2022年1月17日 (月)

偉大な作曲家の人間的側面も知れる

今回は、また最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

1960年代から2000年代に至るまで、数多くのヒット曲を世に送り出した、日本歌謡史を代表する大ヒットメーカーである作曲家、筒美京平。2020年に惜しまれつつこの世を去った彼ですが、本作は、そんな筒美京平の評伝。ミュージシャンであり、かつ最近では「考えるヒット」などで評論家的な活躍も目立つ近田春夫による筒美京平の評論本となります。

本書は2部から成っており、第1部は「近田春夫による筒美京平論」として、彼の筒美京平楽曲の経験も踏まえた上で、1960年代から晩年に至るまでの筒美京平の活躍を、同時期の日本のヒットシーンと絡めつつ、解読していっています。「考えるヒット」でも、様々なJ-POPのヒット曲を、ミュージシャンならではの音楽的側面からの分析も踏まえて解説していっている近田春夫ですが、筒美京平に対する解説も同様のスタイル。時として日本の音楽系雑誌では、歌詞の部分だけが語られて音楽的側面からの解説がほとんど行われないケースが少なくありません。ただ、そこは近田春夫。あらゆる音楽からの影響を受け、ある意味、その個性を捉えるのが非常に難しい筒美京平の作品を音楽的側面からしっかり解読しており、非常に興味深く読むことが出来ました。

また、なにげにそんな中で本書の中で貢献しているのが聴き手である下井草秀。彼自身も音楽ライターとして活動しているようですが、近田春夫へのインタビュアーとして、しっかりといい仕事をしています。特に90年代あたりのヒットシーンの評価に関しては、正直、リアルタイムで経験した立場からすると、近田春夫の見方には少々疑問を感じる部分があるのですが、そこを彼がしっかりと軌道修正していっているようにも感じました。

この前半に関して、個人的に非常に興味深かったのが、筒美京平が90年代のJ-POPミュージシャンに関して、気になるミュージシャンは誰か、と聴いたところ、スピッツの名前があがってきたという事実。これに関しては近田春夫もその理由がよくわからないようですが、特に90年代のヒットシーンの中でメロディーラインの良さはピカ一だった草野マサムネだっただけに、シンパシーを感じたのでしょうか。興味深く感じることが出来ました。

さらに同書の目玉はなんといっても後半戦。近田春夫が筒美京平の身近な人にインタビューを試みています。実弟で自らも音楽プロデューサーとして活躍する渡辺忠孝、盟友であり、こちらも日本を代表する作詞家のひとり、橋本淳、そして、筒美京平の秘蔵っ子とも言われたシンガーの平山みきの3人。それぞれが異なった側面から筒美京平について語っているのが印象的でした。

特に筒美京平本人、ほとんど表に出ることがなく、芸能界から距離を置いていたそうで、その人柄についてはいままでほとんど語られることがありませんでした。しかし、本書では、身近な人物にインタビューを試みた結果、筒美京平の生い立ちや人柄についてもしっかりと語られており、ひとりの人間としての筒美京平の姿を知ることが出来る構成となっています。ここらへんは、自らも長年音楽シーンに関わり、日本のヒットシーンの中では、既にレジェンド的な立ち位置になっている近田春夫がインタビューを試みているからこそ、筒美京平の身近な人物がインタビューに応じたのではないでしょうか。このインタビューの中でも、筒美京平の音楽性に関してしっかり語られており、ここらへんも音楽的な素養のある近田春夫がインタビュアーだからこその内容にも感じました。

筒美京平という偉大な作曲家の音楽的な功績とひとりの人物としての側面を知ることが出来る非常に興味深い1冊。これを読んで、あらためて筒美京平の曲に触れてみたくなりました。彼の楽曲を含めて日本のポピュラーミュージックシーンを振り返ることが出来る意味でも楽しめる本ですし、特に歌謡曲に興味があれば、是非とも読んでほしい1冊だと思います。

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2022年1月16日 (日)

念願の初CHAIライブ!

冬のCHAIまつり2022

CHAI/Mom

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2022年1月14日(金)19:00~

今年の初ライブに足を運んできました!オミクロン株によるコロナ患者の急増に少々心配しつつも足を運んできたのがCHAIのライブ。2017年のアルバム「PINK」ですっかり彼女たちにはまってしまい、その後も一度ライブに足を運びたいなぁ・・・と思いつつも、なかなか行けるタイミングが合わず、彼女たちのライブを経験しないままになっていました。そんな中、ようやく彼女たちのライブに足を運ぶことが出来、まさに念願のCHAI初ライブ参戦となります。

この日は対バン形式のライブということで、まずはこの日のゲスト、Momが登場。女性っぽい名前のミュージシャンですが、男性ソロシンガーソングライターで、音を聴くのもはじめてながら、名前を聞くのもはじめて。ある意味、名前から音楽のタイプが全く予想できないだけに、どんなミュージシャンなのか、期待しつつステージを見ていました。

ステージは、ボーカルをつとめるMomにDJが1人つく形式のステージ。1曲目は非常にフォーキーな雰囲気の楽曲だったのでちょっと意外に感じたのですが、その後はHIP HOP的なトラックを取り入れたり、Momがギターをかかえてのロック風の楽曲があったり、メロウなR&B風の楽曲があったりと非常にバラエティーに富んだ作風を聴かせてくれました。彼自身、MCで「自分は軸足のないタイプのミュージシャンだから」というようなことを語っていました。確かに、いろんなジャンルの曲を取り入れた作風が特徴的で、どんなタイプのミュージシャンなのか、一言では説明しにくいタイプのミュージシャンと言えるかもしれません。

そんなバラエティー富んだ音楽性がおもしろさを感じる反面、メロのインパクトがちょっと弱く、またジャンルが広いゆえに若干音楽的な方向性がぼやけた感もあるのも惜しさを感じます。ただ、いろんなジャンルの音楽を積極的かつ柔軟に取り込んでいるその姿勢は非常にユニークで、今後の活躍に期待したいミュージシャンでした。これからその名前を聞く機会も増えるかもしれません。

さて、そんなMomのステージが1時間弱続き、ようやく待望のCHAIが登場!まずメンバー全員、銀色の三角帽子と銀色のポンチョといういで立ちで、まるで銀色のテルテル坊主ような格好で登場。メンバーが最初は「NO MORE CAKE」を歌いながらもダンスするというちょっと意外な展開に。その後も「ACTION」で同じように踊りながら曲を披露するスタイル。途中、「アイム・ミー」ではバンドサウンドを聴かせてくれたりするのですが、その後も「IN PINK」「Nobody Knows We Are Fun」「チョコチップかもね」と最新アルバム「WINK」からの曲が続いていきます。打ち込みのポップソングがメインでバンド色が薄くなってしまっていた「WINK」は、正直あまりはまれなかったアルバム。この日の「WINK」からの曲も、確かにバンドというよりは欧米のポップグループの曲のようなステージなのですが、これはこれで新たな挑戦という感じでおもしろいかも・・・なんてことをステージを見つつ感じていました。

その後、曲にのせてメンバーそれぞれ自己紹介をする自己紹介ソングを挟んだ後、おなじみの「N.E.O.」へ!この曲が聴けたのは非常にうれしかったのですが、それ以上に衝撃的だったのは、彼女たちのバンドサウンド、めちゃくちゃカッコいい!!まずユウナとユキのベース&ドラムのビートが非常にヘヴィーで迫力があり、グッと惹きこまれます。そんなサウンドにのるカナの奏でるギターサウンドが、ちょっとメロウな感じがまた印象的で、ロックバンドCHAIの演奏はまさに聴いていて震えがくるほどのカッコよさを感じました。

続く「END」もバンドサウンドをしっかり聴かせてくれつつ、「PING PONG」では一転、打ち込みのエレクトロサウンドを前面に押し出したダンスチューン。ライブ会場は一瞬にしてライブフロアに大変身。みんなメンバーと一緒に踊ります。

そしてここから雰囲気は一転、「Wish Upon a Star」「ほれちゃった」そして「Donuts Mind If I Do」としんみり聴かせる曲が続きます。前半の元気がよいCHAIから大きく異なり、ここら辺の曲は、純粋に彼女たちがメロディーラインでも勝負できることをあらためて感じさせる展開になっていました。

ここで終盤。ユナのMCのコーナーとなり、この日のようなCHAIの「まつり」でのみ販売される「皿」を紹介する流れに。そしてライブは本編ラスト「フューチャー」へ。ここでもしっかり分厚いバンドサウンドを聴かせつつ、まずは本編終了となりました。

もちろんその後はアンコールへ。最初はメンバーの登場し、MCに。彼女たち、名古屋出身のバンドということですが、この日の本編では、そういう「地元のライブ」という話は一切なし。ただアンコールのMCではバリバリの名古屋弁での会話に(笑)。名古屋めしの話題になったのですが、ただ、名古屋めしというのは、名古屋以外のミュージシャンが名古屋アピールするために取り上げそうな題材で、地元なんだからもっとマニアックなネタに走ってほしかったような(笑)。

で、アンコールラストは、Momが再び登場。Momをゲストボーカルにむかえ「sayonara complex」で締めくくり。最後はバンドサウンドをしっかりと聴かせつつ、約1時間半のステージが幕を下ろしました。

さら今回はじめてのCHAIのステージになるのですが、まずバンドとして非常にカッコよかった!!もともとバンドとしてライブが良いという話はよく聴いていたのですが、特に「N.E.O.」の入りでベースとドラムスがスタートするあたりなど、本当に身震いがするようなカッコよさでバンドとしての実力をいやというほど感じることが出来ました。

一方、この日は最新アルバム「WINK」からの曲も多く、この「WINK」からの曲の多くは、打ち込みのサウンドを用いていました。こちらの曲に関しても、彼女たちの興味とあらたな挑戦を感じさせるのですが、やはりバンド色を前面に押し出している曲に比べると、若干物足りなさも感じてしまいました。やはりロックバンドとしての路線を軸足にしつつ、楽曲のバリエーションとして「WINK」のような曲を箸休め的に聴かせてくれた方がよかったのでは?なんてことをライブからも感じてしまいました。

そんな訳で、噂どおり非常にカッコいいCHAIのステージで大満足でした。唯一残念だったのはステージが1時間半という短さだった点・・・Momも悪くはなかったのですが、次は完全なワンマンライブで聴きたいなぁ。コロナ禍の中で、現在の患者数の増え方ですと、またしばらくライブは「お休み」ということになりそうですが、コロナが明けたら、またぜひともCHAIのライブに足を運びたい!そう強く感じた素晴らしいステージでした。

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2022年1月15日 (土)

清涼感あふれる歌声で35年!

今回紹介するのは、岡村孝子のソロデビュー35周年を記念してリリースされた2枚同時リリースのオールタイムベストです。

Title:T's Best season1
Musician:岡村孝子

Title:T's Best season 2
Musician:岡村孝子

岡村孝子といえば、2019年4月に急性白血病に罹患し、長期の休業に入りました。非常に重い病気であるために予後も心配されたのですが、臍帯血移植を経て9月に退院後、完全寛解状況であることを報告。その後、ライブ活動も再開させ元気な姿を見せて、ファンを安心させました。

そんな中でリリースされたのが今回のベストアルバム。ソロデビュー後35周年を記念してリリースされたオールタイムベストとなります。2組同時にリリースされた本作は、「season1」ではソニーミュージックから、「season2」は2011年に移籍したヤマハミュージックコミュニケーションズからのリリースとなりました。

さて、岡村孝子の楽曲を今回あらためて聴いてみたのですが・・・と言いたいところですが、ベストアルバム「DO MY BESTⅡ」のリリースからわずか5年。また、その前にもセレクションアルバム「After Tone Ⅳ」もリリースされており、若干「またか」という印象もあります。もっとも、その2枚のアルバムはいずれも比較的直近の曲をまとめたアルバムであり、初期の曲という意味では久々に彼女の曲をあらためて聴いてみた、ともいえる作品にもなっています。

その上で、彼女の曲を初期の作品から通して聴くと感じるのは、「夢をあきらめないで」が彼女の曲のひとつの到達点であり、その後の曲は良くも悪くも、その焼き直し的な側面が否めないという点でした。この曲自体、1987年リリースの5枚目のシングルであり、彼女の最初期の曲であるのですが、その後も正直似たような前向き応援歌的な曲が目立ちます。ただ、あらためて聴くと、その中でも「夢をあきらめないで」というストレートなメッセージ性、場面の風景描写から入って、リスナーを曲を惹きつける歌詞構成の妙、インパクトがあり一度聴いたら忘れられず、かつ曲のテーマ性にもマッチした清涼感あふれるメロディーライン、どれをとっても実によく出来た曲になっています。前向き応援歌というのは、J-POPの定番中の定番で、よくありがちなスタイルなのですが、「前向きJ-POP」という形で枠を広げても、この曲はある意味「完成形」と言えるかもしれません。

ただその結果、「夢をあきらめないで」よもう一度、的な前向き応援歌が乱発されてしまっているのは残念。それでも前半の曲に関しては「Good-Day ~思い出に変わるならば~」「笑顔にはかなわない」のような、それなりに「夢をあきらめないで」に近づいたような良曲もあるのですが、その割合は後半になればなるほど減っていってしまい、最近の曲に関しては、正直なところ、過去の曲をリメイクしたのでは?というほどの似たような曲が連発されており、完全にマンネリ状況になっているのは非常に残念です。

一方、彼女の曲に関して思うのは、この前向き応援歌よりも、女性の素直な心境を歌ったラブソングに大きな魅力があるという点。もともと彼女がブレイクしたきっかけとなっているあみんの「待つわ」もご存じの通り、女性の切ない心境を歌ったラブソングですが、「Believe」のような女性の切ない心境を歌ったラブソングが大きな魅力。もちろん、そういう曲はその後もリリースされているのですが、ラブソングでもどこか前向きな歌詞が加味されたような曲も多く、もうちょっと「待つわ」のような路線を突き進めてもいいのに、とも感じてしまいます。

また、今回のオールタイムベストで残念だったのは、代表曲が「Season1」に偏ってしまった点。ファンハウス所属時代が「Season1」、east west japan移籍以降が「Season2」となっています。期間的には「Season1」が1985年から94年の9年間であり、圧倒的に「Season2」の方が長いのですが、その間リリースされたオリジナルアルバムは「Season1」が10枚に対して「Season2」は8枚。内容的にもやはり彼女の活動が脂にのって充実していたのはファンハウス時代であり、特に「Season2」収録曲に関しては、以前の曲の焼き直しのようなマンネリ曲が目立っていました。

もっともマンネリ的な曲が目立ちつつ、35年という長い期間にわたり第一線で活躍をつづけた大きな要因の一つが、彼女の清涼感あふれる歌声でしょう。ルックス的にもお嬢様といった印象を受ける彼女ですが、歌声も、そんな彼女のイメージにピッタリマッチした、非常に透き通った清涼感あふれる歌声が耳を惹きますし、だからこそたとえマンネリ気味であろうとも、その歌に強く惹きつけられます。今回のベスト盤で、やはり一番魅了されたのは、そんな彼女の歌声でした。

一時期は体調をかなり心配したのですが無事復帰されたということで本当にほっとしました。これからも末永く、その美しい歌声が聴けそうでうれしい限り。お身体を無理せずに、これからの活躍も期待したいところです。

評価:
Season1 ★★★★
Season2 ★★★

岡村孝子 過去の作品
勇気
After Tone IV
DO MY BEST Ⅱ
fierte


ほかに聴いたアルバム

Crank Up/ストレイテナー

ストレイテナーの新作は5曲入りとなるミニアルバム。メランコリックなメロディーラインを聴かせつつ、分厚いバンドサウンドが魅力的な作品で、彼らのポップな側面とロックな側面がほどよくバランスされていた感のある作品に。これといってインパクトあるメロがなかったのはちょっと残念でしたが、直近のオリジナルアルバム「Applause」もよい出来でしたし、次のオリジナルアルバムが楽しみになってくる作品でした。

評価:★★★★

ストレイテナー過去の作品
Immortal
Nexus
CREATURES
STOUT
STRAIGHTENER
21st CENTURY ROCK BAND
Resplendent
Behind The Scene
Behind The Tokyo
COLD DISC
Future Soundtrack
BEST of U -side DAY-
BEST of U -side NIGHT-
Black Map
Applause

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2022年1月14日 (金)

Roots of 電気グルーヴ

Title:Nur Noch Einer
Musician:Robert Gorl&DAF

今回紹介するのは、ジャーマン・ニューウェーヴを代表する音楽ユニット、DAFの新作です。といっても、このDAFというユニットの音源をアルバム単位で聴くのは今回がはじめて。DAFというユニットはドイツのデュッセンドルフにて結成されたユニット。80年代に活躍した後、解散、再結成などを繰り返し、断続的に活動を続けているユニットだそうです。ちなみにDAFという名前は"Deutsch Amerikanische Freundschaft"の略称で、ドイツ語で「独米友好協会」という意味。これは旧東ドイツの独ソ友好協会や旧西ドイツの過激派ドイツ赤軍の名前のパロディーだそうです。

もともと、私がDAFというユニットを知ったのは電気グルーヴが自らの音楽的ルーツを語るYou Tube上の番組「Roots of 電気グルーヴ」で紹介されたことがきっかけ。

電気グルーヴが好きな私としては、この番組で紹介されている彼らに断然興味を抱き、そんなタイミングでニューアルバムリリースがあったため、今回、はじめてアルバムを聴いてみた、という次第です。

ただ今回のアルバムリリースのきっかけが、2020年の3月にメンバーのガビ・デルガド=ロペスが61歳という若さでこの世を去ったこと。その死の直前に相方であるロベルト・ゲアルとスタジオに入りレコーディングを開始。ガビが逝去した後もレコーディングが続けられ、このたび、Robert Gorl&DAF名義でのニューアルバムリリースとなりました。

上で紹介した電気グルーヴの動画がきっかけでDAFについては曲単位で何曲が聴いていたのですが、今回の作品に関しては、その時に感じたDAFのイメージそのまんま。80年代を彷彿とさせるニューウェーヴのサウンドがリズミカルに展開していくのですが、このサウンドが非常にダウナーで、力強さとパンキッシュな要素も感じさせます。さらに淡々としたロベルトのボーカルも非常にカッコよさを感じつつ、どこか中性的でもあり、不思議な雰囲気も醸し出しています。

一方で、どの楽曲も、80年代的なニューウェーヴな感じが非常にポップな印象を受ける作風に。さらにロベルトのボーカルもそうなのですが、どこかユーモラスも感じさせる内容になっており、何気にポピュラリティーが高く、広いリスナー層が楽しめる内容になっています。ミニマルテクノ的なサウンドも合わさり、確かに「Roots of 電気グルーヴ」で紹介されただけあって、電気グルーヴへの影響も強く感じさせますし、電気グルーヴが好きなら間違いなく気に入りそうな楽曲だと思います。

全15曲50分弱、楽曲的には似たような曲が並ぶのですが、意外とポップでユーモラスな作品がとても楽しく、一気に聴くことが出来た傑作アルバムに仕上がっていました。これを機に、昔の曲もアルバム単位で聴いてみなくては。遅ればせながらDAFの魅力を実感できた作品でした。

評価:★★★★★

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2022年1月13日 (木)

正月早々、新譜は多め

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

新曲の少なかったHot100と異なり、正月早々、新譜の目立つチャートとなりました。

そんな中、1位を獲得したのはジャニーズ系アイドルグループSixTONESのニューアルバム「CITY」。CD販売数及びPCによるCD読取数で1位を獲得し、総合順位でも1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上46万9千枚で1位初登場。前作「1ST」の46万7千枚(1位)より若干のアップとなっています。

2位にはYOASOBI「THE BOOK 2」が先週と同順位をキープ。CD販売数は7位から10位、PCによるCD読取数も1位から2位とダウンしていますが、ダウンロード数は先週と変わらず1位をキープし、総合順位も2位をキープしています。ただ一方、先週ベスト10に返り咲いた「THE BOOK」は今週12位にダウン。ベスト10返り咲きは1週に留まりました。

3位は-真天地開闢集団-ジグザグ「慈愚挫愚 参 -夢幻-」。かなりインパクトのある名前ですが、本作がフルアルバムとしては4作目となるヴィジュアル系バンドで、バンド名は「しんてんちかいびゃくしゅうだん じぐざぐ」と読むそうです。CD販売数及びダウンロード数4位、PCによるCD読取数23位。今、注目のバンドのようで、いきなりベスト10入り。オリコンでも初動売上8千枚で3位初登場。ベスト10入りどころかアルバムのベスト50入りも本作が初となるようです。

続いて4位以下の初登場盤です。まず7位に「A3! SUNNY AUTUMN EP」がランクイン。CD販売数2位、PCによるCD読取数78位。スマホ向けイケメン役者育成ゲーム「A3!」のキャラクターソング集。オリコンでは初動売上8千枚で4位初登場。同シリーズの前作「A3! SUNNY SUMMER EP」の初動6千枚(6位)よりアップしています。

8位は女性アイドルグループASP「PLACEBO」が初登場。CD販売数3位、そのほかは圏外となっています。オリコンでは初動売上6千枚で6位初登場。前作「ANAL SEX PENiS」の4千枚からアップしています。

9位には声優雨宮天「雨宮天 BEST ALBUM -RED-」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数39位。2枚同時リリースによるベストアルバム。オリコンでは同作が17位、もう1枚の「雨宮天 BEST ALBUM -BLUE-」が16位に並んでランクインしているのですが、Hot Albumsでは「BLUE」はなぜか24位と順位にかなり差がついています。ただ、1月5日リリースながらもフライング販売分が昨年末から店頭に並んでいたようで、オリコンでは先週のチャートで「BLUE」が15位、「RED」が17位にランクイン。Hot Albumsではフライング販売分も今週の売上に加味されているのか、どちらも今週初登場となっています。ただ、その中でこれだけ順位に差がつくのがかなり謎なのですが・・・。

最後10位には韓国の女性アイドルグループKep1er「FIRST IMPACT: 1st Mini Album」。ダウンロード数で2位を獲得。一方、オリコンでは輸入盤の売上が加味されて、初動売上1万枚で2位初登場となっています。輸入盤ということでHot AlbumsではCD販売数は加味されていません。ただ、先週1位を獲得したNCT「Universe:NCT Vol.3」はなぜか輸入盤のCD販売が反映されており、ここらへんの取り扱いの差がいまひとつわかりません。ここらへんの差が、チャートへの疑問につながってしまうのですが・・・。

そんな訳で、モヤモヤをかかえつつ今週のHot100は以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年1月12日 (水)

King Gnuの活躍、続く

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に続いて、King Gnuの活躍が目立つチャートとなりました。

まずはKing Gnu「一途」が2週連続の1位を獲得。CD販売数は2位にダウンしましたが、ストリーミング数1位、ダウンロード数3位は先週から変わらず。You Tube再生回数も2位にランクインしており、見事2週連続の1位となりました。さらに先週3位にランクインした「逆夢」が今週2位にランクアップ。特にダウンロード数は3週連続の1位。ストリーミング数2位、You Tube再生回数も3位にランクイン。ダウンロード数、ストリーミング数及びYou Tube再生回数のいずれもKing Gnuが2曲ランクインする結果となりました。

そして3位にはAimer「残響散歌」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。こちらもダウンロード数2位、ストリーミング数4位、You Tube再生回数4位といずれも上位にランクインしています。こちらは1月12日にCDリリースが予定されており、来週以降のランクアップが期待されます。

続いて4位以下ですが、今週は集計対象週が1月3日から9日と正月休みに係ったため、新曲のランクインがゼロという結果となりました。一方で、ベスト10返り咲きも何曲か。まずback number「水平線」が11位から8位にランクアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これでベスト10ヒットは通算20週となります。

またYOASOBI「群青」も先週の16位から10位にランクアップ。9週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。紅白歌合戦の歌唱曲ですので、紅白出演の影響が大きい模様。これでベスト10入りは通算10週目になります。

さらにロングヒット勢も目立ちます。まず優里「ベテルギウス」が4位、「ドライフラワー」が5位と2曲並んでランクイン。「ベテルギウス」はこれで10週連続、「ドライフラワー」は60週連続のベスト10ヒットとなりました。

先週ベスト10に返り咲いた藤井風「きらり」は今週7位にアップ。こちらも通算12週目のベスト10ヒット。特に今週、ストリーミング数が16位から7位、You Tube再生回数も26位から15位と大幅にアップしており、さらなるロングヒットも期待できそうです。

一方、Awesome City Clubの「勿忘」は今週12位にダウン。残念ながらベスト10返り咲きは1週で終わりました。またBTS「Butter」が13位にダウン。ベスト10ヒットはとりあえず通算32週でストップしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年1月11日 (火)

ポップセンスは永遠に

今回は、ここ最近リリースされた、ブライアン・ウィルソンのアルバム2作の紹介です。

Title:Brian Wilson:Long Promised Road(Original Motion Picture Soundtrack)
Musician:Brian Wilson

まず最初に紹介するのはブライアン・ウィルソンの新しいドキュメンタリー映画「Brian Wilson: Long Promised Road」のサントラ盤。配信限定でリリースされた作品ですが、なんといっても話題となっているのが1曲目「Right Where I Belong」で、マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェイムスと共作&共演したという新曲が収録されています。そして、この曲が、現在、既に79歳となっている(!)彼のポップスセンスが全く衰えていないことを感じさせる名曲。ちょっとひねくれた、独特の構成でありつつも、非常にキュートなポップソングに仕上がっていて、往年のビーチボーイズを彷彿とさせる楽曲に仕上がっています。

そしてアルバムの前半は、90年代にアンディ・ペイリーと様々なスタジオでセッションを行っていた、いわゆる「アンディ・ペイリー・セッション」でお蔵入りとなっていた音源などが収録。さらに後半にはビーチ・ボーイズ名義でリリースされた曲の新録バージョンなどが収録されているようです。

そんな訳で、ドキュメンタリー映画のサントラ盤といえ、楽曲構成に関しては、かなりマニア垂涎の内容といった感じになっています。ただ、だからといって、それ以外のリスナーを突き放しているのかと言われるとそうではなく、アルバム全体、ブライアンらしいキュートなポップソングが並んでおり、ライトなファン層でも十分に楽しめる内容に。軽快なダンスチューン「Rock&Roll Has Got a Hold on Me」に60年代風のキュートなポップソング「Honeycomb」、60年代の王道を行くようなギターポップチューン「I'm Broke」などなど、最後の最後までポップなナンバーが並ぶ楽曲に仕上がっています。

あらためてブライアンのポップスセンスの魅力に触れることの出来る作品。マニアからライトなリスナー層まで十分に楽しめるサントラ盤として仕上がっていました。実に魅力的なポップスアルバムです。

評価:★★★★★

Title:At My Piano
Musician:Brian Wilson

そして、こちらは純然たる新作。ビーチ・ボーイズ結成60周年を記念してリリースされた作品だそうで、彼にとって初となるピアノ・ソロ・アルバム。「God Only Knows」「Wouldn't It Be Nice」「Good Vibration」といったビーチ・ボーイズの名曲の数々をピアノ1本のみで聴かせるインストのアルバムとなっています。

まあ、ビーチ・ボーイズの曲をピアノでそのままカバー、演奏したアルバムということで、良くも悪くも印象そのまま。もともと、メロディーラインは非常に優れた曲なわけで、それをピアノ1本でカバーして悪い出来になるわけはありません。ただ一方、単なるインスト作なので、目新しさはほとんどなく・・・。あえて言えば、メロディーラインの良さを再認識させられて、演奏形態がどうであれ、ビーチボーイズの作品には変わらないということを再認識しました。

そういうこともあって、純然たる新作なのですが、アルバムの方向性としては、前述のサントラ盤以上にファン向けのアイテムといった感じだったかもしれません。もちろん、ピアノでカバーした作品は名曲揃いなだけに悪い内容な訳ありません。そういう意味ではファンとしては聴いて損のない1枚かと。まあ、それよりなにより、79歳になってまだまだ元気そうな彼の姿を感じられるのが一番うれしいのですが。

評価:★★★★

Brian Wilson 過去の作品
That Lucky Old Sun
Reimagines Gershwin
In The Key Of Disney
No Pier Pressure

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2022年1月10日 (月)

こちらも紅白の影響が・・・

すいません、昨日アップ予定でしたが1日延びてしまいました・・・。

今週のHot Albums(2022年1月5日付)

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

お正月休みに係るチャートということで新譜は少な目でした。

そんな中、1位を獲得したのは韓国の男性アイドルグループNCT「Universe: NCT Vol.3」。2週連続での1位となります。CD販売数1位、ダウンロード数75位、PCによるCD読取数45位で、総合順位では1位獲得となっています。

2位にはYOASOBI「THE BOOK 2」が先週の6位からランクアップし、2週ぶりのベスト10返り咲きに。PCによるCD読取数は先週から変わらず1位に、ダウンロード数が2位から1位にランクアップしているほか、CD販売数が先週の17位から7位に大幅アップしています。さらにYOASOBIは「THE BOOK」も先週の29位から9位にランクアップし、3週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。これで通算26週目のベスト10ヒットとなりました。

そして3位がようやく初登場組。EXILE「PHOENIX」が先週の76位からランクアップし、2週目にして1位獲得。CD販売数2位、ダウンロード数25位、PCによるCD読取数52位。1月1日リリースのアルバムだったため、フライング販売分が先週のチャートに加味されたため、今週、2週目という扱いのようです。オリコン週間アルバムランキングでも今週は4千枚の売り上げで7位にランクイン。先週、初動売上1万6千枚で6位に初登場。前作「STAR OF WISH」の初動14万5千枚(1位)より大幅ダウン。「PHOENIX」は今週分の売上を加味しても、2万枚ですので、激減という結果となっています。前作のリリースが約3年4ヶ月前とスパンが開いただけに、ストリーミングの普及などの影響もあるのですが、それを差し引いても厳しい結果となっています。

続いて4位以下の初登場ですが、初登場は1枚のみ。10位に黒澤ダイヤ(小宮有紗) from Aqours「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album ~THE STORY OF FEATHER~ starring Kurosawa Dia」がランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」より、アイドルグループAqoursソロコレクション第3弾。CD販売数5位、ダウンロード数63位。オリコンでは初動売上5千枚で3位初登場。

今週の初登場盤は以上でしたが、今週はHot100同様、特に紅白出場組のランクアップが目立つチャートとなりました。前述のYOASOBIもそうですが、まずSnow Man「Snow Mania S1」が先週の16位から6位にアップ。3週ぶりのベスト10返り咲きで、通算8週目のベスト10ヒットに。特にCD販売数が15位から4位に大幅アップしています。

同じく紅白出場組のNiziU「U」も11位から7位にアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。こちらもCD販売数が14位から9位にアップしています。

さらに目立つのが藤井風「HELP EVER HURT NEVER」でこちらは63位から8位に一気にランクアップ。17週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。こちらは通算9週目のベスト10ヒットに。こちらも紅白出場の影響が大きそう。

そんな訳でHot100同様、なんだかんだいってもテレビ及び紅白の影響の大きさをうかがわせた今週のチャートとなりました。チャート評はまた水曜日に!

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2022年1月 9日 (日)

「奴隷」時代の歴史から脈々と・・・

今回紹介するのは、最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

今回紹介するのはポール・オリヴァー著"The Story Of The Blues"の翻訳版、「ブルースの歴史」。ポール・オリヴァーはイギリスのブルース研究家で、以前、紹介した「ブルースと話し込む」の作者でもあります。本作は、もともと1969年に刊行した1冊。その後、1978年に翻訳出版されました。同作はブルースの名著として知られ、その後も版を重ねていったようですが、その後絶版。今回、その名著が再販され、話題となりました。

同誌の大きな特徴として、まず大判での印刷ということ。29.7cm×21.5cmと、ずっしりと大きな内容は、原著に準じた大きさとなっており、まず手に取ると大きなインパクトがあります。索引等も含めて全208ページからなる内容も重量感があり、中身もずっしり。かなり読み応えのある内容になっていました。

さらに本誌で目立つのは、かなりの枚数の写真が豊富に載せられているという点。全編白黒ということもあって、画質な決してよくないのですが、決して枚数の多くない戦前のブルースミュージシャンたちの貴重な写真が数多く載せられています。もっとも、戦前のブルースミュージシャンたちの写真は枚数も限られるため、見たことある写真も多いのですが、そのほかに当時の黒人社会の状況がわかるような写真も数多く載せられており、それらの写真を眺めるだけで、ブルースが奏でられた当時の状況が目に浮かぶような内容になっていました。

さて、肝心の内容の方ですが、大きな特徴としてもともと1969年に刊行した作品ということもあり、戦前のブルースシーンの描写が主となっています。そのような中で、「ブルースの歴史」のスタートとして、まだ奴隷制度がアメリカに残っていた頃の話からはじめている点が大きな特徴。その時代の記録に残っている黒人たちの歌から「歴史」をスタートさせており、その後、徐々にブルースというジャンルが確立してくるまでを、かなり丁寧に描いているのが印象的です。

普通、「ブルースの歴史」を描く場合は、W.C.ハンディが1903年に、駅のホームで黒人の男が歌う聴いたことのないような音楽と出会ったという有名なエピソードからスタートしていることがほとんどです。しかし、この本では、この有名なエピソードが登場するのは第3章になってから。さらにブルースを紹介する本で、しばしば最初に登場してくる戦前ブルースの代表的なミュージシャン、ロバート・ジョンソンの登場に至っては、134ページと、全体の3分の2程度近くになってようやく登場してきます。

その分、そこに至るまでの数多くのブルースの変遷が丁寧に描かれており、特に戦前のミュージシャンについては、名前を聴くのもはじめてなミュージシャンが数多く登場してきます。調べてみると、録音が残されているのが数曲だけだったり、あるいは録音が残されていないミュージシャンだったり・・・今、数多くの本で紹介される戦前のブルースシンガーというと、ロバート・ジョンソンをはじめ、ブラインド・レモン・ジェファスンやリロイ・カー、チャーリー・パットン、サンハウスといったミュージシャンたちで、そういうミュージシャンももちろん同書では登場し、かなり丁寧に語られているのですが、戦前のブルースシーン、ひいてはその後のミュージックシーンを形作ってきたのは、そんな著名なブルースシンガーだけではなく、彼らに影響を与えた数多くのミュージシャンたちが戦前には存在したんだ、ということをあらためて実感させられる内容になっていました。

非常に興味深い内容になっていた同書。ブルースの成り立ちが奴隷制度の時代から紐解かれており、しっかりと理解できる1冊に。かなり重い本ではあるため、ちょっと手を出しずらい部分もあるかもしれませんが、ブルース、特に戦前ブルースに興味がある方なら必読の1冊です。

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2022年1月 8日 (土)

King Gnu大活躍

今週のHot100(2022年1月5日付)

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

続いては、2022年1月5日付チャートとなります。集計対象期間が12月27日から1月2日となるため、レコード大賞や紅白の影響を大きく受けた結果となっています。

そんな中、1位を獲得したのがKing Gnu「一途」。先行配信によりベスト10入りしていましたが、今週、CDのリリースがあり、CD売上分を加算した結果、見事1位となりました。CD販売数で1位を獲得したほか、ストリーミング数、You Tube再生回数でも1位を獲得。ダウンロード数とPCによるCD読取数が3位、ラジオオンエア数14位、Twitterつぶやき数54位という結果に。King Gnuは大ヒットした「白日」では最高位2位だったため、1位獲得は意外なことにこれが初となります。オリコン週間シングルランキングでも初動売上4万7千枚で1位初登場。前作「三文小説」の5万4千枚(2位)からはダウン。

さらに今週、「逆夢」も先週の12位からランクアップし3位にランクイン。ベスト10初登場となりました。ダウンロード数では見事1位を獲得したほか、ストリーミング数4位、ラジオオンエア数3位、Twitterつぶやき数55位を獲得。「劇場版『呪術廻戦 0』」エンディングテーマで、CDでは「一途」と同作が両A面扱いとなっています。呪術廻戦人気を強く印象付ける結果となりました。

そんなKing Gnu2曲に挟まれる形で2位にランクインしたのが先週まで1位だったAimer「残響散歌」。「一途」に押し出される形でストリーミング数が1位から3位、You Tube再生回数も1位から2位にダウンしています。ただ、まだまだヒットは続きそうです。

続いて4位以下の初登場曲ですが、冒頭にも書いた通り、レコード大賞や紅白歌合戦の影響を大きく受けた今週のチャート。唯一の初登場となったのもレコード大賞を受賞した男性アイドルグループDa-iCE「CITRUS」。先週の42位からランクアップし、ベスト10初登場となりました。ダウンロード数が86位から5位にアップ。他にもストリーミング数が32位から18位、You Tube再生回数も45位から10位に一気にアップしています。レコード大賞曲がベスト10入り未経験という時点で、レコ大の選考基準を疑わざるを得ないのですが、それはともかく、なんだんだいってもレコ大の影響力を感じる結果となっています。

さらにベスト10返り咲きとして、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が先週の13位から6位にランクアップ。4週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。こちらはレコード大賞の新人賞獲得ミュージシャンによる最新曲。ダウンロード数が88位から24位にランクアップしているほか、ラジオオンエア数も圏外から24位にアップしています。もっとも、ストリーミング数は4位から5位、You Tube再生回数は30位から31位にダウン。もともとチャート上位でヒット中の曲だっただけに、こちらの指標にはレコード大賞の影響は限定的だった模様です。

また藤井風「きらり」が37位から9位に、Awesome City Club「勿忘」が34位から10位にランクアップ。「きらり」は9月15日付チャート以来、「勿忘」は4月28日付チャート以来のベスト10返り咲きとなっています。またこの結果「きらり」は通算11週目、「勿忘」は通算12週目のベスト10ヒットとなりました。ご存じの通り、どちらも今年の紅白歌合戦出演ミュージシャンによる歌唱曲。紅白の影響が大きく表れた結果となりました。

今年の紅白歌合戦は史上最低を記録するなどして悪い意味でも話題になりましたし、若者を中心としたテレビ離れも大きく叫ばれています。ただ、今週のHot100の結果を見ると、まだまだ紅白及びテレビ番組の影響力の大きさをまざまざと見せつけられる結果となりました。よくよく考えれば、紅白の視聴率が史上最低とはいえ、視聴率が34.3%ということは単純換算で3,400万人以上の人が一時点で紅白を見ているという訳です。一方、例えばHIKAKINや東海オンエアというトップクラスのユーチューバーの動画でも、動画1本あたりの再生回数は累計値で数百万再生回数程度。そう考えると、テレビの影響力は、冷静に考えればまだまだYou Tubeなどと比べると桁違いであることは間違いありません。「テレビはオワコン」などと揶揄する風潮は見受けられますが、Twitterのトレンドでもテレビで取り上げられた結果、一気に上位に食い込んでくることはしょっちゅうですし、テレビの影響力を軽視する風潮は、あまりにもネット世論に毒されている意見のように感じます。

さて、チャートに戻ります。続いてはロングヒット曲ですが、優里「ベテルギウス」は先週の3位からダウンしたものの今週も4位をキープ。これで9週連続のベスト10ヒットに。一方、「ドライフラワー」は先週から変わらず5位をキープし、59週連続のベスト10ヒットとなりました。

またBTS「Butter」は先週の9位からワンランクアップして8位にランクイン。こちらは通算32週目のベスト10ヒットとなります。

一方、先週まで土俵際の粘りを見せていたback number「水平線」は今週11位にダウン。ベスト10ヒットは19週連続でストップとなりました。

1月5日付のHot100は以上。明日は1月5日付のHot Albums!

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