同作にも収録している「まちがいさがし」は米津玄師作詞作曲プロデュースで話題となりましたが、本作ではほかにもなんとあのあいみょんが楽曲を提供しているほか、amazarashiの秋田ひろむや忘れらんねえよの柴田隆浩、ドレスコーズの志磨遼平など豪華なメンバーが楽曲を提供しています。オリコンでは初動売上4万8千枚で3位初登場。前作「PLAY」の3万枚(2位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にPEDRO「THUMB SUCKER」がランクイン。こちら、女性アイドルグループBiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクト。8月28日にリリース予定のアルバムからの先行配信で、ダウンロード数が2位にランクインし、ベスト10入りを記録しています。

5位はEd Sheeran「No.6 Collaborations Project」が入ってきました。2011年のデビューアルバム「+」から最新作「÷」まで3作連続イギリスのナショナルチャートで1位を獲得、最新作はアメリカビルボードでも1位を獲得するなど、世界的に高い人気を誇るイギリスのシンガーソングライターの新作。こちらは人気ミュージシャンたちとコラボした曲を集めた企画盤的なアルバム。ジャスティン・ビーバーやチャンス・ザ・ラッパー、さらにはエミネムやブルーノ・マーズなど、超豪華なミュージシャンたちとのコラボを繰り広げています。CD販売数5位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数40位で総合順位は5位獲得。オリコンでは初動売上9千枚で6位初登場。前作「÷」の1万2千枚(4位)からダウン。

8位には韓国の男性アイドルグループEXOのメンバーであるBAEKHYUN(ペクヒョン)のソロデビューアルバム「City Lights」がランクイン。韓国盤のリリースのためビルボードではダウンロード数のみ5位にランクインしています。オリコンでは初動売上3千枚で14位初登場。

初登場組最後は10位に「初音ミク『マジカルミライ2019』OFFICIAL ALBUM」がランクイン。8月から9月にかけて東京、大阪で開催される、「初音ミク」の文化を体感できるライブと企画展を併設したイベント「初音ミク『マジカルミライ2019』」のオフィシャルアルバム。CD販売数で7位、PC読取数50位で総合順位では10位にランクイン。オリコンでは初動売上7千枚で9位初登場。

初登場は以上。ほかにロングヒット組では安室奈美恵「Finally」が先週の10位から9位にアップ。ただ、ダウンロード数は1位から6位に大幅ダウンしてしまっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年7月17日 (水)

日韓男性アイドル対決

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は日韓男性アイドルグループが1位2位でデッドヒートを繰り広げました。

結果、1位を獲得したのはジャニーズ系。Kis-My-Ft2「HANDS UP」が先週の79位からCDリリースに合わせて大きく順位を伸ばし、1位を獲得しています。CD販売数、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数で1位獲得。ラジオオンエア数は27位に留まっています。ただ楽曲的にはEDMの、いかにもK-POP勢から影響を受けたようなダンスチューンになっていますが・・・。オリコン週間シングルランキングでは初動売上19万6千枚で1位獲得。前作「君を大好きだ」の29万7千枚(1位)からダウンしています。

一方、2位を獲得したのが先週1位だった韓国のアイドルグループBTS「Lights」がワンランクダウン。オリコンでも2位にランクインしており、Hot100、オリコン共に日韓の男性アイドルグループが並ぶ結果となりました。

3位はOfficial髭男dism「Pretender」が3週連続の3位を獲得。ストリーミング数が8週連続1位を獲得したほか、ダウンロード数も8位から6位にアップ。You Tube再生回数も3週連続4位などヒットを続けています。そして今週なんと7位に彼らの新曲「宿命」もランクイン。2019 ABC 夏の高校野球応援ソングとなり、この夏、何度もテレビから流れそうなこの曲は、ミディアムテンポでゆっくり歌われるナンバーながらもホーンセッションが爽やかさを感じるポップチューン。7月31日リリース予定のCDからの先行配信となります。ダウンロード数2位、ストリーミング数6位、ラジオオンエア数4位、Twitterつぶやき数27位、You Tube再生回数10位と上位にランクインし、先行配信のみで見事ベスト10入りを果たしました。Official髭男dism、これで本格的にブレイクとなりそうです。

続いて4位以下の初登場曲です。ただ、今週の初登場は前述のOfficial髭男dismのほかは1曲のみ。それが9位にランクインしたヤバイTシャツ屋さん「癒着☆NIGHT」。相変わらずユニークなMVを見せてくれる楽しいポップチューンなのですが、2017年にリリースした「ハッピーウェディング前ソング」のMVに登場する2人の2年後を描いたというから、なかなかユニーク。CD販売数4位、PCによるCD読取数3位に対して、You Tube再生回数が66位と伸び悩んでいるのがちょっと残念。ただダウンロード数も65位に留まっており、いまひとつ固定ファン以外の広がりが欠けるのが気になります。オリコンでは同曲を収録した「スペインのひみつ」が初動売上2万枚で4位初登場。前作「とってもうれしいたけ」の1万4千枚(6位)からアップしています。

また今週は返り咲き曲も1曲。BUMP OF CHICKEN「Aurora」が10位にランクイン。4月1日付チャート以来、16週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これは今週アルバムチャートでランクインしている彼らのニューアルバム「aurora arc」リリースの影響によるものと思われます。

そして相変わらず強いのがロングヒット曲。まずは4位に菅田将暉「まちがいさがし」。これで9週目のベスト10ヒット。先週の2位からはダウンしてしまったものの、You Tube再生回数は6週連続1位をキープ。ストリーミング数も2位を維持しており、まだまだロングヒットは続きそう。またあいみょん「マリーゴールド」は4位からワンランクダウンの5位。ストリーミング数は先週から変わらず3位を、カラオケ歌唱回数も2位をキープ。You Tube再生回数はワンランクダウンながらも3位を維持しており、まだまだ根強い人気を伺わせます。

さらに米津玄師「Lemon」は6位をキープ。ここに来てダウンロード数が4位から3位にアップ。You Tube再生回数も3位から2位にアップするなど化け物的な人気を見せています。そしてKing Gnu「白日」は7位から8位にワンランクダウン。ただストリーミング数は4位をキープ。You Tube再生回数も8位から6位に再びアップするなど、こちらもまだまだロングヒットは続きそうです。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2019年7月16日 (火)

軽快なエレクトロポップが楽しい傑作

Title:False Alarm
Musician:TWO DOOR CINEMA CLUB

北アイルランド出身のロックバンド、TWO DOOR CINEMA CLUBによる約2年8ヶ月ぶりとなるニューアルバム。2010年にリリースされたデビューアルバム「Tourist History」が高い評価を受け、さらに続く2枚目のアルバム「Beacon」では全英チャートで2位、アメリカビルボードチャートでも17位と人気の面でもグッと飛躍を遂げました。

そして前作「Gameshow」でついにメジャーデビュー・・・となった訳ですが、残念ながら前作はサウンドが垢抜けた結果、よくありがちなポップバンドになってしまったという印象を受けるアルバムになっていました。その影響かどうかは不明なのですが、ちょっと久々となる最新アルバムは全英チャートでは69位と前作の5位を大きく下回る結果に。売上の面ではちょっと残念な結果に終わってしまっています。

ただし、アルバムの出来としては前作を大きく上回り、TWO DOOR CINEMA CLUBのポップな側面の魅力をいかんなく発揮した傑作アルバムに仕上がっていました。

まず楽曲の方向性としては80年代の雰囲気を感じるニューウェーヴ風のエレクトロサウンドに哀愁感を帯びたメロディーラインといういままでの彼らのスタイルからは大きくは変わりません。「Satellite」などちょっとスペーシーさを感じるエレクトロサウンドは完全に80年代といった感じですし、ラップを取り入れた「Nice To See You」もそのラップのスタイルを含めて、80年代的な懐かしさを感じさせるナンバーになっています。

一方、サウンドの方向性としてはそれなりにタイトなサウンドであるもののデビュー当初に比べると音数も増えた結果、スカスカなサウンドゆえのグルーヴィーさが薄れ、垢抜けた感じになってきたという意味では前作と共通。デビュー当初のいかにもインディーバンド然とした雰囲気を求める方には本作もちょっと方向性が違ったかもしれません。

ただ、ポップソングとしての強度は前作と比べて大きく増したような印象を受けます。シングルにもなった「Talk」は軽快なエレクトロポップなのですが、聴いていてワクワクするようなポップでインパクトあるメロディーラインを聴かせてくれますし、ミディアムチューンの「Break」もちょっと切ないメロディーが耳に残るナンバー。前述の「Satellite」も80年代らしいちょっとレトロフューチャーな雰囲気のあるサウンドが心地よいリズミカルな楽曲となっています。

サウンド的にも軽快なエレクトロポップの中に「Dirty Air」のようなダイナミックなバンドサウンドを聴かせるロックな作品を入れてきたりと緩急のある内容に。前作は似たようなタイプの曲が多かった結果、最後は少々飽きてしまったアルバムになってしまいましたが、今回のアルバムでは最後まで魅力なポップソングを存分に楽しめる作品に仕上がっていました。

デビュー当初の彼らのイメージからするとちょっと違うと感じるかもしれませんが、今の彼らの方向性としては彼らのひとつの到達点のようにも感じられる、実に魅力的なポップスを聴かせてくれる傑作アルバムに仕上がっていました。人気の面では少々低迷気味の彼らですが、これだけの傑作を聴かせてくれるのならば、また盛り上がるでしょう。ポップソング好きにはたまらない1枚でした。

評価:★★★★★

TWO DOOR CINEMA CLUB 過去の作品
Tourist History
Beacon
Gameshow


ほかに聴いたアルバム

Shepherd in a Sheepskin Vest/Bill Callahan

現在53歳。アメリカのインディーフォークシンガー、ビル・キャラハンのニューアルバム。全編、アコースティックギターでシンプルに聴かせるサウンドをバックに、フォーキーなメロディーが魅力的。アンダーグラウンドらしい、ちょっと荒々しい手触りも魅力的。一方でメロディーは万人の心をうちそうなシンプルでメロディアスなもの。知る人ぞ知る的なシンガーのようですが、多くのリスナーが楽しめそうな内容になっていました。

評価:★★★★★

Western Stars/Bruce Springsteen

約5年ぶりとなるブルース・スプリングスティーンの新作。かのトランプが大統領に就任した後、初となるアルバムなのですが、予想されていたような社会派なメッセージが強いロックンロールなアルバムではなく、その渋い歌声でゆっくりと歌い上げる、あくまでも歌を聴かせる包容力のあるアルバムに仕上がっていました。トランプのアメリカに限らず、自国中心主義的な思想が広がっていく中だからこそ、あえて対立をあおるのではなく、優しく包み込むのようなアルバムを作って来たということなのでしょうか。そんな彼のメッセージも感じる作品でした。

評価:★★★★

BRUCE SPRINGSTEEN 過去の作品
Working On A Dream
WRECKING BALL
High Hopes
1980/11/05 Tempe,AZ

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2019年7月15日 (月)

あえてバンドサウンドで

Title:成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~
Musician:KREVA

今年、ソロデビュー15周年を迎えたKREVA。そんな記念すべき年に年初から、9月連続リリースとしてシングルなどをリリースし続けています。本作はそんな記念リリースの第6弾となるアルバム。彼のソロの代表曲を集めたベストアルバムになるのですが、今回のアルバムでユニークなのはタイトルそのままとなるのですが、全曲、バンドによって録り直しが行われているということ。HIP HOPというとサウンドはいわばサンプリングやら打ちこみやらがメインとなるケースが多く、トラックがバンドサウンドというケースは珍しいのですが、そんな中であえてバンドサウンドで録り直しが行われているという点に非常にユニークなものを感じます。

今回のアルバムリリースに先立つインタビューにおいて、彼は「ここ5年くらい、音楽をやりたい気持ちはあるが言いたいことがない」という旨の発言をしています。言いたいことはあるものの、わざわざ曲にするようなものではないという気持ちになるケースが増えているそうで、そんな中でだからこそ本作では彼の曲の「音楽」という側面にあえて着目したアルバムということになるのでしょうか。

そんな中であらためて本作を聴くとKREVAの曲はポップであるがゆえにサラッと聴けてしまうのですが、一方では確かに彼の言いたいことがつまったメッセージ性の強い楽曲が多いということを、いまさらながら再認識させられます。存在感はある でも でも、決定打が出ていない気がした」と綴る「存在感」は、ブレイク後でも襲われる彼の焦りにようなものがリスナーにも伝わってきますし、現状に満足して成長することをやめてしまった人に対して鼓舞するメッセージを発している「かも」なども、ふと日々の日常に押しつぶされそうな時に聴くと、非常に心に響いてくるものがあります。

ただ、今回、こういう彼のラップを通じてのメッセージがより強く伝わってきている要因として、バンドサウンドによる録り直しが行われたから、という点が非常に大きいように感じます。基本的に今回の録り直しについては原曲のイメージそのままであり、大きな変更はありません。しかし生音を入れることにより、例えば「I Wanna Know You」はよりメロウさが増したように感じますし、「成功」もよりジャジーな雰囲気が強まり、楽曲の雰囲気がよりムーディーになったように感じます。特に「アグレッシ部」では今回、ストリングスの音が原曲以上に楽曲を盛り上げており、メッセージがさらに心に響いてきたように感じました。

「成長の記録」というアルバムタイトル通り、バンドサウンドによって録り直すことにより、楽曲がいずれも原曲よりもさらに成長を遂げたような印象を受ける、そんなアルバムになっていたと思います。ベスト盤は5年前にリリースしたばかりで、これが3作目になるのですが、楽曲が生まれ変わっており、非常に意義のあるアルバムだったと思います。

ちなみに、「言いたいことがない」と言いつつ、9月には待望のニューアルバムがリリースされるKREVA。KICK THE CAN CREWとしてもライブを中心に活動を続けており、なんだかんだ言っても積極的な音楽活動が目立ちます。ソロデビュー15年でまだまだ成長を続ける彼だけに、今後の活動も楽しみです。

評価:★★★★★

KREVA 過去の作品
心臓
OASYS
GO
BEST OF MIXCD NO.2
SPACE
SPACE TOUR
KX
嘘と煩悩
存在感

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2019年7月14日 (日)

THE歌謡ショウ

長島温泉 歌謡ショウ 大石まどかショウ

日時 2019年7月2日(火)13:00~ 場所 長島温泉湯あみの島

今回のライブレポートは当サイトではかな~り異質なレポートです。先日、会社が休みの日に地元、長島温泉の日帰り入浴施設「湯あみの島」に行って来たのですが、そこでちょうど「歌謡ショウ」が行われていました。この「歌謡ショウ」、全国各地のこの手の温泉施設などでしばしば行われている、いわば演歌歌手のドサ回り。長島温泉の歌謡ショウもおそらくCMなどで多く流れていたりするので、地元名古屋の方には、そういったショウが行われていること自体はよく知られているのではないでしょうか。普段聴く音楽からは縁はないのですが、せっかくの機会、音楽ファンとしてはどんなイベントなのか好奇心もあって(また施設を使っていれば基本的にタダなので)ちょっと覗いてみました。

Nagashima1

会場はこんな感じで大きな宴会場みたいな感じ。宴会場の横には食事を提供するブースがあって、ここで食事をしながらステージを楽しめる作りになっていました。いわば和風のフードコートの中でのステージみたいな感じでしょうか。基本的に観客は年配の方がメイン。ただ、この日は平日だったので、「湯あみの島」に来ていた人も年配の方が多かったのですが・・・私くらいの40代あたりの方も、せっかくだから見ていくか、といった感じでちらほらいらっしゃいました。

この日登場してきたのは大石まどかという女性演歌歌手の方。残念ながら有名なヒット曲はありませんが、チラホラテレビにも出演されており、私も名前だけは知っていました。ステージは上の写真のように比較的派手な雰囲気のステージですが、演奏はもちろんカラオケ。たださすがといった感じでしょうか、声量ある力強い安定感ある歌声をしっかりと聴かせてくれました。

Nagashima2

最初は彼女の曲を4曲程度。合間に簡単なMCや曲の紹介を挟みつつ、客席に歓声をお願いしたりするものの、みんな湯上りでまったりとした雰囲気で見ているため、正直言ってさほど盛り上がらず・・・(^^;;もちろんみんなそれなりにステージは見ていたのですが、こういう場所で盛り上げていかなくてはいけないのって大変だなぁ・・・なんて思いながら見ていました。

後半は同じ事務所の都はるみの曲などのカバーも披露していたのですが、ただこの都はるみの曲も有名なヒット曲ではなく、知る人ぞ知る的な曲で私は全く知りませんでした。ここらへんはやはり業界の掟で、単純に他人のヒット曲をカバーすることは出来ないということなのでしょうか。ちょっと残念な感じも。

ステージは40分程度で終了。ただ、それなりに大きな拍手も沸き、みんなまったりしつつもそれなりに盛り上がってステージは幕を下ろしました。楽曲は正直言って、完全に様式化されたド演歌といった感じ。歌手としての力量はさすがといった感じなのですが、個人的には残念ながらさほどはまれず。ただ湯上りのひと時、力強いその歌声で楽しむことが出来たステージでした。

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