復活後、2作目
Title:The Hives Forever Forever The Hives
Musician:THE HIVES
2000年初頭のガレージロックリバイバルの旗手としても大きな注目を集め、日本でも高い人気を誇ったスウェーデンのガレージロックバンドTHE HIVES。2012年にリリースした「Lex Hives」以来、活動休止状態でしたが、2023年にアルバム「The Death Of Randy Fitzsimmons」で見事復活。それから2年、復活後2作目となるフルアルバムがリリースされました。
前作「The Death Of Randy Fitzsimmons」はバンドとしての初期衝動が復活したような傑作となっていましたが、今回のアルバムも前作に引き続き、THE HIVESらしい力強くも軽快なガレージサウンド、疾走感あるギターサウンドにもマッチするようなポップなメロディーラインが特徴的なガレージロックの楽曲が並んでおり、実に彼ららしいアルバムに仕上がっていました。
イントロを挟んで事実上の1曲目の「Enough Is Enough」はまさに彼ららしいガレージロック。力強いギターリフに、わかりやすくポップなメロディーラインが特徴的。シャウト気味でタイトルを連呼するサビも、一発で耳に残ります。続く「Hooray Hooray Hooray」もヘヴィーなサウンドにポップなメロが印象的。ちょっとメロディアスパンクっぽさも彷彿とさせます。
「Paint A Picture」も、疾走感あるAメロから、サビでは一転、テンポがゆっくりとなりライブではみんなでサビを歌い上げると気持ちよさそうな、ある種のスケール感のある楽曲。1分40秒と、このアルバムの中でも(インターリュードなどを除くと)一番短い「O.C.D.O.D.」はヘヴィーなハードコアパンクな楽曲になっています。
後半に入っても勢いは止まりません。「Roll Out The Red Carpet」は、シャウト気味のボーカルで、こちらもTHE HIVESの王道を行くようなガレージロック。一方、「Born A Rebel」はカウベルが軽快でリズミカルながらも哀愁たっぷりのメロがアルバムの中でインパクトになっていますし、「Path Of Most Resistance」ではニューウェーヴ的なギターやシンセを取り入れてアルバムにバリエーションを加えています。そしてラストのタイトルチューン「The Hives Forever Forever The Hives」も、シンセを取り入れて明るくポップなナンバーで締めくくられています。
アルバムは13トラックのうち、2トラックがイントロとインターリュードなので、事実上11曲入り33分。1曲あたり約3分程度というガレージロックバンドらしい短い楽曲を並べる聴きやすさも魅力的。今回もTHE HIVESらしさをベースとしつつ、その中にバリエーションを加えているアルバムとなっており、前作に引き続きの傑作に仕上がっていたと思います。特に活動再開後、バンドとして求められるものにしっかり答えつつ、そんな期待の中で新たな音楽性も模索している、ある意味、理想的とも言える作品が続いており、バンドとして一段階レベルがアップしたように感じます。アルバムタイトル的に、見方によってはこれが最後・・・なんて見え方もしてしまう点は気になってしまいますが、これだけ勢いのある状況なので、今後も活動は続けてくれるでしょう。THE HIVESのこれからも楽しみになってくる傑作でした。
評価:★★★★★
THE HIVES 過去の作品
The Black and White Album
LEX HIVES
Live At Third Man Records
The Death Of Randy Fitzsimmons


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