2018年6月20日 (水)

日米「愛国ソング」対決?

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週、ここで大きく取り上げたRADWIMPS「HINOMARU」。先週の27位から9位にランクアップ。2週目にしてベスト10入りしてきました。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で10位にランクインしたほか、Twitterつぶやき数で3位にランクイン。そのほかの順位はいずれもランク圏外でしたが、この曲をめぐる騒ぎが良くも悪くも宣伝効果につながったようです。ちなみに肝心の「カタルシスト」の方は今週11位にランクダウンしています。

一方、先週も話題に出しましたがDA PUMP「U.S.A.」。今週は5位と2ランクダウンながらもYou Tube再生回数では1位を記録。大きな話題となっておりロングヒットを記録しそうな予感があります。この曲、先週も書きましたがアメリカへの讃歌となっており、そういう意味では皮肉にも日米の「愛国」ソングが並んだような結果となっています。

ただ「U.S.A.」の歌詞はアメリカへの愛情を感じさせる歌詞をコミカルに描いており、そういう意味ではアメリカに対して反感を持っているような人にも苦笑いと共に受け入れられそうな内容に。先週もチラッと書きましたが、この手の曲ってのはユーモアさを混ぜるというのが自分とは意見の異なる人にも受け入れられる秘訣だと思うんですけどね・・・。

さてランキングに戻って。まず今週1位はモーニング娘。'18「Are You Happy」が獲得。実売数で1位獲得しましたが、そのほかの順位はラジオオンエア数で38位、PCによるCD読取数で11位、Twitterつぶやき数28位と若干奮いませんでした。ちなみにオリコンでは初動売上11万4千枚で1位獲得。前作「邪魔しないでHere We Go!」の11万1千枚(2位)よりアップしています。

2位はAKB48「Teacher Teacher」が2週連続で2位をキープ。3位にはEXILEの弟分グループGENERATIONS from EXILE TRIBE「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」が先週の65位からCDリリースにあわせてランクアップしベスト10入り。洋服の青山CMソング。実売数及びPCによるCD読取数3位、ラジオオンエア数6位を記録した一方でTwitterつぶやき数88位、You Tube再生回数59位とネット系のランキングで伸び悩みました。

続いて4位以下の初登場曲です。まず6位にはサザンオールスターズの配信限定シングル「闘う戦士たちへ愛を込めて」が先週の57位からランクアップしてベスト10入り。ちなみに「たたかうものたち」と読むそうです。映画「空飛ぶタイヤ」主題歌。勇ましいタイトルとは反して哀愁感漂うちょっと昔の歌謡曲的な楽曲。社会の中でがんばっているサラリーマンへの応援歌的な歌詞となっています。ちなみにオリコンのデジタルシングルチャートでは見事1位を獲得しています。

9位にランクインしたのが韓国の女性アイドルグループMOMOLANDの日本デビューシングル「BBoom BBoom」。K-POPらしい軽快なEDMチューンで、先週の50位からCDリリースにあわせてベスト10入りを果たしています。実売数9位、ラジオオンエア数80位、PCによるCD読取数30位、Twitterつぶやき数44位、You Tube再生回数9位を記録。You Tube再生回数の順位が高いのは、最近のK-POPの女性アイドルグループの傾向か?オリコンでも初動売上1万8千枚で4位に初登場しています。

ちなみにMOMOLANDという名前はかのミヒャエル・エンデの児童文学の傑作「モモ」に由来し、「時間に追われる人々に一つずつファンタジーを取り戻す」という意味だそうです。ただ・・・いかにも商業主義的なアイドルグループにミヒャエル・エンデの作品のタイトルをつけるという行動に違和感というかモヤモヤ感しか抱かないのですが・・・。

最後10位に藍井エイル「流星」が先週の93位からCDリリースにあわせてランクアップしています。2016年に体調不良のため無期限の活動休止となっていた彼女ですが、このほど無事活動を再開。本作は約2年ぶりのシングルとなります。テレビアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」オープニングテーマ。実売数は11位、ラジオオンエア数44位、PCによるCD読取数13位、Twitterつぶやき数17位といずれも10位にランクインしていませんが、総合順位では見事ベスト10入りを果たしています。オリコンでは初動売上1万3千枚で8位初登場。前作「翼」の1万2千枚(5位)から若干とはいえアップしており、復帰を待ちわびたファンが多かったことを物語っています。

今週のチャート評は以上。

ちなみに「HINOMARU」について先週に続き、ちょっと語りたいことが・・・。読んでいただける方は「続きを読む」をクリック。

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2018年6月19日 (火)

大物ミュージシャン同士が自由に融合

Title:EXITENTIALIST A XIE XIE
Musician:THE BEATNIKS

ご存じ、YMOのメンバーとしても活躍し、最近ではMETAFIVEとしての活動でも知られる高橋幸宏と、元ムーンライダーズの鈴木慶一によるユニット、THE BEATNIKS。デビュー作は1981年ですから、もうキャリア35年以上のベテランユニットですが、その間、コンスタントに活動を続けるというよりも、それぞれキャリアを持った彼らが、気の向いた時に集まって、ひょっこりアルバムをリリースする、というようなスタイルで断続的な活動を続けてきました。

本作はそんな彼らの約5年半ぶりとなるニューアルバム。とにかくまず目を惹くのはそのジャケット写真で、真っ黒なバックにモノクロでふたりの顔が浮かび上がるジャケットが、実に渋くてカッコいい!まさに渋くてカッコいい「おじさん」という雰囲気をビンビンと醸し出しているジャケット写真となっています。

また楽曲的にも大人のポップス、と言えるような作品が並んでいます。イントロ的な立ち位置となるアバンギャルドなポップス「Crepuscular Rays」からスタート。続く「I've Been Waiting For You」はニールヤングのカバー。こちらをギターをメインとしたバンドサウンドでカバーした後は、高橋幸宏と鈴木慶一、それぞれソロでも十分なキャリアと実力のあるミュージシャンによる、それぞれの個性を発揮した作品が並んでいます。

例えば「鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章」「ほどよい大きさの漁師の島」はおそらく鈴木慶一が主導したナンバー。前者はほどよくブルージーなサウンドが心地よいですし、後者はポップなメロディーが印象に残ります。

逆にフォーキーな雰囲気の「Brocken Spectre」やエレクトロ風の「Softly-Softly」はおそらく高橋幸宏が主導したポップス。ちょっと実験的な雰囲気もある作風がいかにも高橋幸宏らしい雰囲気を感じさせるポップスとなっています。

そういう意味でお互いの個性を尊重しつつ、それぞれが好きなことをやっているアルバムと言えるかも。ただ、それでいて両者の音楽性がきちんと融合してTHE BEATNIKSのアルバムとして仕上がっているあたりに両者の音楽的な近似性を感じさせますし、いい意味でお互い、「大人」な対応をしたんだな、ということを感じさせます。それぞれが好きな音楽を奏でつつ、お互いほどよい距離感を保っているアルバム。この手の大物ミュージシャン同士のユニットが断続的とはいえ30年以上続くというのは驚きなのですが、そこにはお互いの「大人な対応」があったからなんでしょう。

そしてユニークなのがラストの「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya」。THE BEATNIKSに赤塚不二夫の世界観を加えたような実にユニークなナンバー。ただ一方でこういう曲をアルバムの中に違和感なく織り込むことが出来る点も彼ら2人の実力を感じさせます。

決して楽曲に派手さはありませんが、高橋幸宏、鈴木慶一の実力がしっかりと反映された大人のポップスアルバムに仕上がっていました。ある意味、非常に自由度も高く感じさせるアルバムになっていたと思います。これからも断続的にTHE BEATNIKSの活動は続いていくんでしょうね。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★

THE BEATNIKS 過去の作品
LAST TRAIN TO EXITOWN


ほかに聴いたアルバム

DAPPER/SOIL&"PIMP"SESSIONS

「デスジャズ」を標榜し、ハードなサウンドで踊れるジャズを奏でていたSOIL&"PIMP"SESSIONS。2年ぶりのニューアルバムももちろんそんな路線を期待しつつアルバムに耳を通したのですが・・・これがいままでとは全く違う路線でビックリ。エレクトロなソウルテイストのジャズで、「デスジャズ」の方向性は皆無。かなりおとなしいサウンドになっており、最初は「なんじゃこれ」という印象を正直なところ受けてしまいました。

2016年にサックスの元晴が脱退し5人組となった彼ら。今回の音楽性の変更はその影響も大きく、最初はかなり違和感があったのですが・・・何度か聴くと、おそらく彼らはここ最近のジャズの傾向を追った結果、このようなサウンドに行き着いたんだろうなぁ、と強く思いました。特に方向性としてはWONK近辺からの影響を強く感じます。ファンキーなサウンドはそれなりにカッコよく、これはこれでそれなりに良いアルバムだったと思います。ただ、この方向性がこのまま続くのは、「デスジャズ」として彼らの個性を確立していたのに、ちょっともったいないような印象も・・・。

評価:★★★★

SOIL&"PIMP"SESSIONS 過去の作品
PLANET PIMP
SOIL&"PIMP"SESSIONS presents STONED PIRATES RADIO
MAGNETIC SOIL
"X"Chronicle of SOIL&"PIMP"SESSINS
Brothers & Sisters
BLACK TRACK

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2018年6月18日 (月)

基本路線は変わらず、エレクトロ色が強めに

Title:わがまマニア
Musician:CHAI

昨年、アルバム「PINK」が大きな評判を呼んだ4人組ガールズロックバンドCHAI。チャットモンチーのブレイク以降、数多くのガールズバンドがデビューを果たしました。そんなガールズバンドの中ではかわいいルックスでアイドル的な人気を博するグループも少なくない中、彼女たちのルックスは失礼ながらお世辞にも「美人」とは言えません。しかし彼女たちはそんなルックス的な特徴を逆手に生かし、「コンプレックスこそアートなり」「ネオかわいい」をバンドのテーマにかかげ、ありのままの自分を賞賛する楽曲を発表し、それが大きな話題となりました。

個人的にもアルバム「PINK」にはすっかりはまってしまい、昨年の個人的ベストアルバムでは1位に選出。すっかりCHAIのファンになってしまいました。そして早くもリリースされた彼女たちの新作は5曲入りのミニアルバム。そしてその路線は基本的に前作「PINK」を踏襲したものでした。

彼女たちのもうひとつ大きな魅力といえばその非常に足腰の強いバンドサウンド。力強く迫力ある演奏に、キュートともいえるポップなメロディーライン。そしてハイトーンでそのルックスとは異なり(失礼!)とてもキュートなボーカルが強く印象に残ります。前作「PINK」のレビューの時にも書いたのですが、サウンド的にはメスカリン・ドライブや少年ナイフからの流れを感じる部分もあり、日本のガールズパンクの歴史の流れに名を連ねるバンドのひとつといって間違いないでしょう。

本作でいえば、2曲目「アイム・ミー」がまさにそんなCHAIらしさをあらわした楽曲と言えます。へヴィーなバンドサウンドと、それと対照的ともいえるポップなメロディーライン。「わたしがわたしをかわいくするの」と歌い本作は、まさに「ありのままの自分」を標榜する歌詞。実にCHAIらしい楽曲にまとまっています。

「FAT-MOTTO」なんかも彼女たちらしいポップソング。太っていることの全肯定なユニークな歌詞。リズム隊のファンキーな分厚いグルーヴ感もカッコよく、こちらもCHAIの魅力がサウンドの面でも歌詞の面でも全開となっています。

ただ今回のアルバムは「PINK」に比べるとシンセのサウンドを前に押し出して、ちょっと軽くなったような印象を受けます。特に「フューチャー」「Center of the FACE!」などは特にエレクトロな側面が強くなっている楽曲。シンセを取り入れたサウンドは「PINK」でも見受けられましたが、今回のアルバムではそれがより目立ったように思います。

個人的にはバンドとしての体力のあるグループなだけにエレクトロサウンドに走るよりも、もっとバンド色を前に押し出した方がよいとは思ったのですが、ただ、もちろんエレクトロサウンドを前に押し出した2曲に関しても十分魅力的。5曲入りのミニアルバムなだけにもっと聴きたいなぁ、という印象も残るのですが、「PINK」に引き続き大満足の傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

CHAI 過去の作品
PINK


ほかに聴いたアルバム

666 (TRIPLE SICK'S)/ ヒステリックパニック

名古屋で結成された5人組バンドによるミニアルバム。彼らのアルバムを聴くのは前作「LIVE A LIVE」に続いて2作目なのですが、基本的な感想は同じ。メタルテイストのハードコアサウンドに、そんなサウンドと対照的なポップなメロが特徴的なのですが、全体的なごちゃごちゃ感が否めず、音的に整理されていない印象が。一皮むければグッとおもしろくなると思うのですが・・・。

評価:★★★

ヒステリックパニック 過去の作品
LIVE A LIVE

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2018年6月17日 (日)

oasisフォロワーによる2枚目

Title:FOR NOW
Musician:DMA'S

これが2枚目のアルバムとなるオーストラリアはシドニー出身の3人組バンド。デビューアルバム「Hills End」が一部で大きな話題となりました。その話題となった最大の理由は、あまりにもわかりやすいoasisフォロワーだったから。デビューアルバムではoasisの1st、2ndあたりをストレートに彷彿とさせるようなギターロックの曲が並んでおり、oasis好きにとっては非常に壺にはまるようなアルバムになっていました。

このoasis愛は2枚目となる本作でも強く感じられます。1曲目のタイトルチューン「For Now」からしてサイケでグルーヴィーな雰囲気はまさにoasisらしいUKギターロック・・・・・・というよりもoasisのルーツのひとつであるSTONE ROSESっぽいかも?

その後の「Do I Need You Now?」「Break Me」のようなノイジーでグルーヴィーなギターロックにちょっとダウナー気味だけれどもわかりやすいポップなメロが重なるスタイルもある意味oasisらしい感じ。oasisらしさはアルバムの随所に感じられます。

ただ、前作で感じられたoasisとの相違点が今回のアルバムではより強くなってきたようにも感じます。それはoasisに比べてより軽くポップであるという点。例えば「In The Air」はアコースティックなギターで切ないメロディーを爽やかに聴かせるナンバー。oasisというよりもむしろTRAVISあたりっぽい雰囲気を感じさせますし、「Warsaw」「Lazy Love」も軽快なギターポップナンバーとなっており、oasisとはその方向性が異なります。

歌い方も前作同様、リアム・ギャラガーからの影響を強く感じさせるものの、ポップになった作風のせいか、もうちょっと素直な歌い方の曲も増え、前作ほどは「まんまリアム」な印象が薄れた感じもします。そういった意味でアルバム全体としてはoasis色が薄くなり、DMA'Sとしての色が出せれたアルバムになっていたようにも思います。

とはいえ、上にもSTONE ROSESやTRAVISといったバンドをイメージとして出したように、全体的にはイギリスのオルタナ系ギターロックからの影響を強く受けたメロディーラインとサウンドという点は共通。そういう意味ではoasisが好きな方ならばおそらく気に入るであろう範疇の音を出しているアルバムだったと思います。実際私も、前作同様にすっかりこのアルバムにはまってしまいました。

全体的にはサイケなサウンドの方向性もあったものの、さっぱりとした味付けがされており、oasis的なものをあまりに求めすぎるとちょっと薄味に感じられるかもしれません。ただ、そういった点を含めて前作よりもDMA'Sらしさは出せていたアルバムだったように思います。いい意味で難しいこと抜きにポップな路線を貫いていた点は大きなプラス。これからの活躍がまだまだ非常に楽しみなバンドです。

評価:★★★★★

DMA'S 過去の作品
Hills End

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2018年6月16日 (土)

全カバー曲を網羅!

Title:EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」(1976~2018)

ある意味、とんでもないアルバムがリリースされました。大瀧詠一の代表曲であり、日本ポップスのスタンダードナンバーとも言える「夢で逢えたら」。もともとは1976年に吉田美奈子がアルバム「FLAPPER」の中で歌ったのが「オリジナル」なのですが、その後、数多くのミュージシャンがこの楽曲を取り上げカバーし、歌われ継いでいます。今回は現在確認できるカバー86曲を網羅。4枚組のアルバムに収録したアルバムになっています。おととしにアルバム全曲が「GET WILD」というアルバムがリリースされ話題になりましたが、こちらはCD4枚計314分、すべて「夢で逢えたら」。まさに聴き終わった後も曲が夢に出てきそうなアルバムになっています。

この「夢で逢えたら」という曲、オリジナルは決して大ヒットした曲ではないのですが、なぜこれだけのカバーがあり、歌い継がれているのか、このアルバムを聴きながらまず感じた点はここでした。そして聴きながら思い当たったのが次の5つの理由でした。

① 曲がとてもシンプルでわかりやすい

楽曲は基本的にAメロ→サビの繰り返し。途中に大サビやセリフも入ってくるのですが、インパクトあるサビが繰り返される内容でとてもわかりやすい楽曲になっており、これが多くのリスナーに親しまれる大きな要因に感じました。

② 歌詞のテーマが普遍的

好きな人に夢で逢いたいというテーマは、万葉集の昔から片想いの定番中の定番。だからこそ多くのリスナーがこの歌詞に惹かれるのでしょう。

③ 歌詞が男性でも女性でも共通して歌える

②にもつながるのですが、「好きな人に夢で逢いたい」という歌詞は男性が歌っても女性が歌っても違和感がありません。そういう意味で男女問わずカバーしやすい歌詞と言えるでしょう。

④ セリフを改変しやすい

オリジナルは途中にセリフが入っているのですが、このセリフが改変しやすく、オリジナリティーを出しやすいのがカバーしやすい大きな要因のように感じます。またセリフ自体を省略した曲も少なくありませんでした。

⑤ オリジナルがヒットしていない

失礼ながら吉田美奈子によるオリジナルは決して大ヒットは記録していません。ただ、その分、オリジナル曲のイメージが薄くなり、その分、カバーしやすくなったのではないでしょうか。

さてそんな「夢で逢えたら」ですが、カバーしているミュージシャンは実に多岐にわたります。もともとはオリジナルに沿った女性シンガーによるカバーが多かったのですが、1996年にラッツ&スターがカバーするとグッと男性ボーカルも増えてきます。そのほかにも香西かおりのような演歌歌手やNICO Touches the Wallsのようなロックバンド、Rankin Taxiのようなレゲエシンガーや、Darlene Loveのような海外勢も登場します。

ほかにもオルゴールによるカバーや航空自衛隊 航空中央音楽隊による演奏。さらには京急の駅のメロディーまで収録されているあたり、全カバーを網羅したアルバムらしいところでしょうか。最近ではゲーム「アイドルマスター」のキャラソンとしてもカバーされており、まさに時代、ジャンルを問わない楽曲の人気の高さをうかがわせます。

ただ、どの曲も基本的にはメロディーと歌を大切にしているカバーとなっており、原曲から大きく逸脱したようなカバーはありません。シンプルな曲なだけに、逆に原曲から逸脱しにくいということもあるのでしょうが、それだけメロディーも歌詞も魅力的ということが言えるのでしょう。

また今回の全カバー網羅により気が付いたのが、年代的に最近のカバーが加速度的に増している点でした。年代ごとにまとめると

70年代・・・3曲
80年代・・・11曲
90年代・・・12曲
2000年代・・・19曲
2010年代・・・41曲

96年のラッツ&スターによるカバーが大ヒットを記録したことがひとつのきっかけにはなっているのでしょうが、それを差し引いてもここ10年くらいで激増しています。もちろん、それだけ時代を超えた名曲ということが言えるのでしょうが、一方でここ最近、音楽業界全体に元気がなく、過去の曲に頼らざるを得ない事情も垣間見れてしまいました。

さて、そんな様々なタイプの「夢で逢えたら」が網羅された本作。その中で印象に残った曲・・・と言われると、個人的によかったのは岩崎宏美による1981年のカバーかなぁ。伸びやかにしんみり聴かせるカバーなのですが、表現力に富んだ歌声が耳に残る内容となっており、より心に響くカバーになっていました。

さすがに5時間以上に続く「夢で逢えたら」攻勢にお腹いっぱいになるのですが、この企画の素晴らしさと実現させたスタッフの努力に敬意を表して下記の評価に。ちなみにこの曲と並んでカバーの定番中の定番といえば「君の瞳に恋してる」なんですが、こちらもどなたか、全カバー網羅のアルバムとか企画してくれないかなぁ(笑)。

評価:★★★★★

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2018年6月15日 (金)

一世を風靡した落語家のベストアルバム

Title:ザ・月亭可朝ベスト+新曲
Musician:月亭可朝

1960年代から70年代にかけて一世を風靡した落語家、月亭可朝。今年3月、80歳にして惜しまれつつこの世を去りました。月亭可朝といえば、なんといっても知られるのが1969年にリリースして80万枚という大ヒットを記録した「嘆きのボイン」「ボインはぁ~赤ちゃんが吸うためにあるんやでぇ~、お父ちゃんのもんとちがうのんやでぇ~」という印象的なフレーズからスタートするこの曲は、おそらくリアルタイムで聴いていた世代でなくても知っている方も多いのではないでしょうか。かく言う私もこの曲が流行ったのは生まれる遥か昔な訳ですが、どこで覚えたのかこの曲はしっかりと知っていた訳で。

この曲を含めてギター漫談が大きな評判を呼び、数多くのコミックソングを作詞作曲してきた彼。本作はタイトル通り、そんな月亭可朝の代表曲を集めたベストアルバムです。ただ、逝去後リリースされた追悼盤という訳ではなく、このアルバムのリリースは彼が亡くなる以前の昨年の11月。期せずして彼の最後の作品となってしまいました。

中盤には「さよならのブルース」みたいな正統派歌謡曲も収録されていたりするのですが、基本的には同じようなフレーズに語り気味の歌で展開されるギター漫談のコミックソングがメイン。正直言ってしまうと時代を感じさせる部分があるのも事実で、デビュー作である「出てきた男」なんかは今の時代だったらちょっとリリースするのは厳しいかもしれないかも。また、一方ではギター漫談だけではなく「ミスター・チョンボ」は接待麻雀をテーマにしたファンクチューンになっており、ちょっと場末のキャバレー的な雰囲気や、時代を先行したようなラップ的なボーカルも収録されていたりして、レアグルーヴ的なユニークな作風になっています。

また前述の「出てきた男」や「嘆きのボイン」もそうですが、明るくて楽しいエロ小唄が目立つ内容で、ある意味18禁ながらも(笑)、大人がクスッと笑えるような楽しいコミックソングが並んでいます。歌詞の内容については上に書いた通り、昭和を強く感じさせるものが多いのですが、それもまたこのアルバムの大きな魅力のように感じました。

ちなみにタイトル通り、33年ぶりとなる新曲「寝るに寝られん子守唄」が収録されていますが、これまた単なる子守唄かと思えば、かなりドギツイ歌詞が展開している「大人」な歌詞が魅力的。晩年までそのセンスが全く衰えていなかったことを感じます。

またこのアルバム、パラダイス・ガラージとしての活躍でも知られる豊田道倫がプロデュースを手掛けていることでも大きな話題に。今回「嘆きのボイン2017」「シャッシャッ借金小唄(借金のタンゴ2017)」としてかつての代表曲のセルフカバーも収録されていますが、サウンドは今風にアップデート。ただあきらかに老けたボーカルとちょっとマッチしていなかったようにも思いました。

最後には「芸能生活を振り返る」というテーマでのトークも収録。月亭可朝の芸能生活を総括する内容になっていますが、ある意味、彼の最期を予期していたかのようなアルバムになっていました。個人的に彼の全盛期は知らず、正直、思い入れみたいなものはないのですが、それでも十分楽しめた1枚でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

DANCE TO THE POPCORN CITY/サニーデイ・サービス

ここ最近「DANCE TO YOU」「Popcorn Ballads」「the CITY」と立て続けに傑作アルバムをリリース。第2の全盛期か?と思うほど勢いのあるサニーデイ・サービス。その傑作3作のタイトルを並べたような今回のアルバムはライブアルバム。例のごとく、配信+LPのみというリリース形態となっています。

ライブアレンジについて、ポップなメロは残しているもののギターサウンドを前面に入れたサイケなサウンドになっています。原曲の良さはもちろん残っているものの、特に「DANCE TO YOU」や「Popcorn Ballads」の世界をイメージすると「あれっ?」と思ってしまう部分も。それはそれでライブアレンジのおもしろさとは思うのですが、CD音源が素晴らしかっただけにちょっともったいなさも感じる部分もありました。

評価:★★★★

サニーデイ・サービス 過去の作品
本日は晴天なり
サニーディ・サービス BEST 1995-2000
Sunny
DANCE TO YOU
桜 super love

Popcorn Ballads
Popcorn Ballads(完全版)
the CITY

RED JACKET/the Mirraz

Redjacket

2017年にはミニアルバムを含めてこれで5作目のアルバムをリリースしたthe Mirraz。ちょっと乱発しすぎでは?と思ってしまうのですが、本作も基本的にはthe Mirrazらしい、早口のボーカルで疾走感あるギターロック。一時期のEDM路線から離れてギターロック路線に回帰してきた彼らですが、今回はよりハードなギター色を前に出して、ロックの色合いが濃いアルバムになっています。「るーざー」「China Dream」のような楽しい歌詞も健在で、さすがに乱発気味のためマンネリ的な部分もなきにしもあらずなのですが、良くも悪くもthe Mirrazらしいアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則
OPPOTUNITY
しるぶぷれっ!!!
BEST!BEST!BEST!
そして、愛してるE.P.

ぼなぺてぃっ!!!
Mr.KingKong
バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロとMoon Song Baby
ヤグルマギク

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2018年6月14日 (木)

ロック勢が目立つ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートはロック勢が目立つチャートとなりました。

まず2位にMAN WITH A MISSION「Chasing the Horizon」が獲得。約2年4ヶ月ぶりとなるアルバムで、2位はアルバムでは自己最高位となります。ただし初動売上7千枚は前作「The World's On Fire」の9万9千枚(3位)からダウン。売上的には右肩上がりの状況が続いていましたがここで一段落。残念ながら初動10万枚の大台突破はなりませんでした。

さらに4位にはエレファントカシマシ「Wake Up」が初登場。こちらは約2年7ヶ月ぶり23枚目となるアルバム。初動売上2万3千枚。直近作はベスト盤「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」で、こちらの2万5千枚(3位)よりは若干のダウン。ただし、オリジナルアルバムとしては前作「RAINBOW」の初動1万3千枚(12位)から大きくアップし、オリジナルとしては「MASTERPIECE」以来2作ぶりのベスト10ヒット。さらに4位という順位はオリジナルとしては2009年にリリースした「昇れる太陽」の3位に次ぐ高順位となりました。

さらにさらに、8位にはKen Yokoyama,NAMBA69「Ken Yokoyama VS NAMBA69」がランクイン。こちらはご存じHi-STANDARDの横山健と、難波章浩のバンドNAMBA69によるスプリットCD。ハイスタ再結成もビックリしたのですが、横山健とNAMBA69がこうやって同じCDにおさまるというのも、かなり胸熱なのですが・・・。初動売上は1万6千枚。横山健のソロとしては、前作「Sentimental Trash」の2万1千枚(2位)よりダウン。一方、NAMBA69としては前作「HEROES」の2千枚(25位)から大幅アップ。NAMBA69としては初のベスト10ヒットとなりました。

さて、そんな感じでロック勢が目立ったチャートですが、上位に話を戻すと、まず1位を獲得したのはロック勢・・・ではなくEXILE系。三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「FUTURE」が獲得しています。オリジナルアルバムでありながらもメンバーの今市隆二、登坂広臣のソロ作がついており、最低3枚組(最高で7枚組1万1千円!)というファン泣かせなアルバムになっています。初動売上は18万1千枚。直近作のベスト盤「THE JSB WORLD」の35万6千枚(1位)からも、オリジナルアルバムとしては前作となる「THE JSB LEGACY」の47万6千枚(1位)からも大幅ダウンなのは、さすがにファンからぼったくろうとしすぎた結果か?

3位にはaiko「湿った夏の始まり」がランクイン。オリジナルアルバムとしては2010年の「BABY」より4作連続1位を獲得してきましたが、残念ながら本作は3位とダウン。初動売上4万7千枚も前作「May Dream」の6万8千枚からダウン。ここ数作、16万7千枚→13万5千枚→10万1千枚→8万2千枚→6万8千枚と続いた減少傾向に歯止めがかかりませんでした。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず5位に男性声優宮野真守「MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST」がランクイン。歌手デビュー10周年を記念してリリースされたベストアルバム。初動売上2万2千枚は前作「THE LOVE」の1万8千枚(6位)からアップ。

6位初登場は鈴木愛理「Do me a favor」。昨年6月に解散したアイドルグループ℃-uteのメンバーによるソロデビュー作。初動売上1万8千枚を記録しています。

最後10位には松田聖子「Merry-go-round」がランクイン。デビュー以来、毎年必ず1枚はアルバムをリリースし続けた彼女の53枚目となるオリジナルアルバム。初動売上1万2千枚は前作「Diary」の1万枚(5位)からアップしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週に!

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2018年6月13日 (水)

話題の「愛国ソング」ネタもアルヨ!

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

とりえずはまず、どちらかというと悪い意味で話題のこちらの曲から。7位RADWIMPS「カタルシスト」。先週の20位からランクアップしベスト10入りしてきました。フジテレビ系「2018 FIFA WORLD CUPロシア大会」テーマソング。CD販売・ストリーミング・ダウンロード数(以下「実売数」)及びラジオオンエア数7位、PCによるCD読取数4位、Twitterつぶやき数30位。オリコンでは初動売上2万6千枚で5位初登場。前作「Mountain Top」の1万1千枚(10位)からアップしています。

さて、話題になったのはこの曲ではなくシングルのカップリングだった「HINOMARU」という曲のこと。ちなみにHot100では27位にランクインしているのですが、愛国的な内容もさることながらも、歌詞が軍歌を彷彿とさせるような内容で物議をかもしています。この曲に関しては思うこともいろいろあり、私なりの感想をまとめてみましたが、ヒットチャートとは関係ないので、「続きはこちら」以降で。駄文ですが、興味がある方はどうぞ・・・。なお、同曲はTwitterでも相当話題になったのですが、Twitterつぶやき数は9位にとどまっています。どういう集計のやり方をしたかは不明なのですが、あれだけ話題になっても9位なんだ・・・。

さて1位に戻ります。今週1位はジャニーズ系。Sexy Zone「イノセントデイズ」が初登場でランクイン。日テレ系ドラマ「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」挿入歌。実売数、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数がそれぞれ1位ながらもラジオオンエア数は圏外という結果に。オリコンでは初動売上14万8千枚で1位初登場。前作「ぎゅっと」の11万8千枚(1位)からアップしています。

2位はAKB48「Teacher Teacher」が先週の1位からワンランクダウンしてこの位置に。そして3位にはDA PUMP「U.S.A.」が先週の81位からランクアップしベスト10入りしています。3年半ぶりとなる新作はちょっとベタさも感じるユーロビートのナンバーですが、楽曲はタイトル通りのアメリカ讃歌。それもかなりベタベタな内容になっており、はっきりいって笑えますが、妙に耳に残るナンバーに。もともと人気コンピ盤「スーパー・ユーロビート」に収録されていた曲のカバーだそうですが、「ダサい」雰囲気が逆にうけている模様。RADWIMPSもこういうノリで日本讃歌を歌えば、誰も批判しなかったんでしょうけどね。実売数5位、ラジオオンエア数6位、PCによるCD読取数30位、Twitterつぶやき数及びYou Tube再生回数2位と、漏れなく上位にランクイン。オリコンでは初動1万2千枚の9位に留まっていますが、デジタルシングルチャートでは2位に入ってきており、配信中心のヒットになっています。初動売上は前作「New Position」の3千枚(11位)から大幅にアップ。彼らにとっては2004年の「胸焦がす...」以来、8作ぶりのベスト10ヒットとなっています。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位に私立恵比寿中学「でかどんどん」が初登場でランクイン。実売数3位、PCによるCD読取数16位、Twitterつぶやき数17位を記録。最初のAメロが山本リンダの「どうにもとまらない」を彷彿とさせます。オリコンでは初動6万3千枚で3位初登場。前作「シンガロン・シンガロン」の7万1千枚(2位)からダウンしています。

初登場組最後。6位にキム・ヒョンジュン「Take my hand」がランクイン。韓国のアイドルグループSS501のリーダーでもある彼のソロシングル。実売数4位、Twitterつぶやき数10位を記録しています。歌い上げるようなスケール感あるスタジアムロック仕様のナンバー。オリコンでは初動売上4万4千枚で前作「風車 <re:wind>」の3万1千枚(3位)からダウンしています。

さてロングヒット組。米津玄師「Lemon」ですが、今週は先週から同順位の5位をキープ。実売数6位、PCによるCD読取数3位、You Tube再生回数1位もそれぞれ先週から同順位をキープしており、まだまだ強さを感じます。ただ「LOSER」のほうは今週は13位にダウン。残念ながらベスト10からダウンしています。

今週のHot100は以上。アルバムチャートはまた明日に!

そんな訳で、RADWIMPS「HINOMARU」の話題は「続きを読む」のあとに。

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2018年6月12日 (火)

とにかくポップで楽しい作品

Title:Dirty Computer
Musican:Janelle Monae

前作「The Electric Lady」が大きな話題となり各種メディアでも高い評価を受けたR&Bシンガー、ジャネール・モネイ。その後、映画「ムーンライド」や「ドリーム」などにも出演し、女優としても活躍をはじめた彼女。まさに今、もっとも勢いのある女性シンガーの一人といえる彼女ですが、そんな彼女の実に4年7ヶ月ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

その話題となった前作「The Electric Lady」は全体的に80年代風のポップが並ぶ中、ディスコやアーバンソウル、R&BやHIP HOPなど、様々なジャンルを取り入れた楽曲が並ぶのが非常に魅力的なアルバムに仕上がっていました。

今回のアルバムでも比較的80年代の空気を感じられるエレクトロポップチューンが大きな魅力になっています。軽快でリズミカルなエレクトロポップチューンの「Take A Byte」やGrimesを迎えた「Pynk」はテクノテイストも強いエレクトロナンバー。「Make Me Feel」はファンキーなナンバーながらもどこかユーモラスなエレクトロアレンジが楽しいナンバーになっていますし、トライバルなリズムが印象的な「I Got The Juice」も魅力的です。

ちょっと雰囲気の変わったところではHIP HOPテイストにまとめた「Django Jane」なんて曲もあったり、またメロウなバラードチューン「Don't Judge Me」ではボーカリストとしての魅力を甘い歌声でこれでもかというほど聴かせてくれています。

そしてラストを飾る「Americans」は、80年代にMTVにPVがそのまま流れていても違和感のないような楽しいポップチューン。非常にハッピーな気分となりアルバムは幕を閉じます。

全体的なバリエーションとしては正直、前作の方が広かったような印象を受けました。ただ一方、全体的に前作以上にポップにまとめっており、純粋にワクワクするような楽しさを持った作品に。特に、そのポピュラリティーはどこかキュートな部分があわさっており、そういう意味でもアルバム全体としてかわいらしさを感じさせるアルバムに仕上がっていたと思います。

R&Bというジャンルにこだわらずとても楽しいアルバムで、ポップス好きならおそらく一発で楽しめるアルバムになっていたと思います。シンガーとしても女優としても積極的な活躍が目立つ彼女。これからのさらなる飛躍が楽しみになってくる1枚です。

評価:★★★★★

Janelle Monae 過去の作品
The Electric Lady


ほかに聴いたアルバム

World Wide Funk/Bootsy Collins

60年代から活躍を続けるP・ファンクの代表的なベーシスト、Bootsy Collins。御年66歳にしていまだに積極的な活動を続けていますが、今回の新作も「World Wide Funk」とある意味、あまりにひねりのないタイトルが逆にユニークさすら感じてしまいます。

サウンド的には今風のHIP HOP的な要素を入れつつも、基本的には昔から変わらないP・ファンクのスタイル。そういう意味では目新しさはない反面、純粋にファンキーなリズムを楽しむことが出来るアルバムに。とにかくファンクを聴いたという満足感を覚えるアルバムでした。

評価:★★★★

Bootsy Collins 過去の作品
THA FUNK CAPITAL OF THE WORLD

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2018年6月11日 (月)

知る人ぞ知る、実力派女性SSWへのトリビュート

Title:イズミカワソラトリビュートアルバム「タイムカプセル」

正直言うと、今回のトリビュートアルバムリリースに関しては少々ビックリしてしまいました。女性シンガーソングライター、イズミカワソラのデビュー20周年を記念したトリビュートアルバム。しかし、このイズミカワソラ、これとして「大ヒット」した曲もなく、知る人ぞ知る的なミュージシャンではないかと思います。ただ私個人的には、底抜けに楽しいポップチューンが気に入り、2ndアルバム「ヤッホー!」以来、ずっとその動向を追いかけていて秘かに応援していたミュージシャン。そんな彼女に対するトリビュートアルバムのリリースというのは正直言ってかなりの驚きでもあり、かつうれしくも感じられました。

そしてそのトリビュートアルバムへの参加ミュージシャンもなかなかな豪華な面子。今をときめくUNISON SQUARE GARDENやカーネーションの直枝政広、個人的にファンな花*花(ちょっと懐かしい!)やJungle Smileの吉田ゐさおが参加しているというのも私的にはうれしい面子だったりします。まあ、本人が2曲も参加しているほか、UNISON SQUARE GAREDNがバンド名義と斎藤宏介名義で2曲参加しているのは、参加メンバーの水増しなんじゃないかと秘かに思ったりもするんですが・・・(^^;;

さて、そんないろいろなミュージシャンによってカバーされたイズミカワソラの楽曲の数々、彼女の曲はとにかく明るくポップな楽曲が大きな特徴なわけですが、基本的にはそんな「ポップ」な部分をきちんと生かしたカバーが多く、大胆にリアレンジして「原曲はどこに?」的な、この手のトリビュートアルバムでよくありがちなカバーはありませんでした。

そんな明るいポップ路線で言えば、まさにUNISON SQUARE GARDENなんて、彼ら自身の方向性と一致しているわけで、彼らがカバーした「サイボーグ99%」などは完全に彼らの曲になっています。また 鈴木蘭々・鈴木秋則・河相我聞・フジイケンジ・松本祐一という豪華なメンバーが結集して「鈴木組」名義でカバーした「荒野のガンマン」も疾走感ある明るい、イズミカワソラのイメージそのままなカバーになっています。ただ軽快なピアノのリズムは、鈴木秋則がかつて参加していたSENTIMENTAL:BUSを彷彿とさせました。

ただ一方ではイズミカワソラのポップな面を生かしつつ、それぞれのミュージシャン独特の味付けをしたカバーも多く、イズミカワソラの楽曲の持つ意外な魅力を感じられたのもこのアルバムの大きな魅力でした。例えばH ZETTRIOの「あかね色」や花*花の「ロケットで」はジャジーな味付けがほどこされていましたし、Hiroshi Nakamura+MASSANの「message」な今風のエレクトロジャズなアレンジになっていたのがユニーク。

また吉田ゐさお&日之内エミ名義による「願い」はR&B風のカバーになっており、イズミカワソラの楽曲に意外とブラックミュージック的な要素が隠れていたことに気が付かされますし、また直枝政広の「此処から」もアコースティックギターによるシンプルなカバーが魅力的。こちらもイズミカワソラの楽曲の持つメロディーラインの良さがより際立ったカバーに仕上げています。

そんな訳で様々な側面からイズミカワソラの楽曲の魅力をしっかりと伝えているトリビュートアルバムになった本作。あらためて彼女のポップミュージシャンとしての実力を感じさせてくれる作品になっていたと思います。参加ミュージシャンのファンの方にはぜひとも聴いてほしい1枚ですし、それをきっかけで、是非イズミカワソラというミュージシャンも知ってほしいなぁ、と強く感じるアルバムでした。もちろん、イズミカワソラ本人のこれからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

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