2026年3月 5日 (木)

今、もっとも話題のグループが1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2025年、もっともブレイクしたグループが1位獲得です。

今週1位はHANAのデビューアルバム「HANA」が1位獲得。CD販売数及びダウンロード数2位、ストリーミング数1位。ご存知のとおり、ラッパーのちゃんみながプロデューサー、SKY-HIがエグゼクティブプロデューサーとして結成された7人組アイドルグループで、昨年リリースされた「ROSE」「Blue Jeans」が現在でもヒットを続けています。本作はそんな彼女たちのデビューアルバムで、見事初登場1位を獲得しました。ちなみにオリコン週間アルバムランキングでは初動売上12万枚で2位にランクインです。

2位は旧ジャニーズ系男性アイドルグループAぇ!group「Runway」が獲得。CD販売数で1位。オリコンでは初動売上32万枚で1位初登場。前作「D.N.A」の初動24万7千枚(1位)からアップしています。

3位は大森元貴「OITOMA」が初登場。ご存知Mrs.GREEN APPLEのボーカリストによるソロデビュー作。配信限定のアルバムで、ダウンロード数で1位を獲得し、ベスト3入りとなりました。

4位以下の初登場盤は、7位に韓国の女性アイドルグループIVE「REVIVE+」が初登場。ダウンロード数7位、ストリーミング数6位。9位にはラッパーのWatson「Soul Quake 3」が初登場でランクイン。ストリーミング数7位。さらに10位にはBruno Mars「The Romanstic」がランクイン。世界的な人気を誇るアメリカのシンガーソングライターの4枚目のアルバム。おととしから昨年にかけて、ROSEと組んだ「APT.」が日本でも大ヒットを記録しました。

ロングヒット盤ではKing&Prince「STARRING」が4位から6位にダウン。ただ、これで10週連続のベスト10ヒット。Number_i「No.Ⅱ」は5位から8位にダウン。こちらは23週連続のベスト10ヒットとなります。一方今週、Mrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が7位から13位、藤井風「Prema」が9位から12位にダウンと、いずれもベスト10陥落。それぞれベスト10ヒットは通算66週及び25週連続でストップとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週1位はクレイジーウォウウォ!!「トンツカタンタン」が獲得。かなりユニークな名前と曲名ですが、SNSを中心に話題となっている4人組ポップスバンド。ハイテンポでユニークな中毒性の高いポップソングになっています。Hot100では99位にランクイン。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位は山本「デロスサントス」が先週の2位からランクアップし、初の1位獲得。ボカコレ2026冬で1位を獲得した楽曲。山本は「乳首なぞなぞ」「三不粘をエロい目で見るな」がヒットした、シュールなコミックソングが特徴的なボカロP。純粋に音楽的な出来としては、先週1位の「ブレインロット」の方が上だと思うのですが、やはりこういう曲がみなさん好きなんですね(笑)。ある意味、ボカロらしいヒット曲といった感じが。ちなみに、その先週1位だった東京真中「ブレインロット」はワンランクダウンの2位、先週4位だったSohbana「個々々々々々人」が3位にランクアップし、初のベスト3入りとなっています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年3月 4日 (水)

今週もアイドル系が目立つチャートに

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週もアイドル系の新譜が上位に並んでいます。

まず1位初登場は旧ジャニーズ系。Snow Man「オドロウぜ!」がランクイン。配信限定シングルで、ダウンロード数1位、動画再生回数で2位を獲得。映画「スペシャルズ」主題歌。

2位は先週1位のM!LK「爆裂愛してる」がワンランクダウンながらも今週もベスト3をキープ。CD販売数は2位から3位、ダウンロード数が5位から7位にダウンしている一方、動画再生回数は2週連続の1位、ストリーミング数も3位から2位にアップしています。また、彼らは「好きすぎて滅!」も先週と変わらず5位をキープ。これで4週連続の5位で、13週連続のベスト10ヒット。ストリーミング数は4週連続の4位、カラオケ歌唱回数も3位から2位にアップ。ただ、動画再生回数は2位から3位にダウンしています。

3位にはAKB48「名残り桜」がランクイン。CD販売数1位。オリコン週間シングルランキングは初動売上44万6千枚で1位初登場。前作「Oh my pumpkin!」の初動35万1千枚(1位)からアップ。

今週、初登場は1位3位の2曲のみ。また、今週は返り咲きが1曲。HANA「Blue Jeans」が先週の11位から10位にアップ。2週ぶりのベスト10返り咲き。特にストリーミング数が6位から5位にアップ。これで通算30週目のベスト10ヒットとなりました。また「ROSE」も今週10位から9位にアップ。こちらもストリーミング数が7位から6位にアップ。また動画再生回数も3週連続の7位。こちらは通算37週目のベスト10ヒット。

また今週はHANAのアルバム「HANA」がリリースされた影響で、ベスト20にはHANAの曲が並んでいます。11位は「Cold Night」、13位に「ALL IN」、15位に「NON STOP」、16位に「Bloom」とベスト20のうち6曲をHANAの曲が占め、その人気の高さをうかがわせます。

ロングヒット曲となりますが、まず米津玄師「IRIS OUT」は先週と変わらず4位をキープ。ストリーミング数は6週連続通算23週目、カラオケ歌唱回数は9週連続通算18週目の1位。ただ、動画再生回数は3位から4位にダウン。これでベスト10ヒットを24週連続に伸ばしています。

King Gnu「AIZO」は先週と変わらず7位にランクインし、これでベスト10ヒットを連続8週に伸ばしています。テレビアニメ「呪術廻戦」第3期「死滅回游 前編」オープニングテーマ。同じ「呪術廻戦」関連では「SPECIALZ」「一途」「逆夢」に続くロングヒットとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年3月 3日 (火)

現地の人々の感情がそのまま詰め込まれたパンキッシュなコンピレーション

Title:TSAPIKY! MODERN MUSIC FROM SOUTHWEST MADAGASCAR

今回紹介するアルバムも(既に年間ベストで簡単に紹介済ですが)各種メディアの年間ベストを後追いで聴いた1枚。「ミュージック・マガジン誌」のワールドミュージック部門で3位にランクインしたアルバム。アフリカ大陸の南東沖に浮かぶ島国、マダガスカル。そのマダガスカルの南西部で演奏される伝統音楽「ツァピキー(Tsapiky)」を収録したコンピレーションアルバム。現地のお祭りや葬式、結婚式、成人の儀式といった場所で演奏される音楽なのですが、その現場で流されている音楽をそのまま収録したのが本作となるそうです。

このツァピキーという音楽の特徴は、歪んだ音色を出すギターの大音量とそれに呼応してパワフルに歌い上げる女性ボーカルというのが特徴的で、現地ではタマリンドの木から吊り下げたスピーカーとホーンスピーカーから大音量で音楽を流し、何キロも離れた場所まで響かせるそうです。現地の儀式は通常、何日も行われ、その際にタバコやお酒を片手にこの音楽を楽しむのが特徴的だそうです。

そんなマダガスカルの現地の人々のパワーがそのまま注入されたこのツァピキーという音楽。その迫力にまずは驚かされます。アルバムの冒頭を飾るのがMAMEHYというミュージシャンの「Je mitsiko ro mokotse」という曲ですが、これでもかというほど歪みまくった大音量のギターに、ポリリズムで激しくなりまくるパーカッションのリズム、さらにそれに呼応して高らかに歌い上げる女性ボーカルと、これでもかというほど荒々しくパンキッシュな楽曲を聴かせてくれています。

続く「Sinjake Panambola」も疾走感あるギターサウンドにリズミカルなパーカッション、さらには男女のかけ合いというスタイルで軽快にダンサナブルな楽曲に。その後も基本的なスタイルである荒々しい歪んだギターと女性ボーカルというスタイルの曲が目立ち、その後も「Marolinta」「Eka ndao」「Fanoigna」など、このスタイルの楽曲が荒々しく響きまくります。特にラストの「Bleu bleu」はハイテンポなギターとパーカッションのビートをバックに歌う、ハイテンポでちょっとコミカルさもある女性ボーカルが耳を惹きます。流れるメロディーラインは意外とポップでもあり、ハイテンポなビートで押すだけではなくツァピキーという音楽の魅力も感じられます。

楽曲的にはもちろん、この歪んだギター+女性ボーカルというスタイルだけではありません。「Tany be maneky」は横笛の爽快感ある音色と、力強いパーカッションの組み合わせのインスト曲。「Arodarodao」はアコーディオンと女性ボーカルというスタイル。アコーディオンの軽快な音色が軸となっており、ちょっとヨーロッパトラッド的な雰囲気もあります。さらには「Ka tseriky iha」は女性ボーカルメインのアカペラという楽曲。ミディアムテンポで聴かせる楽曲となっており、こちらはチルアウトなナンバーといったところでしょうか。

とにかく全体的に荒々しくパンキッシュな楽曲が並んでいます。「パンキッシュ」という表現を使っていますが、それこそ一般的なパンクミュージックとは異なる、現地の庶民の精神がそのまま音楽に注入されているような、リアルで荒々しい音楽表現が印象的。ある意味「激しい」音楽を私たちはいろいろと聴くことが出来ますが、まだこんなに荒々しく激しい音楽が世界にはあったんだ、ということを実感した作品ともいえます。世界にはまだまだ魅力的な音楽があふれていることを、あらためて感じられたコンピレーションでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

EURO-COUNTRY/CMAT

こちらも2025年度のベストアルバムのうち、聴き逃していたアルバムを後追いでチェックした1枚。本作は、各種メディアの年間ランキングをまとめたサイトAOTY2025で4位にランクインしていた、アイルランドのシンガーソングライターによる3枚目のアルバム。全英チャートで2位にランクインしており、大きくブレイクした作品になっています。楽曲は全体的にシンプルなポップソング。バンドサウンドを取り入れたり、アコースティックなアレンジにしたり、バリエーションあるサウンドをバックに、基本的にはフォークやカントリーの影響を受けたポップスがメイン。爽やかで耳なじみのよいポップチューンを聴かせてくれています。ただ一方で、タイトルチューンの「EURO-COUNTRY」は2008年の金融危機後、母国アイルランドで起きた経済危機のことを歌っていますし、「The Jamie Oliver Petrol Station」では資本主義への皮肉を歌ったりと、パッと聴いた感じのポップなメロとは裏腹な、結構骨太で社会的な歌詞も特徴的。単なる耳障りのよいポップとは一線を画する魅力を感じる作品でした。

評価:★★★★★

 

Yanbett/Noura Mint Seymari

こちらも同じく、2025年度ベストアルバムを後追いで聴いた1枚。Music Magazine誌のベストアルバム2025の「ワールド・ミュージック部門」で、2位にランクインした作品。モーリタニア出身のグリオ(吟遊詩人)、ノウラ・ミント・セイマリの3枚目となるアルバム。いわゆる「砂漠のブルース」の要素を感じさせるギターサウンドと、こぶしの効いたボーカルでグルーヴィーに聴かせる楽曲が強いインパクト。インターリュード的なインストと歌モノが交互に配置されており、渋みのあるボーカルを力強く聴かせる楽曲や、比較的明るく、ダンサナブルな楽曲も配置されており、バリエーションも感じさせます。前述の通り「砂漠のブルース」近辺が好きならお勧めできるアルバムです。

評価:★★★★★

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2026年3月 2日 (月)

アンソロジーシリーズまさかの第4弾!

Title:Anthology 4
Musician:The Beatles

ポピュラーミュージックシーンを代表する偉大なるロックバンド、The Beatles。いまなお高い人気を誇るバンドであることは間違いありませんが、一時期は毎年のようにビートルズ関連アイテムがリリースされ、市場を賑わせてきました。若干、露骨とも言える版権ビジネスに眉をしかめる向きもあることはあったのですが、概ね、次々と出てくるまだ見ぬビートルズ関連の音源に、多くのファンが夢中になりました。

そんな「ビートルズ商法」の嚆矢となったのは、アンソロジーシリーズだったのではないでしょうか。1995年から1996年にかけて「Anthology」と名付けられた、未発表音源を多く含む3組のアルバムがリリースされたほか、公式の自伝に、さらにはドキュメンタリー番組も制作。このドキュメンタリー番組は、当時日本でも放送され、なんと紅白の裏番組としてぶつけてきたあたり、ビートルズ人気のほどをうかがわせます。このアンソロジーシリーズに合わせて、未完成音源を残ったメンバーで完成させた新曲「Free as a Bird」もリリースされ大ヒットを記録。大きな話題にもなりました。

その当時、私は高校生。「ビートルズ」という名前に惹かれて、このアンソロジーシリーズのアルバムはリアルタイムで聴いてみました。ただ、正直、その当時はこのアンソロジーシリーズの意味がよくわかっておらず、有名な曲のアウトテイク集もいまひとつ何のための音源なのかピンと来ておらず、ただただ、なんとなくビートルズの有名な曲が聴けた・・・という程度の感触だったように記憶しています。

さて、そんなアンソロジーシリーズのリリースから20年の月日を経てリリースされたのは、このアンソロジーシリーズの第4弾。もともとは旧来のアンソロジーシリーズ3組に本作を加えたボックスセットのみのリリースが予定されていたそうですが、第4弾部分のみで別途リリースされることになったそうです。全36曲2枚組からなるアルバム。ラストには2023年にリリースされ、AI技術を使用しての27年ぶりの新曲として話題となった「Now and Then」も収録されています。

その新曲を除くと楽曲は、基本的に彼らの既発表曲のアウトテイク集。オリジナルとの聴き比べも楽しく、楽曲によってはまだインスト段階のテイクも収録されているため、まさに曲が最初に生み出された瞬間を聴いているような、そんな楽しさもあります。ただ、それ以上にこのアルバムを聴いて魅力的だったのは、リハーサル風景をそのまま収録したようなトラック。例えば冒頭を飾る「I Saw Her Standing There(Take2)」ではメンバーの簡単な会話が収録されていますし、Disc1の「This Boy(Takes 12&13)」では、曲の途中でメンバーが笑い出して演奏がストップする風景が収録されており、おだやかなレコーディングの情景が浮かんできます。既にメンバーのうち2人はこの世にいないバンドなだけに、現役時代のこのメンバー同士の会話を聴くだけで、ファンとしてはうれしくなってきてしまうのではないでしょうか。

その他にもプレスリーのカバー「(You're So Square)Baby I Don't Care」から一気に「Helter Skelter(Take 17)」に流れ込む構成もユニーク。景気づけのカバーのせいか、オリジナル以上に荒々しい演奏になっています。「Octopus's Garden(Rehearsal)」もリハーサル風景ならではのおだやかな雰囲気が流れていますし、オーケストラのみのインスト「Something(Take 39)」もオーケストラ部分のみの収録だからゆえに、スコアのより精密さが際立って聴こえます。

ただ今回のアルバム、全36曲中、未発表音源は13曲のみ。それ以外は主に、2017年以降リリースされてきたオリジナルアルバムの「Super Deluxe」シリーズの中で収録したものを選曲したものとなっており、熱心なファンにとっては若干物足りなさを感じてしまう構成になっていたようで、全体的には賛否のわかれる構成になっていたようです。とはいえ、少ないとはいえ未発表曲はファンにとっては素直にうれしい内容になっているのではないでしょうか。そこまで熱心なファンでない私にとっても聴きどころも多いアルバム。当時の雰囲気がそのまま伝わってくる音源ともども、とても楽しめたアルバムでした。

評価:★★★★★

The Beatles 過去の作品
LOVE
On Air~Live At The BBC Volume2
1+ (邦題 ザ・ビートルズ 1+)
LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL
Get Back (Rooftop Performance)
The Beatles 1962-1966(2023 Edition)
The Beatles 1967-1970(2023 Edition)


ほかに聴いたアルバム

One More Time/Aerosmith&Yungblud

実に約13年ぶりとなるエアロスミスの新作を収録した作品は、5曲入りのEP盤。さらにイギリスのシンガー、Yungbludとのコラボ作。エアロスミスはスティーヴン・タイラーの体調不良により、活動停止状態でしたが、「One More Time」というタイトルに象徴されるように、今一度、活動を再開するという意気込みでしょうか。実際、体調不良だったことを感じさせないスティーヴン・タイラーの力強いボーカルを聴かせてくれています。また、エアロスミスといえば80年代に一時期低迷したいたものの、「Walk This Way」でRun-D.M.C.とコラボしたことにより見事復活を果たしましたが、今回、あえて若手ミュージシャンとのコラボで活動再開したのも、ひょっとしたらこの事実を意識したのかもしれません。楽曲的にはエアロスミス的なハードロックを維持しつつも、Yungbludが加わることにより、現代的なロックの要素を取り込んだ作品に。間違いなく「One More Time」というタイトル通り、再び動き出そうとする強い意志を感じさせる作品でした。

評価:★★★★

AEROSMITH 過去の作品
Devil's Got A New Disguise(エアロスミス濃縮極極ベスト)
Music From Another Dimension!
Greatest Hits

TOUMARO/Hawa & Kassé Mady Diabaté

本作はマリの伝統音楽を代表するミュージシャンHawa Kassé Mady Diabatéと、その父、Kassé Mady Diabatéによるアルバム。Kassé Mady Diabatéは、「マリの黄金の声」とも称される伝統的なグリオ(西アフリカの伝統的な吟遊詩人)の巨匠なのですが、2018年に急逝したそうです。その残された音源を元に、娘のHawaが遺志を引き継ぎ完成させたのが本作。ミュージック・マガジン誌の2025年年間ベスト「ワールドミュージック」部門1位だったので、今回、後追いで聴いてみた作品となります。

パーカッションをベースとしたシンプルな演奏をバックに、渋みがありつつ、同時に清涼感も持ち合わせたような父、Kasséの伸びやかな歌声が耳に残ります。娘Hawaも非常に力強く伸びやかな歌声を聴かせてくれており、「黄金の声」に引けを取らない歌声を聴かせてくれます。シンプルながらも哀愁感たっぷりの力強い楽曲が並びます。特に最後のタイトルチューン「TOUMARO」は、力強く感情たっぷりに歌いあげるHawaのボーカルが印象的。まさに天国にいる父親に届けるように・・・といったら感傷的すぎるのでしょうか。年間1位も納得の傑作でした。

評価:★★★★★

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2026年3月 1日 (日)

今なお、圧倒的な独自性

Title:小島麻由美グラフィティ~30th Anniversary Best~
Musician:小島麻由美

シンガーソングライター小島麻由美の、タイトル通りデビュー30周年を記念したベストアルバム。小島麻由美というと、特に1990年代にはサブカルチャー界隈ではかなり評判となった女性シンガーソングライター。ジャズやフレンチポップ、ブルースやロックなどの要素をごちゃ混ぜにしつつ、昭和歌謡曲の雰囲気で味付けしたレトロなポップは当時、唯一無二の音楽性を誇っていました。特にこのレトロポップや昭和歌謡の路線については彼女が活動をはじめた頃、ほとんど奏でているミュージシャンはおらず、彼女が注目を集めたおかげで、レトロポップや昭和歌謡の良さが徐々に広がっていったように感じます。特にこの後、椎名林檎やクレイジーケンバンドなどがブレイクしたルーツとしては、やはり彼女の活動があったようにも思います。

彼女自身もその後徐々に人気を集め、2001年にリリースされたアルバム「My name is blue」がオリコン最高位14位を記録するなど、一定以上の人気を確保していきます。ただ、結婚・出産の影響で活動休止。2014年あたりにはアルバムのリリースなどがあり、活動を再開したものの、2016年にリリースしたシングルを最後に再び活動を休止。今回のアルバムも2015年にリリースしたカバーアルバム「Cover Songs」以来、実に約10年ぶり。かなり久々となるニューアルバムとなりました。

そんなこともあって、今回、久々に聴いてみた小島麻由美の楽曲。ここ10年でも、特に昭和歌謡やレトロポップをめぐる状況も変化し、昭和歌謡やレトロポップを標ぼうするミュージシャンも多くなりました。それだけに久しぶりに聴いた小島麻由美が、どのように響いてくるのか気になっていたのですが、今の時点で聴いても小島麻由美の音楽性は唯一無二。今聴いても圧倒的に独特の音楽性を持っているミュージシャンであるということに、あらためて気が付かされました。

特に昨今のレトロ系を嗜好するミュージシャンは基本的に昭和歌謡という方向に走りがちなのですが、彼女の場合、ジャズやブルース、さらにはロックにガレージ、スカやロックスタディなどの洋楽的な要素も強く、昭和歌謡にありがちなウェットな要素があまりなく、バタ臭さが強いのも大きな独自性で魅力と言えるでしょう。他の昭和歌謡やレトロ系のミュージシャンたちと大きく違うのはこういった点かもしれません。

また、小島麻由美の魅力として、歌詞の世界やサウンドを加えて、いい意味で小さくまとまっている、という点があることを今回感じました。要するに、サウンド的にはシンプルなアコースティック主体のサウンドであり、無駄なストリングスやシンセなども入っておらず、あくまでもシンプルにまとまっています。歌詞の世界についても基本的にシンプルなラブソングがメイン。例えばデビューシングルある「結婚相談所」もシンプルに、街にある小さな結婚相談所を舞台とした曲ですし、「おしゃべり!おしゃべり!」にしても、恋人同士がおしゃべりするだけのシンプルな内容。変にサウンド的にスケール感を出したり、下手に歌詞の世界を広げたりと、無理なことをせず、しっかり小島麻由美の世界を守っているという点も大きな魅力に感じました。

久しぶりに小島麻由美の曲を聴いて、久しぶりに小島麻由美の魅力にはまってしまったベスト盤。令和の時代となっても彼女が唯一無二のミュージシャンであることをあらためて強く感じた1枚。CDもしくはLP1枚のベスト盤ですので、文句なしに初心者にもお勧めできるベストアルバムです。これを機に、小島麻由美の世界にはまってください!

評価:★★★★★

小島麻由美 過去の作品
a musical biography KOJIMA MAYUMI 2001-2007
ブルーロンド
渚にて
路上
With Boom Pam
セシルの季節 La saison de Cecile 1995-1999
Cover Songs


オリジナルとしてはちょっと久々に聴いてみた森山直太朗のニューアルバム。2枚同時リリースの作品となっています。

Yeeeehaaaaw/森山直太朗

まずは1枚目。全体的にアップテンポで軽快な作品。ブルーグラスやカントリーの影響が強く、カントリー色の強い作品となっています。

弓弦葉/森山直太朗

そしてもう1枚。こちらはアンビエントの色合いの強いアルバムとなっています。

・・・・・・・と聴いていたのですが、正直言うと、予想していたよりもこの両者に大きな差はありませんでした。いや、確かに「Yeeeehaaaaw」はブルーグラスやカントリー色が強い、明るい作品ですし、「弓弦葉」はアンビエント風の作品です。ただ、特に「弓弦葉」はアンビエント以上にフォーキーな作風が多く、結果としてカントリー色の強い「Yeeeehaaaw」と比べてガラッと雰囲気が変わる、森山直太朗としては異色作・・・といった感じにはなっていませんでした。

で、基本的にどちらも森山直太朗らしい作品。独特の死生観を文学的な歌詞で表現、というと言い方がいいのですが、妙に理屈っぽくて、変に狙ったような歌詞がどうも個人的には壺にはまりません。メロディーラインは悪くないと思うのですが、全体的に似ているような印象も・・・。あと、ちょっと気になったのですが、「森の小さなレストラン」は「マイウェイ」に、「さりとて商店街」はビートルズの「イエローサブマリン」に、メロディーがそっくりなのですが、クレジットは森山直太朗作曲に。これ、大丈夫?バレたら問題になるのでは??

評価:どちらも★★★

森山直太朗 過去の作品
大傑作撰
822

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2026年2月28日 (土)

話題のインディーロックバンドの力強いステージ

WET LEG japan moistourizer 2026

会場 ダイアモンドホール 日時 2026年2月20日(金) 19:00~

2022年のデビューアルバム「Wet Leg」がグラミー賞を受賞するなど、大きな評判となったイギリスのインディーロックバンド、WET LEG。そのジャパンツアーに行ってきました。実は、今回、このライブに行くことを思いついたのは、先日紹介したマイブラのライブの直後。マイブラのライブの後、3月までライブがないなぁ~と思いながらいろいろと調べてみると、WET LEGのライブが名古屋で行われていることに気が付き、まだチケットが残っていたため確保。足を運んできました。

そんなギリギリまでチケットが残っていましたし、会場もダイホという広い箱なだけに、ガラガラかも・・・と懸念して足を運んだのですが、これが予想に反して9割程度の客の入り。思った以上に日本でのWET LEGのファンの多さに驚きました。

Wetleglive1

ライブは19時を若干まわったところでスタート。1曲目は「catch these fists」からはじまります。もともと3人組ガールズバンドだった彼女たちでしたが、このたびツアーサポートメンバーだった2人が加わり5人組でのバンドとなり、この日ももちろん5人でのステージとなります。

ただ、ステージではリアン・ティーズデイルに基本的にスポットがあたるようなセットに。彼女もヘソ出しのスタイルで、結構セクシーな感じ(笑)。もっともパフォーマンス自体はかなり迫力ある演奏を聴かせてくれています。特にドラムスが力強いリズムを刻んでおり、バンドの柱になっている印象も。確かに、当初はサポートだったドラマーを正式メンバーとして加える理由もわかるように思います。その後は「Wet Dream」「Oh No」「Supermarket」と序盤からアップテンポなナンバーが続き会場を沸かします。

Wetleglive2

その後の「jennifer's body」では力こぶポーズも。そのパフォーマンスに歓声もあがります。さらに「don't speak」まで、途中MCもなしのパフォーマンスとなっていましたが、ここでようやく短いMCへ。次の曲では一緒に叫び声をあげてね、といった感じの簡単なMCから、「Ur Mum」へ。途中、スクリームをあげるパートがあるのですが、ここは原曲よりも長く。そして会場のみんなで一緒に叫び声をあげ、会場全体が悲鳴で包まれました。

Wetleglive3

その後は日本を意識したセットリストでしょうか、最新アルバムから「pokemon」などを聴かせてくれます。また、ここまでずっとアップテンポなナンバーで会場を沸かしてきましたが、ここでミディアムナンバーの「11:21」へ。ここではその場で座ってゆっくりと聴かせます。かと思えば続く「pillow talk」はまたヘヴィーな力強い楽曲。ここでは力強いバンドサウンドとボーカルをしっかりと聴かせます。

ここで2度目の短いMCが入り、その後は「Too Late Now」へ。この曲は、よりサイケでドリーミーなギターノイズを響かせる楽曲。最初はゆっくりとノイズを響かせつつ、途中からは手拍子が加わり、会場が盛り上がります。さらにライブは終盤へ。「Chaise Longue」で盛り上がり、さらに「CPR」では、歌詞にちなんで、黒電話の受話器を手に取りながら歌うパフォーマンスも。ただ、黒電話の受話器なんて、メンバーは本物を見たことあるんでしょうか??

Wetleglive4

そしてラストは「mangetout」へ。会場は最後までハイテンションのままライブは終了。まだアルバム2枚のみのバンドなので、予想はしていたのですが、全1時間強でアンコールはなし。比較的短く、あっさりとしたステージでした。

ステージはメンバー5人のみ。途中、ステージ上手に、顔を長い髪で覆った謎のダンサー(??)が登場し、踊っていたのですが、あれは誰だったのでしょうか??パフォーマンスは音源で聴くよりもヘヴィーで、予想していた以上に迫力のある演奏を聴かせてくれていました。一方、ボーカルは音源で聴くよりも弱かったような印象が・・・とはいえ、それでライブの印象が悪くなるほどではなかったのですが。

急遽参加したライブだったのですが、会場も大いに盛り上がりましたし、短いとはいえ非常に濃い内容のパフォーマンスだったと思います。オルタナ系のギターロックとポップなメロという、この手のインディーロックらしいスタイルは個人的にも大好きですし、また機会があればライブを見てみたいです。なによりも、まだまだデビュー間もないバンドなだけに、これからの伸びしろも大きそう。今後の活躍も楽しみです。

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2026年2月27日 (金)

2作同時リリースのライブ盤

槇原敬之が配信限定でライブアルバムを2作同時リリースしました。今回は、その感想です。

Title:マキハラボ
Musician:槇原敬之

Makiharabo

まずはデビュー35周年イヤー企画の第1弾として、2024年の11月12月に行われたライブ「マキハラボ」の模様を収録したアルバム。ピアノやストリングス、パーカッションなど、すべて生楽器という編成でのライブで、タイトル通り、彼の音楽を生楽器で演奏して「実験する」というスタイルでのライブとなっていました。

Title:Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary "Showcase the Live!"
Musician:槇原敬之

Showacethelive

こちらは2025年3月から7月に行われた同タイトルの全国ツアーの模様を収めたライブアルバム。2月に、彼の個人レーベル「Buppu Labal」設立15周年を記念して、「Buppu Label」設立以降の楽曲を収録したベスト盤「Showcase!」がリリースされましたが、同作リリースに合わせて行われたライブツアーの模様を収録したライブアルバムとなります。

さて、まず「マキハラボ」の方ですが、こちらで歌われたのはオールタイムベスト的な内容。「冬がはじまるよ」「今年の冬」と初期のナンバーからスタートし、「彼女の恋人」「Hungry Spider」など初期の作品や、「ミタテ」「林檎の花」など、比較的最近の作品も歌われています。ただし「もう恋なんてしない」や「どんなときも。」は歌われていないようですが・・・。

ただ、正直言って、「実験」をコンセプトといっても、原曲からのイメージはほとんど変化ありません。もともと槇原敬之の曲は歌メインであり、アレンジ面はバンドサウンドやシンセが入ったとしても控えめ。これをアコースティックな楽器に置き換えたところで、楽曲自体の雰囲気はほとんど変わりません。あえて言えば「彼女の恋人」はアコースティックアレンジになってグッと雰囲気が変わっていたくらいでしょうか。

これは最初から分かり切っていたことで、「実験」をコンセプトにするならば、もうちょっと大胆なアレンジを施してほしかったように思います。ともすれば彼の歌自身にまで切り込んで、声も楽器の一部としてしまうようなエレクトロ路線に持っていくとか、インスト曲にして、大胆なロックアレンジを施すとか。もっとも、あまりにやりすぎると観客にとっては不評を買うかもしれませんが、全体の曲の中で数曲は、そういう大胆なリアレンジを施した曲があってもおもしろかったのではないでしょうか。

もっとも逆に原曲からイメージがほとんど雰囲気が変わらないために、純粋なオールタイムベスト的には楽しめるアルバムになっていたと思います。そういう観点では十二分に楽しめた内容だったのですが・・・ただ、「実験」という観点で考えると、ちょっと残念にも感じてしまうライブアルバムでした。

一方、「Showcase the Live!」については、「Showcase!」リリースに伴うツアーということで、基本的にほぼ「Buppu Label」設立後の曲のみのセットリストとなっています。彼に限らず、大ベテランのミュージシャンというのは、ファンは全盛期の頃の楽曲を求めがちで、「Buppu Label」設立以降は大きなヒット曲もないだけに、セットリスト的には特に初期からのファンにとってはかなり厳しい内容となっています。

そんなセットリストにも関わらず、このツアー、東京ではキャパ5,000名の東京国際フォーラムホールAの2Daysに、さらにキャパ8,000名の東京ガーデンシアター2Daysを埋めているのは驚かさせます。最近、大きなヒット曲に恵まれていないマッキーですが、いまだ衰えないその人気のほどがうかがえます。

そして、これは「Showcase!」のレビューでも書いたのですが、ここ最近の曲でも、全盛期に負けず劣らずの名曲も少なくなく、今回のセットリストでもライブアルバムとしてかなり楽しめる作品となっていました。彼みたいなタイプのポップミュージシャンはライブでガラリと曲の雰囲気が変わる、というケースは稀ですが、それでも時には明るく、そして時にはしんみり切ないメロで会場を盛り上げるステージの魅力は、会場の雰囲気と共に、しっかりとライブアルバムを通じても伝わってきたように思います。

いままでマッキーのライブは1度しか行ったことがないのですが、また一度ライブへ行きたいと感じさせてくれるには十分な魅力的なライブアルバム。まだまだ彼は魅力的な曲をたくさん作ってくれそうです。

評価:
マキハラボ ★★★★
Showcase the Live! ★★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE

不安の中に手を突っ込んで
NORIYUKI MAKIHARA SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT CELEBRATION 2010~SING OUT GLEEFULLY!~
Heart to Heart
秋うた、冬うた。
Dawn Over the Clover Field

春うた、夏うた。
Listen To The Music 3
Lovable People
Believer
Design&Reason
The Best of Listen To The Music
宜候
Bespoke
Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”
Makihara Noriyuki Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season ~Yesterday Once More~


ほかに聴いたアルバム

夜空に架かる虹/a flood of circle

今年5月6日に、初となる日本武道館ワンマンが決定したa flood of circle。彼らにとって大きな到達点となるステージですが、本作のタイトルチューンはまさに初の武道館ワンマンへの思いを歌った曲で、「5月6日 武道館/目を開けて夢を見ている」というあまりにそのままな歌詞も登場します。ここまでストレートに武道館ワンマンを曲に綴った歌詞ははじめて聴いたかも・・・。

ただ、全体的にはa flood of circleらしいガレージロックを軸とした楽曲がメインな一方、「マイ・モーターサイクル・ダイアリー」ではデジタルロック的な要素を入れてきたり(マドカプっぽいけど・・・)、「キメラファンク(FLY!BABY!FLY!)」ではホーンを入れてファンクに挑戦したりと、あらたなサウンドへの挑戦も感じさせる作品。メロは相変わらずポップながらも、以前のように佐々木亮介の端正なボーカルゆえの「ベタなJ-POP歌謡曲」的には陥っておらず、ちゃんとガレージロックバンドとしての軸足を感じられるため、サウンド的に挑戦してもちゃんとa flood of circleらしさが維持されています。ちゃんと武道館クラスのバンドだな、ということを実感できるアルバム。評価はご祝儀的な意味合いも込めて。

評価:★★★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
ベストライド
"THE BLUE"-AFOC 2006-2015-
NEW TRIBE
a flood of circle
CENTER OF THE EARTH
HEART
2020
GIFT ROCKS
伝説の夜を君と
花降る空に不滅の歌を
CANDLE SONGS
WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース

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2026年2月26日 (木)

こちらもアイドル系が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

Hot100同様、こちらもアイドル系のアルバムが目立ちました。

まず1位初登場は中島健人「IDOL1ST」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数1位、ストリーミング数16位。SexyZoneの元メンバーによるソロ2作目。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上7万枚で1位初登場。前作「N/bias」の初動5万枚(3位)よりアップしています。

2位は先週3位のXG「THE CORE-核」がワンランクアップ。ただし、先週まで2週連続1位だったストリーミング数は2位にダウンしています。

3位は韓国の男性アイドルグループATEEZ「GOLDEN HOUR:Part.4」がランクイン。CD販売数1位。ミニアルバムとしては昨年6月にリリースされた「GOLDEN HOUR:Part3」以来となるEP盤。オリコンでは初動売上6万9千枚で2位初登場。直近版は韓国盤のフルアルバム「Golden Hour:Part.3"In Your Fantasy Edition"」ですが、同作はデジタルチャートのみにランクインしており、流通経路の影響か、週間アルバムランキングでは圏外となっていました。

4位以下ですが、今週は初登場盤はなし。ただし、ベスト10圏外からの返り咲きとしてちゃんみなの2019年の2ndアルバム「Never Grow Up」が先週の23位から10位にランクアップし、昨年の6月4日付チャート以来のベスト10返り咲き。これは2月15日に日テレ系バラエティー「世界の果てまでイッテQ!」に出演し、本作に収録されている「SAD SONG」を歌ったため、と思われます。特にストリーミング数が19位から8位に大きくランクアップしています。

他のロングヒット盤はKing&Prince「STARRING」が4位にランクイン。これで9週連続のベスト10ヒット。特にストリーミング数が3位から1位にアップしています。一方、Number_i「No.Ⅱ」は4位から5位にダウン。こちらは22週連続のベスト10ヒット。Mrs.GREEN APPLE「ANTENNA」は9位から7位に再びアップ。ベスト10ヒットはこれで通算66週目。藤井風「Prema」は8位から9位にダウン。こちらは25週連続のベスト10ヒットとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週、Heasteekers Songsで1位を獲得したのはRol3ert「savior」。ラジオオンエア数で2位を獲得。「ロバート」と読ませる男性シンガーソングライターで、これが配信シングルとしては8作目となる作品。80年代のアーバンポップ的なテイストと、ロックなアレンジを取り入れつつ、ファルセットボーカルで聴かせるスタイルは昨今のK-POPの要素も感じさせる、今時のポップといった感じです。なお、Hot100では62位にランクインしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位は東京真中「ブレインロット」が初登場でランクイン。アーバンでメランコリックなエレクトロダンスチューンがなかなかカッコいい作品。東京真中は2024年から活動を開始したばかりの若手ボカロP。ドワンゴ主催のボカロの祭典、ボカコレことThe VOCALOID Collection 2026年冬で2位にランクイン。今週、見事1位を獲得しています。ちなみに2位初登場山本「デロスサントス」も、こちらはボカコレ2026年冬で1位を獲得した曲。こちらはボカロ系らしい、ちょっとシュールなノベルティーソング。3位にも椎乃味醂「ハーモニー」が初登場。こちらもボカコレ2026冬で3位を獲得した曲。以下、ボカコレ2026冬上位ランクイン曲が並ぶチャートに。4位Sohbana「個々々々々々人」(ボカコレ2026冬4位)、5位いのうつはSA「一億年恋してる」(ボカコレ2026冬ルーキーランキング1位)、6位MIMI「花びら哀歌」(ボカコレ2026冬7位)、7位奏(kanade)「再現.leaper」(ボカコレ2026冬ルーキーランキング2位)、8位OSTER project「前へ!」(ボカコレ2026冬5位)と、ボカコレランキング曲がズラリと並びました。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日!

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2026年2月25日 (水)

アイドル勢の新譜ラッシュ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はアイドル系の新譜が目立つチャートとなりました。

まず1位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループM!LK「爆裂愛してる」が、CD販売数が加味されたことにより先週の6位からランクアップし、チャートイン2週目にして初の1位獲得となりました。CD販売数が初登場で2位を獲得したほか、ダウンロード数は6位から5位、ストリーミング数は5位から3位、動画再生回数も4位から1位にアップ。オリコン週間シングルランキングは初動売上47万2千枚で2位初登場。前作「アオノオト」の初動10万8千枚(1位)からアップしています。また、「好きすぎて滅!」も5位と3週連続同順位をキープ。12週連続のベスト10ヒット。動画再生回数は4週連続の2位となっており、動画再生回数ランキングは1位2位がM!LKで占める結果となっています。

2位は旧ジャニーズ系男性アイドルグループなにわ男子「HARD WORK」が獲得。こちらはCD販売数1位でしたが、他のチャートは圏外となっています。オリコンでは初動売上71万8千枚で1位初登場。東海テレビ×WOWOW共同製作ドラマ「横浜ネイバーズ Season1」主題歌。前作「アシンメトリー」の初動34万8千枚からアップしています。CDのリリース形態が4種から8種に倍増しており、初動売上を引き上げる要因となっていますが、おそらく、同時リリースのM!LKを意識した販売攻勢だったのでしょう。

3位は韓国の男性アイドルグループRⅡZE「All of You」がランクイン。CD販売数3位、ラジオオンエア数1位。オリコンでは初動売上28万7千枚で3位初登場。前作「Lucky」の初動21万4千枚(1位)からアップ。

4位以下の初登場曲も、いずれもアイドル系。6位に≒JOY「電話番号教えて!」がランクイン。指原莉乃プロデュースの声優アイドルグループ。CD販売数4位。オリコンでは初動売上23万枚で4位初登場。前作「ブルーハワイレモン」の初動16万3千枚(1位)よりアップ。

そして9位には旧ジャニーズ系男性アイドルグループTravis Japan「陰ニモ日向ニモ」がランクイン。4月15日CDリリース予定のシングルからの先行配信。ダウンロード数1位、動画再生回数16位。

新譜ラッシュの結果、ロングヒット系がランクダウンしています。まず米津玄師「IRIS OUT」は2位から4位とベスト3陥落。ただし、動画再生数は1位から3位にダウンしたものの、ストリーミング数は5週連続通算22週目、カラオケ歌唱回数は8週連続通算17週目の1位。ベスト10ヒットを23週連続に伸ばしています。

HANA「ROSE」が9位から10位にダウンながらもベスト10をキープ。ストリーミング数は先週と変わらず7位で、これで通算36週目のベスト10ヒット。一方、「Blue Jeans」は8位から11位にダウン。ベスト10ヒットは通算29週でストップ。ただ、ストリーミング数は先週と変わらず6位をキープしていますので、来週以降の巻き返しも期待されます。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年2月24日 (火)

仲のよいメンバー同士の会話が楽しい

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の感想です。

ご存知TM NETWORKの木根尚登によるドキュメンタリー小説「電気じかけの予言者たち-再起動編-」。木根尚登はTM NETWORKのメンバーやソロとしての活動のほか、以前から小説家としても活躍。彼の処女作「CAROL」は、TM NETWORKの同タイトルのアルバムにリンクした作品で、当時大きな話題となりました。その後も「ユンカース・カム・ヒア」が映画化されたり、コンスタントに作品を発表。ノンフィクションの作品としては、ここ20年ほど新作はないのですが、それまでに数多くの小説を発表してきています。

この「電気じかけの予言者たち」ももともとTM NETWORK活動を描いたドキュメンタリー小説として、いままで4作が刊行されており、本作が5作目。本作は2018年に起こった、小室哲哉の引退宣言からスタート。その後、コロナ禍での活動休止などを挟んで、2022年の「intelligence Days」ツアー、2023年の「DEVOTION」ツアー、そして40周年の「YONMARU」ツアーに至るまでの出来事を、木根尚登の視点からドキュメンタリー仕立てで描いています。

木根尚登については、アルバムは基本聴いているし、ソロでのライブにも以前足を運んだことがあるし、個人的に間違いなくTMのメンバーとしてもソロとしても好きなミュージシャンの一人なのですが、ただ彼の書く小説についてはいままで一度も読んだことがありません。リアルタイムで「CAROL」がリリースされた頃、クラスの女の子が話題にしていたことは覚えていますが、その頃はまだTMのファンでもなかったので、私がその小説を読むことはありませんでした・・・。

そんな訳で今回はじめて木根尚登の小説を読んでみたのですが、まず率直に言ってしまうと、小説としてはどうにも拙い印象が・・・・・・。文体にも特に工夫は見られませんし、内容もほぼ、メンバー同士やミーティングなどの出来事をそのまま会話文として載せているだけ。物語は前述の通り、小室哲哉の引退宣言からスタートするのですが、それに関して木根尚登本人や小室哲哉の心境を綴ったような文章はありませんでしたし、また、小室哲哉の復帰についても特に思いが語られることはありません。小説に関しては正直、「ライトノベル」の範疇といった印象を受けました。

ただし一方、この文体が特にこのドキュメンタリー小説の中では効果を発していると思われる部分はあり、特にメンバー同士やスタッフとの会話については、つまらない(笑)ジョーク部分も含めて会話文がそのまま記載されており、その結果、メンバー同士の関係性やその場の雰囲気もそのまま伝わってくるような文章に仕上がっていました。ひょっとしたら、この「会話文そのまま」という軽い書体は、このような雰囲気を出すため、わざと使用したのでしょうか?

そして、その「会話」を読んで感じたのがメンバー同士、仲がいいなぁ、ということ。かなり軽快に、ジョークを含んで気の置けない会話を交わしており、その良い関係性は小説で描かれている会話を通じても伝わってきます。また、この小説を読むと、木根尚登って、人脈的にも興味的にもやはり基本はフォークの人なんだ、ということを感じます。特にTMの活動休止中でのソロ活動ではその傾向が強くなっており、そんな彼がTMのようなエレクトロユニットに所属している点が、TMのユニークさなんだろうなぁ、とも感じました。

また本作では、特に中盤以降はツアーの模様を収録しています。選曲やアレンジに関するエピソードも満載。ここらへんのツアーについては、ライブアルバムが配信でもリリースされていますので、ライブアルバムを聴きながら読めば、より楽しめるかも。

ちょっと軽い文体は好き嫌いありそうですが、TM NETWORKのファンならおそらく楽しめるであろう1冊。なによりもメンバー3人の仲のよい会話は、ファンにとってはにやにやしながら読み進められるのではないでしょうか(笑)。

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